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live at the indoor
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検索結果45件

タグ「ギターロック」のレビュー

アルバム「TEAM ROCK」「THE WORLD IS MINE」はエレクトロニカ・ポストロックなど「当時の先端音楽を大胆に取り入れた」実験的な作品であったが、今作「アンテナ」ではシャープなエレクトロサウンドがほとんど登場しない。

前作「THE WORLD IS MINE」はナチュラルで心地よい虚無感を感じるシリアスな作風であったが、本作のサウンドはアルバムジャケットとリンクする作風であり、どこか「祭」のような華やかさがある。

シンプルなロックサウンドで「リスナーの頭の中にイメージを想起させる曲を作る」のは非常に難しいと思うのだが、くるりはこれまで同様、いやそれ以上に「リスナーの頭の中にイメージを想起させる曲」をアナログ×オーガニックなロックサウンドという文法で作り出す事に成功している。

朝の気怠さ透明感をパッケージングし映画のワンシーンのような世界観を表現している「1 グッドモーニング」。ゆったりしたバラード調から和風でノリの良いロックンロールに転調する展開でシンプルでありながらしっかりとグルーヴを感じる「2 Morning Paper」。「脳みそをグチャグチャにする」ような強烈な和のグルーヴを感じる自虐サイケ「5 Hometown」。歌詞に登場する「真夏の太陽」のように眩しすぎる音響を感じる「10 How To Go 」etc。

本作はバラエティーに富んだ様々な曲を収録しているロックンロールアルバムではあるが、くるり特有の「ゆったりとした和の雰囲気」は健在であり「どのような音楽を自分達のサウンドに取り入れてもナチュラルに自分たちのサウンドになるんだ!」と高らかに宣言するようなアルバムとなっている。

    「要点」

  • ・本作のサウンドはアルバムジャケットとリンクする内容であり、どこか「祭」のような華やかさがある。
  • ・ロックンロールアルバムではあるが、くるり特有の「ゆったりとした和の雰囲気」は健在。

「曲解説」

「2 Morning Paper」

「霧の中にいる」ような音響を前面に押し出したUKギターロックで初期のアルバム「さよならストレンジャー」に収録されていた曲よりもキャリアを経ている分、洗練されていると印象を持つ。ゆったりしたバラード調から和風でノリの良いロックンロールに転調する展開や シンプルでありながらグルーヴを感じるサウンドなどは、新加入のドラマー/クリストファー・マグワイアの貢献が大きい。
「3 Race」

「レトロで渋い音楽をルーツとするUK若手アーティスト」のようなサイケを感じるスローテンポの曲。シンセやサンプラーなどは使われていないが「幽玄」と形容したくなる音響は前作と共通する要素である。シンプルなロックサウンドではあるが、リスナーのイマジネーションを刺激し様々な景色を思い起こさせる。
「4 ロックンロール」

「難解な問題を解く事に疲れ果て、何かが吹っ切れた」ようなシンプルなタイトルと「淡々としているが何気に充実している日常」のようなシンプルでチカラ強いロックサウンドが印象的なシングル曲。2000年代前半は世界的に「ロックンロール・リバイバル」なるムーブメントが起きたが、この曲はくるりからの「ロックンロール・リバイバル」に対する回答であると思われる。ロックンロールと言えば性急でワイルドなものが多いのだが「くるりのロックンロール」はどこまでもマイペースで「ゆったり」という表現がピッタリなものとなっている。
「5 Hometown」

「脳みそをグチャグチャにする」ようなワウギターがこれまでのくるりにはないサイケ感を醸し出しており、曲全体から「強烈な和のグルーヴ」を感じる事ができる。歌詞は故郷/京都を離れて活動する自分たちを自虐した内容(wiki)との事だが「逃走5年、盆地23年」という表現はヒップホップ的であり、ご丁寧に韻も踏まれている。
「8 花の水鉄砲」

