「曲解説」
1 蒼い霹靂
ガラケーの着信音SEで始まる色んな意味で90年代な質感が濃厚なデジロック。歌詞の内容は生々しいものとなっており
「昔は相手にしてくれなかったのに自身がいわゆる有名人になったら露骨に手のひらを返してくる相手に対する嫌悪感を表している」
「急ブレーキの音がしたらきっと君は逃げるね?」のフレーズにはコント的な響きがある。
2 OH! MY GIRL, OH MY GOD! -MORNING SURPRISE MIX-
ゴージャスな質感のギターリフが印象的なポップソング。サビでは西川貴教(vo)のボーカルラインのバックで「待ちわびたクリスマス」のような軽快さを感じるシンセサウンドが曲に華やかさを加えている(3:08〜)聴かせる系ギターソロが登場するが、その後ろで西川貴教(vo)による高速ぼやきが炸裂。歌詞は「色々問題はあるけど結局可愛いから許してしまう」というおのろけテイストである。
3 WHITE BREATH -MORE FREEZE MIX-
高速のスピードを感じるデジタルロック。サウンド自体は「切り裂くようなギターサウンド」をフィーチャーした非常にシンプルなもので、
西川貴教(vo)のハイテンションでパワフルな歌唱を聴かせる為の曲であると言える。
6 LEVEL 4 -LEVEL→V MIX-
「これぞ!浅倉大介」という装飾感満載のキーボードサウンドが印象的なヒットシングル。歌詞の内容は「男の馬鹿らしい妄想」と「色んな意味で現状に満足するな的な側面」を描いていると思われる。確かに自分が魅力的になるにはレベルの高い相手と付き合うべきだが「何も持たない自分」は知らぬ間に「諦めの馴れ合い」のような恋愛をしている。傷ついてもいいから自分の欲望に忠実に生きろということですね。きっと。
7 Slight faith
耽美なアルペジオ風サウンドをフィーチャーしており、他の収録曲よりワンランクハードなギターサウンドが鳴り響く曲(1:32〜)オクターブ奏法による煌びやかで直線的なギターサウンドは「スマッシング・パンプキンズ(The Smashing Pumpkins)」などのオルタナ系アーティストからの影響を僅かに感じさせる(3:03〜)気怠い質感のグランジーなギターソロが登場、90年代後半は日本のアーティスト中でニルヴァーナ(Nirvana)などのオルタナ・グランジ系アーティストの影響をモロにうけた曲が数多く存在する。それは浅倉大介も例外ではなくしっかりと気怠い質感を曲に反映させている。
8 MinD ESCAPE
「遠い日の夏」のような透明感を感じるポップソング。アナログな質感のシンプルなバンドサウンドで構成されており、「yeah,yeah,wow」というコーラスはコミカルでリラックスした曲のムードにマッチしている(2:48〜)ギターソロはサーフ・ミュージック的な響きを持ちどことなく「南国の海辺」を連想するサウンドとなっている。歌詞の中に出てくる「ベストチョイスのMD」がいかにも90年代後半という感じで時代を感じる。
10 Twinkle Million Rendezvous
「夕暮れ」のような脱力感を感じるセンチメンタルなバラード。サビの歌声は非常に熱量がありバックでは壮大なストリングスがしっとりと流れている。歌詞の内容は時代や周囲に流されず自分のポジションを探せというメッセージだと思われる。それにして「本名も知らず増える友達の輪」というのはSNS中心の世界に対する警告のようだ。
11 HIGH PRESSURE -MORE HEAT MIX-
強烈な雨風がインパクト大のプロモが印象的なヒットソング。「3 WHITE BREATH -MORE FREEZE MIX-」同様にシンプルなデジタルロックではあるが西川貴教(vo) のパワフルな歌声は非常にインパクトがあり印象に残る。「カゲキにさあ行こう」における「さあ行こう」は間違いなく「最高」とかけている。
12 JUST A JOKE
「楽しかった夏休みを1日で振り返る」ようなインスト。中間部までは愉快なメロディーが全面に押し出されているが後半は「明日からの登校を憂う」ような暗さを感じる展開となっている。