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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果28件

タグ「オルタナ」のレビュー

「1 BELIEVE」
これまで彼らが提示してきた「ルナティックなダークサウンド」とは正反対と言っていい「透明で開放的」な雰囲気をもっている曲で ファンの中でルナシー(LUNA SEA)史上最大の賛否両論を巻き起こした「SHINE」程ではないだろうが、本作も初期「ルナシー(LUNA SEA)クラシック」を求めるコアファン達の間で相当な賛否両論を巻き起こしたに違いないと思われる。

それにしても「世界の果て」のようなアルバム「IMAGE」でメジャーデビューを飾ったその後に、この「透明で開放的」な曲をメジャーデビューシングルとして音楽シーンに叩きつける所に彼らの尋常ではない「こだわり」を感じる。「ブランディング」や「イメージ」が大切な音楽ビジネスの中で彼らほど扱いづらいアーティストはいないだろう(褒めてます)。

「優雅にそしてスピーディーに流れるボーカルライン」「眩しすぎる光を感じる音響的なツインギター」を中心に構成された耽美サウンドは当時の既存の音楽シーンには存在しない「独自すぎる」サウンドで当時は「新感覚」に聴こえたであろうと思われる。またサウンド以上に「ドラスティックな変化」を遂げているのがRYUICHI(vo)の歌声であり、これまでの「狂った暗黒テイスト」は影を潜めアクアマリンのような質感の耽美性を感じさせる歌声となっている。歌詞もインパクト大で「〜過ぎる」というフレーズが頻出する「too much」な歌詞は若かりし日の彼らの勢いをパッケージングしている。

「2 Claustrophobia」
「1 BELIEVE」で混乱したファン達に対して「安心してください!」と言わんばりのルナシー(LUNA SEA)クラシック。「密室のようなダークさ」「陰鬱な雰囲気」「壊れた文学性を感じる詞の世界」をもっており全てのV系アーティスト・ファン必聴の曲となっている。

サウンドは初期ルナシー(LUNA SEA)の魅力を凝縮したようなハイクオリティーな暗黒サウンドだが、この曲の本当のヤバさは「閉ざされ病んでいる歌詞」をRYUICHI(vo)が絶叫して歌う展開にこそあると思う。この曲におけるRYUICHI(vo)の歌唱は伝説のアーティスト「ピクシーズ(Pixies)」が生み出した「オルタナな響き」を日本人独自にアレンジしたようなイメージなのである。

また驚くべき事にこのオルタナ的な歌唱をRYUICHI(vo)はインディーズの頃から大胆に取り入れている。この独自なオルタナ歌唱は「音楽マニア」であるSUGIZO(g)のアドバイスによるものか!?もしくは「ルナティックな表現の為の試行錯誤の果て」にRYUICHI(vo)が発明したものなのだろうか?!定かではないがどこからこの「独自なオルタナ歌唱」が生まれたのか?!非常に興味がある。

「当時の世界の先端(オルタナ)」と共振しつつも 「日本でしか生まれない独自性」をもつサウンドを鳴らしたルナシー(LUNA SEA)が多くのコアなアーティスト・音楽ファンからリスペクトを受けるのは当然であると思われる。

    「要点」

  • ・「1 BELIEVE」これまで彼らが提示してきた「ルナティックな漆黒サウンド」とは正反対と言っていい「透明で開放的」な雰囲気
  • ・「2 Claustrophobia」この曲におけるRYUICHI(vo)の歌唱は伝説のアーティスト「ピクシーズ(Pixies)」が生み出した 「オルタナな響き」を日本人独自にアレンジしたようなイメージ

「1 BELIEVE」これまで彼らが提示してきた「ルナティックなダークサウンド」とは正反対と言っていい「透明で開放的」な雰囲気をもっている曲で ファンの中でルナシー(LUNA SEA)史上最大の賛否両論を巻き起こした「SHINE」程ではないだろうが、本作も初期「ルナシー(LUNA SEA)クラシック」を求めるコアファン達の間で相当な賛否両論を巻き起こしたに違いないと思われる。 それにしても「世界の

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ブラックミュージック・オリエンテッドであった前作から大胆にサウンドチェンジさせた3rdアルバム。

