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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果57件

カテゴリー「傑作」のレビュー

透明感溢れるakkoの歌声を全面に押し出した良質なポップソングが多数収録されているマイ・リトル・ラバー(My Little Lover) のデビューアルバム。

UKギターポップや北欧のメルヘンなポップミュージックのようなメロウネスがサウンドの特徴であり、ボーカルラインは「流れるようなメロディー」は少なめで割と淡々としたラインが多いのだが「稀に見る透明感」をもつakkoの歌声と奇跡の相性をみせ圧倒的にポップに鳴り響く。「5 Hello, Again 〜昔からある場所〜」のシリアスな歌詞をakko以外のボーカリストが歌った場合、良くも悪くも「暗さ」「重さ」が強調された曲となると思われる。この「他のボーカリストが歌った場合、そこまで売れないのでは?!感」はスピッツ(SPITZ)草野マサムネに通じるところがある。

    「要点」

  • ・稀に見る透明感をもつakkoの歌声
  • ・「5 Hello, Again 〜昔からある場所〜」をakko以外のボーカリストが歌った場合、良くも悪くも「暗く重たい」曲となるはず

「曲解説」

1 Magic Time

「すべてがブルーに統一された部屋」のような冷たさと「どこまでも広がる草原」のような雄大さが同居しているオープニングソングでタイトル通りにakko(vo)が「チクタク、チクタク」と時を刻む。
2 Free

早足のカッティングギターと北欧の吹奏楽器が奏でる牧歌的な音色が印象的なメロウなポップソング。歌詞の内容は「自由とは一体なんなだろう?!」という「パズルで迷路な問いかけ」をJ-POP的にアレンジしたようなイメージである
3 白いカイト (Album Version)

ドリーミーな浮遊感と「賑わう街角」のような華やかさが同居している曲でボーカルラインは派手なものではないが、akko(vo)の「透明感の塊」のような声と最高の相性をみせ一度聴くと頭にメロディーがインプットされる。「白いカイト」というワードから「地球と話」「宇宙とダンス」などのイメジネーション溢れるフレーズがサラッと閃く小林武史のセンスは秀逸としか言いようがない
5 Hello, Again 〜昔からある場所〜

スピッツ(SPITZ)の名曲「ロビンソン」と並ぶ90年代ギターポップの神曲。歌詞は「10代特有の重い恋愛感情」をテーマにしたシリアスなものとなっている。この暗く重い歌詞とakko(vo)の透明な歌声が抜群の相性をみせ奇跡のポップネスを得ている。この曲を男性ボーカリストが歌った場合、良くも悪くも「沈むような暗さ」が強調された曲となるだろう。
6 My Painting

「不思議の国」のようなメルヘンを感じる可愛いポップソング。サウンドは「歪んだギターサウンドの断片」と「優雅なストリング」を中心にシンプルに纏められている。
7 暮れゆく街で

「夏の星座」のような美しい旋律が「深夜の海」のような暗闇の中で輝くバラード。リズムアプローチは「鼓動」のように規則正しいものとなっている。歌詞はakko(vo)が担当しており過去の切ない恋愛経験を「独白」のようにシリアスに淡々と歌い上げる。
9 Man & Woman

華やかなホーンセクションをフィチャーしたポップソング。「気持ちは言葉だけでは伝わらないから積極的になれ」とリスナーに提案する歌詞はど直球ではあるが、そこに暑苦しさはなくむしろ軽やかに響く。
10 evergreen

akko(vo)の透明な声を最大限活かしたジャジーな曲でピアノの音色は「しっとり降り注ぐ雨」のようだ。終盤は「原始の宴」のようなイメージのようなコーラスが曲に異国感を与える。

透明感溢れるakkoの歌声を全面に押し出した良質なポップソングが多数収録されているマイ・リトル・ラバー(My Little Lover) のデビューアルバム。 UKギターポップや北欧のメルヘンなポップミュージックのようなメロウネスがサウンドの特徴であり、ボーカルラインは「流れるようなメロディー」は少なめで割と淡々としたラインが多いのだが「稀に見る透明感」をもつakkoの歌声と奇跡の相性をみせ圧倒的

