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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果57件

カテゴリー「傑作」のレビュー

当時人気絶頂であったダウンタウンの浜ちゃんをTKがプロデュースした異色作。

「レゲエ的な音響」と「ジャングルのビート」を大胆に反映したサウンドを展開しており「ジャングル」というマニアックなリズムアプローチをJ-POPに見事に落としこんでいる。TKサウンドはあまり得意ではなくても「この曲は好き!」という人は結構な数存在する。

またレゲエやジャングルを反映したサウンド以上にインパクトがあるのが社会人であれば誰でも深く共感できる詞の世界観である。「これは本当に小室哲哉が書いたものなのか?」と疑いたくなる内容で「仲間」「温泉」「飲みに行く」などのフレーズが登場する。wikiを見てみると70年代のフォークソングからヒント得たそうで「サウンドの装飾をすべて取ってしまえばフォークソングになる」との事だ。

当時の日本の音楽シーンにおいては「洗練」を通り越えて「突飛」ですらあったジャングルサウンドに乗せて「非TKな質感の庶民的な歌詞」をお茶の間の人気者「ダウンタウンの浜ちゃん」が歌う時点で、小室哲哉が公言していた200万枚セールスは達成されたようなものである。実際、95年当時に小室哲哉がHEY HEY HEYに出演した際に「ここまで1曲を大事にした事はない」と言っていたのはギャグではなく本気だろう。

あと忘れてはいけないのが「シュールな隠しアイテム」のように登場する松っちゃんの胡散臭さMAXのラップと語りだ。最先端の音楽×シュールな笑いを融合させたこの作品は、90年代を代表するシングルであると同時に「お笑い」と「音楽」の垣根をなくした記念すべき作品といえる。

    「要点」

  • 「レゲエ的な音響」と「ジャングルのビート」を大胆に反映したサウンドを展開
  • 70年代のフォークソングからヒントを得た歌詞は非TK的である

当時人気絶頂であったダウンタウンの浜ちゃんをTKがプロデュースした異色作。 「レゲエ的な音響」と「ジャングルのビート」を大胆に反映したサウンドを展開しており「ジャングル」というマニアックなリズムアプローチをJ-POPに見事に落としこんでいる。TKサウンドはあまり得意ではなくても「この曲は好き!」という人は結構な数存在する。 またレゲエやジャングルを反映したサウンド以上にインパクトがあるのが社会人で

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活動再開前のラストオリジナルアルバム「CORKSCREW」強烈なジャケットに全く負けていない歌詞とサウンドを持つパンクの名作である。

歌詞の内容は反抗期の少年のヒリヒリ感や焦燥感、色んな意味でやりすぎな音楽業界批判・刹那的な快楽などをテーマにしている。このアルバムを聴いて彼らが元V系のカリスマであるとは誰も思わないだろう。それにしてもこのコアな問題作がオリコン初登場2位を記録したという事実には驚愕する。

黒夢がイケイケのパンク期であった頃、筆者は中学生であったのだが清春(vo)の反逆ソングには素直に共感できた事を覚えている。黒夢はオリコン1位を取るような人気アーティストという立場から「抑えきれない衝動」が弾けてパンク化したという日本の音楽業界の中でも唯一無二の存在であり、「売れっ子アーティスト」「元V系のカリスマ」による反逆ソングの数々は非常にリアリティのあるヒリヒリした質感をもちダイレクトに「少年」に響いてきた。

次作以降の想像がつかない色んな意味で行き着くとまで行き着いたアルバムなので、当時の活動停止には妙な納得感があった。

    「要点」

  • 尖ったファストチューンで埋め尽くされたリアルなパンクアルバム
  • 人気アーティストという立場から「抑えきれない衝動」が弾けてパンク化したという日本の音楽業界の中でも唯一無二の存在

「曲解説」

1 MASTURBATING SMILE

極限までそぎ落とされたファストなパンクチューン。歌詞の内容は「腹黒い大人には騙されないぞ」的な側面と「逆風の中で孤立無援でも自分たちはサバイブするんだ」という強い意志を感じる側面によって構成されている。
2 FASTER BEAT