同じく97年にリリースされた「FACES PLACES / globe(グローブ)」と共振する「オルタナ・グランジ的な響き・質感」を大胆に反映させた作風となっており、オープニングソングである「1 Concentration 20 (make you alright)」などはイントロを聴いた時点では「これは本当にアムロの曲なのか?」と疑うレベルである。

シングルカットされた「6 a walk in the park [Remix]」「12 How to be a Girl [STRAIGHT RUN]」などは「ブラックミュージック的なディープさ」と「オルタナ的な壊れた質感」が見事に掛け合わされており、当時の小室哲哉は相当に90年オルタナ・グランジに傾倒していたと思われる。

    「要点」

  • FACES PLACES / globe(グローブ)」と共振する「オルタナ・グランジ的な響き・質感」を大胆に反映させたアルバム
  • 6 a walk in the park [Remix]における「a」は「amuro」の「a」だと今気づいた

「曲解説」

1 Concentration 20 (make you alright)

「暗号」のような質感の歪んだギターリフと「暴風雨」のようなノイズが空気を支配するハードなオルタナチューン。イントロを聴いた段階だと「本当にアムロの曲なのか?」と疑いたくなる程に前作からの変化を感じるサウンドであり、サビのボーカルラインもどことなくニルヴァーナ(Nirvana)的なエモーショナルを放っている。最後は「狂騒」のようなノイズサウンドがパタリと止まり「ガラス」のような質感のミニマムな電子音だけが静かに鳴り響く。
2 B w/z you

「縮れたビーム」のような電子音と「不穏な影」のような音響が印象的なトラックに乗せてアムロがしっとりした歌声で歌い上げるバラード。「1 Concentration 20 (make you alright)」ほど露骨ではないが全編を通してロック的なエッジを感じる事ができる。終盤では「空間を彷徨う黒い影」のような質感のノイズギターが鳴り響き曲をカオスにしている。
3 Close your eyes, Close to you

「メタリックな質感のうねる波のような重低音」と「ネオンカラーの電子音」が印象的なハウスチューン。中盤以降は一番遠くでノイズギターが鳴り響き曲にロック的なエッジを与えている。
4 Me love peace !!

「海辺に一人で佇む」ようなセンチメンタルを感じるレゲエ調の曲。サビのボーカルラインは「グランジアーティストを彷彿とする言葉のリフのようなハードなパート」と「メロディックでポップなパート」という2部構成になっている(3:20〜)「素敵な別れ」のような晴れやかさをもつ電子音が登場、その後は気怠い音響のノイズサウンドが曲にミステリアスな印象を与える。
5 No Communication

メタリックでカラフルな電子音と「雨雲」のような質感のベースラインの対比が印象的な曲。この曲でも随所に歪んだギターサウンドが挿入される為、前向きなポップさの中にも不穏さを感じる。
6 a walk in the park [Remix]

「深夜徘徊」のようなダークさをもつニューウェイブソング。イントロなどで聴く事ができる「終わらない螺旋階段」のような キーボードのループは非常に中毒性があり何度でも聴いていられる。サビは「一気に感情を解き放つ」ような開放感があり、 ボーカルの裏では何重にも重ねられた歪んだギターサウンドが鳴り響く。鳴っている音こそ全く違うが、このサビでの爆発はUSグランジ的と言っていいと思う。あとタイトルの主語である「a」は「amuro」の「a」だと思われる。
7 To-day

「眠れない夜」のようなディープさと気怠さをもつ曲でミステリアスに規則正しく鳴り響く電子音はオリエンタルな耽美を感じる。 終盤は「思い出したくないシーン」のような質感の歪みギターサウンドが脳内をグシャグシャとかき乱す。
8 Storm

「チープな西部劇」のようなミニマムな音響がループされるファンキーな曲。「急ぎ足」のようなラップと面白いテンポ感のボーカルラインが印象的。作詞作曲はなんと「m.c.a.t」。
10 CAN YOU CELEBRATE? [Remix]

「卒業式」のような晴れやかさと「1人で都会に佇む」ような孤独を同時に感じる大ヒットソング。ゴスペル風のコーラスがサビのボーカルラインに花を添え「全てを包み込む優しい風」のようなストリングスが全ての負の感情を浄化してくれる。
12 How to be a Girl [STRAIGHT RUN]

