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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果28件

タグ「オルタナ」のレビュー

「1 END OF SORROW」
「涙を知るセピア色の思い出」「悲しみを知り心からの愛を知る」「何故生まれてきたのか自分のこと愛し始める」などのナルシスティックなラインがなんとも印象的で「強烈なナルシズム」と「愛しい君への狂おしい愛情」が複雑に「タペストリー」のように絡み合った歌詞が秀逸なヒットシングル。

アップテンポで疾走感溢れるロックチューンではあるが、終始「真冬の夜空」を思わせる浮遊感溢れるアレンジがルナシー(LUNA SEA)らしく、多くのロックバンドにはない耽美性を感じさせる。

この曲は「緩急」をつけてダイナミズムを強調しているサウンドなのだが、やはり多くのUK・USギターロック・アーティストとはどこかニュアンスが違う「圧倒的な独自性」がある。ちなみにUK・USギターロック・アーティストの「緩急」は良くも悪くも「静」→「動」の変化が分かりやすいアレンジが多いのだが、ルナシー(LUNA SEA)の場合、日本人らしく「僅かな変化」で曲にダイナミズムを持たせている。

「2 TWICE」
SUGIZO(g)の前衛的なノイズギターとINORAN(g)のアンビエントな質感のアルペジオの対比が美しい浮遊感溢れるギターロックでルナシー(LUNA SEA)のバラードの中でも指折りの名曲であると思われる。

この曲がもつサイケな浮遊感はSUGIZOがフェイバリットに挙げる孤高のアーティスト・マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(My Bloody Valentine)を彷彿とさせる。(3:35〜)「全ての感情をグチャグチャにする」ような強烈なノイズギターが吹き荒れる。このノイジーな質感のフレージングにおいても「確かなメロディー」を感じさせるSUGIZO(g)のセンスには恐れ入る。

歌詞は「封印していた思春期の恋愛感情を回顧する」ような内容となっており「黙って見ているだけでよかった」という歌詞は思春期男子の繊細な心情をズバリ言い表している。また「シネマみたいな空」「悲しいほどの青空」などの比喩も冴え渡っている。

    「要点」

  • ・「1 END OF SORROW」・・・「強烈なナルシズム」と「愛しい君への狂おしい愛情」が 複雑に「タペストリー」のように絡み合った歌詞が秀逸なヒットシングル。
  • ・「2 TWICE」・・・「シネマみたいな空」「悲しいほどの青空」などの比喩も冴え渡っている。

「1 END OF SORROW」 「涙を知るセピア色の思い出」「悲しみを知り心からの愛を知る」「何故生まれてきたのか自分のこと愛し始める」などのナルシスティックなラインがなんとも印象的で「強烈なナルシズム」と「愛しい君への狂おしい愛情」が複雑に「タペストリー」のように絡み合った歌詞が秀逸なヒットシングル。 アップテンポで疾走感溢れるロックチューンではあるが、終始「真冬の夜空」を思わせる浮遊感溢れ

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「1 DESIRE」
真矢(dr)のパワフルなドラムの連打から始まるソリッドなロックチューン。狂おしい恋愛感情をパッケージングした歌詞は「この感情にハマるドラマやCMなど存在するものか!」と当時隆盛を極めていたタイアップを拒絶するかのようであり「孤高のストイックさ」を感じさせる。

「ザクザクとした質感のバッキングと立体的なアルペジオから成る攻撃的なツインギター」「強烈にうねるベースライン」「曲の緩急をコントロールするシンプルでパワフルなドラム」が一体となって攻めこんでくる過剰なサウンドは「各パートが他のパートの合間を縫う」ように複雑に絡み合っており普通のシンガーであれば歌うことが困難であると思われる。

