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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果28件

タグ「オルタナ」のレビュー

海外渡航(イギリス・ドイツ)時に得たインスピレーションから作成された楽曲を収録した5枚目のアルバム。

これまでもインディーズ時代のアルバム「DUNE」や3枚目のアルバム「heavenly」で異国感を感じる音創りをしていた彼らだが、今作では「ダークで重厚な質感」や「叙情性のあるフレージング」などの要素を取り入れている。それに加え「ジャジーなテイスト」や「USグランジ・オルタナ」からの影響をラルク アン シエル(L’Arc〜en〜Ciel)らしいメロディックな曲に反映させることによってこれまでの作品とは異なるレベルのダイナミズムや深さを感じることができる作品に仕上がっている。「歪んだマイナーコードの響きを活かしたギターロック」「景色が浮かぶメロウなポップソング」「ドイツの大河を連想するスケールの大きな曲」など様々なタイプの曲が収録されているが全ての曲のクオリティーが非常に高く本作は彼らの最高傑作と呼べる作品になっている。

    「要点」

  • ドイツ大河や古城を思わせる異国感
  • ジャジーな質感を導入
  • 最高傑作との呼び声が高い

「曲解説」

1 LORELEY

極寒のような冷たいピアノとダークで重層な雰囲気が印象的なオープングソング。ken(g)のギターサウンドが曲のダークさと緊張感を演出している。 冒頭では不穏で緊張感のあるサックスが空気を切り裂き、そこからゆったりとしたテンポの上を滑らかなhyde(vo)のボーカルラインが踊り、徐々に熱量を上げていく。Bメロの裏ではこれまであまり聴けなかったスマッシング・パンプキンズ(The Smashing Pumpkins)のようなオクターブ奏法により歪んだギターリフを聴くことができ、サビは煌びやかなシンセとうねるベースラインの上をどこまで果てしなく続く大河のような壮大なボーカルラインが響き渡る。中世ヨーロッパのような雰囲気を持ちつつもUSオルタナ的な「エッジ」が反映されている神曲。最後は不穏なコクのあるアルペジオが静かに鳴り響く。
2 winter fall

実際に「真っ白な雪原にいる」かのような錯覚を味わえる曲。ガラスのように透明なアルペジオと優雅なホーンを中心に展開される。 メロディックで「真っ白な吐息」を連想するボーカルラインを持つサビがインパクト大(2:45〜)「雪の上に寝そべって見る晴天の青空がクルクルと回る」ようなイメージが浮かぶスケールの大きい伸びやかなボーカルラインが曲に躍動感を与え(3:08〜)ギターソロは暖炉に手をかざすような暖かさを感じる。曲を通して「どこまでも続く青空」「降り積もる雪」「凍える寒さ」「白い吐息」といった雰囲気を醸し出すフレーズや音色のみで構成されており世界観を見事に表現している。最後はhyde(vo)による「戻らない時間」のような物悲しい一人語りで終わる。
3 Singin’ in the Rain

「雨が降る都会の早朝」を連想するジャージーなピアノの旋律と微かな光のようなギタープレイがを中心に展開されるメロウな曲。 歌詞の中にもやはり「雨」が登場、歌詞の内容としては「降りしきる雨」が「雨が好きだった君」を思い起こさせるとういうもの(1:24〜)メロウな曲にぴったりな湿り気を帯びた力強いボーカルラインが曲の世界観をより確固なものとする。ボーカルラインの裏では残響のようなギターサウンドがノスタルジーな雰囲気を演出。終盤は「雨が激しくなった」ようなギターのノイズ音が薄っすらと鳴り響き、最後は水面に波紋を残すようなピアノの音で終わる。
4 Shout at the Devil

ラルク アン シエル(L’Arc〜en〜Ciel)流グランジと言いたくなる歪んだギターロック。イントロからハウリングとhyde(vo)のカウントアップで幕を開ける激しい展開でken(vo)の開放的で歪んだギターフレーズが終始縦横無尽に暴れまわる。90年代後半はグランジ・オルタナ的な歪みを自分たちの曲に反映させる日本バンドが多かったが、この曲で聴けるken(g)のギターサウンドはジ・エッジ/U2(ユートゥー)がニルヴァーナ(Nirvana)のリフを弾いような音であり、ワウを効果的に使って飛翔感を感じるような質感になっていて個性がある(2:20〜)前作「True」までのhyde(vo)からは想像もできないようなまさにDevilなシャウトが登場する。それに続ギターソロに関してもグランジ的な壊れた質感を伴うものとなっている。終盤はリズム隊もグイグイと猛烈に攻めて最高潮を迎え最後は終焉のようなホーンが鳴り響き、僅かな不気味さを残し終わる。
5 虹