手数の多いドラムと「地底」のような質感のベースラインが躍動するミニマムなパンク。清春(vo)の歌詞は「終わらない反抗期」のように衝動的な内容ではあるが「待ち伏せしている落とし穴」について言及するクールネスも持ち合わせている。
3 SPOON & CAFFEINE

「記号」のようにミニマムなリフが高速でリフレインされるパンクソング。「無個性のどうでもいい歌を垂れ流す」音楽業界を痛烈に批判している。「カフェイン」と「スプーン」でここまでイマジネーションを膨らませた歌詞がかけるのは清春(vo)位だろう。
4 後遺症 -aftereffect-

ドラムとベースラインがドライブ感MAXで攻めまくる曲。歌詞の内容は痛烈な音楽業界批判と自身の消えない傷についてであり「後遺症」というワードを連呼する歌詞はインパクト大。サビのボーカルラインはパンクの仮面を被っていても抑えきれない抜群のメロディーセンスが炸裂している。
5 CANDY

「ボディーブロー」のようなドラムプレイが強烈なファストチューン。「痛みや寒気を止めるCANDY」について歌った曲でやりたい放題。
6 少年 -screw mix-

「地下室」のような陰鬱な雰囲気とルーズな質感をもつ彼らの代表曲。「細かなプライドで髪を伸ばす」「認められない奴がしていたネックチェーン」など思春期の少年のヒリヒリ感や焦燥感を見事にパッケージングした歌詞が秀逸。大人になってこの歌詞に触れると「当時はそんな類の事思っていたような」というノスタルジーを感じる。
9 HELLO, CP ISOLATION

「祭典」のような雰囲気と少しのコミカルさを感じるスカパンク。「ファスト×ラウド」でヒリヒリしたパンクソングが連発される本作において、一服感を感じるこの曲の存在は非常に大きいと感じる。ギターサウンドは裏のリズムを強調したジャカジャカしたプレイである。
11 COWBOY

過去になんて興味ないと言わんばかりの「歩いた場所をポラロイドカメラで撮り、そしてどんどん破り捨てよう」というパンクな提案がシュールなファストチューン。サウンドはタイトでダイナミックなロックンロール(1:12〜)本作の中では珍しいギターソロが登場、音色がどことなくCOWBOYを連想するものとなっている。
12 MARIA -screw mix-

CDバブルの90年代に背を向けパンクな生き方を実践する清春(vo)にしか歌えない反逆ソング。くぐもった質感で強烈にうねるドラム・ベースラインとは対照的にギターサウンドはワンコードの音の断片をリフレインするものとなっている。「生まれつき器用になれない」という心情をmy sisterであるMARIAに吐露するという歌詞は深く考えさせられる。
14 KNEES TO BREAK

重たく不機嫌なベースサウンドを中心に展開されるルーズな曲。「dear fat man」は一体だれなのか?が気になる。ツパッた歌詞はまさに「永遠の反抗期」。
15 LAST PLEASURE

ファストなパンクチューンで埋め尽くされた本作のラスト飾るハードコアチューン。サビではエフェクトがかけられた狂気じみた清春のシャウトが炸裂する(2:02〜)「狂騒」のようなサウンドの中「スローモーション」のような質感の人時(b)の歪んだベースソロが登場。ドラムは「馬の大群が走り抜ける」ようなバタバタ感を感じる強烈なプレイを聴かせてくれる。

活動再開前のラストオリジナルアルバム「CORKSCREW」強烈なジャケットに全く負けていない歌詞とサウンドを持つパンクの名作である。 歌詞の内容は反抗期の少年のヒリヒリ感や焦燥感、色んな意味でやりすぎな音楽業界批判・刹那的な快楽などをテーマにしている。このアルバムを聴いて彼らが元V系のカリスマであるとは誰も思わないだろう。それにしてもこのコアな問題作がオリコン初登場2位を記録したという事実には驚愕