筆者としてはこの曲こそが「ルナシー(LUNA SEA)の絶頂期を最も象徴する」曲であると同時に音楽的な一つの到達点でもあると思う。ルナシー(LUNA SEA)というバンドはインディーズ時代から「ハードなロックサウンド」と距離を置いてきたアーティストなのだが、ルナシー(LUNA SEA)独自のスペーシーで浮遊感溢れるサウンドをハード化させた「異色作ROSIER」でまさかの大ブレイクを果たした。

二ューウェイブから派生したサウンドを「ハード」「アグレッシヴ」に変換させたアーティストは海外にも存在するのだが、ルナシー(LUNA SEA)と似たサウンドのアーティストは存在しないのである。要するにこの当時のルナシー(LUNA SEA)は「世界的に見ても極めてユニーク」なサウンドを鳴らしていたのである。

94年〜96年にリリースされたルナシー(LUNA SEA)の音源には「はじめから明確な答えが見えているか」のごとく音に一切の迷いが感じられない。

「2 LUV U」
「1 DESIRE」同様に狂おしい恋愛感情をパッケージングしたカップリング。「泥沼」のようにディープな音響はマッシヴ・アタック(Massive Attack)などのトリップホップ・アーティストからの影響をルナシー(LUNA SEA)なりに消化したものであろう。

歌詞は「モノトーンな部屋のベッドの上で四六時中抱き合う男女」を連想するものとなっており、RYUICHI(vo)のボーカルは曲の世界観と見事にマッチした質感で「呪縛」のようなシュールな熱さを感じさせる。オリコンチャート1位を獲得したヒットシングルのカップリングにディープでマニアックな曲を収録する所に彼らの「音楽マニア」としての拘りが感じられる。

    「要点」

  • ・「1 DESIRE」・・・「各パートが他のパートの合間を縫う」ように複雑に絡み合っており普通のシンガーであれば歌うことが困難であると思われる。
  • ・「2 LUV U」・・・オリコンチャート1位を獲得したヒットシングルのカップリングにこの様なディープでマニアックな曲を収録する所に彼らの音楽マニアとしての拘りが感じられる。

「1 DESIRE」 真矢(dr)のパワフルなドラムの連打から始まるソリッドなロックチューン。狂おしい恋愛感情をパッケージングした歌詞は「この感情にハマるドラマやCMなど存在するものか!」と当時隆盛を極めていたタイアップを拒絶するかのようであり「孤高のストイックさ」を感じさせる。 「ザクザクとした質感のバッキングと立体的なアルペジオから成る攻撃的なツインギター」「強烈にうねるベースライン」「曲の緩

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USから輸入された「グランジ/オルタナティヴ」の「ぶっ壊れた質感」を最もダイレクトにそして理想的な形で「UKロック化」させた初期レディオヘッド(Radiohead)。本作は彼らの代表曲「Creep」を含んだEPであり当時多くのロックファンが待ち望んでいた「絶妙のバランス感覚」が魅力となっている。

今では考えられない事だが当時のロックアーティストはアルバムの収録曲を2・3曲聴いただけで「UKか否か」の判断が容易であった。要するに多くのUKアーティストが二ューウェイブ以降の「UKロックマナーという檻」の中におり、レディオヘッド(Radiohead)以外でここまで大胆にグランジ/オルタナティヴに接近したアーティストは存在しなかったのである。

今では「現代のビートルズ(The Beatles)」と音楽ファンから最大限の賞賛を受ける彼らではあるが、デビュー当時は明らかにUKロック界の異端児であった。本作に収録されている多くの曲は一言で言うと「グランジ以降のシンプルなギターロック」ではあるのだが、明らかに「他のグランジ・アーティスト」とは異なる「ナイーヴなヒリヒリ感」が存在している。

乱暴な言い方ではあるが、トム・ヨーク(vo)が歌えばどのようなスタイルのサウンドであっても「レディオヘッド(Radiohead)」になるのでは?!」そう思わずにはいられない。

