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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果56件

カテゴリー「普通」のレビュー

ヘヴィメタルといっても過言ではない位にハードでヘヴィなアルバム。前作「SURVIVE」で見られた「ハードさ」「ヘヴィネス」を更に推し進め、 少しリラックスしたアコースティックな数曲以外はアナログでハードなサウンドで埋め尽くされている。ミスター・ビッグ(Mr. Big)のメンバーがレコーディングに参加しておりテクニック面でも高度であると思われる、本作はハードロック的な音以外とはあえて距離を置いるかのような印象すらある。

唯一、非ハードロック的な要素として確認できるのは、「3 Brotherhood」「7 その手で触れてごらん」で聴けるような空間的でクリアなギターサウンド この要素はもしかするとV系の影響なのかもしれない?!と推測してみる。 それ位にソングライターである松本 孝弘(g)は幅広く様々な音楽をチェックしているという感想を筆者は持っている

    「要点」

  • ヘヴィメタルアルバムといっても過言ではない
  • ミスター・ビッグ(Mr. Big)のメンバーがレコーディングに参加
  • 空間系クリーンギターサウンドを導入

「曲解説」

1 F・E・A・R

前作よりタイトでパワフルなドラムが非常に目立つオープニング曲。ヘヴィロックといってもいい位に重低音が効いた歪んだ刻みギターリフが印象的で(2:06〜)稲葉浩志(vo)が相変わらずノリのよいシャウトを聴かせてくれる。本曲は過去のBzの曲で重要な要素となっていた煌びやかなキーボードやシンセ、キャッチーなホーンセクションなどが一切入っていない。
2 ギリギリchop

スラッシュメタルのような時速200kmレベルの疾走感を感じる曲。ギターサウンドは80年代スラッシュメタルのようなザクザクした歪みリフではなく、金属的なギラつきがありながらも松本 孝弘(g)らしいコクのあるトーンとなっている(2:15〜)浮遊感があり高速で回転するUFOを思わせる驚愕のベースソロが登場する。色んな意味で「なんだこのベースソロ?!と思いwikiをみるとまさかのビリー・シーン/ミスター・ビッグ(Mr. Big)(2:21〜)ギターソロもベースソロに負けないテクニカルな内容となっており光沢があるビームのような音色は高崎晃/ラウドネス(LOUDNESS)を思わせる。本曲も終始疾走するハードチューンとなっておりポップなテイストは一切ない。
3 Brotherhood

「神聖な雰囲気のある音色のアルペジオが印象的なパート」と「「乾いた空気感」を感じることができるハードサウンドなパート」で構成されるバラード。派手な歪みギターリフはなく全体のダイナミズムを重視している(4:48〜)ハードなサウンドが「ボタンをポチり」と押したようにガラリと神聖な雰囲気にかわる。この唐突な雰囲気の移行はどことなくオルタナっぽい。
4 ながい愛

LOVE PHANTOMにも通じるような重厚で真っ白なストリングスが流れるが、その空間をギターリフが黒く染め一気にヘヴィロックになる。Aメロ、Bメロ、サビで全て違うギターリフが弾かれるというギターリフオリエンテッドでやりたい放題なハードチューン。「Aメロ/不穏でダークな質感のエフェクティグなリフ」「Bメロ/煌びやかで開放的なラフなリフ」「サビ/ザクザク切り刻むハードリフ」(3:18〜)ハードなサウンドの残響を残す中でイントロでも流れたストリングスが一時流れるが、その空気を次は強烈に歪んだ汽車の音のようなギターサウンドが切り裂く。終盤はストリングとハードなサウンドが同居した展開となる。
5 夢のような日々

SEはプライベートのメンバー会話(wiki)乾いた空気感を感じるアコースティックソングでキラキラしたキーボードやドリームなオルガンがポップ感を与えてくれる(1:51〜)ギタリスト松本 孝弘(g)がサビを歌うというまさかの展開。5曲目にして非ハードロック/非ヘヴィメタルな登場して少しほっとする。
6 銀の翼で翔べ

タイトルからしてハードな曲をイメージするが、やはりハードな曲。うねるヘヴィなギターリフとそのリフの合間を縫うように鳴らされるパンチの効いたホーンセクションがキャッチー(2:18〜)ギターソロと並走する形でブルースハープのソロが鳴り響く。ハードな曲だがキャッチーでポップな質感もある。
7 その手で触れてごらん