「蝶がクルクルと舞う」ようなミニマムなアルペジオが鳴り響く代表曲。言わずもがなバンド名を日本語に変換したタイトルとなっている。 イントロが終わると「いきなりサビから突入」する展開でインパクトがある。話が少しそれるが96年〜97年にかけて当時の3大バンド(L’Arc〜en〜Ciel、LUNASEA、GLAY)が揃ってサビから突入する代表曲をリリースしていることは大変興味深い。本曲は全体的にセンチメンタルな雰囲気のある曲となっており「静かで淡々としたAメロ」、「サビの爆発での予感させるBメロ」、「激しくエモーショナルなサビ」という構造になっている(2:38〜)メロウなアルペジオをバックにhyde(vo)の愛に対する悟りのような呟きが聴ける。終盤はエモーショナルなサビが繰り返しリピートされ最高潮を迎える。
7 Promised land

歪んだマイナー調の残響が心地よくハードでラフな曲なのだが不思議な浮遊感を感じる曲。よく聴いてみるとハードでラフなサウンドのバックに「柔らかい舞」のようなシンセや空間的なアルペジオが鳴っており、これがハードなサウンドなのにも関わらずハードに聴こえず浮遊感すら感じる仕掛けなのだろう(3:05〜)サイケデリックな揺れる光のようなサウンドに全体が包まれれるが、この後、光は消えてなくなりタイトで原始的なドラムが鳴り響く。終盤はフックのあるサビが繰り返されて最後はエフェクトのかかった声の残響で終わる。
8 fate

「ドイツの古城」を思わせる叙情系ギターフレーズと動きまくるベースフレーズが印象的なミドルテンポでダークな曲。マイナー調の歪んだギターサウンドが終始鳴り響き、曲を通して切ない雰囲気が漂う(1:30〜)hyde(vo)による高音を活かしたメロディックなボーカルラインを持つサビが強烈(1:50〜)残響が心地よくゆらゆらと宙を舞うギターソロが鳴り響き、間奏部では柔らかいストリングスやピアノ、煌びやかな電子音なども登場して切なさを更に助長する。終盤は柔らかいストリングスと煌びやかな電子音が更に存在感を増し最後はミニマムな電子音のループで終わる。この曲の終わり方はKarma Police/レディオヘッド(Radiohead)に近いものを感じる。

海外渡航(イギリス・ドイツ)時に得たインスピレーションから作成された楽曲を収録した5枚目のアルバム。 これまでもインディーズ時代のアルバム「DUNE」や3枚目のアルバム「heavenly」で異国感を感じる音創りをしていた彼らだが、今作では「ダークで重厚な質感」や「叙情性のあるフレージング」などの要素を取り入れている。それに加え「ジャジーなテイスト」や「USグランジ・オルタナ」からの影響をラルク ア

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言葉本来の意味でのオルタナティヴ(代案)を体現するアーティスト/ベック(Beck)。HIP HOPのビート感、変幻自在な電子音、アバンギャルドなノイズなどあらゆる音楽の面白いところ曲に反映させるベック(Beck)サウンドは唯一無二。子供のように音楽で好き勝手に遊び、そのサウンドを冷静に楽曲に落とし込んだようなイメージなので、「ごった煮サウンド」であっても無印良品のアイテムのように「シャープでシンプルなポップミュージック」として成立している。

またこれだけ様々な要素を反映しているにも関わらず全編を通してカントリーのような牧歌的でのどかな雰囲気を一貫して感じることができる点に相当なこだわりを感じる。90年代的なジャンルのクロスオーバーを象徴するような1枚と言える。

    「要点」

  • ごった煮サウンド
  • 複雑だが「シャープでシンプルなポップミュージック」
  • 全編を通してカントリーのような空気感
1 Devils Haircut

序盤はウォームで少し歪んだリフと淡々としたビートで進行(0:46〜)「意外な登場人物が現れた」ような効果音が鳴りビートがブレイクビーツに移行。ブレイクビーツ登場以降は、「ドリーミーな電子音」や「ドアノブを回すような幽かなノイズ」などが登場し夢心地な雰囲気となるが、その空気感の中で(2:58〜)マニアックなエフェクトをかけたシャウトが登場。「僅かなグランジ匂」を残し曲は終了する。
2 Hotwax

