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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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ヘヴィメタルでもグランジではないヘヴィミュージックを鳴らしたアーティスト/コーン(Korn)の1stアルバム。

ナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)やミニストリー(Ministry)と共振する「マシン」のような冷徹さがあり、また地面から湧き出るような7弦ギターによる重低音リフは「音の断片」と言っていい位にミニマムであり、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)以降のストリートテイストな効果音やDJスクラッチ風のフレーズも多く取り入れておりヘヴィさだけではなく90年代的な空気感も感じることができる。ジョナサン・デイヴィス(vo)の狂気的なシャウトは他のボーカリストが真似できない位の痛々しさがある。

    「要点」

  • 7弦ギターによる重低音サウンド
  • 「音の断片」のようなミニマムなリフ

「曲解説」

1 Blind

左右のヘッドフォンから交互に「戦車」のような重低音が鳴り響く中、「ヒステリーな嘆き」のようなジョナサン・デイヴィス(vo)のボーカルラインが登場しておどろおどろしい雰囲気を助長する。ギターリフはフレーズというより「音の断片」と言いたくなるほどミニマムで、グランジ勢との違いは「地面から湧き出すような重低音感」と「90年代的ストリート感」にある(3:53〜)ヘヴィなパートが途切れ淡々としたベース音とサイレンのような効果音が響き渡り静かに終わる。
2 Bail Tongue

立体的なベースのスラップの上をレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)彷彿の短い悲鳴のようなフレーズもがリフレインされ時折、重低音ヘヴィリフが鳴り響く(2:08〜)リズムが急激にテンポダウンしてトリップ・ホップのようなダークでリズミカルな展開になる(2:28〜)ベースの低音がわずかに鳴ったことを合図にミニマムなヘヴィリフが鳴り響き(2:47〜)ジョナサン・デイヴィス(vo)によるエフェクトを掛けた不穏なラップようなボーカルラインが飛び出す。その後はヘヴィリフと「Ball Tongue! 」という狂気じみたシャウトが繰り返される。
3 Need To

打ち込み風のメタリックなリズムアプローチの上を「異常警報マシン」のような冷徹な空間系ノイズギターが鳴り響く(2:11〜)ジョナサン・デイヴィス(vo) の強烈なシャウトから急激にヘヴィな展開になり「冷徹な空間系ノイズギター」は破壊的なノイズに変貌する。ここまで痛々しいシャウトはそうは何度も聴くことはできない(2:45〜)「プツンと糸が途切れた」ように急に静寂になりブレイクビーツが踊り始める。その後はまたも冷徹な空間系ノイズギターが鳴り響くという展開。
4 Divine

「冷徹なロボット」のように正確なリズムソロ(?)ではじまる曲。「無感情で破壊を楽しむマシン」のようなヘヴィリフが鳴り響く(1:32〜)タイトなドラムが鳴り響いた後、最小限のヘヴィネスとジョナサン・デイヴィス(vo)の鬼気迫るボーカルラインで展開される。その後サウンドは加速度的に激しくなり唐突に終わる。
7 Predictable

グルーヴを感じるゆっくりとしたリフがグランジテイスト、本作の中で最もグランジっぽい響きがある曲(1:48〜)マシンが壊れたようなノイズ音と渦を巻くようなノイズギターが鳴り響く。一瞬ドラムとベースだけの静なパートもあるが、その後もヘヴィで渦を巻くようなノイズギターが鳴り続ける。
8 Fake

ブレイクビーツ風のリズムの上を「氷の迷宮」のようなダークなアルペジオが鳴り響く。コーン(Korn)最大の武器であるミニマムなヘヴィリフは当然鳴り響き、静かなパートとヘヴィなパートが交互に展開されたり同居していたりする曲。

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