前作に収録されていた「3 GO BACK TO CHINA」に似た中華的なコード感を感じるミニマムなロック。シンプルで少ない音数で構成されているサウンドだが、タイトなドラムが全体をビシッと引き締めている。歌詞はミステリアスな内容で「昭和の文豪が酔っ払っている時に書いた乱文」のようである。
「10 How To Go

クリストファー・マグワイア(dr)による「here we go!ロックンロール」というノリの良いカウントで幕をあけるシンプルなロックンロール。少ない音数で「静」→「動」のダイナミズムを上手く表現した曲。シンプルなアレンジが多い本作収録曲の中でもとりわけシンプルな構造なのだが、歌詞に登場する「真夏の太陽」のように眩しすぎる音響を感じることができる。

アルバム「TEAM ROCK」「THE WORLD IS MINE」はエレクトロニカ・ポストロックなど「当時の先端音楽を大胆に取り入れた」実験的な作品であったが、今作「アンテナ」ではシャープなエレクトロサウンドがほとんど登場しない。 前作「THE WORLD IS MINE」はナチュラルで心地よい虚無感を感じるシリアスな作風であったが、本作のサウンドはアルバムジャケットとリンクする作風であり、どこ

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「図鑑」と言う知的な匂いのするタイトル、前作「さよならストレンジャー」でも垣間見れた音楽的な造形の深さから聴く前は「プログレ」的な難解なものを予想していたのだが、その予想は半分は正解で半分は不正解であった。

収録されている多くの曲が「一筋縄ではいかない展開」となっているのだが自然と耳に入ってくる不思議なポップさがあり、本作「 図鑑」は前作以上に様々な音楽的からの影響を曲に反映している。中でもUSオルタナ・アーティストに近い響きの「混沌としたコード進行」「ポストロック的なクールネス」は本作の鍵であり共同プロデューサーに元ソニック・ユース(Sonic Youth)のジム・オルークを招いているのは賢明な判断であると言えるだろう。

「混沌としたくるり流オルタナ」ゼロ7(Zero7)やシステム7 (System7)などの音響系アーティストを彷彿とさせる「5 惑星づくり」ピアノの弾き語りである「8 ピアノガール」etcを収録しており、バリエーションに富んだ内容となっている。

普通、様々なタイプの曲を収録したアルバムというのは「アルバムの世界観」という観点で言うと整合性に欠けるケースが多いのだが、 本作はアルバムジャケットに映っている「海辺」のような「開放感とメランコリックが混ざった」空気感をアルバムを通して感じる事ができる。

    「要点」

  • ・USオルタナ・アーティストに近い響きの「混沌としたコード進行」「ポストロック的なクールネス」は本作の鍵。
  • ・収録されている多くの曲が「一筋縄ではいかない展開」となっているのだが、自然と耳に入ってくる不思議なポップさがある。

「曲解説」

2 マーチ

手数の多い「バタバタ」としたドラムと「渦巻き」のような歪んだギターサウンドを中心に構成されるオルタナパートと「気怠い重力空間」のような静パートを行ったり来たりする「一筋縄ではない、くるりらしい」難解なギターロック。
3 青い空 <アルバムMIX>

ソニック・ユース(Sonic Youth)やダイナソーJr.(Dinosaur Jr.)などのUSオルタナ・アーティストを彷彿とさせるコード進行が「混沌」とした空気感を醸し出している曲(2:08〜2:33)「気怠い曇り空の隙間から差し込む日差し」のような煌びやかなコードストロークが登場。この箇所のみタイトルである「青い空」を感じる事ができる。
4 ミレニアム

「不思議な重力を感じる空間で鳴らされるポストロック」という趣の曲。歌詞の内容は様々な「5秒前」のことを切り取り歌っているが、正直あまり意味が分からない内容となっている。
5 惑星づくり

ゼロ7(Zero7)やシステム7 (System7)などの音響系アーティストを彷彿とさせる「浮遊感溢れるスペーシーな音響」が心地よいインストで彼らの音楽的な造詣の深さ・間口の広さを象徴する1曲である。
6 窓