「ケミカル・ブラザーズ(The Chemical Brothers)」のようなハードなブレイクビーツとオルタナロックのような質感が印象的なハードチューン(3:03〜)「空に浮かぶ黄金の城」を連想するサイケなギターソロが登場。ギターソロ以降はこれまで以上に壊れた質感のギターサウンドが強度を増し、最後はアシッドハウス的なスライムビートが淡々と鳴り響く。

ブラックミュージック・オリエンテッドであった前作から大胆にサウンドチェンジさせた3rdアルバム。 同じく97年にリリースされた「FACES PLACES / globe(グローブ)」と共振する「オルタナ・グランジ的な響き・質感」を大胆に反映させた作風となっており、オープニングソングである「1 Concentration 20 (make you alright)」などはイントロを聴いた時点では「こ

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前作「SMILE」からの流れであるアナログでシンプルなサウンドを響かせつつ、エモやポップパンクをルーツにもつアーティスからの影響を感じられる突き刺さるサビのボーカルラインが印象的な10thアルバム「AWAKE」。

名曲「3 叙情詩」に流れる「強烈な和」の響きや「4 TRUST」の無国籍感などは新機軸であり、「11 星空」「12 twinkle, twinkle」などは「メランコリックな質感の曲をポジティヴに響かせる」ラルクマジックが堪能できる。「何をやってもラルクサウンド」になるというポジティヴな悟りすら感じる安心の名作と言える。

    「要点」

  • エモやポップパンクをルーツにもつアーティスからの影響
  • 名曲「3 叙情詩」に流れる「強烈な和」の響き

「曲解説」

1 New World

突き刺さる疾走感を持つサビがエモのようなロックチューン。「青空」のような晴れやかなサウンドであり、ギター・ベース・ドラムが一体となって迫ってくる(2:06〜)「夢の中で見た夢」のようなメロディックな高音ベースソロが踊る。
2 LOST HEAVEN

歯切れの良いクランチなカッティングギターを中心に展開されるメロウなポップソング。サビのボーカルラインは流れるような旋律をもちながらもメランコリックでインパクト大(2:34〜)ギターソロはサビのボーカルラインをなぞるシンプルなもので「凛」とした響きを持つ(3:18〜)メタリックな電子音がチカチカと鳴り響く静パートが挿入させアクセントとなる。終盤は畳み掛けるようにサビが何度もリフレインされそのまま突き進む。
3 叙情詩

オーガニックな生命力を感じる壮大なバラード。カッティングギターを中心に展開される「何気ない日常」のようなヴァースと強烈な「和の響き」を持ち「優雅な風」のような上品な旋律を奏でるサビによって構成されている。どちらかと言うとメランコリックな質感の曲なのだがリスナーを包み込むような不思議な包容力があり、数多く存在するラルクの名曲の中でも特別な存在感を放つ曲である。
4 TRUST

不思議な無国籍感を醸し出すメランコリックバラード。サビではtetsuya(b)の「春風」のようなコーラスがhyde(vo)のボーカルラインと絡まり曲に色彩を与えている。またギターとベースのユニゾンフレーズが随所に挿入され分厚いサウンドを構成している。
5 Killing Me

パンク的なシンプルさと「曇り空」のようなメランコリックが混在する疾走ソング。Bメロのバックではクラシカルな弦楽器が幽玄な旋律を奏で曲にダークな質感を与えており、アグレッシヴなロックチューンでは中々聴くことができないアレンジとなっている。サビは「1 New World」同様にエモーショナルな突き刺さるボーカルラインが印象的である(2:52〜)アグレッシヴなパートの体感速度を上げる為に「どんよりした曇り空」のような質感のメロディックな静寂パートが挿入される。
6 AS ONE

前作から解禁された「ヘヴィメタルな響き」を感じるダークなリフソング。AメロBメロでは「泥水」のような質感のマニアックでディープなヘヴィリフがリフレインされ、サビはメロディー自体はそこまでメロディックではないのだがhyde(vo)が伸びやかなボーカルで歌い上げると強烈にメロディーが頭にインプットされる。
7 My Dear

「センチメンタルな思い出」のようなドリームポップ。hyde(vo)のボーカルは「悟りを開いた老人」のような重みがあり、tetsuya(b)のベースラインはhyde(vo)のボーカルラインに寄り添うようにメロディックである(3:30〜)ザラついたノイズが曲にモザイクのような質感を与え時空が歪んだような展開を見せる。最後は優雅なストリングスだけが物悲しく鳴り響き静寂を感じる。
8 EXISTENCE

