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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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洋楽のポップ・ミュージックを日本語でやる洋楽邦楽(感覚で言ってる)の先駆者的なユニット/フリッパーズ・ギター(Flipper’s Guitar)。

「60年代ロック」「サイケ」「ネオアコ」「ギターポップ」「ドリームポップ」「ジャズ」「ソウル」などを「無印良品的なミニマリズム」で再構築したような無駄のない良質なポップが彼らの魅力。シンプルなギターポップである1stアルバムと実験的でサイケな3rdアルバムの中間にある本作は、音楽的に過渡期と言える作品となっている。

    「要点」

  • 洋楽ギターポップな邦楽
  • 様々な音楽を無印良品的なミニマリズムで再構築
  • 過渡期的な作品

「曲解説」

2 Camera! Camera! Camera!

ファミコンのシューティングゲームを思わせるスペーシなシンセとブレイクビーツが鳴り響き、ギターポップ版のアレンジとは違う良さがある彼らの代表曲で歌詞は過去の刹那的な恋愛感情といったところ。ニュー・オーダー(New Order)と共振するビート感と享楽性も感じる。(2:58〜)祝祭のようなストリングスが無機質な曲に有機性を与える。最後はソニックユースのギターノイズをサイバーな質感でエディットしたようなノイズが鳴る。
4 Summer Beauty 1990

ラテンなギターワークとパーカッションが印象的なメルヘンなポップ。「パパッ、パパパ〜」というメルヘンなコーラスと「よく晴れた昼下がり」のようなピアノの旋律が「はじめてのおつかいをする少女」のように初々しさを醸し出す。小山田コーネリアス圭吾(vo,g)の声がアニメティックといってもいいくらいにキュート。これを大人になったご本人が現在聴くとどう思うか?!非常に興味がある。
5 Haircut 100/バスルームで髪を切る100の方法

誰もが一度は経験したことがある「バスルームで髪を切る」という経験を「洗練されたヨーロッパの街並み」を連想するギターポップに乗せて歌う。夢見心地なオルガンやシックなホーン、「カラフルなバルーンが揺れる」ようなワウギターがカラフルな雰囲気を作り出している。(2:30〜)バタついたドラムの連打は平凡な日常に起こったトラブルのようだ。
6 Colour Field

雲の上に乗っているような浮遊感を感じるサイケポップ。小山田コーネリアス圭吾(vo,g)による夢見心地なコーラスで幕を開ける。ミニマムなアコギのフレーズのループが終始鳴り響き、ボーカルラインは珍しく歌謡曲のようである。(1:40〜)中盤以降から登場するオルガンが曲に更なる浮遊感を与えており、終盤は雲が動き出したようなスピード感を感じることができる。
9 Knife Edge Caress

オレンジ・ジュース(Orange Juice)を彷彿とさせる夏休みのようなギターポップ。小沢 健二(g,vo)によるコーラスのかかった清涼感のあるギターサウンドが終始鳴り響き、ドラムはシンプルでミニマムなビートを刻み、ベースはモノトーンな質感で曲を引き締める。言いたいことがたくさんあるけど時間が足りないと言わんばかりに最後まで早歩きのようなテンポ感で進む。
12 Camera Full of Kisses

「何もやることがない日曜日」のような雰囲気のドリームポップ。(2:15〜)何重にも重なる小山田コーネリアス圭吾(vo,g)のコーラスが幻想的な空気感を作りうたた寝を誘う。(3:35〜)「夢の中で見た雲ひとつない青空」のような電子音が曲にカラフルなポップネスを与える。最後は徐々にフェードアウトしてサウンドが薄れていき「終わった」と思った矢先、RPGゲームの隠しアイテムのように「続くストーリの予告編」のようなサウンドが流れる。

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