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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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1stアルバムで模索していた「パンク以降の次なるビジョン」が明確に見えたサウンドを聴く事ができる2ndアルバムで全編を通して「ダークでミステリアスなギターサウンド」を前面に押し出しだしている。

空間系エフェクターを多用して「イマージネーションを音楽化」しているようなイメージのサウンドは「パンクとはまた違った意味での初期衝動性」が感じられ後に登場するダーク系ニューウェイヴ・アーティストに多大な影響を与えたと思われる。

本作でスージー・アンド・ザ・バンシーズ(Siouxsie And The Banshees) が提示した「ダークで閉ざされた音世界」は極東の島国「日本」でも「V系」という異端な形で花開く事になる。本作はオールドスクールV系ファンに是非聴いて頂きたいアルバムである。

    「要点」

  • ・本作で提示された「ダークで閉ざされた音世界」は極東の島国「日本」でも「V系」という異端な形で花開く事になる
  • ・空間系エフェクターを多用して「イマージネーションを音楽化」しているようなイメージのサウンドは「パンクとはまた違った意味での初期衝動性」が感じられる

「曲解説」

1 Poppy Day

「不吉という言葉を音楽化した」ような怪しくダークなギターサウンドが渦巻くオープニングチューン。このギターサウンドは後に登場するダーク系二ューウェイブ・アーティストに多大な影響を与えたと思われる。ベースはダークな音響の中で「憂鬱」なラインを淡々と奏でている。
2 Regal Zone

「密室」のような雰囲気を前面に押し出した曲で空間系エフェクトを活用したダークで鋭角的なギターサウンドが全体を引っ張っている(1:48〜)「重力がバグった」ようなエキサイティングな展開を見せる。終盤は「強迫観念」のようにダークなアグレッシヴさが強調された展開となる。
3 PlaceboEffect

ヘヴィメタルに「呪縛」のようなエフェクティヴ・アレンジを施したようなイメージの曲。オクターブ奏法やブラッシング奏法を使って奏でられるギターサウンドは、どこかスマッシング・パンプキンズ(The Smashing Pumpkins)を彷彿とさせる。
6 Playground Twist

「狂ったジェット機」のようなギターサウンドが宙を舞い「不吉さを助長する」ような鐘の音「終幕のファンファーレ」のようなサックスも登場する実験的な曲。
7 Mother / Oh mein Papa

物悲しいオルゴール風サウンドが「メランコリックな夏休みの思い出」のように鳴り響く曲。スージー・スー(vo)のボーカルは「祈り」のように繊細で儚いものとなっている。
9 Love In a Void

「密室で奏でられたパンクロック」という趣の曲。歌詞はパンクとはまた違ったベクトルで捻くれたものとなっており「恋は空虚である、恋をすることは愚かである」との事だ。
10 Infantry

ダークな残響音が「ミニマルミュージック」のように繰り返されるミステリアスな曲でスティーヴ・ライヒ(Steve Reich)のアルバムに収録されていても全く違和感がない。

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