「鏡の世界」のような透明感と浮遊感を感じる。U2のような空間系サウンドとダイナミックでハードなサウンドが同居している曲(2:28〜)ヒソヒソ話のような囁きが挿入され一時的に歪みが減少するが、すぐに更にハードになったサウンドが鳴り響き最後まで続く。
8 流れゆく日々

「「誰もいない部屋」のようなクリーンなアルペジオと「散歩」のようなゆったりとしたリズムで構成されるヴァース」と「ザラついた質感のギターサウンドとタイトでパワフルなリズム」で構成されるサビが中心となる。イントロや中間部で挿入されるフレーズは80年代ブリティッシュメタルのような聴いているだけで自分がRPGゲームの主人公になったような錯覚を味わえる叙情フレーズ(3:10〜)縦横無尽に駆け回る稲妻のようなテクニカルなギターソロが登場。全体を通してやはりPRGゲーム的メタル感を感じる曲
11 SHINE

哀愁のフラメンコギター(多分)によるイントロが印象的。その後は、ハードでダイナミックなサウンドに移行して底の方でうねるベースラインがこの曲に浮遊感を与えている(2:42〜)サークルの飲み会のような手拍子と歓声が挿入され、サビのボーカルラインはどことなくラテンの香りがする。本作を締めくくるにふさわしくハードで疾走感のある曲となっている。

ヘヴィメタルといっても過言ではない位にハードでヘヴィなアルバム。前作「SURVIVE」で見られた「ハードさ」「ヘヴィネス」を更に推し進め、 少しリラックスしたアコースティックな数曲以外はアナログでハードなサウンドで埋め尽くされている。ミスター・ビッグ(Mr. Big)のメンバーがレコーディングに参加しておりテクニック面でも高度であると思われる、本作はハードロック的な音以外とはあえて距離を置いるかの

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フー・ファイターズ(Foo Fighters)は非常にジャンル分けしにくいアーティストだと言える。それは色んな音楽要素が複雑に絡み合っているからではなくむしろ逆で、シンプルでかつ特定のバンドや特定のジャンルに対する明確な傾倒が見られないからである。持論だがシンプルな音を出しているバンドは影響やルーツがわかりやすい傾向にあるのだが、フー・ファイターズ(Foo Fighters)はその傾向に当てはまらないアーティストだ。

元ニルヴァーナ(NIRVANA)という重すぎる看板と十字架を背負っているデイブ・グロール(vo)は、どのような音楽性でフー・ファイターズ(Foo Fighters)をやっていくか相当悩んだと思われ、その苦悩はバンド名にも表れているように思う。Foo=whoと掛けているだろう多分、、苦悩の果てに彼らはポジティヴな意味で自分たちの「本能のままにハイエナジーなロックミュージックをやろう」という一点のみで音楽を作っているのだろう。いや、そうあっていてほしい。

    「要点」

  • ジャンルレスなハイエナジーロック
  • デイブ・グロール(vo)は元ニルヴァーナ(NIRVANA)

「曲解説」

2 Monkey Wrench

ドライブ感全開のノリノリなロックンロール。ワイルドなリフが全編で鳴り響き続ける(2:33〜)ギターソロ後はデイブ・グロール(vo)がこれまで以上にアグレッシヴなボーカリゼイションを聴かせ絶叫する。最後はうねるベースとギターがユニゾンしピタッとキレイに締める。
3 Hey, johnny Park

「ブーン、ブーン」とうねりまくるベースラインで幕をあける。そこからクリーンなギターサウンドとデイブのボーカルのみで構成される静かなパートになるが(1:05〜)弦楽器隊のスライドをきっかけにハードなサウンドに切り替わる。サウンドがハードになってもボーカルラインは「アグレッシヴなライン」と「メロウなライン」が地続きなグッドメロディー「ルゥールゥールゥ♪」というコーラスはとりわけメロウ。終盤は「ルゥールゥールゥ♪」というコーラスを連呼して終わる。
4 My Poor Brain

ソニック・ユース(Sonic Youth)彷彿の「ピィー、ピィー」というノイズで始まる曲。その後は透明感のあるアコギのアルペジオとコードバッキングの上をデイブ・グロール(vo)のファルセットによるメランコリックで儚げなボーカルラインが乗るが、その後ハードでドライブ感のあるハードなサウンドに切り替わる。メランコリックなパートは後でもう1回だけ登場するが、やはりまたハードな展開に切り替わり(2:00〜)「大空を支配する巨大な鳥」のようにゆったりと上空を舞うようなギターソロが聴ける(3:00〜)「brain!」というワードを絶叫して曲は幕を閉じる。
6 Up In Arms

