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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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「1 それが大事」
「売れるポップ・ミュージックのパターンってどのようなケースが何かあるかな?!」と、ふと考えてみたところ主に次の3つのパターンに分類できる事に気付いた。

①世の中の多くの人が求めているサウンドを分析して早過ぎず遅過ぎずのタイミングでリリースするケース →WOW WAR TONIGHT 〜時には起こせよムーヴメント(single) / H Jungle with t 1995年などはドンピシャでこのケースに該当する。都会に住むティーンエイジャーが求めるノリの良いダンスミュージックが圧倒的に不足していた時代にジャングルを大胆に反映させたサウンドを世の中に提案。

②これまで誰も鳴らしていない誰も聴いた事がない音を鳴らすケース →2000年に音楽シーンに大きな衝撃を与えたKid A/レディオヘッド(Radiohead)2000年などが代表的なケースである。「音楽マニアのアーティスト」が商業性無視で自分たちの作りたいものを作り「その斬新さ」が「コアな音楽ファン」の圧倒的な支持を得るというアーティストとして最も理想的な形である。

③リスナーの共感できる言葉を盛り込み感情に訴えかけるケース →Automatic / 宇多田ヒカルなどが代表的なケースであろう。歌詞の中に出てくる「7回目のベルで受話器をとった君」というフレーズには当時、多くのティンエイジャーが共感を覚えはずだ。またポケベルが鳴らなくて / 国武万里なども当時流行した「ポケベル」というワードを前面に押し出したストーリー設定でヒットした。

この3パターンの中で一番難しいのは言わずもがな②である。 この②のパターンでセールス的に成功したアーティストは言わば「神レベル」のアーティストである事が多い。

①のケースを実現できるのは小室哲哉や小林武史のように大手レコード会社に所属している秀才型のプロデューサーである事が必然的に多くなる。データを活用したトレンド分析を行い、様々な角度から世の中が求めているサウンドを導き出す。情報量がモノを言うケースだ。

では③のケースはどうであろうか?!このケースもリスナーが共感する「ストーリー設定」や「ワード設定」の難易度は非常に高く①同様に緻密なマーケティング活動が必要になると思われる。やはり音楽作品でヒットを飛ばす事が並大抵ではない。

このように頭の中で様々な思考をめぐらせていると、ふと「それが大事」というかつて爆発的なヒットをマークした曲の事を思い出した。 シンプル極まりないタイトルから戦略性とは良くも悪くも無縁なものであろうと思って恐る恐る歌詞に目をやると、そこには「売れて当然」の実にシンプルなマジックが隠されていた。

「負けない事」「投げ出さない事」「逃げ出さない事」「信じ抜く事」それが一番大事。

人にとって「一番大事な事」は当然異なる、であれば「誰でも共感できる」ように「それ」の対象をを分散・細分化させれば良いのではないか?!このような方法論である。

「それが大事」はレコード会社から契約解除を告げられるギリギリの状態で作成された(wiki)このような「絶対に売れなければならない」状況は「売れるポップ・ミュージック」を作るという観点で言うと悪くない環境かもしれない。

追い詰められると人はとんでもなく知恵を働かせるものである。

    「要点」・人にとって「一番大事な事」は当然異なる、であれば誰でも共感できるように「それ」の対象をを分散させれば良いのではないか?!このような方法論である。

  • ・「絶対売れなければならない」という状況は「売れるポップ・ミュージック」を作るという状況においては悪くない環境かもしれない。
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