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日本のロックバンド/グレイ(GLAY)のメインソングライターであるTAKUROと共作した曲も収録されており「R&Bテイスト」が濃厚であったデビューアルバムと比べ多面的な表現力が増した2ndアルバム。

「1 Wait & See 〜リスク〜」「7 Addicted To You (UP-IN-HEAVEN MIX)」のサビで聴く事ができる「メロディックに突き抜ける」ような華やかなボーカルラインは前作には見られなかった類のもであり、TAKUROと共作した「5 ドラマ」などの数曲では「曇ったレンズ」のようなイメージの音響を感じる事ができる。

筆者の予想では宇多田ヒカルという人は「相当な音楽マニア」なのでは?と感じる。本作の特徴の一つとして「ロック」への接触があげられると思うのだが、世間一般の所謂「ロック」というよりかはどちらかと言うと「センスの良い一部」に支持される音響志向の「ポストロック」などからの影響を楽曲に落とし込んでいる。「7 Addicted To You (UP-IN-HEAVEN MIX)」における「メロディックな暗号」のような電子音などは「ポストロック」以降の響きであると感じる。もちろん、多くのリスナーはそんな事は気にもしていないのだが。

    「要点」

  • ・グレイ(GLAY)のメインソングライターであるTAKUROと共作した曲も収録
  • ・「1 Wait & See 〜リスク〜」における「遠くから遠くへ逃げたらラクになるのかな?」というラインは、当時の宇多田ヒカルが置かれていた「カオスな状況からの逃避願望」であろう。

「曲解説」

1 Wait & See 〜リスク〜

「強風が吹いている」かのような疾走感を感じるサビのボーカルラインがインパクト大の曲。これまでの作品と比較して非常にメロデックなボーカルラインであり歌詞のテーマは「リスクと中毒性が高い恋愛」についてであると思われ、「遠くから遠くへ逃げたらラクになるのかな?」というラインは、当時の宇多田ヒカルが置かれていた「カオスな状況からの逃避願望」であろう。最後は宇多田ヒカルの乾いた笑い声で締めくくられる。
2 Can You Keep A Secret?

「君の理想」に近づきたいという上昇志向と「近づけないよ」という後ろ向きな気持ちが交差する複雑なメッセージをアーバンなシンセポップに乗せて歌うヒットシングル(3:15〜) 「軽やかな舞」のようなミニマムなギターサウンドが静けさを強調する。
3 DISTANCE

「夢の中の夢」のような浮遊感を感じる曲で「春の訪れのようなキラキラした電子音」「海底のようなディープさをもつなベースライン」 「ミニマムなカッティングギターの断片」を中心に展開される。サビのボーカルラインは「入学式」のような清らかな風を感じるものとなっており「1 Wait & See 〜リスク〜」同様に非常にメロディックである。
5 ドラマ

TAKURO/グレイ(GLAY)と共作された曲で他の収録曲とは明らかに異なる「気だるいサイケデリック感」があり、曲を通して「曇ったレンズ」のような音響である為「音量の調節に困るタイプの曲」である(2:20〜)ディレイを使ったギターソロは「天まで伸びていく光線」のようでありUSオルタナ風。「GLAYでは出来ない事」というポイントは本曲のテーマの一つであると思われる。
6 Eternally

「悩みに対して自分なりの回答が出た」ような迷いのなさを感じる力強いバラード。「いつまでも側にはいられない」「戦いに出かける前の一休み」なるラインから「戦場に向かう前の男が彼女と過ごす幸福な時間」を連想する。
7 Addicted To You (UP-IN-HEAVEN MIX)

「メロディックな暗号」のような電子音が宙を舞うポップソングで「5 ドラマ」同様に「曇ったレンズ」のような音響を感じる事ができる。 歌詞は「あまり会えない現状に対する不安」を歌っており、サビではこれまで強がって隠してきた弱さをエモーショナルに打ち明けている。
9 蹴っ飛ばせ!

