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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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アシッドハウスに影響を受けたドラッギーでサイケデリックな神作。アシッドハウスに影響を受けたロックアーティストはプライマル・スクリーム(Primal Scream)とザ・ストーン・ローゼズ(The Stone Roses)さえ聴いておけば十分でしょと思っていたがそれは大間違いであった。

アシッドハウス期のプライマル・スクリーム(Primal Scream)に匹敵する脳みそをグラグラと揺らすサイケデリックサウンドが今作では鳴っている。「サイケデリックでバグっているサウンド」と「酔っ払いが即興で歌っているかのようなボーカルライン」は脳みそと体を同時に揺らすような中毒性がある。

四つ打ちをベースにしたシンプルなリズム、ディープなベースライン、そして「濃厚な霧」や「紫色の煙」を連想するギターサウンドはリスナーに様々なサイケなイメージを与えるものとなっており筆者がこれまで聴いてきたギターサウンドの中でも屈指に「サイケデリック!!」80年代末にUKで興った「マッド(MAD=狂った)チェスター」なるムーブメントの名称も決して大げさなではなく確かにMADである。彼らに影響を与えたアシッドハウス、今後是非深掘りしようと思う。

    「要点」

  • アシッドハウスに影響を受けたドラッギーでサイケな神作
  • 脳みそと体を同時に揺らすバグったサウンド
  • 酔っ払いが即興で歌ったようなボーカルライン

「曲解説」

1 Kinky Afro

「ガラス越しのビーチ」のような歪な清涼感もつサイケポップ。「春の訪れ」のような軽快なコードストロークと「ガラスの破片」のようなミニマムなリフが終始リフレインされる(1:12〜、2:18〜)「バグった光に包まれる」ようなアシッドな質感のギターフレーズが鳴り響き、アシッドハウスと共振するドラッギーなサイケ感を醸し出している。ボーカルラインは酔っ払いがアドリブ歌ったようなイメージ。
2 God’s Cop

「酔っているようなご機嫌なテンション」と酔いが覚めた後の静けさが同居しているダンサブルな曲。四つ打ちをベースにしたビートの上をミニマムな電子音とショーン・ライダー(vo)のボーカルラインが踊る(0:47〜)遠くのほうでひんやりとした質感のシンセサウンドが鳴り響き僅かな冷静さを曲に与え(1:20〜)そこに「紫色の煙」のようなサイケなギター登場しサイケデリックが空気感を支配する(2:16〜)「急に何か思いついて立ち止まった」ような唐突なテンポダウンが入り、その後はゴージャスなホーンとギターサウンドが絡みつき、脳みそをグラグラと揺らすようなサウンドを聴かせてくれる(3:33〜)スペーシなホーンと「トコ、トコ、トコ」と鳴り響く電子音だけのパートとなるが、またすぐに濃厚なギターサウンドが登場しサイケデリックな空気感を醸し出す。
3 Donovan

「遠い日の思い出」のようなセンチメンタルな展開からサイケなトリップなサウンドに変貌する曲。冒頭は牧歌的なアコーディオンのメロディー、淡々とうねるベースライン、ミステリアスでアシッドなビートで構成されるチルアウト的な曲だが(2:07〜)何かが落下したような「ドン」というドラム音を境にして、目に映る全てが揺らめくようなトリップサウンドに変貌。最後までリスナーにサイケな感覚を与え続ける。
4 Grandbag’Funeral

酩酊という言葉がピッタリのサイケなギターロック。ハードロック的なルーズさとブルーステイストがあるギターリフが響き渡るが、この曲でも「濃厚な霧の中にいる」ようなサイケ感を感じることができ(1:30〜)階段から転げ落ちるような電子音や(2:15〜)千鳥足のようなフレージングなどセンス抜群の狂った音が登場する。
5 Loose Fit

「暗闇の中を手探りで彷徨う」ような踊れるニューウェイブソング。青いライトのようなニューウェイブ的な耽美アルペジオが暗闇に光を与える(2:40〜)立体的でダンサブルなビートが前面に出て曲を引っ張る展開に移行。終盤はソウルフルな女性ボーカリストも登場し曲はよりディープな質感をもつ。
6 Dennis and Lois

アーバンなレゲエ的な雰囲気を持つポップソング。夏祭りのような賑やかな雰囲気をもつ曲だが(2:30〜)何かが消えてなくなるようなエフェクティヴな音の登場により全てのパートが熱量を上げ始め、リスナーを「霧の世界」へと導く。
7 Boh’s Yer Uncle

パーカッショナルでダンサブルなビートを前面に出したで祝祭的な雰囲気のあるサウンドとシリアスな囁きのようなボーカルラインの対比が面白い曲。少しエロティクな女性コーラスも登場して、まるでエロい夢を見た後のような気分に浸れる。
8 Step On

煌びやかでぼやけた音の数々が強烈なサイケ感を味わえるアシッドハウス(2:22〜)「黄色しか存在しない信号機」のようなカラフルな電子音の登場以降は、ファンキーな女性コーラスも登場しさらに混沌さとサイケさを増し終盤はノリノリな口笛も登場する。
9 Holiday

ディープなベースラインの上を「ガラス瓶」のような透明なサウンドと「大空を羽ばたく鳥」のような女性コーラスが踊るシンプルな曲。終盤は残響のようなエフェクティヴなギターサウンドが鳴り響く。

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