夕暮れの海辺で佇むようなメランコリックで沈むようなボーカルラインが心地よい(0:50〜)口笛が鳴り一瞬のブレイクの後、手数の多いドラムを皮切りに軽やかなポップパンク風に切り替わる。デイブ・グロール(vo)のボーカルラインはさっきまでのメロンコリックな質感が嘘みたいにポップに弾けまくる。終盤は得意のドライブ感全開のハードサウンドで疾走する。
7 My Hero

変拍子のドラムに煌びやかなギターサウンドを中心に展開される(1:55〜)オクターブ奏法によるギターフレーズが登場。スマッシング・パンプキンズ(The Smashing Pumpkins)やジェーンズ・アディクション(Jane’s Addiction)などはオクターブ奏法を多投するが、フー・ファイターズ(Foo Fighters)からオルタナの影響が出るのは色んな意味で嬉しい(2:40〜)ドラムの連打から「これからが本番だろ」言わんばかりに一層ハードなサウンドとボーカルを聴かせる。
11 Everlong

デイブ・グロール(vo)のセンチメンタルなボーカルラインが印象的で「「UKギターバンド的な曇り空」のような音色が聴けるポップパンク」と彼らが得意とする「ドライブ感のあるハードなサウンド」を繰り返す曲(3:04〜)ハードなサウンドがピタリと止まり「梅雨の夜」のような静寂パートが現れる。だが、すぐに各パートの熱量が急激に上がり始めうねりハードなサウンドがまた鳴り響く、最後までこのテンションは続き突っ走る。

フー・ファイターズ(Foo Fighters)は非常にジャンル分けしにくいアーティストだと言える。それは色んな音楽要素が複雑に絡み合っているからではなくむしろ逆で、シンプルでかつ特定のバンドや特定のジャンルに対する明確な傾倒が見られないからである。持論だがシンプルな音を出しているバンドは影響やルーツがわかりやすい傾向にあるのだが、フー・ファイターズ(Foo Fighters)はその傾向に当てはまら

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アルバムジャケットに映るメンバーの写真からは同世代バンド達のような「エッジ」や「シュール」を感じることはなく100% 「素」である。ボーカルのリヴァース・クオモ(vo)は昔ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N’ Roses)に憧れていたそうだ(wiki)グランジ旋風が吹き荒れていた当時「人間には色んな意味で向き不向きがある」ということを彼らはいち早く察知したのだろう。

ウィーザー(Weezer)の音楽はグランジでもオルタナでもヘヴィロック系でもない。ギターサウンドのトーンは「どんよりした晴れ」というイメージで、尖っている同世代バンドのような「象徴的な音やフレーズ」があまりない。だがしかし、「ビートルズ的なハーモニー」や「爽やかさ」「メルヘンな雰囲気」など他の同世代バンドが色んな意味で手を出しづらところを自然体で取り入れている点がウィーザー(Weezer)の個性と言える。ウィーザー(Weezer)の音楽には「絶望」も「ヘヴィネス」も「過剰なメランコリック」もない。ただただシンプルで自然体なギターロックである。

    「要点」

  • サウンド・ルックス的に100%「素」
  • ビートルズ的なハーモニーや爽やかさがある

「曲解説」

1 My Name is Jonas

「スピード感のあるオルゴール」のようなアルペジオで幕をあける。メインリフはざっくりとしたウォームな響きでグランジやヘヴィロックのようなエッジのたったものではなく「どんよりしたな晴れ」のようなトーンになっている(2:02〜)リヴァース・クオモ(vo)の「yeah!」という掛け声の後にリズムがタイトなエイトビートになり疾走する。終盤は(2:42〜)ハーモニカの音色が流れて曲にレトロな哀愁を加味する。
2 No One Else

ざっくりしたリフが鳴り響くシンプルなミドルテンポの曲(1:22〜)初期ビートルズのようなメロウなハーモニーによるサビのボーカルラインが素晴らしく(1:58〜) ギターソロは「少し肌寒い春風」のような爽快さを感じる。歌詞の内容は思春期の恋愛における束縛をテーマにしていると思われる。
3 The World Has Turned and Left Me Here

「ゴォォ」と鳴り響くプチ轟音ギターの上を「メリーゴーランゴに乗っている」ようなメルヘンなアルペジオがクルクル回り曲がはじまる。プチ轟音ギターは終始鳴り響きUKバンドのようなメランコリックさを感じ、またサビのボーカルラインはやはりメロウで良質(4:08〜)微かなハウリング音が鳴り響き「夢から覚める」ように曲は終わる。
5 Undone –- The Sweater Song