歪んだギターサウンドをフィーチャーしており「輝度が狂ったネオン」のようなシンセサウンドが眩しすぎる宇多田ヒカル流・スペーシーロックチューン。ドラムは「強パンチ」のように「ダン、ダン、ダン、ダン」と力強く鳴り響く。
13 HAYATOCHI-REMIX (Bonus Track)

ディープで「鈍器」のような質感のベースラインが存在感を放ち、イマジネーションを掻き立てる多様な音が挿入される。曲を通して「海面で寝そべっている」ような浮遊感を感じる事ができ、時折、登場する「海底」のような質感のサウンドは非常にサイケである。

日本のロックバンド/グレイ(GLAY)のメインソングライターであるTAKUROと共作した曲も収録されており「R&Bテイスト」が濃厚であったデビューアルバムと比べ多面的な表現力が増した2ndアルバム。 「1 Wait & See 〜リスク〜」「7 Addicted To You (UP-IN-HEAVEN MIX)」のサビで聴く事ができる「メロディックに突き抜ける」ような華やかな

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「本当にデビューアルバムなのか?」そして何より「本当に15歳なのか?」と日本の音楽シーンに大きな衝撃を与えた宇多田ヒカルのデビューアルバム。

「ロック至上主義な日本の音楽シーン」の流れを完全にかえた金字塔的なアルバムであり、デビューアルバムでありながら「完成されたクールでモダンなサウンド」が収録されている。歪んだギターサウンドを導入している曲は「2 Movin’ on without you」位であり「クール」「ディープ」「モノトーン」と形容したくなるベールラインが非常によく目立つ。また宇多田ヒカルのボーカルラインには「良質な歌謡性」があり洋楽「R&B」に馴染みがない層にも「ハイクオリティなポップ・ミュージック」としてダイレクトに届いた。本作はCDバブル絶頂期を象徴するアルバムの一つであり過去最高レベルの天文学的なセールスを記録した。

    「要点」

  • ・「ロック至上主義な日本の音楽シーン」の流れを完全にかえた金字塔的なアルバム
  • ・「2 Movin’ on without you」「枕元のPHP」というフレーズから「強烈な90年代の香り」がする

「曲解説」

2 Movin’ on without you

ロック的な歪みギターを導入したアーバンなポップソングで歌詞の内容は「彼氏の浮気」を疑いつつも「彼氏からの電話を待ちわびている」ティーンエイジャー女子の心情を歌っている。「1 Automatic」同様に「枕元のPHP」というフレーズから「強烈な90年代の香り」がする(3:25〜)「10代の強烈な独占欲」を端的に表した「戸惑いながらでもいいから愛して欲しい」という切なすぎるワードが登場。
3 In My Room

タイトなビートと「夢の中」のような浮遊感が印象的なミドルテンポのR&B(1:25〜、3:38〜) 「渋谷のクラブ」を連想するDJスクラッチが挿入されシンプルな曲にエッジを与える。歌詞は意味深で「現実も夢も目を閉じれば同じ」で「in my roomで君と夢にエスケープしたい」という内容。「夢の中の妄想」は現実以上にトキメクという事だろうか?と考察してみる。
4 First Love

全ての日本人の琴線に触れる歌謡性が魅力のバラードで人気ドラマの主題歌にも起用された。「春の訪れ」のようなストリングスとピアノの調べを中心に構成されたシンプルで静かなサウンドにのせて、宇多田ヒカルが「初恋の終わり」を力強く歌い上げる。「明日の今頃はきっと泣いている」というフレーズから「恋人に別れを告げる直前」の瞬間的な感情を鮮やかに描いていると思われる。老若男女問わずリスナーに「10代のあの頃」を思い起こさせる名曲。
5 甘いワナ 〜Paint It, Black

「軟体動物」のように動くベースラインがインパクト大のファンキーソングでメカニカルなカッティングギターと「賑わう街角」のようなサックスがアダルトな雰囲気を醸し出している(2:10〜)「メロウな昼下がり」のような静パートが挿入され「あなたの鎖が心地よくなっていた」と心地よい束縛を静かに歌い上げる。終盤は「ガラス越し」のような音響が強調され直線的なギターサウンドが無機質にループされる展開である。
7 Never Let Go

サンプリングされたミニマムで耽美的なアルペジオが無限ループされ「夢の世界」のようなドリーミーな音響を感じるサイケなR&B(1:20〜、2:20〜)「迷走」のようなダークを感じるベースラインが挿入され「夢の世界」が一瞬黒く染まる。
8 B&C -Album Version-