    「要点」

  • ・USから輸入されたグランジ/オルタナティヴの「ぶっ壊れた質感」を最もダイレクトにそして理想的な形で「UKロック化」させた初期レディオヘッド(Radiohead)
  • ・乱暴な言い方ではあるが「トム・ヨーク(vo)が歌えばどのようなスタイルのサウンドであってもレディオヘッド(Radiohead)」になるのでは?!」

「曲解説」

1 Creep

「何も起きない退屈な日常」のような淡々とした展開を唐突なギターのブラッシングノイズが切り裂き、そこから「感情を解き放つ」ようなエモーショルなサビに移行する90年代ギターロックを代表する名曲であり、この曲に影響を受けたと思われる曲は邦・洋楽問わず数多く存在する。タイトルである「Creep」とは日本語訳で「イケてない奴・半端者」という意味である。この曲の歌詞は「高嶺の花」である女性に対して強烈な愛情を感じている主人公(イケてない自分)が「自分は所詮Creepだから」と自己否定的な諦念感情を爆発させるという内容となっている。「グランジ以降のネガティヴィティーの爆発」とザ・スミス(The Smiths)にも通じる「ダメ人間の視点から描いた世界観」が最高のバランスで絡み合っいる歌詞は、90年代前半の音楽ファンが求めていた正に求めていたものであり、本人達が望む望まないは別として「完璧なロックアンセム」と言えるだろう。
2 Inside My Head

気怠いヴァースから「感情を叩きつける」ようなエモーショナルなサビに移行する「王道グランジソング」なのだが「他のアーティストのグランジソングとは明らかに何かが違う」ナイーヴなヒリヒリ感を感じる事ができる。トム・ヨーク(vo)の叫び声はとにかく「生理的に気持ち良いとしか言いようのない」スペシャルなものである。中盤で登場するスローなギターサウンドは「泥酔したソニック・ユース(Sonic Youth)」のように危うい。また話は飛ぶが「OMOIDE IN MY HEAD / ナンバーガール(NUMBER GIRL)」は、この曲からヒントを得てつけられたタイトルなのではないだろうか?!
5 Blow Out

「耽美でメランコリックな要素」をぶっ壊れた質感のギターロックに上手く反映させた曲で当時のUSグランジ勢にはない「強烈なUK匂」が漂う。間奏部分以降はジョニー・グリーンウッド(g)によるアバンギャルドなギターサウンドがこの曲に「不穏さ」と「アブノーマルなエッジ」を与えている。

USから輸入された「グランジ/オルタナティヴ」の「ぶっ壊れた質感」を最もダイレクトにそして理想的な形で「UKロック化」させた初期レディオヘッド(Radiohead)。本作は彼らの代表曲「Creep」を含んだEPであり当時多くのロックファンが待ち望んでいた「絶妙のバランス感覚」が魅力となっている。 今では考えられない事だが当時のロックアーティストはアルバムの収録曲を2・3曲聴いただけで「UKか否か」

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過去、最もレコーディングが難航し「コーラン」の逆回転を無断で使用した事でも一悶着あった問題作。

「90年代へヴィネス」「トリップホップ」「シューゲイザーサウンド」をバクチク(BUCK-TICK)流にアブノーマルに再構築したサウンドは、世界的に見ても「95年当時の最先端」である。今井寿(g)は常に先端音楽をチェックし続けているのだろう。アルバムタイトルは一見すると卑猥だが「音楽業界がsix sideなら自分たちはnine sideに行ってやる」という反逆的な意味合いがあると思わる(筆者の考察)事実、彼らは本作リリース後に自分たちの事務所(有限会社バンカー)を立ち上げ翌年にはレコード会社を移籍している(wiki)

「フラストレーション」「諦念」「偏執的な感情」をテーマにしたものが多く、ある種痛々しいがシリアスにクリエイティヴィティーを突き詰めた結果なのであろう。ヘヴィなサウンドを曲に反映され痛々しい歌詞をもつ本作はファンの中でもおそらく賛否両論あったはずではあるが、筆者としては彼らの「我流を貫く孤高のスタンス」を最大限スペクトしている。