物悲しいアルペジオを中心に展開されるギターロックだが、どこか「昔のプログレ」のような雰囲気を感じる不思議な質感の曲。同世代の日本のロック・アーティスト達にはない「古風な個性」を感じる事ができる。終盤は「叙情派ヘヴィメタル」のようなハモリギターソロが炸裂するというまさかの展開。
11 街

サビで聴く事ができる岸田繁(vo ,g)のエモーショナルな歌声が曲に緊張感を与えている曲で、くるり独自の「一筋縄ではいかないマニアックさ」を感じる。この曲はポジティヴな意味で音から感情の置きどころを中々見つけることができない。
14 ガロン <ガロ~ンMIX>

スーパーカー(SUPERCAR)のコンポーザーであるナカコーこと中村 弘二がremixを手がけており、本作「図鑑」と同年(2000年)にリリースされたスーパーカー(SUPERCAR)の名盤「フューチュラマ」(Futurama)と共通する「スペーシーな音響」を全面に押し出したアレンジとなっている。終盤は浮遊感溢れる宇宙空間の中で鋭角的なブレイクビーツが鳴り響く展開となる。

「図鑑」と言う知的な匂いのするタイトル、前作「さよならストレンジャー」でも垣間見れた音楽的な造形の深さから聴く前は「プログレ」的な難解なものを予想していたのだが、その予想は半分は正解で半分は不正解であった。 収録されている多くの曲が「一筋縄ではいかない展開」となっているのだが自然と耳に入ってくる不思議なポップさがあり、本作「 図鑑」は前作以上に様々な音楽的からの影響を曲に反映している。中でもUSオ

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90年代末に「これまでの日本のロックアーティストとは明らかに異なる価値観・音楽的なバックグラウンドを持つアーティスト達」が多く登場したが、その中でもとりわけ音楽に対する造詣の深さを感じさせたのが、このくるりであった。

本作はそんな彼らのデビューアルバムなのだが、デビュー作品とは思えない渋さと哀愁を感じさせる内容となっている。

本作のサウンドのベースとなっているのは、ざっくり言うと90年代オルタナ・UKロックなのだが、そこに、くるり独自のゆったりした雰囲気を見事に反映させデビュー作でありながら確固たる個性を確立している。

また歌詞の内容もポジティヴな意味で「昭和文学」のような質感のものが多く知性を感じさせる。

    「要点」

  • ・デビュー作品とは思えない渋さと哀愁を感じさせる内容。
  • ・歌詞の内容もポジティヴな意味で「昭和文学」のような質感のものが多く知性を感じさせる。

「曲解説」

1 ランチ

若手アーティストのデビューアルバムの1曲目とは思えない哀愁がなんとも言えない曲。歌詞はタイトル通りカップルのランチタイムの一コマを切り取ったもの。「珈琲は冷めてしまったよ」というフレーズは「2人の関係性」を遠回しに表現しているだろう。
2 虹

90年代UKロック風サウンドに「くるりらしいゆったりとした空気感」を反映させたギターロック。歌詞は昭和の文学者が書いたような質感であり、サビの歌詞に「六地蔵」なるワードも登場する。
3 オールドタイマー

オルタナなコード進行が印象的なパンク調の曲で少しだけナンバーガール(NUMBER GIRL)風である。歌詞の内容は「電車」をテーマにしたものであり、終盤はタイトルである「オールドタイマー」というフレーズが鬼のように連呼される。
4 さよならストレンジャー

音響系アーティストのような透明感あるアコースティックギターの響きを活かした曲で、歌詞は高校時代の岸田繁(vo ,g)の事を歌っている(wiki)らしいが、歌詞を読む限り様々な解釈が可能な難解なものとなっている。筆者の見解としては「テレビの中から飛び出していった」というフレーズは「家でテレビゲームばかりしていた過去の日常」の事を指しており「内気で行動力のなかった過去の自分」との決別を歌っているのでは?!と思われる。
6 東京 ~アルバムミックス

