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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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前作「SMILE」からの流れであるアナログでシンプルなサウンドを響かせつつ、エモやポップパンクをルーツにもつアーティスからの影響を感じられる突き刺さるサビのボーカルラインが印象的な10thアルバム「AWAKE」。

名曲「3 叙情詩」に流れる「強烈な和」の響きや「4 TRUST」の無国籍感などは新機軸であり、「11 星空」「12 twinkle, twinkle」などは「メランコリックな質感の曲をポジティヴに響かせる」ラルクマジックが堪能できる。「何をやってもラルクサウンド」になるというポジティヴな悟りすら感じる安心の名作と言える。

    「要点」

  • エモやポップパンクをルーツにもつアーティスからの影響
  • 名曲「3 叙情詩」に流れる「強烈な和」の響き

「曲解説」

1 New World

突き刺さる疾走感を持つサビがエモのようなロックチューン。「青空」のような晴れやかなサウンドであり、ギター・ベース・ドラムが一体となって迫ってくる(2:06〜)「夢の中で見た夢」のようなメロディックな高音ベースソロが踊る。
2 LOST HEAVEN

歯切れの良いクランチなカッティングギターを中心に展開されるメロウなポップソング。サビのボーカルラインは流れるような旋律をもちながらもメランコリックでインパクト大(2:34〜)ギターソロはサビのボーカルラインをなぞるシンプルなもので「凛」とした響きを持つ(3:18〜)メタリックな電子音がチカチカと鳴り響く静パートが挿入させアクセントとなる。終盤は畳み掛けるようにサビが何度もリフレインされそのまま突き進む。
3 叙情詩

オーガニックな生命力を感じる壮大なバラード。カッティングギターを中心に展開される「何気ない日常」のようなヴァースと強烈な「和の響き」を持ち「優雅な風」のような上品な旋律を奏でるサビによって構成されている。どちらかと言うとメランコリックな質感の曲なのだがリスナーを包み込むような不思議な包容力があり、数多く存在するラルクの名曲の中でも特別な存在感を放つ曲である。
4 TRUST

不思議な無国籍感を醸し出すメランコリックバラード。サビではtetsuya(b)の「春風」のようなコーラスがhyde(vo)のボーカルラインと絡まり曲に色彩を与えている。またギターとベースのユニゾンフレーズが随所に挿入され分厚いサウンドを構成している。
5 Killing Me

パンク的なシンプルさと「曇り空」のようなメランコリックが混在する疾走ソング。Bメロのバックではクラシカルな弦楽器が幽玄な旋律を奏で曲にダークな質感を与えており、アグレッシヴなロックチューンでは中々聴くことができないアレンジとなっている。サビは「1 New World」同様にエモーショナルな突き刺さるボーカルラインが印象的である(2:52〜)アグレッシヴなパートの体感速度を上げる為に「どんよりした曇り空」のような質感のメロディックな静寂パートが挿入される。
6 AS ONE

前作から解禁された「ヘヴィメタルな響き」を感じるダークなリフソング。AメロBメロでは「泥水」のような質感のマニアックでディープなヘヴィリフがリフレインされ、サビはメロディー自体はそこまでメロディックではないのだがhyde(vo)が伸びやかなボーカルで歌い上げると強烈にメロディーが頭にインプットされる。
7 My Dear

「センチメンタルな思い出」のようなドリームポップ。hyde(vo)のボーカルは「悟りを開いた老人」のような重みがあり、tetsuya(b)のベースラインはhyde(vo)のボーカルラインに寄り添うようにメロディックである(3:30〜)ザラついたノイズが曲にモザイクのような質感を与え時空が歪んだような展開を見せる。最後は優雅なストリングスだけが物悲しく鳴り響き静寂を感じる。
8 EXISTENCE

USグランジ的な気怠さと確かな光を感じるシンプルなリフロック(1:27〜)「光溢れる空間」のようなサウンドや(2:01〜)リフの裏で闇に流れる耽美なアルペジオの存在から曲をハード一辺倒にさせない工夫を感じられる。最後はダークで淡々とした「暗号」のようなアルペジオだけが静かに流れる。
9 自由への招待

韻を踏んだ歌詞もお見事なラルク系の疾走ソング。サウンドは前作「SMILE」からの流れであるシンプルでアナログな音で構成されている。(2:38〜)ギターソロは非常に短いがken(g)らしい「眩しすぎる光」サウンドを聴かせてくれる。
10 Ophelia

「雨に濡れた都会の朝」のような質感のジャジーなバラード。「スパニュシュなギター」「透明なピアノ」「煙のようなサックス」がアダルトな空気感を構築するが、ベースラインは強烈に歪んだサウンドになっており縮れた光線」のようにリスナーの頭の中を刺激する。
11 星空

メランコリックなUKロック調の曲だがなぜか前向きになれるラルクマジックが堪能できるどっしりとしたバラード。歌詞の内容は「目が覚めれば変わっているといいな」という無邪気な子供のような言葉で平和を願うという内容になっている。
12 twinkle, twinkle

「11 星空」同様にUKロック調のメランコリックソングをポジティヴに響かせるラルクマジックを堪能できる曲。全パートがひとつに溶け合い「油絵」のように揺らめいており、(1:43〜 , 3:28〜 ,4:45〜)ken(g)のギターソロは「早朝の曇り空を自由に羽ばたく鳥」のようだ。

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