冒頭は「真夏の月」のようなダークで少しキラキラしたアルペジオが淡々と鳴り続ける(0:52〜)気怠いボーカルラインと少し遅れたリズム感のあるハードなギターサウンドが鳴り響く。このハードなギターサウンドは最後まで続いていく(3:38〜)壊れた質感のノイズギターが顔を出すがノイズの上に「フゥゥ〜♪」というコーラスを入れるところがこのバンドらしい。最後はサンプリングされたピアノの音やバイクのエンジン音など様々な音が挿入され静かに終わる。
7 Say It Ain’t So

冒頭はジャジーな渋い雰囲気の中、アダルトで囁くようなリヴァース・クオモ(vo)のボーカルラインが聴ける。開始からしばらく経ち「渋い曲も1曲くらいあってもいいな」と思っていた矢先(1:14〜)空気を引き裂くようなハウリングとハードなギターサウンドが鳴り響きラウドな展開になる。「ジャジーな展開」と「静を切り裂くラウドな展開」で構成される曲となっている(3:15〜)「空にむけて光を放つ」ような音色の泣き系ギターソロが登場。「静」→「動」のダイナミズムを生かしたアプローチなど本作の中で同世代のバンド達に最も近い匂いがある曲。
9 Holiday

ダイナミックで雄大なボーカルラインが印象的でハードなギターサウンドが全面に出てくる(1:38〜)ハードなサウンドが一時的に「ベースラインと指パチンと独り言のようなボーカルライン」のみの構成に変化するが(2:08〜)ハウリングが鳴り響くのを皮切りにしてハードなギターサウンドが再開される。最後はハウリングが鳴り響く中、「光に包まれる」ようにして終わる。

アルバムジャケットに映るメンバーの写真からは同世代バンド達のような「エッジ」や「シュール」を感じることはなく100% 「素」である。ボーカルのリヴァース・クオモ(vo)は昔ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N’ Roses)に憧れていたそうだ(wiki)グランジ旋風が吹き荒れていた当時「人間には色んな意味で向き不向きがある」ということを彼らはいち早く察知したのだろう。 ウィーザー(W

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シンプルなリズムアプローチはほとんどなく変拍子やトライバルなリズムがデフォルトになっており、90年代ヘヴィ系バンドの中でも有数にクセの強いバンドだと思われる。また電子音楽やマニアックなリズム音楽にも精通しているであろう実験的な音と展開、ヘヴィなギターリフなども聴かせてくれるが他のヘヴィ系バンドと比べると非常にアニアックな印象を持つ。

プログレと一言で言うのは簡単なのだが良くも悪くもとらえどころがなく、「ダイナミックなサウンドになったと思えばすぐにしれっと淡々とした展開に戻る」etc形容や気分の設定が困難な微妙な音色が多く非常にレビュアー泣かせとも言える。正直に言うと一聴しただけではよく分からないというのが本音である。ただし、本作は全米初登場2位を記録したヒットアルバムである。わかる人にはわかるとタイプの音楽なのだろう。

    「要点」

  • 複雑なリズムアプローチ
  • マニアックなヘヴィロック

「曲解説」

2 Eulogy

「グラスを指で叩いた」ような「コツ、コツ」というミニマムテクノ風な音から始まる。そこに「モザイクの掛かったカラスの鳴き声」のような効果音やトライバルな打楽器の音が入るという他のヘヴィー系バンドでは中々、見られることができない展開。「歪んだギターサウンドを生かしたヘヴィなパート」と「様々な効果音やミニマムなアルペジオをフィーチャーした静のパート」を繰り返す曲。
3 H.

ディープに歪んだ残響のようなイントロを経て、微妙に掠れたクリーンなアルペジオが流れる。そしてその上を「メロディーのある祈り」のようなボーカルラインが乗る。本曲もリズム面はトライバルな打楽器風である(2:44〜)ディストーションギターが鳴り響き一瞬ハードなサウンドになるのだが、すぐに元のトライバルなリズムアプローチが淡々と進行するパートに戻る(4:47〜)メイナード・ジェームス・キーナン(vo)のシャウトをきっかけにハードな音が一斉に流れ込み、ギターソロはこれまで抑制していた感情を爆発させるかのうようなノイズギターが炸裂する。
5 Forty Six & 2

