XJAPAN YOSHIKIが多大な影響を受けたブリティッシュHMバンド「アイアン・メイデン(IRON MAIDEN)」のデビュー作。アルバムタイトルからして強烈!覚悟して聴いてみた。
アルバムを聴き終えるとヘヴィメタル的な激しさは勿論感じたのだが、それ以上にUKバンドらしいメロディックなボーカルラインや叙情的で「これから戦に向かうような気分になる」ハモるツインギターやメランコリックなクリーン・アルペジオが印象的であった。
amazonレビューやwikiを見ると「パンク」の影響を指摘されているが筆者にはパンクというより初期ビートルズの影響をボーカルラインのメロディーから感じる。ギターサウンドは「VOX」(アンプ)的で非常にウォームな質感。もっとディストーションの効いた「ザクっとした音」を想像していたので、良い意味で期待を裏切られたのだが、このウォームなギターサウンドがなんとも言えない魅力になっている1stアルバムは初期衝動をぶつけるバンドが多い中、彼らは余裕たっぷりに自分たちのやりたい事をやっている。強烈なバンド名(鋼鉄の処女)にも全く名前負けしていない1stアルバムでクオリティ激高。
「曲解説」
2 Remember Tomorrow
クリーンなアルペジオが演出する「梅雨時の濁った空」をハードなリフが切り裂きそこから熱量を高め畳み掛けるグランジ的な展開を見せる曲だが、メランコリックな質感がある。このあたりがUKバンドらしい。
4 Running Free
ミニマムな単音リフが高速回転する「ある意味ミニマムテクノ」的な曲。途中でベースもギターのミニマムなリフをなぞってユニゾンを始める。最後はギターが暴れまくり弾きまくり状態になるのだが「しっかりとメロディー」がある。
5 Transylvania
スラッシュメタル的なザクザクリフで疾走する曲。ツインギターのハモリフレーズがとにかく秀逸でギターソロのバックでべースもソロを弾いている。弦楽器隊が暴れまくりのインスト曲。
6 Strange World
物悲しいクリーンアルペジオをバックにしっとり歌い上げる曲で少しアーバンなソウルのような雰囲気もある。
7 Charlotte The Harlot
タイトルからして強烈な1曲。この曲も中間にアルペジオを用いたメランコリックなパートがある。ここまでアルペジオを取り入れるメタルバンドあるのか?!