フォーク調のギターサウンドとアナログでゆったりしたビートの上をリラックスしたベック(Beck)流のラップが乗る。ソニック・ユース(Sonic Youth)彷彿のアバンギャルドノイズが頻繁に登場し曲をカオスにする。電子加工された管楽器のような音色やDJのスクラッチのような音も挿入されるサウンドはまさに「ごった煮」(3:11〜) そんな「ごった煮サウンド」を遮るように「夕暮れ時」のような雰囲気が流れ「小鳥のさえずり」がはじまる。曲はそのままの雰囲気で最後は「沈む夕日」のようにしっとりと終わる。
3 Lord Only Knows

「老人の叫び声」のような声で幕をあける。終始鳴り続ける僅かに歪んだ音響は「夏の終わりのビーチにいる」かのようにメロウでノスタルジーな雰囲気を醸し出す(1:26〜)ビートが強調されて枯れた味わいのあるギターソロが流れる。終盤、音響の歪みが増幅され「電子の海」と化すがそこに(3:38〜)フラメンコギターのようなラテンな流れる旋律が流れる。それを皮切りにアバンギャルドノイズが流れ曲をズタズタに切り裂く。
5 Derelict

「砕けたクリスタル」のような神秘的でデリケートな電子音が流れる中をベック(Beck)の歪んだ気だるいラップが乗る(1:50〜)リズムが複雑性が増して、まるでダブ・ステップのようなリズムに一時かわる。そこに(2:05〜)中東を連想する「煙」のようなラッパの音が流れる。終盤は中東的な雰囲気が全体を支配して全てを包むように曲は終わる。
6 Novacane

「沈む夕日」のようなカントリー調ではじまるが(0:20〜)シュールな祝祭のような電子音の登場を皮切りにヘヴィなギターと神経質で小刻みでビートが登場。オルタナサウンドと歪んだラップを中心に展開される(1:25〜)デジタルな太陽光線のようなノイズが鳴り響く(2:05〜)一瞬のブレイクの後にDJスクラッチが顔を出し、そこから冒頭のカントリー調もあらわれる展開。終盤はアバンギャルドな音が順繰りに登場し鳴り響く。もはや冒頭の「沈む夕日」のようなカントリー調の姿は跡形もない。
9 Minus

ギターだけではなく音響全体が歪んでいるようなベック流オルタナソング(1:00〜)リズムがぐっとスローになり「70年代ハードロック」のような展開になるが、すぐにまた元の展開に戻る。終盤はハードなオルタナサウンドとキラキラした電子音が絡まる。
11 Readymade

ゆったりしたHIP HOPのビートと気だるくヨレたギターリフで展開される。キラキラした電子音や「軍歌」のようなラッパの音色も登場。ベックのボーカルも淡々として抑揚のない落ち着いたものになっているが、この淡々とした変化のなさがアバンギャルドな本作の中では異質。

言葉本来の意味でのオルタナティヴ(代案)を体現するアーティスト/ベック(Beck)。HIP HOPのビート感、変幻自在な電子音、アバンギャルドなノイズなどあらゆる音楽の面白いところ曲に反映させるベック(Beck)サウンドは唯一無二。子供のように音楽で好き勝手に遊び、そのサウンドを冷静に楽曲に落とし込んだようなイメージなので、「ごった煮サウンド」であっても無印良品のアイテムのように「シャープでシンプ

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80年代USアンダーグラウンドシーンを代表するバンドソニック・ユース(Sonic Youth)実験的でシュールな絵画を見ているような錯覚に陥るアバンギャルドなギターサウンドをギターロックに反映させたエポックメイキングなバンドであると同時に、ニルヴァーナ(Nirvana)やダイナソーJr.(Dinosaur Jr.)を「発掘」した名スカウトでもある。