USグランジ的な気怠さと確かな光を感じるシンプルなリフロック(1:27〜)「光溢れる空間」のようなサウンドや(2:01〜)リフの裏で闇に流れる耽美なアルペジオの存在から曲をハード一辺倒にさせない工夫を感じられる。最後はダークで淡々とした「暗号」のようなアルペジオだけが静かに流れる。
9 自由への招待

韻を踏んだ歌詞もお見事なラルク系の疾走ソング。サウンドは前作「SMILE」からの流れであるシンプルでアナログな音で構成されている。(2:38〜)ギターソロは非常に短いがken(g)らしい「眩しすぎる光」サウンドを聴かせてくれる。
10 Ophelia

「雨に濡れた都会の朝」のような質感のジャジーなバラード。「スパニュシュなギター」「透明なピアノ」「煙のようなサックス」がアダルトな空気感を構築するが、ベースラインは強烈に歪んだサウンドになっており縮れた光線」のようにリスナーの頭の中を刺激する。
11 星空

メランコリックなUKロック調の曲だがなぜか前向きになれるラルクマジックが堪能できるどっしりとしたバラード。歌詞の内容は「目が覚めれば変わっているといいな」という無邪気な子供のような言葉で平和を願うという内容になっている。
12 twinkle, twinkle

「11 星空」同様にUKロック調のメランコリックソングをポジティヴに響かせるラルクマジックを堪能できる曲。全パートがひとつに溶け合い「油絵」のように揺らめいており、(1:43〜 , 3:28〜 ,4:45〜)ken(g)のギターソロは「早朝の曇り空を自由に羽ばたく鳥」のようだ。

前作「SMILE」からの流れであるアナログでシンプルなサウンドを響かせつつ、エモやポップパンクをルーツにもつアーティスからの影響を感じられる突き刺さるサビのボーカルラインが印象的な10thアルバム「AWAKE」。 名曲「3 叙情詩」に流れる「強烈な和」の響きや「4 TRUST」の無国籍感などは新機軸であり、「11 星空」「12 twinkle, twinkle」などは「メランコリックな質感の曲をポ

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椎名 林檎のデビューアルバム。当時「8 ここでキスして。」がテレビ番組のエンディングで起用されるなどデビュー当時から圧倒的な注目を浴びていたが、その注目も納得のクオリティーの作品となっており、色んな意味で壊れた質感をポップソングに落とし込むセンスはhideに近いものがあると感じる。

また歌謡曲からの影響が自然と滲み出ており現在は死語だと思われるが、洋楽コンプレックスを一切感じない。なた歌詞の内容もぶっとんでいてエロの要素があるものが多い。椎名 林檎が登場するまで女性ロックアーティストは日本にはほとんど皆無であり、彼女の登場がなければ現在の日本の音楽シーンは別のものとなっていただろう。

    「要点」

  • 壊れた質感をポップソングに落とし込む破格のセンス
  • 洋楽コンプレックスを一切感じない

「曲解説」

1 正しい街

歌謡曲テイストを感じるダイナミックなギターロック。電子音とノイズが随所に散りばめられ鼓膜に絡みつき(3:10〜)春の訪れのような柔らかいストリングスが鳴り響き最後は直線的ですこしノスタルジーなギターフレーズが淡々と響き渡る。
2 歌舞伎町の女王

歌舞伎町の女王が女王になるまでの物語を描いたヒットソング。煌びやかな光のようなギターフレーズを中心に展開されサイケな質感もある(1:37〜)ギターソロはサビのボーカルラインをなぞるシンプルなものとなっている。
3 丸の内サディスティック

「夕暮れのオフィス街」のようなアーバンな雰囲気があるジャジーな曲(2:05〜)同じところを「ブン、ブン、ブン」とうねり回るようなベースラインと哀愁のあるハーモニカが重なり眩しさを感じる展開になり、そこに「ふと我にかえった」ようなしっとりしたピアノの音色が鳴り響く。歌詞の内容は強烈で「泥酔のした時に頭に浮かぶイメージ」を全てぶちまけたようなものとなっている。
4 幸福論(悦楽編)

