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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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代表曲「KISS ME」 が収録されており氷室京介のキャリア史上最もセールス的に成功したアルバム。

アーバンで浮遊感を感じる大人なロックサウンドを中心に構成されており、多くの曲でU2(ユートゥー)からの影響を感じさせるディレイサウンドを大胆に取り入れている。また本作の歌詞はアルバムタイトル通り「過去のメモリーを大人になった氷室京介が回顧・内省する」という質感のものが多いと感じる。歌詞は「過去の回顧」がメインとなっているがサウンド的には「過去=ボウイ(BOØWY)」と良くも悪くも距離を置いているような気さえ感じさせ、ボウイ(BOØWY)を彷彿とされる曲は布袋寅泰風のギターソロが登場する「6 SON OF A BITCH」、直線的なビートロック「9 GET READY “TONIGHT” TEDDY BOY」位であり、「10 WILL」の歌詞にもある通り「過去の瓦礫に消えてしまいたくない」という強い意思を感じさせる。

    「要点」

  • ・氷室京介のキャリア史上最もセールス的に成功したアルバム
  • ・歌詞は「過去の回顧」だが、サウンド的には「過去=ボウイ(BOØWY)」と良くも悪くも距離を置いている

「曲解説」

1 KISS ME

イントロで登場するカッティング・ギターリフは、ミニマムなギターリフのお手本のようなフレーズでギターキッズ必聴のフレーズとなっている。氷室京介と言えばこの曲をあげる人も多く、氷室京介のパブリックイメージに最も近い代表曲となっている。歌詞の内容は「イケない関係の男女がホテルで密会して熱い夜を過ごす」ようなイメージの歌詞で「メビウスのハイウェイ」「凍えてる三日月」などのナルシスティックな表現も登場する。「バブルの名残」のような装飾感のあるシンセとU2(ユートゥー)的なディレイ・ギターサウンドを中心に構成されており「メビウスのハイウェイ」のような浮遊感を感じる整合性の取れたロックサウンドとなっている。
2 YOU’RE THE RIGHT

「浅い夢の中にいる」ような雰囲気を醸し出すディレイサウンド・オリエンテッドな空間系バラード。「心を求めすぎて傷つくだけの恋愛」を歌っており、 最後は「一人で生きるために」なる歌詞も登場。「もう恋なんてしない」という切なさを感じる(2:19〜)「二人の眩しかった思い出」を回顧するような華やかさと甘さが同居したサックスソロが登場。
3 Memories Of Blue

「真冬の夜空」を連想するジャジーなサウンドをディレイサウンド・オリエンテッドな耽美ロックに絡めた曲。サビはロック的な熱量を感じさせるボーカルラインだがバックでは軽やかなシンフォニーが「あの頃の俺たち」のように切なく鳴り響くという展開。「10代の繊細さと弱さ」を大人になって回顧するような歌詞が秀逸である。
4 Good Luck My Love

「思い出にできない過去の恋愛」を後悔と共に切なく振り返るバラードでやはりこの曲でもU2(ユートゥー)彷彿のディレイギターがサウンドの中心となっている。筆者が知る限りここまで曲のタイトルをリフレインする曲は非常に珍しく、おそらくではあるが「Good Luck My Love」というフレーズを曲中に20回くらい言っているはずである。
6 SON OF A BITCH

「大粒の雨」のようなドラムとタイトなビート感を感じさせるギターリフを中心に展開されるアーバンなギターロック(1:58〜)イケイケのシャウトの後に登場するギターソロは布袋寅泰が弾いていたとしても不思議ではない位にボウイ(BOØWY)的なラインでありボウイ(BOØWY)ファン必聴といえる。
8 Urban Dance

ゴージャスなシンセポップと浮遊系ギターロックを融合させた曲で「高層ビルの最上階から見下ろす都会」のような煌びやかさを感じる。「波紋のようなアルペジオ」「終幕感を感じる伸びやかな単音フレーズ」「残響サウンド」など、多様な音色のギターフレーズが収録されている。
9 GET READY “TONIGHT” TEDDY BOY

直線的なビートが強調されておりアルバムの中で最もロックンロール色が強い曲となっている。「いじけてる暇があれば早く行動を起こせ」と 10代の不良少年・少女にエールを送る歌詞には元不良の氷室京介なりの優しさを感じる。
10 WILL

「ガラス越しの雨の街」のような湿り気を感じるラストソングで氷室京介の歌声は時折「魂の叫び」のように生々しく響き渡る。「過去の瓦礫に消えてしまいたくない」というラインはからは、過去の栄光にしがみつかず「これからも自分らしさを貫いてサバイブする」という強い意思を感じさせる。

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