「壊れた質感」「ノイズを音響として活かしたサウンド」「ありえないコード進行の不穏な響き」などの特徴を持つ音楽性。90年代におけるグランジ・オルタナギターロックの台頭はソニック・ユース(Sonic Youth)なしでは考えられない。本作はメジャーレーベル移籍後にリリースされた第一弾アルバムだが、「油絵」のようにぼやけた音響やアバンギャルドなノイズサウンド満載でシュールとしか言いようのない異空間を作り上げている。ポップではないしリスナーを選びまくる作品であることは間違いないが、ポップソングとしてギリギリのギリギリのラインで成立している(2.・3曲成立していない曲もある)

    「要点」

  • アバンギャルドなギターサウンド
  • シュールとしか言いようのない異空間
  • ニルヴァーナ(Nirvana)を「発掘」

「曲解説」

1 Dirty Boots

オリエンタルな雰囲気のミニマムなベースフレーズを中心に進行する曲でサーストン・ムーア (g, vo)は話すようなテンションで淡々とメロディーを歌い上げる(2:35〜)「重い扉を開ける」ようなギターノイズが鳴り響き壊れた展開に移行するとさっきまでのテンションが嘘のようにサーストン・ムーア (g, vo)が「Dirty Boots」というフレーズを連呼。また横殴りの雨のようなノイズギターが飛び出し混沌とした雰囲気となる。 終盤はオリエンタルな響きのギターサウンドが響く展開だが(4:50〜)水面に浮かぶ揺れる炎のようなメロウな展開になり静かに終わる。
 2 Tunic (Song for Karen)

 「油絵」のようなノイズギターが終始鳴り響く浮遊感を感じる曲でキム・ゴードン (b, g, vo)のボーカルは語りのよう(3:40〜)ノイズは真っ白な霧になり視界を防ぐ。ノイズはその後も様々な変化を見せ、曲に色彩を加える。
 3 Mary-Christ

 教会の鐘が鳴り響く神聖な空気感をノイズギターがバッサリと切り裂くイントロ。ノイジーでミニマムなリフを繰り返すソニック・ユース(Sonic Youth)流リフロック(1:20〜)「ピィ〜ピィ〜ピィ〜」と「アバンギャルドの極致」のような音が登場する。
 5 Mote

 「高速回転する竜巻」のようなノイズが縦横無尽に暴れる(3:23〜)スローなテンポになり静寂に包まれる中、複数のアンプのハウリングが響きはじめ「この世の果て」のようなカオスな様相を呈する。この後も「不穏なハウリングが響き続けるだけ」の展開が続くマニアックな曲。
 8 Mildred Pierce

 強烈に歪んだベースラインと効果音のような煌びやかなギターサウンドが絡み疾走する。ソニック・ユース(Sonic Youth)の曲の中では圧倒的にシンプルな曲だと思っていた矢先(1:38〜)狂気じみた絶叫と共に「目に映る全てを破壊する」凶悪なノイズが渦巻く。本作の中でも最も意外性のある曲。

80年代USアンダーグラウンドシーンを代表するバンドソニック・ユース(Sonic Youth)実験的でシュールな絵画を見ているような錯覚に陥るアバンギャルドなギターサウンドをギターロックに反映させたエポックメイキングなバンドであると同時に、ニルヴァーナ(Nirvana)やダイナソーJr.(Dinosaur Jr.)を「発掘」した名スカウトでもある。 「壊れた質感」「ノイズを音響として活かしたサウン

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90年代を代表するバンド/ニルヴァーナ(Nirvana)とレディオヘッド(Radiohead)に影響を与えたオルタナの元祖的アーティスト。極端な「静→動のダイナミズム」は彼らが生み出した方法論だとも言われており、囁くように歌われるボーカルラインから突然、狂ったような絶叫をみせる曲も存在する。 「突然何かが壊れた」ような展開は90年代以降の「狂気」の表現に必要不可欠な要素であり、ピクシーズ(Pixies)なくして90年代ロックなしと言っても過言ではない存在と言える。

またピクシーズは日本のV系バンドとも共通点がある「突然、何かが壊れたかのような」シャウトやまくしたてるようなボーカルはV系でも見られる。V系のボーカリストはピクシーズ(Pixies)を知っていたのだろうか?!それとも偶然の一致だろうか?!気になるところである。

