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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果57件

カテゴリー「傑作」のレビュー

80年代USアンダーグラウンドシーンを代表するバンドソニック・ユース(Sonic Youth)実験的でシュールな絵画を見ているような錯覚に陥るアバンギャルドなギターサウンドをギターロックに反映させたエポックメイキングなバンドであると同時に、ニルヴァーナ(Nirvana)やダイナソーJr.(Dinosaur Jr.)を「発掘」した名スカウトでもある。

「壊れた質感」「ノイズを音響として活かしたサウンド」「ありえないコード進行の不穏な響き」などの特徴を持つ音楽性。90年代におけるグランジ・オルタナギターロックの台頭はソニック・ユース(Sonic Youth)なしでは考えられない。本作はメジャーレーベル移籍後にリリースされた第一弾アルバムだが、「油絵」のようにぼやけた音響やアバンギャルドなノイズサウンド満載でシュールとしか言いようのない異空間を作り上げている。ポップではないしリスナーを選びまくる作品であることは間違いないが、ポップソングとしてギリギリのギリギリのラインで成立している(2.・3曲成立していない曲もある)

    「要点」

  • アバンギャルドなギターサウンド
  • シュールとしか言いようのない異空間
  • ニルヴァーナ(Nirvana)を「発掘」

「曲解説」

1 Dirty Boots

オリエンタルな雰囲気のミニマムなベースフレーズを中心に進行する曲でサーストン・ムーア (g, vo)は話すようなテンションで淡々とメロディーを歌い上げる(2:35〜)「重い扉を開ける」ようなギターノイズが鳴り響き壊れた展開に移行するとさっきまでのテンションが嘘のようにサーストン・ムーア (g, vo)が「Dirty Boots」というフレーズを連呼。また横殴りの雨のようなノイズギターが飛び出し混沌とした雰囲気となる。 終盤はオリエンタルな響きのギターサウンドが響く展開だが(4:50〜)水面に浮かぶ揺れる炎のようなメロウな展開になり静かに終わる。
 2 Tunic (Song for Karen)

 「油絵」のようなノイズギターが終始鳴り響く浮遊感を感じる曲でキム・ゴードン (b, g, vo)のボーカルは語りのよう(3:40〜)ノイズは真っ白な霧になり視界を防ぐ。ノイズはその後も様々な変化を見せ、曲に色彩を加える。
 3 Mary-Christ

 教会の鐘が鳴り響く神聖な空気感をノイズギターがバッサリと切り裂くイントロ。ノイジーでミニマムなリフを繰り返すソニック・ユース(Sonic Youth)流リフロック(1:20〜)「ピィ〜ピィ〜ピィ〜」と「アバンギャルドの極致」のような音が登場する。
 5 Mote

 「高速回転する竜巻」のようなノイズが縦横無尽に暴れる(3:23〜)スローなテンポになり静寂に包まれる中、複数のアンプのハウリングが響きはじめ「この世の果て」のようなカオスな様相を呈する。この後も「不穏なハウリングが響き続けるだけ」の展開が続くマニアックな曲。
 8 Mildred Pierce

 強烈に歪んだベースラインと効果音のような煌びやかなギターサウンドが絡み疾走する。ソニック・ユース(Sonic Youth)の曲の中では圧倒的にシンプルな曲だと思っていた矢先(1:38〜)狂気じみた絶叫と共に「目に映る全てを破壊する」凶悪なノイズが渦巻く。本作の中でも最も意外性のある曲。

80年代USアンダーグラウンドシーンを代表するバンドソニック・ユース(Sonic Youth)実験的でシュールな絵画を見ているような錯覚に陥るアバンギャルドなギターサウンドをギターロックに反映させたエポックメイキングなバンドであると同時に、ニルヴァーナ(Nirvana)やダイナソーJr.(Dinosaur Jr.)を「発掘」した名スカウトでもある。 「壊れた質感」「ノイズを音響として活かしたサウン

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「陰鬱」で「ノイズまみれ」で「プログレ」だが「美」を感じる事ができる作品。ナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)はインダストリアル的な冷たさと無機質さも持っているが多くの曲でリスナーの感情に訴えかける音の絡みやボーカルラインが存在する。

「ノイズ」や「ヘヴィリフ」が鳴っている時間や頻度は他のヘヴィ系バンドに比べると少ないと思われるが、ナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)の音楽は破壊的であるという印象をもつ。なぜ?!そのような印象を持つのかというとそれは1つ1つのフレージングが実に「過剰」だからである。