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「エモーショナルでダークな叙情性を放つギターロック」「ドライブ感溢れるラルク流R&R」 インディーズ時代から彼らが得意としている「神秘的・耽美的という形容がよく似合うサウンド」などが幅広く収録されており、 これまでのキャリアの集大成のようにラルク アン シエル(L’Arc〜en〜Cielの良いところをパッケージングした傑作アルバム。

2000年はV系サウンドの創始者とも言えるルナシー(LUNASEA)が終幕しV系氷河期がはじまった年であるが、 ラルク アン シエル(L’Arc〜en〜Ciel)はシーンのトレンドなど関係なしに自分たちのルーツであるニューウェイブに様々な要素を加え、または角度を変えて自分たちらしいサウンドを鳴らし続けた。

V系サウンドが「古いもの」と見なされた90年代末〜2000年代初頭でも彼らが多くのリスナーに支持されたのは、電子音楽やポップミュージックと距離を置かず「曲が良くなるのであれば」という柔軟なスタンスで曲に新しい要素を加えモダンな質感にアップデートし続けたからでは?と思われる。

    「要点」

  • これまでのキャリアの集大成のようにラルクの良いところをパッケージング
  • V系衰退期でも多くのリスナーに支持されたモダンな質感

「曲解説」

1 get out from the shell

「スペーシーなダンスミュージック」のような雰囲気を持つラウドなアッパーチューン(2:20〜)「落雷」のようなken(g)のギターリフとリスナーを扇情するかのようなhyde(vo)の歪んだエフェクトボイスはこれまでのラルクにはない質感であり、ケミカル・ブラザーズ(The Chemical Brothers)やザ・プロディジー(The Prodigy)などの90年代ビッグビート勢からの影響を彼らなりに解釈しロックとテクノの融合を実践した曲となっている。
2 THE NEPENTHES

名曲「4 Shout at the Devil」とも共通する濃厚なグランジ匂がある曲。本曲のダーティーなギターリフはwikiを見る限り実際にken(g)がグランジバンド/ストーン・テンプル・パイロッツ(Stone Temple Pilots)を聴いている時に閃いたものらしく「泥水」のような重さとディープな響きをもっている。
3 NEO UNIVERSE

恍惚を感じる光が眩しすぎるエレクトロロック。ピコピコ系の電子音が鳴り響く真っ白な空間が、ボーカルラインをよりビビッドに響かせる。
4 bravery

「ガラス越し」のような透明感を持つメロウソング(1:28〜)サビは歪んだグランジーなギターワークと「考えさせられる歌詞」で構成されている。歌詞の内容は「昔はよかったって言うけど、何か知ってるの??」というものであり、変化に対して否定的な人たちに対する皮肉ともとれる内容となっている。確かに懐古主義の人ほど、新しいものを拒絶し挑戦しない傾向が強いと思う。
5 LOVE FLIES

ダークでサックとした質感のギターロック。相変わらずken(g)のギターサウンドはセンス抜群で弾き過ぎず、弾かなさ過ぎずの絶妙な塩梅でキュアー(CURE)のような耽美さとレディオヘッド(radiohead)のようなダイナミズムを曲に与えている。
6 finale

「古いフィルム」のようなザラついた質感をもつダークなバラード。悲壮感あふれるバイオリンが印象的なヴァースと一気に熱量を放出するサビによって構成されている。サビで歌われる「眩し過ぎて明日が見えない」は、Rusty Nail / XJAPANにおける「涙で明日が見えない」に並ぶ名フレーズであると感じる。歌詞の内容はインディーズアルバム「DUNE」に収録されている「6 Dune」に近いものがあり「神も許さない禁断の恋」について。
7 STAY AWAY

アルバム「ark」に収録されていたドライブ感のあるロックチューンと同じ流れの曲。「焼き増しの世界に惹かれない」というフレーズがロックアーティストとしてのプライドを感じさせ、hyde(vo)の歌声はダミ声と言ってもいい位に濁っており、曲にザラついた質感を与えている。
8 ROUTE 666