    「要点」

  • 極端な「静」→「動」のダイナミズム
  • 90年代カリスマアーティストに多大な影響
  • V系との意外な共通点

「曲解説」

2 Tama

囁くようなボーカルラインから突如何かが壊れたかのような絶叫にかわるインパクト大の曲。絶叫と共に鳴り響く金属的な響きのギターは同じコードをずっとカッティングするという単調なものだが、ボーカルラインがあまりにエキセントリックなので「これでいいのだ」状態になる。
3 Wave of Mutilation

女性ベーシスト・キム・ディール(b)の囁きのようなボーカルとブラック・フランシス(vo , g)のメロウなボーカルが掛け合いで歌う名曲。
5 Here Comes Your Man

「少年時代の思い出」のようなノスタルジーなベースラインとメロウなアルペジオを中心に展開される。ブラック・フランシス(vo , g)が歌うメランコリックなボーカルラインは神レベルで(1:45〜)「港を出る船の汽笛」のように薄く鳴り響くギターソロが聴ける。
6 Dead

原始的で躍動感のあるリズムに「うねるドリル」のように歪む単音ギターフレーズが絡みつく。エフェクトがかけられたブラック・フランシス(vo , g)のボーカルは「ヒステリーな呪文」のようであり、どこか密室を連想するような曲となっているだが(1:17〜)ダークな空間が少しの間だけ、「春の訪れ」のような開放的な音色に包まれ。
7 Monkey Gone to Heaven

ミニマムなベースラインを中心に展開される曲で単音の歪みギターはおそろしく耳に残り曲に壊れた質感を与えている。ブラック・フランシス(vo , g)とブラック・フランシス(vo , g)のボーカルは一つに重なりメロウなメロディーを奏でる(2:05〜) 少しの静寂のあとに狂ったようなシャウトが繰り返されるまさかの展開もあるが美しくしっとりした曲。
8 Mr.Grieves

「怪盗団のテーマソング」のようなダークなギターフレーズと笑い声を含んだコミカルなボーカルラインが印象的な曲(0:40〜)リズムが加わり疾走感のある展開になるが怪しさは最後まで続く。
10 La La Love You

枯れたブルースギターのフレージングが印象的な曲で口笛も鳴り響く。ムード歌謡のようなブラック・フランシス(vo , g)のボーカルがコミカルな印象。繰り返される「I LOVE YOU」はガチなのかジョークなのか気になる。
11 NO.13 Baby

残響のようなギターがサウンドが幻想的な雰囲気を醸し出す曲。甲高いブラック・フランシス(vo , g)のボーカルラインは相変わらず素晴らしく(2:55〜)澄み渡る青空のようなギターサウンドが聴ける。
14 Silver

「恐竜の足音」のような「ズドン」というリズムの上をヨレたブルースギターとアニメのキャラクターが歌っているような可愛い歌声のボーカルがで舞う。終盤は「so long」(多分)というフレーズが連呼される。

90年代を代表するバンド/ニルヴァーナ(Nirvana)とレディオヘッド(Radiohead)に影響を与えたオルタナの元祖的アーティスト。極端な「静→動のダイナミズム」は彼らが生み出した方法論だとも言われており、囁くように歌われるボーカルラインから突然、狂ったような絶叫をみせる曲も存在する。 「突然何かが壊れた」ような展開は90年代以降の「狂気」の表現に必要不可欠な要素であり、ピクシーズ(Pixi

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グランジ・オルタナ系ギターバンドの中で最も「耽美」「浮遊感」「メルヘン」という形容が似合うアーティストであり、ハードなギターサウンドをフィーチャーしたサウンドではあるのだが、他のUSグランジ・オルタナ勢に見られるような「ヘヴィネス」や「グルーヴ」といった要素はあまり感じられず、直線的な轟音がなんとも言えない浮遊感を醸し出している。

「静」→「動」のダイナミズムを生かしたサウンドも得意とするバンドではあるが、真骨頂やはり「破壊的な轟音」と「メルヘンな質感」を同居させる事にあり、「轟音ニューウェイブ」と言いたくなる独自の音楽であると言える。ビリー・コーガン(vo)の特有のダミ声は「轟音ニューウェイブ」と奇跡の相性をみせ、どれだけ轟音を重ねても不思議な浮遊感を感じる一つの要因になっている。