    「要点」

  • ・世界的に見ても95年当時の最先端サウンド
  • ・アルバムタイトルは「音楽業界がsix sideなら自分たちはnine sideに行ってやる」という反逆的な意味合いがある

「曲解説」

1 Loop

「中東的な音響」と「スペーシーな質感」をもつエレクトロニカサウンドをバックに「自然とあなたに対する感謝」を淡々と朗読する衝撃のオープニング。オルタナ・グランジ以降の乾いたカッティングギターは「宇宙を彷徨っている」ような浮遊感と静けさがある。
2 love letter

大胆に90年代へヴィネス導入したロックチューンでヘヴィなリフが目立つ曲ではあるがHR/HM的なグルーヴ感はなく、「ヘヴィなB-Tニューウェイブ」という感じのサウンドとなっている。
3 君のヴァニラ

「ヨレたエロス」を感じるミニマムなオルタナチューン。歌詞の内容はおそらく「刹那的でアブノーマルな恋愛」についてである。(2:31〜)エロティックな展開から「メロウな夏休み」のようなギターソロが登場するが、そこに「B-Tらしい不穏なノイズサウンド」が登場しなんとも言えない空気感が出来上がる。
4 鼓動

「幻」のような雰囲気を感じるB-T流シューゲイザーソング。サビで「感情を解き放つ」ような展開にはレディオヘッド(Radiohead)的なダイナミズムがある。歌詞は「母とこの世に生きる全て」に対する感謝を歌っており、最後は「これまでの事が全て夢であった」かのようなドリーミな揺れる音響に包まれる。
5 限りなく鼠

アリス・イン・チェインズ(Alice in Chains)を彷彿とさせる「泥水」のような重さと気怠さを感じるスローなヘヴィリフを中心に構成されている曲で櫻井敦司(vo)のボーカルは「ホラー映画」のような質感で過去最高レベルにおどろおどろしい。歌詞は「不条理な世の中に対する」諦めにも近い感情を吐き出しており、「道しるべに騙されたように」というラインは秀逸で「救いようのなさ」を端的に表している。
6 楽園(祈り 希い)

全ての音響から「泥酔」のような揺らめきを感じるルーミーでマニアックな曲。「戦争や殺戮が終わらない世界に対する」馬鹿らしさを「神の子が殺し合う愛の園」という歌詞で批判しつつも、そんな世界に対して「何もする事ができない自分」に対する虚無感を歌っている。
9 相変わらずの「アレ」のカタマリがのさばる反吐の底の吹き溜まり

今井寿がメインボーカルを担当する曲でアルバムタイトルにも深く関係している強烈な歌詞がインパクト大。歌詞の内容は「腐りきった音楽業界」を批判したもであり、「six side is heaven nine side is go」なる歌詞はおそらくではあるが「独立」を暗に宣言していると思われる。それにしてもかっこ良すぎるラインである。
11 密室

ダビーな音響とタイトル通りの密室感を感じる偏執的なラブソング。マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(My Bloody Valentine)からの影響を感じる「揺らめくサイケサウンド」を中心に構成されている(1:17〜、2:50〜)狂おしい愛情を歌うボーカルラインの後ろでは「砂嵐」のようにザラついたノイズサウンドが吹き荒れる(1:58〜)ギターソロは「蜃気楼」のようなフィーリングでリスナーの鼓膜に絡みつく。
12 Kick(大地を蹴る男)

グランジをエレクトロポップ化したようなアブノーマルなロックチューン。この曲の歌詞も「9 相変わらずの「アレ」のカタマリがのさばる反吐の底の吹き溜まり」同様に「独立の決意」を表したものだと思われる。サビのライン「道化師躍れ、それが運命」なる歌詞をここまで楽しそうに歌うシンガーは櫻井敦司(vo)だけであろう。
15 見えない物を見ようとする誤解 全て誤解だ