ミニマムな音数で構成され「石ころ」のように回転するロックンロール(3:07〜)これまでの殻を破った「ウゥゥ〜、レイ♫」というhyde(vo)のファンキーボイスから流れるような旋律をもつギターソロが展開される。
9 TIME SLIP

「早朝」のような空気感をもつセンチメンタルなバラード。ラブソングとも深い人間関係ともとれる歌詞がイマジネーションを刺激し頭の中に様々な情景が浮かんでくる。タイトでシンプルなドラムと「曇り空」のような質感のベースラインからなるリズムの上で「ガラス細工」のようなken(g)のギターサウンドが輝きを放ち、hyde(vo)の歌声には「素顔」のようなナチュラルさがある(2:40〜)「溢れ出す光の洪水」のようなギターソロがリスナーを光溢れる異空間へと誘う。
10 a silent letter

静寂の中、「夜空の星々」のようにきらめくギターサウンドとhyde(vo)のファルセットボイスが圧倒的な存在感を放つ壮大なバラード (3:50〜)「美しい子守唄」のよう女性コーラスが幻想的に鳴り響き幽玄さを曲に加える。終盤は「歪む深海」のようなギターサウンドが曲にモザイクを加えるように響き渡る。
11 ALL YEAR AROUND FALLING IN LOVE

6弦ベースを使用した高音のベースラインがこれまでとは異なる響きを奏でるパワフルなバラード。サビはモザイクがかったように歪むギターサウンドとメロウなアコースティックサウンドが共存するパワフルな展開だが、そのサウンド以上にhyde(vo)のボーカルラインが力強く響き渡る。最後は「星々」のような電子音だけが静かに流れ曲は締めくくられる。

「エモーショナルでダークな叙情性を放つギターロック」「ドライブ感溢れるラルク流R&R」 インディーズ時代から彼らが得意としている「神秘的・耽美的という形容がよく似合うサウンド」などが幅広く収録されており、 これまでのキャリアの集大成のようにラルク アン シエル(L’Arc〜en〜Cielの良いところをパッケージングした傑作アルバム。 2000年はV系サウンドの創始者とも言えるル

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90年代における「ロック」×「テクノ」のクロスオーバーの文脈で抜群の完成度を誇る傑作3rdアルバム。 オルタナやグランジ系のアーティストの曲で聴けるようなノイジーなギターリフを思わせるフレーズなども登場、アシッドハウスやジャングルなどと共通するような開放的な雰囲気を持ちつつもロック的なダイナミズムを絶妙にサウンドに反映している。

「扇動者」のようなアグレッシヴなラップ「縮れている」ように歪む低音、アグレッシブに畳み掛けるアッパーなビートなどが本作の音楽的な特徴と言える。

また「7 Narayan」「10 Fuel My Fire」では流れるようなメロディーをもつボーカルラインをフィーチャーしており、「10 Fuel My Fire」に関してはニルヴァーナ(Nirvana)に対するザ・プロディジー(The Prodigy)からの回答のような曲であり「ロック」×「テクノ」の文脈では、色んな意味で「行き着くところまでいきついた作品」であるという印象である。

    「要点」

  • 抜群の完成度を誇る傑作3rdアルバム
  • グランジ系アーティスト彷彿のギターリフのようなサウンドも登場

「曲解説」

1 Smack My Bitch Up

リスナーを扇動するような「Change My Pitch Up!Smack My Bitch Up!」というボーカルラインがメロディックな呪文のように繰り返されるアンセム。ビートは直線的でパンチ力のものとなっており「光のウェイブ」のようにうねる電子音が「性急なギターリフ」のように畳み掛けてくる(3:02〜)「エモーショナルな祈り」のような女性ボーカルが登場し恍惚のような光に包まれる。「ロック的な縦ノリ」と「クラブミュージックの横揺れ」を完璧なバランスでミックスした名曲。
2 Breathe