    「要点」

  • 「耽美」「浮遊感」「メルヘン」を感じるハード系バンド
  • 「轟音ニューウェイブ」と言いたくなる独自の音楽

「曲解説」

1 Cherub Rock

これから始まる激情を予感させるマーチ風のシンバルではじまり、ニルヴァーナ(Nirvana)やサウンドガーデン(Soundgarden)etcとはやや異なる少し「金属的なきらめき」を感じることができるギターリフが鳴り響くが「ヘヴィ」という印象ははなく「轟音」という表現がぴったりのサウンド。タイトル和訳は「天使のロック」おそるおそる歌詞の和訳を見てみるとファンタジーな内容ではなく生々しい音楽産業批判であった。
2 Quiet

SEは「センサーが不法侵入者の発見を知らせる」ような不穏な残響音。その後は「地に張り付く砂鉄」のような重低音リフが終始鳴り響く (1:50〜)ブラックホールに吸い込まれるような音の後にこれからの爆発を予感させる手数の多いドラムフレーズが鳴り響き(2:02〜)「空気をナイフで引き裂く」ような金属的でエフェクティヴなギターソロ飛び出す。
3 Today

日本のミクスチャーバンド「ドラゴン・アッシュ(Dragon Ash)」がヒットシングル「Grateful Days」のイントロで本曲のアルペジオをサンプリングしている事でも有名。おとぎ話のような少しセンチメンタルなアルペジオが終始鳴り響くが、メインリフはそれとは対極の地を這うような轟音となっている。両極端なフレーズが見事に絡み、油絵のような浮遊感を感じる事ができる。
4 Hummer

ヒップホップ風のリズムに激しいモザイクような音が絡んだようなSE(0:55〜)異なる音色がハモるツインギターは轟音だがやはり浮遊感を感じる(1:18〜)透明でクリアなアルペジオは同時期のグランジ・オルタナバンドではあまり聴けない。その後は「透明でクリアなパート」と「油絵のような轟音」パートを交互に繰り返す(4:30〜)流れるようなアルペジオはメランコリックさが強調されており、特に後半は「水面に広がる波紋」のような美旋律が堪能できる。
6 Disarm

柔らかいアコギのコードストロークとストリングスとビリー・コーガン(vo)の歌声だけで構成される壮大な曲。本曲におけるビリー・コーガン(vo)のボーカルはエモーショナルでセンチメンタル。ボーカルラインの美しさは筆者がこれまで聴いた全ての曲の中でもトップ10に入る位の神ライン。教会の鐘を思わせる音もセンチメンタルな雰囲気を助長する。
7 Soma

「何も起きない平凡な日常」のような淡々とした静かなアコギの音色が心地よく、そこにビリー・コーガン(vo)の繊細なボーカルラインが加わる(2:25〜)徐々にボーカルラインに抑揚がつき始め平凡な日常に色彩が加わる(3:30〜)轟音ギターサウンドが鳴り響きグランジサウンドに変貌(6:00〜)全ての感情を放出した後のような静けさに包まれ「浅い夢」のようなメルヘンなメロディーが流れる。
11 Silverfuck

ブラッシングノイズをうまく取り入れたザクっとした質感のノイズギターがメインリフ(1:00〜)テンポダウンして原始的なリズムとビリー・コーガン(vo)の囁くような歌声だけで構成される展開に移行するが(1:37〜)直線的なギターリフが鳴り響き一気に熱量マックスのグランジサウンドに変貌。鳴り響くフィードバックノイズが凶暴な雰囲気を演出(3:02〜)世界の果てを思わせる静寂に包まれエフェクティブなノイズの断片が挿入されるが(6:46〜)ハードな展開に戻りその後は視界に映る全てを木っ端微塵に破壊するようなノイズの渦に包まれる。
12 Sweet Sweet

ニューウェイブ直系のガラス細工のような透明で耽美的なギターサウンドとビリー・コーガン(vo)による「淡い炎」のようなボーカルラインのみで展開される浮遊感あるの曲。ほとんど全ての曲に言える事だが異なる世界観や質感を1曲の中に同居させている。

グランジ・オルタナ系ギターバンドの中で最も「耽美」「浮遊感」「メルヘン」という形容が似合うアーティストであり、ハードなギターサウンドをフィーチャーしたサウンドではあるのだが、他のUSグランジ・オルタナ勢に見られるような「ヘヴィネス」や「グルーヴ」といった要素はあまり感じられず、直線的な轟音がなんとも言えない浮遊感を醸し出している。 「静」→「動」のダイナミズムを生かしたサウンドも得意とするバンドで

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