ニルヴァーナ(NIRVANA)のギターリフを今井寿(g)流にワンコードで再構築したリフが終始リフレインされるダークなギターロック。サウンド自体はシンプルでダイナミックなサウンドであるのに対して、歌詞の内容は非常に癖が強く一聴すると「捻くれすぎた男の嘆き」のようなものに聴こえるが「不条理なこの世界に染まるのは危険だ」と警笛を鳴らすような内容ともとれる。深読みかもしれないが。
16 Loop MARK II

宇宙から「美しい奇跡の星」を静かに眺めるようなスペーシーさと静けさを感じるエンディング。櫻井敦司(vo)が「り・ん・ね」というフレーズを時間をたっぷり使って囁く。

過去、最もレコーディングが難航し「コーラン」の逆回転を無断で使用した事でも一悶着あった問題作。 「90年代へヴィネス」「トリップホップ」「シューゲイザーサウンド」をバクチク(BUCK-TICK)流にアブノーマルに再構築したサウンドは、世界的に見ても「95年当時の最先端」である。今井寿(g)は常に先端音楽をチェックし続けているのだろう。アルバムタイトルは一見すると卑猥だが「音楽業界がsix side

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ダークな無空間の中で今井寿(g)の尖ったセンスが大爆発している神アルバム。

海外の尖ったアーティストのアルバムなども数多く聴いてきた筆者ではあるがこのアルバムで聴く事ができる「マニアックでアブノーマルなサウンド」の数々は衝撃的と言っていい内容となっている。このぶっ飛んだサウンドの提示だけでも十分に凄いのだが、バクチク(BUCK-TICK)の最大の魅力は「ぶっ飛んだサウンド」をポップソング・ロックソングに落とし込める点にあると思う。

マニアックな世界観を持つ「4 青の世界」「5 神風」「9 Madman Blues -ミナシ児ノ憂鬱-」などの曲も彼らの手にかかれば「不穏なワクワク感」を感じる曲になるから何とも不思議である。「金属的でメタリックなエッジ」「揺らめくようなサイケデリック」を多くの収録曲で感じる事ができバクチク(BUCK-TICK)サウンドをより奥深く立体的にしている。

時代が時代であれば彼らは確実に海外のコアな音楽ファンに注目されていたに違いない。

    「要点」

  • ・ダークな無空間の中で今井寿(g)の尖ったセンスが大爆発
  • ・マニアックな世界観を持つ曲もB-Tの手にかかれば「不穏なワクワク感」を感じる曲に変貌

「曲解説」

1 キラメキの中で…

ミステリアスに揺らめくギターフレーズと微かに歪んだ残響を中心に展開されるB-T独自のアバンギャルド・ソング(2:02〜)「酩酊」のような質感のサイケサウンドが揺らめき(3:03〜)「一時停止」のように直線的な残響サウンドが響き渡る。以降は全てのパートが熱量を上げサウンドがより鋭角的になる。「もう少しでキラメキになる」「誰も彼もがキラメキになる」などの歌詞は筆者のイマジネーションでは正直追いつけない類でありサウンド・歌詞共にポジティヴな意味でやりすぎな名曲といえる。
2 Deep Slow

「ローファイな歪み」と「揺らめくような空気感」を感じる曲でグランジをB-Tなりに解釈したような曲となっている。「リズムはひどく狂いはじめた」なる歌詞がとにかく秀逸でシラフでは出てこないと思われる。終盤は直線的なギターリフが更に存在感を増すが、同時にオリエンタルな雰囲気も醸し出すという展開である。
3 誘惑