「1 Mr. Self Destruct」で聴けるリスナーの聴覚を狂わせるような「ノイズにノイズにノイズを重ねた」ノイズなどが最も分かりやすい例だと思える。「過剰なノイズ」が鳴り響いた後の静けさは「過剰」である。ぶっ飛んだ音で「狂気」と「静けさ」を表現する。それがトレント・レズナー(vo)というアーティストだと思う。

    「要点」

  • V系アーティストに多大な影響
  • 陰鬱でノイズまみれだがポップミュージックとして成立
  • 聴覚が麻痺るノイズにノイズにノイズを重ねたノイズ

「曲解説」

1 Mr. Self Destruct

タイトルの和訳は「ミスター自己破壊」で本作の凶暴さを詰め込んだようなオープニングナンバー。銃の発砲音と男の「フッ、フッ」という声が繰り返されるSEではじまり「螺旋階段を思わせる渦巻き」のようなノイズが終始鳴り響く(1:40〜)ノイズにノイズを重ねて歪ませたような「壮絶」という言葉がピッタリのサウンドがこれまで以上の激しさでリスナーの耳を刺激するが、突如として「暗い迷路に迷い込んだ」ようなダークな静寂がおとずれる(2:43〜)静寂の中に金属的なノイズがうごめき破壊的な展開を予感させる。その後はノイズにノイズにノイズを重ね合わせてリスナーから耳の感覚を奪うような「ノイズの海」が鳴り響く。そして最後は「電気ネズミ」のように動きまくるノイズが鳴り響き曲は終わる。
2 Piggy

シンプルなリズムとトレント・レズナー(vo)の語りのようなボーカルラインを中心に進行。薄いベールのようなシンセ音と「遠くのほうで炎のように燃え上がる」不穏なノイズが神聖な雰囲気を醸し出す(3:05〜)「突如、何かが壊れた」かのようにリズムがひどく狂いはじめ(3:22〜)ぶっ壊れたリズムの上を「暗闇を照らす僅かな光」のような電子音が淡い旋律を奏でる。しっとりダークな雰囲気の曲で破壊的な音は一切入っていないのだが、曲が終わる頃には激しい音楽を聴いたような錯覚を味わえる。
3 Heresy

浮遊感のあるミニマムテクノのようなフレーズで幕をあけ、そこにホラーテイストのボーカルが不穏なボーカルラインを奏でる(0:50〜)強烈に歪んだ絶叫と共にノイズが鳴り響きラウドな音に切り替わる。金属的でヘヴィな音に支配される凶暴な曲でトレント・レズナー(vo)も度々絶叫するのだがボーカルラインはしっかりと耳に残っている。
4 March Of The Pigs

「行進」を思わせる規則正しいビートがインダストリアル。鬼気迫る絶叫とエフェクトを掛けた声で歌われる「早口の呪文」のようなボーカルラインがインパクト大。早口の呪文歌唱は日本ではhide(X JAPAN(エックスジャパン)に引き継がれている(1:15〜)四つ打ちのリズムとホラーテイストの不穏なシンセが鳴り響く中で唐突、現れる美しいピアノに意表をつかれる(1:25〜)一瞬のブレイクした後、インダストリアルノイズが鳴り響き暴走をはじめる。ノイズと絶叫で全てを破壊し尽くした後にまたしても美しいピアノが現れる。最後はこれまでの絶叫が嘘のようなメランコリックで美しいボーカルラインで締めくくられる。
7 The Becoming

インダストリアル加工されたオリエンタルなテクノポップというイメージ。分厚いベースラインが曲に立体感を与える(2:24〜)鬼気迫るエモーショナルな絶叫が空気を切り裂く(2:46〜) 突如、軽快なアコギフレーズが鳴り牧歌的な雰囲気になる。このままアコースティックな展開が続くかとと思った矢先(3:35〜)「目的地を見失ったタイムマシン」のようにトラブルった電子音が鼓膜を刺激(4:04〜)ゴリっとしたソリッドなリフとヒステリーなボーカルが狂気を演出。その後、再び軽快なアコギフレーズが鳴り牧歌的な雰囲気に戻ると最後は「電子の海」のような柔らかいノイズにつつまれ終わる。
8 I Do Not Want This

