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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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影響を受けた音楽を大胆に反映させアルバムごとに異なる作風にチャレンジするカメレオンアーティスト/プライマル・スクリーム(Primal Scream)。彼らの初期の代表作であり「ギターロック」と「ハウスミュージック」を見事に融合させたUKロック史の中でもターニングポイントとなる作品。

ザ・ストーン・ローゼズ(The Stone Roses)やニュー・オーダー (New Order)など、ギターロックと「ハウス」や「ヒップホップ」など融合をさせていたアーティストは本作以前にも存在したが、本作でプライマル・スクリーム(Primal Scream)はより「ドラッギーでサイケデリック」なサウンドをシーンに叩きつけた。プライマル・スクリーム(Primal Scream)以降、ここまで「ドラッギーなサイケデリック」を表現・提示した「ギターロックバンド」を筆者は知らないし彼ら自身本作を超える「化学反応」を未だに生み出せずにいる。余裕で「神作」。

    「要点」

  • アシッドハウスに傾倒した代表作
  • ドラッギーでサイケデリックなサウンド
  • 90年代を代表する神作

「曲解説」

2 Slip Inside This House

酩酊感のある金縛りのようなサウンドがまさに呪縛(Screamadelica)。気怠るすぎる(最高)ボビー・ギレスピー(vo)のボーカルラインが完璧にサウンドにマッチしたしている。サンプリングされている男の笑い声はメンバーのものだろうか。
3 Don’t Fight It, Feel It

ファンキーな女性ボーカルを大胆にフィーチャーした曲。ここでもやはりサンプリングされた男の笑い声が聴ける。「時空をワープ」するかのような狂った音や極彩色でミニマムな電子音のループが重なり続ける「酩酊のような空間」はリスナーをトランス状態にして「ここではないどこか」にいるような錯覚を味あわせてくれる。曲のタイトル通りまさに感じるしかない曲。
4 Higher Than the Sun

「酩酊した状態で真夏の日の出を見る」ような恍惚感を感じるサイケな曲。オリエンタルな雰囲気の吹奏楽器が曲をより混沌としたものにしている。
7 Loaded

分厚いベースラインとホーンセクションが中心と進行されサンプリングされた様々な男女の話声が祝祭的な雰囲気を醸し出す。3:30頃に突如「ザガッ」というリバーブのしっかりかかった歪みギターが飛び出し、サンプリングされた多種多様な音が登場しカオスな雰囲気となる。今作を象徴するようなクロスオーバーな1曲。
9 I’m Comin’ Down

「ド〜ン」というドラの音で幕を開け「アラブの大蛇使い」を思わせる「鼓膜に絡みつく」ような吹奏楽器がリスナーをディープな夢の世界に引きづり込む。ガラスの砕けたような電子音が二日酔いのように脳に突き刺さりトリップ感を味わえる。

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