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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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轟音ギターサウンドが鳴り響くバンドだと思っていたのだが(もちろん轟音もある)、実際よく聴いてみるとニューウェイブ的な浮遊感やダークさを感じることができ、またソニックユース的な「斬新な響き」を持つチューニングやコード進行が面白い。

「5 Flying Cloud」で聴けるコード進行などはこれまで聴いたことがない類のものだ。J・マスシス(vo , g)の気怠く不思議な哀愁を持つ声とダークで浮遊感と壊れた質感が同居した雰囲気はまさに「オルタナ」。グランジが大爆発した91年にブレイクしたバンドだけど、グランジ勢とはあまり関係のない音だと感じる。90年代初頭のUSバンドの中では突出したメロウなメロディーセンスを持っていると思う。

    「要点」

  • 摩訶不思議なコード進行
  • ニューウェイブ要素強め、メロウなボーカルライン

「曲解説」

2 Puke and Cry

ニューウィブのようなダーク×耽美で煌びやかなコードストロークが印象的。ダイナミックな展開はなく浮遊感のある展開で淡々と進行する(3:33〜)リズムがスローになり一瞬だけU2を彷彿とするアンビエントなギターサウンドが鳴り響き、最後はメロウなメロディーに乗せて「come on down」というフレーズが繰り返され終わる。
3 Blowing It

憂鬱な夏のような浮遊系ギターリフがエモく、べースが高音でメロディックなフレーズを歌う。ニューオーダー的なフィーリングのする曲でグランジーな歪みギターは一切登場しない。
5 Flying Cloud

循環コード(Asus Cmaj7 Dmsus Dm)が終始鳴り響きコードストロークの強弱で抑揚をつける曲。J・マスシス(vo , g)の気怠いボーカルと「結婚式と葬式が同時開催された」かのような「祝祭と絶望が混在した」オルタナな雰囲気をもつコードの響きが秀逸。
6 Water

モノクロームな青空を思わせるコード進行が特徴の曲(コード進行もそうだけどそもそもチューニングが変則かも?!)で「爽やかさと憂鬱さ」が混在しておりエモい気分に浸れる。
7 Muck

ダイナソーJr.(Dinosaur Jr.)流ファンク。16ビートのファンキーでダークな質感のあるギターカッティングの間を縫うようにJ・マスシス(vo , g)と女性ボーカリストの気怠くメランコリックなボーカルラインが聴こえる。最後はアコギのコードストロークのみが流れ静かに終わる。
10 Green Mind

本作の中で最もオルタナっぽい曲。冒頭は壊れた質感のギターサウンドを中心に進行するが、サビのボーカルラインの裏では疾走感のあるカッティングギターが鳴るという展開(2:40〜)感情が乗ったエモーショナルで哀愁のあるギターソロが爆発する。

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