「地下室で行われるデカダンスで耽美なパーティー」を連想する曲で珍しく(?!)ジャジーなテイストを加えている。ピアノの旋律の間を縫うように時折現れる「揺らめく煙」のようなギターサウンドがインパクト大でB-Tソングの中でも「異色」と言っていい質感の曲となっている。
4 青の世界

「縮れたような強烈な歪み」と「神聖な雰囲気」が同居するヘヴィチューン。冒頭の櫻井敦司(vo)による囁き「青の世界へようこそ」がマニアックな世界観をリスナーに予感させる。「渦巻き」のようなベースラインがとにかく目立つ曲でダークなグルーヴを堪能する事ができる(4:35〜)櫻井敦司(vo)のルナティックなシャウトと共にBPMが急加速してカオスな展開となる。
5 神風

「揺らめく炎」のようなアルペジオを中心に展開される曲で「悪ふざけ」のような櫻井敦司(vo)の語りがミステリアスなムードを醸し出している(2:58〜) 終幕感と妙な祝祭性が混ざったパートから、またも櫻井敦司(vo)の語りが登場。声に「半透明の渦巻き」のようなエフェクトがかけられておりぶっ壊れた感を演出(3:40〜)「センスが狂いそうだ」「センスが暴れそうだ」「回る回る世界が回る」というインパクト大のフレーズが登場。アブノーマルさをポップソングに落とし込むという点においてB-Tの右にでるアーティストはそうはいないハズだ。
6 ZERO

「スライム」のような弾力感を感じる樋口 豊(b)のスラップベースを中心に展開されるスローな曲で櫻井敦司(vo)独自の酔っ払いラップ風歌唱が登場する「ZEROになるさ」というフレーズが頻出するが「青空が優しく手招く」というフレーズからおそらくではあるが「死」をテーマにしていると思われる。
7 ドレス

「天空の城」のような浮遊感を感じる名バラード(0:00〜)冒頭のリズムアプローチはまさかのドラムンベース風。歌詞の内容は「MADの続編」のようなイメージで狂い果てた後に感じる強烈な喪失感を歌っている(2:50〜)「僕には羽がない」という諦念を淡々とメロディックに語りけるようなサビがインパクト大。曲を通してエモーショナルなフックなどは用意されていないが「強い北風」のようなエモーショナルを感じる。
9 Madman Blues -ミナシ児ノ憂鬱-

「200%の負のパワーをもつ超生物の増殖」をテーマにしたマニアック・ソング。今井寿(g)による「welcome to my territory」というフレーズがループされリスナーを異空間に誘う。本曲の歌詞はジャンプ世代の筆者からすると「ドラゴンボールのセル」や「幽遊白書の海藤」を連想する。
10 die

「夕暮れ」のような眩しさを感じるアコースティックサウンドと「引き裂く」ような今井寿(g)のノイズサウンドが不思議とマッチしているバラード。歌詞の内容はB-Tらしく「死」についてである。最後は「全てがバグった」ようなカオスな音響に包まれる展開である。
11 D・T・D

「縮れた電子音」が脳内を駆け巡り曲全体から「濃厚な東洋の匂い」を感じるマニアックチューン。メインフレーズのクリーンアルペジオは個人に「リットン調査団」と聴こえてしまう(3:21〜, 4:07〜,5:25〜)時折、登場する極彩色フレーズは「壊れたメリーゴーランド」のようである。また「醜く歪み出したこの美貌」なる歌詞を歌えるボーカリストは櫻井敦司(vo)位だろう。

ダークな無空間の中で今井寿(g)の尖ったセンスが大爆発している神アルバム。 海外の尖ったアーティストのアルバムなども数多く聴いてきた筆者ではあるがこのアルバムで聴く事ができる「マニアックでアブノーマルなサウンド」の数々は衝撃的と言っていい内容となっている。このぶっ飛んだサウンドの提示だけでも十分に凄いのだが、バクチク(BUCK-TICK)の最大の魅力は「ぶっ飛んだサウンド」をポップソング・ロックソ

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