冷徹で規則正しいインダストリアルビートの上を耽美的で終幕感のあるピアノ旋律が舞い踊る冒頭(1:04〜)コーン(Korn)と共振するようなヘヴィなリフが登場。そして、その上にまくしたてるようなトレント・レズナー(vo)のボーカルが乗る。美しい旋律とそれを切り裂く破壊的なサウンドがタペストリーのように絡み合う曲(3:35〜)リスナーの脳みそごと吹き飛ばすかのような強烈なノイズが鳴り響き、その後は実験的な歪みとトレント・レズナー(vo)のシャウトによってカオスの様相を呈する。
10  A Warm Place

スティーヴ・ライヒのようなミニマムな音響と「深海」のようなディープな電子音だけで構成された曲。これまでの過剰でノイズまみれの展開が嘘のように透明に輝くクリスタルのようなテクスチャーがある。この曲の有無でアルバム全体の印象は大きく変わったと思われる。色んな意味で救いの1曲。
14  Hurt

透明なアルペジオと空間を震わせる薄いノイズをバックにトレント・レズナー(vo)が美しくエモーショナルなボーカルラインを歌い上げる(3:45〜) エレクトリックで原始的な太いリズムが曲に躍動感を与え(4:30〜) 強烈に歪んだギターサウンドが一瞬だけ鳴り響き曲は激変する。そのギターサウンドはその後不穏なノイズに姿を変え曲を最後まで支配し続ける。アルバム最後の曲だから美しいバラードだろうというリスナーの期待を良い意味で裏切る曲。

「陰鬱」で「ノイズまみれ」で「プログレ」だが「美」を感じる事ができる作品。ナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)はインダストリアル的な冷たさと無機質さも持っているが多くの曲でリスナーの感情に訴えかける音の絡みやボーカルラインが存在する。 「ノイズ」や「ヘヴィリフ」が鳴っている時間や頻度は他のヘヴィ系バンドに比べると少ないと思われるが、ナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch

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名作アルバムが多数リリースされた91年にリリースされた今作はレッド・ホット・チリ・ペッパーズ(Red Hot Chili Peppers)というバンド名を聞いて連想する音楽のベーシックが詰まったアルバムとなっている。

哀愁と透明感を感じるギターのカッティングと下からグイグイとファンキーに攻めるベースのスラップとパワフルなドラムからなるリズム隊、アグレッシヴなラップから美しいバラードまでをサラッと歌い上げるアンソニー・キーディスという完璧なバランスがここにはある。グランジ、オルタナ全盛期の90年代前半で彼らのファンクネスは異彩を放っておりそれを見事にポップ・ミュージックに落とし込んでいる点が素晴らしい。

    「要点」

  • レッチリクラシックなアルバム
  • 90年代前半に異彩を放ったファンクネス

「曲解説」

1 The Power of Equality

囁くような「1,2,3,4」というカウントから始まるオープニング曲。透明感のあるクリーンな音色のギターカッティングとその合間を縫ってズンズンと立体感のある音で攻めてくるベースラインそこにアグレッシヴで少しコミカルなアンソニー・キーディス(vo)のラップが絡む(3:03〜) 吹奏楽器を歪ませたような空間的広がりを見せるギターサウンドが登場、「海辺で寝そべっている」ような開放感と直線的なロック感を感じる事ができる。
2 If You Have to Ask

少し歪んだクランチでミニマムなカッティングが終始鳴り響き、サビでは「If You Have to Ask♪」というコミカルな女性コーラスが挿入され曲に開放感とポップ感を与えている(2:30〜)ギターソロはビンテージでコクのあるノイズプレイという感じで「海中の泡」のように煌びやかに揺らめく。ギターソロ後はサンプリングされた歓声が挿入されリズミカルでリラックスしたフリーのベースフレーズで曲は幕を閉じる。
5 Suck My Kiss

これぞレッチリというファンキーな曲だが微かなオルタナ感もある。輪郭のはっきりした太い音色でプレイさせるミニマムなギターリフとタイトで躍動感のあるリズムアップローチが絡む(2:25〜)ギターソロは壊れた質感のノイズプレイとった趣で歪んだトランペットのようにも聴こえる。
6 I Could Have Lied

「雨上がりの早朝」のような透明感とメランコリックな雰囲気を感じるアルペジオと「冷静な語り」のようなアンソニー・キーディス(vo)のボーカルが中心となり展開される。時折、挿入される透明でタイトなコードストロークがアクセントになっている(1:57〜)「梅雨」のような湿った質感と枯れた音色が同居しているかのようなギターソロが聴ける。
9 Give It Away