「黒蛇」のように底でうねるモノトーンなベースラインが印象的なポップソング。サビのボーカルラインは「J-POP的なカラフルな色彩」を感じるものとなっている。
9 Another Chance

「アダルトなシティポップ」のような雰囲気を感じる曲でクールな低音とスペーシーなシンセを中心に構成されたサウンドとなっている。全編を通して「深夜」のようなディープさを感じる事ができる。
11 Give Me A Reason

「田園」のような牧歌的な雰囲気のイントロから「ディープな都会」のようなR&Bに移行する曲。「暗黒」のようなダークを感じるベースラインがインパクト大でマッシヴ・アタック(Massive Attack)などのトリップホップ勢からの影響が感じられるサウンドとなっている(3:28〜)珍しくアーバンでミニマムなギターソロが登場。

「本当にデビューアルバムなのか?」そして何より「本当に15歳なのか?」と日本の音楽シーンに大きな衝撃を与えた宇多田ヒカルのデビューアルバム。 「ロック至上主義な日本の音楽シーン」の流れを完全にかえた金字塔的なアルバムであり、デビューアルバムでありながら「完成されたクールでモダンなサウンド」が収録されている。歪んだギターサウンドを導入している曲は「2 Movin’ on without

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「1 Automatic」
90年代に隆盛を極めたJ-POPサウンドには希薄であった本格派R&Bテイストを全面に打ち出した宇多田ヒカルのデビューシングル。

サウンドや歌のスキルの高さは勿論だが、それ以上にこの洗練されたモダンな音楽を若干15歳の少女が作り出したという事実に多くの人が驚愕した。「キャンドルの灯りだけが揺らめくダークな部屋」のようなクールでモノトーンな音響、ディープで機能性抜群のシンプルなビートなという必要最低限の音だけで構築されたトラックは「ミニマリスト向けのモダンな建物」のようであり「何かと過剰」であった90年代J-POPとは実に対照的である。

「7回目のベル」「受話器」「チカチカしている文字」などのワードは「現在の感覚」で聴くと昭和的ですらあるが「大人ぶって背伸びしている普通の10代」の恋愛を歌ったこの曲のインパクトは凄まじかった。98年は宇多田ヒカルや椎名林檎などこれまでの音楽シーンには存在しないタイプのアーティストがデビューを果たし音楽業界の勢力地図が明らかに変わり始めた分岐点とも言える1年であった。

「2 time will tell」
「冷たい雨の街角」のような雰囲気を感じるディープな曲で名曲「1 Automatic」と同レベルのクオリティーを誇り、ダブルA面なのも伊達ではないと感じる。宇多田ヒカルの声は「泣き止んだ後」のような湿り気を帯びており15歳らしい幼さを感じるられる。「隠れ家バー」のような渋いカッティングギターとディープなベースラインを中心に展開されるサウンドにのせて「泣き虫な友達を慰める」ような歌詞を眩しい太陽のように歌い上げる。

    「要点」

  • ・「1 Automatic」「7回目のベル」「受話器」「チカチカしている文字」などのワードは「現在の感覚」で聴くと昭和的ですらあるが、 「大人ぶって背伸びしている普通の10代」の恋愛を歌ったこの曲のインパクトは凄まじかった。

「1 Automatic」 90年代に隆盛を極めたJ-POPサウンドには希薄であった本格派R&Bテイストを全面に打ち出した宇多田ヒカルのデビューシングル。 サウンドや歌のスキルの高さは勿論だが、それ以上にこの洗練されたモダンな音楽を若干15歳の少女が作り出したという事実に多くの人が驚愕した。「キャンドルの灯りだけが揺らめくダークな部屋」のようなクールでモノトーンな音響、ディープで機能性抜

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hideの死後に発売された傑作サイボーグロックアルバム。