ミステリアスでクリーンなアルペジオとオリエンタルな雰囲気のギターフレーズが絡み進行される。やはりボーカルラインはどこか「祈り」のように聴こえる(1:55〜)ヘヴィなリフとシャウトが炸裂。その後は「ヘヴィなパート」と「オリエンタルなパート」がパズルのように組み合わされた展開となる。
9 Die Eier von satan

サイバーな質感の音の断片で構成されるイントロが実験的で「原始の宴を近未来風にアレンジ」したような曲。

シンプルなリズムアプローチはほとんどなく変拍子やトライバルなリズムがデフォルトになっており、90年代ヘヴィ系バンドの中でも有数にクセの強いバンドだと思われる。また電子音楽やマニアックなリズム音楽にも精通しているであろう実験的な音と展開、ヘヴィなギターリフなども聴かせてくれるが他のヘヴィ系バンドと比べると非常にアニアックな印象を持つ。 プログレと一言で言うのは簡単なのだが良くも悪くもとらえどころがな

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金属的なリズムと「冷徹なマシン」を思わせる歪んだギターサウンドが特徴HR/HMとは明らかに異なり「ハード」「ヘヴィ」などという形容詞はあまり似合わない。人の温かさや鼓動を全く感じさせない「無機質で冷たい音像」は破壊を楽しむロボットのような不穏さを感じる。

この「無機質な冷たさ」は80年代ヘヴィミュージックと90年代ヘヴィミュージックを分ける重要なポイントであり、またインダストリアルロックは日本のカリスマ的アーティストやバンドにもインスピレーションを与えており、hide(X JAPAN(エックスジャパン))、BUCK-TICK(バクチク)、THE MAD CAPSULE MARKETS(ザ・マッド・カプセル・マーケッツ)などに多大な影響を与えた。ミニストリー(Ministry)やナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)が築いたインダストリアルな質感がなければ、今日のヘヴィロックシーンは全く別のものになっていたと思われる

    「要点」

  • 金属的で無機質な冷たさ
  • hide、BUCK-TICKなどに多大な影響

「曲解説」

1 N.W.O.

「ドド、ドド」というシンプルなマシンビートの上に「金属を砕いた」ような音やセンサー音が渦巻き不穏な空気を醸し出す。時折、「空気を切り裂く叫び」のようなノイズが鳴り響く曲で80年代メタルには見られない凶暴さを感じるオープニング。
2 Just One Fix

「銃の乱射」のような音が鳴り響く物騒なイントロからスラッシュメタルのようなヘヴィなザクザクギターと「サイレン」のような高音ノイズが鳴り響き、サンプリングされたヒステリーな叫び声が四方八方から聴こえては消える。またボーカルは激しく歪んで「呪縛」のような怪しさがありダークなヘヴィロック的「おどろおどろしさ」ではなく、「不穏」という言葉がピッタリなサウンドといえる。
4 Hero

「人の温かみや鼓動を一切感じないマシン」のような質感の高速スラッシュメタルリフが終始鳴り響き、時折、「Hero!」という歓声のような声が挿入される。中間部では早弾きのギターソロも披露され本アルバムの中で最もメタル要素が強い曲(3:38〜)「早送りしていたビデオテープがピタッと止まった」ような細切れのブレイクが数回入り意表を突かれる。
5 Jesus Built My Hotrod

マシンのようなギターリフが鳴り響き、エフェクトのかかったボーカルはhide/XJAPANに近いものがある。hide/XJAPANはミニストリー(Ministry)に相当影響を受けているに違いない(2:40〜)金属的なマシンビートが強調される展開となり淡々と進行される。終盤は複数のギターが複雑に絡むジャンクで疾走感のあるサウンド。
7 Corrosion

アバンギャルドなノイズと金属的なマシンビートを中心に進行する曲。「野獣の叫び」のような「Corrosion」という凶暴なシャウトを連呼(2:07〜)リズムがバグりはじめ線切りのような「ザザザザ」という高速のリズムが挿入される。この曲でも「不穏なサイレン」のようなフレーズが登場し不穏な空気感を醸し出す。複雑に重ねられた金属的なノイズのぶつかりが最後まで続く。

金属的なリズムと「冷徹なマシン」を思わせる歪んだギターサウンドが特徴HR/HMとは明らかに異なり「ハード」「ヘヴィ」などという形容詞はあまり似合わない。人の温かさや鼓動を全く感じさせない「無機質で冷たい音像」は破壊を楽しむロボットのような不穏さを感じる。 この「無機質な冷たさ」は80年代ヘヴィミュージックと90年代ヘヴィミュージックを分ける重要なポイントであり、またインダストリアルロックは日本のカ

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