レッチリクラシックなファンクソングに電子音で色彩をつけてポップなテイストを加えている曲。「舌がもつれそうな早口」で連呼される「Give it away give it away give it away now」というフレーズは不思議なキャッチーさがあり(1:44〜)浮かんでは消える蜃気楼のようなサイケな電子音が少しオリエンタルな雰囲気を醸し出している。
11 Under the Bridge

哀愁漂うブルージーさと透明感が同居した雰囲気の曲。そこにアンソニー・キーディス(vo)のしっとりした歌声が絡み、過去の自身の過ちに対する後悔とそれでも自分を見捨てないでいてくれた天使の街(LA)に対する愛情を歌っている。

名作アルバムが多数リリースされた91年にリリースされた今作はレッド・ホット・チリ・ペッパーズ(Red Hot Chili Peppers)というバンド名を聞いて連想する音楽のベーシックが詰まったアルバムとなっている。 哀愁と透明感を感じるギターのカッティングと下からグイグイとファンキーに攻めるベースのスラップとパワフルなドラムからなるリズム隊、アグレッシヴなラップから美しいバラードまでをサラッと歌

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「ハードなサウンド」と「アグレッシヴなHIP HOP」の融合という発明が詰まった作品。80年代にも「ヒップホップグループ」とHR/HMバンドとの合体はあったがグランジ以降の壊れた質感と90年代的なストリート感をもった「ハードなギターサウンド」と「アグレッシヴなHIP HOP」の融合は彼らが元祖だと思われる。

スタイルとしてのラップというより怒り狂ったラディカルな言葉を吐き出す為の「手段としてのラップ」という印象を受けるし、また彼らの怒りや焦燥感を表現するためには「ハード」で「ヘヴィ」なサウンドは必然だと思われる。要するに彼らのサウンドスタイルは「音楽的な斬新さ」を求めた探求の結果ではなく、自分たちのやりたいことを最も自然な形に落とし込む為の結果論と言っていいと思う。本作のリリース後、彼らのスタイルの表層部分を真似たバンドが大量発生したが、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)の持つ空気感やテンション迫るバンドは存在しない。

    「要点」

  • 「ハードなサウンド」と「アグレッシヴなHIP HOP」の融合
  • モノマネバンドが大量発生
  • 鋼鉄リフと特殊でアバンギャルドなギタープレイ

「曲解説」

3 take the Power Back

ブンブンとしなる分厚いベースラインとその合間を縫うように展開されるギターリフを中心に展開される。ギターソロは「スプリングのおもちゃ」を連想するユニークなタイミング(5:05〜)一時の静寂の後に訪れる本曲最大の見せ場。一層ハードさを増すサウンドと「撃ちまくるマシンガン」のようなザック・デ・ラ・ロッチャ(vo)のアグレッシヴなラップが炸裂。
4 Settle for Nothing

広い荒野のような静けさに不気味なサイレンのような音が鳴り響くイントロ(0:40〜)あえて抑制しているかのような単調なアルペジオが流れ、その上を「怒気を含む語り」のようなラップが乗る(1:00〜)これまでの静けさを吹き飛ばすような怒り狂っている絶叫とタイトなドラムが鳴り響く。「静寂」と「怒り狂ったサウンド」が交互に繰り返されるグランジ的展開の曲。1回目の「怒り狂ったパート」ではギターは一切登場しないが特殊系ギタリスト/トム・モレロ(g)がこのまま大人しくしているわけもなく、2回目3回目の「怒り狂ったパート」で「この世の終幕を告げる狂ったサイレン」のようなヤバイ音を聴かせてくれる。
5 Bullet in the Head

「鋼鉄を簡単に引き裂く真っ赤なレーザー」のようなエフェクティヴなリフや「瞬間移動」のような「ピィーピィー」というシュールなギタープレイと武装化した70年代風ハードロックリフの対比が面白い曲(4:28〜)一層アグレッシヴになるサウンドの中、ザック・デ・ラ・ロッチャ(vo)が「Bullet in the Head」(頭の中の弾丸)というフレーズを怒り狂ったテンションで連続シャウトする。最後は「24時間稼働でミサイルを作り続ける工場」のようなタイトなリズムで終わる。
7 Wake Up