ヘヴィでハードなサウンドに「おもちゃ」のようなポップネスを与えるhideのセンスは今作でも健在だが今作の最大の魅力は「頭の中に鮮明なストーリーがイメージできる詞の世界観」にこそあると思う。とりわけ「4 PINK SPIDER」の歌詞は秀逸で「閉ざされた狭い世界でしか生きられない者に対するアイロニーな歌詞にはhideの底なしの才能を感じる。hideは「ビジュアルショッカー」「サウンドメーカー」としてだけではなく「ストーリーライター」としての才能も一流である。

サウンドは前作よりもシンプルで音数が少なっている印象をもち「明確な答えが見えた」かのような迷いのなさを感じるものとなっている。hideが現在も存在していたら日本の音楽シーンはまた別のものとなっていたと断言してもいい。

    「要点」

  • ・今作の最大の魅力は「頭の中に鮮明なストーリーがイメージできる詞の世界観」
  • ・「4 PINK SPIDER」蝶からスパイダーに「知らぬが仏」と言わんばかりの辛辣なメッセージが送られる

「曲解説」

2 ROCKET DIVE
3 LEATHER FACE

「時空が歪んだような音響」を感じるヘヴィなインダストリアル・チューンでハードでミニマムベースリフが「地面をゴロゴロと転がる」ようにリフレインされる(2:18〜)突如「宇宙に迷い込んだ」ような浮遊感を感じる静パートが挿入されるが「頭の中を貫通する光」のような電子音の登場と共にすぐにヘヴィなサウンドに戻る。
4 PINK SPIDER

「頭の中に鮮明なストーリー」がイメージできる歌詞がとにかく見事でhideのストーリーライターとしての才能が発揮されている。歌詞の内容は嘘の網を張りめぐらし井の中の蛙状態のピンクスパイダーが、蝶の羽を頂きあの空に羽ばたこうとするという内容でhideの死後、様々な角度から注目された。サビではこれまでのハードなサウンドが嘘のように「晴れやかさ」を感じるストリングスが空間を舞いサビのインパクトを更に高めている(1:58〜)蝶からスパイダーに「知らぬが仏」と言わんばかりの辛辣なメッセージが送られる。
6 FISH SCRATCH FEVER

「明確な答えが見えた」かのように迷いがない直線的なリフロック。サビではSpread Beaverのメンバーによるスペーシーな質感のキャッチーなコーラスがhideのボーカルラインをサポートして、曲を更にノリの良いものにしている。
7 ever free

「光」のようなスピードを感じるカラフルなパンクチューン。「なくしてしまった初期衝動」と「まだ胸の中にある夢の続き」について言及した歌詞が「4 PINK SPIDER」同様に素晴らしく「消えていく最初のメモリー」なる歌詞は、エックスジャパン(X JAPAN)ファンに様々なイメージを与えるエモラインである。間奏部分では「サーフ・ミュージック」のようなギターサウンドと祝祭性強めのホーンセクションが曲を更に色鮮やかにしている。
8 BREEDING

「どんよりとした気怠さ」と「泥水」のような重さを感じるグランジチューン。イントロや間奏では珍しく「独り言」ようなニルヴァーナ(NIRVANA)流カッティングギターが登場。サビの歌詞にも「Breed」なるワードが登場する為「グランジに対する回答」的な立ち位置の曲であると思われる。※ニルヴァーナ(NIRVANA)の曲で「Breed」という曲がある※(4:20〜)最後に「ガラスの世界」のような透明なピアノの旋律が唐突に挿入され曲にミステリアスな影を与える。
9 HURRY GO ROUND

「牧場」のようなのどかさを感じるストリングスと「強風」のようなハードなギターサウンドが絡まる曲でサビに登場する「また春に会いましょう」なる歌詞は、卒業式のメッセージでヤンキーが書いていたと記憶している。やはりhideの歌詞は強烈に十代に突き刺さるようだ。

hideの死後に発売された傑作サイボーグロックアルバム。 ヘヴィでハードなサウンドに「おもちゃ」のようなポップネスを与えるhideのセンスは今作でも健在だが今作の最大の魅力は「頭の中に鮮明なストーリーがイメージできる詞の世界観」にこそあると思う。とりわけ「4 PINK SPIDER」の歌詞は秀逸で「閉ざされた狭い世界でしか生きられない者に対するアイロニーな歌詞にはhideの底なしの才能を感じる。h

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