エフェクティヴで歪んだボーカルで畳み掛けるジャンクなロックソング。シンプルな構成だが緩急によってとんでもないダイナミズム生み出している。絶叫を歪ませたようなノイズも登場するが曲全体を通して「おもちゃ」のようなキャッチーさがある。このあたりのセンスはhideに通じるものを感じる。
6 シドと白昼夢

バグった夢と現実を行ったり来たりするインパクト大の曲。揺れた光に包まれているような感覚に陥る異空間パートと、厳しい現実のようなノイズロックなパートによって構成されている。「異空間パート」では「ガラスが割れる」ような音、「ノイズロックなパート」では「ピィー、ピィー」というノイズが挿入され曲のもつエッジをさらに高めている。
8 ここでキスして。

この曲で「椎名 林檎」を知った人も多い ヒットソング。波紋のように広がるクリーンなギターフレーズが曲に浮遊感を与えている。感情を一気に爆発させるサビのメロディーラインやギターソロはインパクト大。
9 同じ夜

「普段、多くを語らないおばあちゃんの独白」のような渋みを感じるアコースティックバラード。バイオリンが長年寝かせた赤ワインのような味わいある旋律を奏でる。サビのボーカルラインは壮大でエモーショナルなものとなっている。
10 警告

熱風のような熱さを感じるラフでハードなロックチューン。ざっくりとしたギターリフと底で不穏にうねるベースラインを中心に展開され(3:00〜)唐突に乱れた呼吸をフィーチャーしたパートが挿入されアクセントになっている。

椎名 林檎のデビューアルバム。当時「8 ここでキスして。」がテレビ番組のエンディングで起用されるなどデビュー当時から圧倒的な注目を浴びていたが、その注目も納得のクオリティーの作品となっており、色んな意味で壊れた質感をポップソングに落とし込むセンスはhideに近いものがあると感じる。 また歌謡曲からの影響が自然と滲み出ており現在は死語だと思われるが、洋楽コンプレックスを一切感じない。なた歌詞の内容も

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ラルク アン シエル(L’Arc〜en〜Ciel)のルーツであるニューウェイブ的なダークさが印象的なアルバムで「8 浸食 〜lose control〜」のようなヘヴィな曲であっても、ダークな質感や耽美的な要素が盛り込まれておりサウンド的に統一感がある。彼らの初期の曲を「HEART」以降のサウンドで再構築したような曲が多いアルバムなので、ある意味、インディーズ時代のアルバム「DUNE」と本作はリンクしていると感じる。

セールス的にピークにあった1999年だからこそ彼らは自分たちの原点を再確認するようなアルバムを作成したのだろうか!?「ダークな統一感」にハマれるかどうかで評価の分かれるアルバムと言える。

    「要点」

  • インディーズ時代のサウンドを再構築
  • ダークで耽美的
  • イケイケの全盛期

「曲解説」

1 死の灰

前作から本格導入したグランジ的な歪みとクリアな浮遊感が同居しているハードチューン。ルーズで「少し酔っている」かのようなヨレた質感の歪んだギターリフが終始鳴り響き、リズムはどっしりとしたシンプルな展開なっている(1:40〜)ハードなサウンドとこぶしの効いたボーカルラインをメインに構成されるサビだが、裏ではユートゥー(U2)やルナシー(LUNASEA)と共通するような眩しい光を連想する空間系アルペジオが鳴り響いており、ハードさと同時に浮遊感と眩しさも感じる(2:13〜)歪んだトーンで鳴らされるギターソロは煌びやかでありやはり眩しい光を感じる。
2 It’s the end

ザ・スミス(The Smiths)彷彿の流麗なギターフレーズが「黄昏の海辺」を連想するようなニューウェイブソング。BPMは早めだがhyde(vo)はギターフレーズに呼応するように流麗で大河のようにゆらりと流れるボーカルラインを歌い上げる、曲を通してサビのような展開。最後は流麗なサウンドが止まり、陽炎のような残響を残すギターサウンドが鳴り響く。
3 HONEY

hyde(vo)からニルヴァーナ(Nirvana)に対する回答とも言えるようなオルタナギターチューン。壊れた質感のオルタナ/グランジギターが終始鳴り響くがボーカルラインがメロウでキャッチーな点が、本家USオルタナ/グランジとは決定的な違いで。壊れたサウンドとメロウなボーカルラインのせめぎ合いがこの曲の魅力。また動きまくるメロディックなベースラインもUSグランジバンドではありえない(1:45〜)ソニックユースのような「機械が壊れたノイズ」のようなken(g)のギターソロは「ノイジーでジャンクな音質」なのだがメロディーを感じさせるのはさすがのセンスだといえる。終盤はまるでリフのようなyukihiro(dr)のドラムが鳴り響き曲を更に疾走させる。
4 Sell my Sou