退廃的なストリートのような空気感をもつ曲。早口で甲高いアグレッシヴなラップと狂ったように繰り返される「Wake Up」というシャウトなど本曲でもザック・デ・ラ・ロッチャ(vo)は暴れまくり、そしてやはり怒っている。DJのスクラッチのようなプレイや「難解なパズル」のようなモザイクがかったギターソロは必聴。曲の最後には「死ぬまで一生追いかけてくる冷徹なレーザービーム」のようなアバンギャルドの極致と言えるギターサウンドが鳴り響く。
10 Freedom

耳に残るメインリフと鋼鉄のリズムがシンプルにリフレインされる。ギターソロの後はメインリフに変化が見られ「これまでのリフ」を逆さにして弾いているかのうようなフレーズとなる(3:43〜)一瞬の静寂の後「これからが本番」と言わんばかりにラウドになるサウンド。最後は「Freedom Yeah」という壮絶な絶叫とバグりまくったハウリングで締めくくられる。

「ハードなサウンド」と「アグレッシヴなHIP HOP」の融合という発明が詰まった作品。80年代にも「ヒップホップグループ」とHR/HMバンドとの合体はあったがグランジ以降の壊れた質感と90年代的なストリート感をもった「ハードなギターサウンド」と「アグレッシヴなHIP HOP」の融合は彼らが元祖だと思われる。 スタイルとしてのラップというより怒り狂ったラディカルな言葉を吐き出す為の「手段としてのラッ

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グランジの影響が非常に強く性急で畳み掛けるようなギターサウンドが特徴だった1stアルバムからまるで別人のような進歩を遂げた2ndアルバム「The Bends」1stアルバムの延長線上のような曲はほとんどなく、静と動はもちろん喜怒哀楽の全てをダイナミックに表現できてしまうトリプルギターサウンドが冴え渡る。

本作こそがレディオヘッド(Radiohead)の最高傑作というファンも存在する程のクオリティを誇る。ピクシーズやソニックユースに影響を受けたと思われる壊れた質感を持つ重厚なギターサウンド、アコースティックな響きを持つ新機軸、グランジ・オルタナを経たゴスのような曲など収録曲はバラエティーに富んでいる。トム・ヨーク(vo ,g)という人は明らかに「ジョンレノン」や「カート・コバーン」同様に選ばれた人間だけが持つ声をしている。

    「要点」

  • エモーショナルギターロックの傑作
  • 喜怒哀楽全てを表現するトリプルギター

「曲解説」

1 Planet Telex

上空を連想するSEからはじまるオープニング曲。前作にはないミニマムな電子音が鳴り響きギターロックと並行。空を飛んでいるかのような浮遊感を感じる事ができるサウンドになっている。
3 High and Dry

レディオヘッド(Radiohead)の曲の中でも屈指の名曲。歌詞の内容は「人と繋がるために偽りの自分を演じている主人公がいつか自分は見放されるのでは?」と怯えている曲。SNS登場以降の「人にどう思われるか?」を過剰に重視する現在人を皮肉っているかのような歌詞だが本作が発売されたのは95年。
4 Fake Plastic Trees

シンプルなアコギのストロークと微かなにあかりを灯すような電子音の上をトム・ヨーク(vo)がエモーショナルに歌い上げる名曲。
5 Bones

「踏切の音のようなギターフレーズがリフレインされ淡々と進行するパート」と「エモーショナルでダイナミックなギターロック」が交互に繰り返される曲。やはりこの曲でも空を飛んでいるかのような浮遊感を感じる事ができる。歌詞の内容は「以前、当たり前に出来ていた事が出来なくなった主人公の喪失感とそれを他人事だと思っている人たちに対する警告」のような内容。
6 Nice Dream

ノスタルジーな雰囲気のする軽やかなアコギのストロークとストリングスを中心に展開される。本曲のハイライトは(2:30〜)始まるギターソロで最小限の手数で見事なアクセントとなっている。
7 Just 8 My Iron Lung

「静」→「動」でダイナミズムを強調するオルタナ的展開は完全にマスターしたと言わんばかりの2曲。事実、このアルバムを最後に彼らはオルタナ的展開を一切使わなくなった。ジョニー・グリーンウッド(g)による壊れまくったオルタナギターソロは必聴。

グランジの影響が非常に強く性急で畳み掛けるようなギターサウンドが特徴だった1stアルバムからまるで別人のような進歩を遂げた2ndアルバム「The Bends」1stアルバムの延長線上のような曲はほとんどなく、静と動はもちろん喜怒哀楽の全てをダイナミックに表現できてしまうトリプルギターサウンドが冴え渡る。 本作こそがレディオヘッド(Radiohead)の最高傑作というファンも存在する程のクオリティを

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