アーバンなドライブ感を持つ高速アシッドハウス。この曲でも「リスナーを扇動する」ようなアグレッシヴなラップが炸裂(3:30〜)歪んだベースラインとパーカッションだけの静のパートが挿入される。全編を通してサイバーな質感を持つ電子音が空間を支配する。
3 Diesel Power

「砂嵐」のようなざらついた質感の歪んだヒップホップ。ベース音は「縮れている」ように地を這うような質感のものである。
5 Serial Thrilla

レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)風のハードなギターリフをブレイクビーツと絡めたハードなファンクチューン。サビではタイトルである「Serial Thrilla」が連呼され(2:25〜)「縮れた」ような質感の電子ノイズが空気を切り刻む。終盤は全てのパートが歪みを増幅し、一層ハードなサウンドとなってリスナーの脳とフィジカルを刺激する。
6 Mindfields

ディープでどっしり重たいビートと「黄金の宮殿」のようなオリエンタルなメロディーラインが印象的なミドルテンポの曲。時折、挿入されるギターノイズは「眩しすぎる光」のような質感である。中盤以降は頭の中をカラフルに染め上げる電子音が存在感を増しファンキーな展開となる。
7 Narayan

これぞUKロックという流れるようなメロディーラインがメロウに響く曲。「透明なクリスタル」のようなシンセサウンド、「陽炎」のような熱気をもつ音響が印象的で「蒸せるような暑さ」と「氷のような冷たさ」が同居しているようなイメージである(4:40〜)クーラ・シェイカー(Kula Shaker)の曲に登場しそうな「インディオなお経」風のボーカルラインが濃厚な香りを発し、終盤はこれまで大人しくしていたビートが「サンバ」のようにダンサブルに響き渡る展開となり、最後は「メタリックな雨雲」のような不穏な音響に包まれる。
8 Firestarter

「モザイクがかかった煙」のような電子音がギターリフのように鳴らされるソリッドなアッパーチューン。「hey hey hey」という少し能天気なコーラスがシリアスな雰囲気の曲にポップな質感を与えており、リズムアプローチは「これぞ!ザ・プロディジー(The Prodigy)」という高速ブレイクビーツとなっている。中盤以降は「リスナーの脳をレンガでこする」ような質感の電子音が頻繁に登場する。
10 Fuel My Fire

「ニルヴァーナ(Nirvana)の曲を洗濯機にぶち込んだ」ような渦巻きグランジソング。「サイレン」のようなサウンドやドリーミーなオルガンサウンドなどは他の曲にはない質感であり、ボーカルの声も強烈に歪んでいるがボーカルラインはキャッチーで非常に耳に残り不思議な愉快さも感じるものとなっている。

90年代における「ロック」×「テクノ」のクロスオーバーの文脈で抜群の完成度を誇る傑作3rdアルバム。 オルタナやグランジ系のアーティストの曲で聴けるようなノイジーなギターリフを思わせるフレーズなども登場、アシッドハウスやジャングルなどと共通するような開放的な雰囲気を持ちつつもロック的なダイナミズムを絶妙にサウンドに反映している。 「扇動者」のようなアグレッシヴなラップ「縮れている」ように歪む低音、

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ほとんど全ての曲に感じる宇宙的な質感が特徴のケミカル・ブラザーズ(The Chemical Brothers)の4thアルバムCome With Us。前作「Surrender」に存在していたサイケデリックサウンドを更に強烈にしたようなイメージの作品であり「ネオンカラー」「ビッグバン」などを連想するサウンドがリスナーの脳にダイレクトに突き刺さり様々な情景を呼び起こす。

またビートは宇宙的なサイケデリックサウンドが強調されるようにディープでシンプルなものが多くなっている。突如「異空間に放り込まれる」ようなプログレ的展開も本作の特徴の一つであり新機軸といえる。