アジアンの香りがするメロウなギターポップ。パーカッションを使ったラテンっぽいリズムパターンとジャジーなテイストを反映しておりギター・ベース共に最小限の手数でプレイしているが、ギターフレーズは相変わらず流麗なフレージングである(1:10〜)ファルセットを使った「蝶が舞う」ようなメロウなボーカルラインを聴かせるための曲という感じ。それくらい珠玉なボーカルラインだと思う。
6 L’heure

「誰もいないモノトーンな部屋」を思わせるインスト。トリップホップのようなダークで立体的なリズムの上を効果音のようなアルペジオが淡々と鳴り響くとう展開。時折、プライベート感あふれる英語による男女の会話が挿入される。ちょっと休憩というニュアンスの立ち位置の曲。
7 花葬

ニューウェイブ系ダーク・ギターロックの名曲。ダークで浮遊感のあるギターとストリングスが絡みあい幻想的な空気感を演出。音響構築に徹するギターとは対照的にクネるように動きまくるベースラインが印象的(2:02〜)ファルセットを使ったサビのメロディーラインはメランコリックだが一度聴くと頭から離れない中毒性があり(2:19〜)ギターソロはダークで幻想的な世界に「降り注ぐ光」のようび煌びやかな音色。終盤はサビが繰り返され最後はイントロと同様の耽美的なギタースレーズで締め括る。
8 浸食 〜lose control〜

「「地下の実験室」を思わせるダークでミステリアスなアルペジオが鳴り響く静のパート」と「ヘヴィでドライブ感のあるハードなサウンドによる動のパート」を中心にして構成される(1:05〜)「Good‐morning Mr.Fear」というhyde(vo)の呟きからヘヴィでドライブ感のある展開に変貌。ドラムはパワフルな変拍子を叩いている(1:50〜)ライド(Ride)彷彿の暴風雨のようなノイズが登場してカオスな様相を呈する。ノイズが鳴り止んだ後は「滅びた世界」のような淡々としたアルペジオとhyde(vo)の独り言のようなボーカルラインが流れる(3:33〜)またも「Good‐morning Mr.Fear」という呟きからハードな展開に変貌。終盤はハードなベースラインが強烈にウネり最後まで攻めまくる。
9 trick

冷たい金属的な響きが終始鳴り響くノイジーな曲。ループのようなミニマムなギターリフやサイレンのようなエフェクティヴなサウンド、冷たい金属的な響きがインダストリアル風でhyde(vo)のボーカルラインは所々でラップのように聴こえる(2:52〜)脳裏をギシギシ刺激するノイズソロ(?!)が鳴り響く 。このあたりもやはりインダストリアルの影響だと思われる。
10 いばらの涙

初期の耽美的な質感を「HEART」以降のサウンドで再構築したようなサウンド。冒頭は「秒針」のようなアルペジオがループされ、その上をhyde(vo)が「ファルセットで耽美的なボーカルラインを歌うパート」と「ハードでダイナミックなバンドサウンドによるパート」を中心となり構成される。時折、鳴り響く幻聴のようなギターサウンドは幽玄で幻想的な雰囲気がある(1:10〜)手数の多いドラムフレーズからエモーショナルでハードなサウンドに変貌、hyde(vo)のボーカルラインはエモーショナルで空を舞うようだ(3:16〜)ダイナミックで空間を支配するようなギターソロが登場。終盤はサビがリフレインされ全てのパートが主張する展開となり最後はハウリングが鳴り響く。

ラルク アン シエル(L’Arc〜en〜Ciel)のルーツであるニューウェイブ的なダークさが印象的なアルバムで「8 浸食 〜lose control〜」のようなヘヴィな曲であっても、ダークな質感や耽美的な要素が盛り込まれておりサウンド的に統一感がある。彼らの初期の曲を「HEART」以降のサウンドで再構築したような曲が多いアルバムなので、ある意味、インディーズ時代のアルバム「DUNE」と

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