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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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日本の音楽シーンにおいてバクチク(BUCK-TICK)と共に「インダストリアル・ボディミュージック」からの影響を色濃くサウンドに反映させた先駆的ユニット/ソフトバレエ(SOFT BALLET)のデビューアルバム。

ほとんど全ての曲に「立体的」「凸凹」と形容したくなる潤ったビートを導入しており「ダークで怪しげなサウンド」ではあるのだが不思議な躍動感を感じるというタイプの曲が多い。本作を聴く限りではこのソフトバレエ(SOFT BALLET)というユニットはハナから「ダークでダンサブルなボディ・ミュージックをやる」為に結成されたのでは感じる。それ位に全ての曲に統一された空気感がある。また多くの曲でアシッドハウス的な音響を導入しており曲に躍動感を与えている。アシッドハウス・ムーブメントがソングライターである藤井麻輝・森岡賢に与えた影響は決して少なくないであろう。

コンセプトが明確である種「カチッ」としたサウンドとは反対に遠藤遼一(vo)のボーカルはある時は「ラッドテイストな野太い声」であり、またある時は「ねっとりとしたナルシズムを感じるもの」となっており良い意味で自由気ままな印象を受ける。

    「要点」

  • ・「インダストリアル・ボディミュージック」からの影響を色濃くサウンドに反映させた先駆的ユニット
  • ・「ダークで怪しげなサウンド」ではあるのだが不思議な躍動感を感じる

「曲解説」

1 BODY TO BODY

神秘的な音響と立体的なダンスビート、「金属」を叩いたようなインダストリアの響きが印象的なヒットシングル。ダークなサウンドとは裏腹に遠藤遼一(vo)のボーカルはラッドテイストな野太い声となっている。「デュリーダン、デュリーダン」と聴こえるファンキーなコーラスはインパクト大(2:08〜)アシッドハウスを思わせる潤った音響に包まれ「鳥の鳴き声にエフェクトをかけた」ような電子音が存在感を放つ。
2 HOLOGRAM ROSE

「激しい雨」のようなドラムサウンドの上にイマジネーション豊かなカラフルな電子音が踊る激しいエレクトロポップ。この曲でもアシッドハウスを思われる「スライム」のようなビートが曲に躍動感と潤いを与えている。
3 WITH YOU

「カメラのシャッター」を思わせる効果音がリフレインされ「地下室」のような不穏な空気が濃厚に漂う曲。終盤は「不穏な空気」と「享楽的でカラフルな音響」が混ざり合う展開となっている。時折「ビーム」のようなギターサウンドが挿入される。
5 KO・KA・GE・NI

「テクノポップ」のような東洋音階と「空を舞う」ような浮遊感が印象的な曲。歌詞を見てみると「赤い丘を過ぎる雲」なるフレーズが登場し、遠藤遼一(vo)のボーカルは「ねっとりとしたナルシズム」を感じるものとなっている。
6 L-MESS

「怪しい宴」をインダストリアル・ボディミュージックで表現したようなイメージの曲。エフェクトのかかったボーカルは恐怖感が強調されており「呪縛」のようである。「鳥の鳴き声を電子音に変換した」ようなイメージのアシッドハウス的アプローチと「硬質な箱を強パンチで殴る」ようなシンプルなビートが印象的である。
7 SPINDLE

「凸凹したモノトーンなフロア」を連想するビートオリエンテッドな曲。この曲でも「ジャングルにいるような錯覚を覚える」アシッドハウス的な潤った音響を導入している。歌詞は他の収録曲同様に意味深なものとなっているが、おそらくエロティックな内容であると思われる。
9 EARTH BORN

「氷の迷宮」のような冷気を感じる耽美チューン。「冷たいクリスタル」を連想するシンセとパンチの効いたビートを中心に構成されるシンプルなサウンドとなっているが「万華鏡」のようにカラフルなイメージが頭の中に浮かぶ曲となっており、リスナーのイマジネーションを刺激する。
10 BLACK ICE

「7 SPINDLE」同様に「凸凹したモノトーンなフロア」を連想するビートが存在感を放つアッパーチューン。アルバムの中で最もアッパーな曲をアルバムの最後に配置するセンスに「相当なひねくれ」を感じる。シンセサウンドは「デパートの屋上で催されるヒーローショー」のような華やかさを感じるさせ、 終盤は低音が強調された展開となり生ドラムの連打やインダストリアル・ビートなども挿入される。

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