このプログレ的展開と「10 The Test」で聴けるポップな歌のメロディーが次回作以降にどのように反映されるのか?大変興味がある。

    「要点」

  • 宇宙的なサイケデリックサウンド
  • 「異空間に放り込まれる」ようなプログレ的展開

「曲解説」

1 Come With Us

「光がうねる」ような強烈な電子音や瞬間移動風のワープ音、緊迫感漂うアシッドなストリングス風のシンセサウンドが無条件に宇宙を連想するスペーシーなオープニングチューン(2:36〜)「全てが宇宙に吸い込まれる」ような音が頭の中で高速ループされ、その後は「ビッグバン」のようにパワフルなドラムが連打される。
2 It Began In Afrika

アフリカンなパーカッションをフィーチャーしたスペーシーなアッパーチューン。「揺らめく光」のようなシンセサウンドが「1 Come With Us」同様に宇宙を連想させ、不規則かつ自由自在に鳴り響くアフリカンなビートの粒が「原子の宴」のような祝祭性を演出する。終盤はサンプリングされたファンキーな女性ボーカルだけが宇宙的な無の空間の中で響き渡る。
3 Galaxy Bounce

アシッドハウス的なスライムビートが大暴れする「ジェル」のような質感の曲(2:02〜)「どこでもドアを使い深夜のクラブから灼熱の砂漠に移動した」ような展開がプログレ的で恍惚すら感じる眩しすぎる光に包まれる。終盤はサンプリングされた女性ボーカルの歌声をDJスクラッチで切り刻むようなサウンドが展開される。
4 Star Guitar

「ネオンカラー」を連想するビートの粒が印象的で宇宙的な無重力感を感じるサウンド(3:00〜)「60年代の良質なポップスを宇宙的にエディットした」ようなプログレ的な展開を見せ、以降はその雰囲気を「極彩色なビーム」のようなエレクトロサウンドが彩り、いつの間にか元の宇宙的なサウンドに戻る。 終盤はネオンカラーのサウンドがシャワーのように降り注ぐエレクトロな展開で、最後は「小さな星が消滅した」ような音で幕を閉じる。
5 Hoops

「ガラス越しに映るエジプトの砂漠」のような雰囲気を持つ曲。序盤は「酩酊」のような気怠いサイケサウンドが展開されるが(1:35〜)BPM速めのスペーシーなアシッドハウスサウンドに切り替わり、アシッドハウスを象徴する「動物の鳴き声にエフェクトをかけたような歪みサウンド」も登場する。終盤はオリエンタルな質感のサウンドが絡まり「蜃気楼」のように揺らめく。
6 My Elastic Eye

「強烈に歪んだ異空間にいる」ような錯覚を覚える曲で、「氷柱」を連想する透明感のあるビートや「RPGゲームの魔法」のような音が踊る。
9 Pioneer Skies

極彩色なビートや音響が脳内を駆け巡るサイケソング。シンプルな四つ打ちと共に「2 It Began In Afrika」でも聴けたアフリカンなパーカッションサウンドが鳴り響く(1:55〜)「時空が歪んだ」ようなサウンドがリスナーの脳みそをグチャグチャにする。終盤は宇宙的な静けさとディープさを感じるサウンドが展開される。
10 The Test

「クーラ・シェイカー(Kula Shaker)の曲をアシッドハウスにアレンジした」ようなイメージの曲で「ガラス」のような質感のファンクギターと立体的なベースラインが非常に耳に残る(3:54〜)中間部で連呼されるコーラスは「レディオヘッド(radiohead)」と聴こえなくもない。本作のほとんどの曲に存在する宇宙的な雰囲気を持ちつつも「つい口ずさみたくなるメロディー」をもつこのラストソングは異彩を放っている。

ほとんど全ての曲に感じる宇宙的な質感が特徴のケミカル・ブラザーズ(The Chemical Brothers)の4thアルバムCome With Us。前作「Surrender」に存在していたサイケデリックサウンドを更に強烈にしたようなイメージの作品であり「ネオンカラー」「ビッグバン」などを連想するサウンドがリスナーの脳にダイレクトに突き刺さり様々な情景を呼び起こす。 またビートは宇宙的なサイケデ

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