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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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ローティーン女性アイドルグループの先駆け的存在であるスピード(SPEED)の1stアルバム。

「本当にローティーンなのか?!と疑いたくなる歌唱力」と「子供らしい無邪気さと可愛さ」がミックスされた良曲を多数収録した傑作アルバムとなっている。

サウンドは一言で言うと「ファンク」「ロック」「R&B」「ソウル」をゴチャ混ぜにしたミクスチャーサウンド。よく聴いてみると多くの曲でコクのあるカッティングギターと下からグイグイ攻めてくるベースラインを多くの曲で採用しておりファンク色が特に強いと感じる。また多くの曲で聴くことができる「大空を羽ばたく巨大な鳥」のようなソウルフルな女性コーラスが甲高い今井絵理子・島袋寛子のハイトーンをしっかりサポートしており力強さとコクを与えている。この女性コーラスの有無は本作のクオリティーを大幅に左右するレベルで効いていると思う。

歌詞の内容はローティーンらしい無邪気さと元気の良さを前面に打ち出したものであるが、時折見えるシリアスな影=「世間が分かり始めて傷つく事も増えてく」「矛盾だらけの世の中」「歪んだこの世界」や反抗期的衝動=「誰にも縛られたくない」が彼女たちの瑞々しいエネルギーをより引き立てるという構造となっている。

    「要点」

  • ローティーン女性アイドルグループの先駆け的存在
  • 「シリアスな影」や「反抗期的衝動」が時折歌詞に登場しスパイスになっている

「曲解説」

1 Walk This Way

「賑わうストリート」のような雰囲気を醸し出すサウンドに乗せて「4人それぞれ目指す道は違うけれどこの道を歩いていこう」とラップで意思表明するオープニングソング。
2 Body & Soul

ローティーンらしい瑞々しさを前面に押し出したダンサブルなファンクロック。歌詞の内容は非常に前向きな内容で「全力で生きていく」というニュアンスだが、シリアスな影=「世間が分かり始めて傷つく事も増えてく」や反抗期的な衝動=「誰にも縛られたくない」などにも言及しており、ローティーン少女による元気いっぱいソングだけでは終わらない奥深さがある名曲。イントロとアウトロで聴けるソウルフルな女性コーラスは「大空を羽ばたく巨大な鳥」のように優雅に響き渡る。
3 Luv Vibration

10代らしい直線的な片思いをノリノリのファンクに乗せて歌うアッパーチューン。「愛撫」と「バイブ」をかけた歌詞はなんとも言えないエロさがある。サウンドは様々な音が入ったミクスチャーな質感だが「元気の良いハリのあるボーカル」に圧倒的な響きがある為、正直細かい音が耳に入ってこないのだがそれすら「アリ」になる位に歌に勢いがある。
4 STEADY

「メタリックで歪んだ空間にいる」ような雰囲気のヒットソング。歌詞の内容は「3 Luv Vibration」同様に10代らしい直線的な片思いについてである。熱量マックスの恋愛感情をド派手なボーカルラインに乗せて歌う曲なのだが、「変わり始めている私を誰も知らない」という思春期特有の孤独感にも言及している。このラインの有無は曲の印象を大幅に左右する位にインパクトがあると感じる。
5 RAKUGAKI

「夜はこれからだ!」と中学生に歌わせるノリノリの曲だがメランコリックな風も感じるジャジーなファンクソング(1:58〜) 「イケてる男ならついていく」と色んな意味であぶないラップを披露(2:50〜)強烈にうねるベースラインの上を「波乗り」のようなギターソロが駆け抜ける(3:25〜)「夜が明けたら(夜の出来事は)クシャクシャに丸めて捨てよう」と提案するがそんな器用な中学生は果たしているのだろうか?!と少し心配になる。
6 サヨナラは雨の日….

「どんよりとした湿り気」を感じるバラードで歌詞は「待ち合わせに恋人が現れず1人都会に残される」という内容。サビの「RAIN RAIN」という箇所ではソウルフルなコーラスが渋みと哀愁を加えている。
9 Kiwi Love

出会いの予感に心を弾ませるハイテンションなポップソング(2:48〜)サポートラッパーによるストリート感MAXのラップが披露される。今井絵理子・島袋寛子の歌声は本作の中で過去最高レベルに甲高く響き渡る。
10 HAPPY TOGETHER

「仲間同士で朝までパーティーだ!踊り明かそう」とリスナーに提案するポップソング。「未来のドア」「いつも会えなくなる」などの歌詞からおそらくではあるが「中学や高校を卒業した後の仲間内のパーティー」というシュチュエーションであると思われる。終盤はメンバー全員による無邪気なコーラス「HAPPY TOGETHER」が連呼される。
11 Starting Over

「卒業式」のような清々しさと未来に対する不安が混在しているバラード調だが「終わりは始まりであり、ここから歩き出す」というポジティヴなメッセージをもつ曲。サウンドは非常にシンプルで「雨雲」のような質感のベースラインと「優しく全てを包み込む」ようなストリングスを中心に構成されている。
12 Starting Over(reprise)~Walk This Way

「これまでの収録曲を「11 Starting Over」にミックスさせた」ような曲で気付いたら1曲目「1 Walk This Way」に戻っているという不思議な展開を見せる。このようなタイプの曲は今まであまり聴いたことがない。

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