「2 虹」同様に若手アーティストらしからぬ「ゆったりした空気感」が魅力の初期の代表曲。歌詞は東京に出てきた若者が「故郷にいる好きな女の子」のことを思い出し「色々話したい、電話したい!」という衝動に駆られるという内容(3:20〜)唐突なギターのブラッシングノイズが登場、このパートはレディオヘッド(Radiohead)の名曲「Creep」に対するオマージュであろう。
7 トランスファー

マイナー調のアルペジオを中心に展開されるヴァースと歪んだサビの対比がグランジっぽい曲なのだが、音数は非常に少なく「ロック的な破壊衝動」とは無縁な渋さがある。
11 傘

「ポストロックのような緻密さを感じる静のパート」から「オールドスクールなハードロック調のサビ」へ移行する展開がインパクト大の曲。終盤は60年代サイケを思わせる夢見心地な雰囲気が強調される。

90年代末に「これまでの日本のロックアーティストとは明らかに異なる価値観・音楽的なバックグラウンドを持つアーティスト達」が多く登場したが、その中でもとりわけ音楽に対する造詣の深さを感じさせたのが、このくるりであった。 本作はそんな彼らのデビューアルバムなのだが、デビュー作品とは思えない渋さと哀愁を感じさせる内容となっている。 本作のサウンドのベースとなっているのは、ざっくり言うと90年代オルタナ・

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「1 プラネタリウム」
「プラネタリウム」というタイトルにピッタリな透明感を感じるサウンドをバックに藤原基央(vo)が「少年時代の何気ない思い出をストーリー化した歌詞」を歌い上げるバンプクラシック。「何気ない思い出を音楽化・ストリー化するという才能」に関しては、藤原基央は日本の音楽シーンの中でも飛び抜けた才能を持っている。星をテーマにした作詞は名曲「天体観測」以来ではないだろうか?!

歌詞に「四畳半」という色んな意味でドメスティックなワードが登場するが、文学的な表現が素晴らしく「夜空」のようなスケールを感じる事ができる。歌詞はおそらくではあるが「星」と「好きな女の子」を重ね合わせて表現しているのだろう。

触れることはできないと思っていた星に案外容易く触れてしまった時の主人公の落胆にはなんとなく共感できる。

「2 銀河鉄道」
アコースティックギターと藤原基央(vo)の物悲しいボーカルを中心に構成される曲。歌詞は「車輪の唄」とリンクするような内容となっている。歌詞に登場する「時速200km」というワードからおそらくではあるが、新幹線に乗った移動の時に起こった出来事や感じた事を歌詞のテーマにしているのだろう。

何気ない出来事の中で感じる心の些細な揺れを拾い集めた歌詞は「小説」のように繊細である。止まったままでも新幹線に乗れば「時速200km」で新しい街に近くが、それは同時に死に近づくという事でもある。

時間の大切さを説いた内容の歌詞ではないのだが、思わず「ハッ」とさせられる。

    「要点」

  • ・「1 プラネタリウム」・・・歌詞に「四畳半」という色んな意味でドメスティックなワードが登場するが、 文学的な表現が素晴らしく「夜空」のようなスケールを感じる
  • ・「2 銀河鉄道」・・・歌詞に登場する「時速200km」というワードからおそらくではあるが、 新幹線に乗った移動の時に起こった出来事や感じたことを歌っていると思われる。

「1 プラネタリウム」 「プラネタリウム」というタイトルにピッタリな透明感を感じるサウンドをバックに藤原基央(vo)が「少年時代の何気ない思い出をストーリー化した歌詞」を歌い上げるバンプクラシック。「何気ない思い出を音楽化・ストリー化するという才能」に関しては、藤原基央は日本の音楽シーンの中でも飛び抜けた才能を持っている。星をテーマにした作詞は名曲「天体観測」以来ではないだろうか?! 歌詞に「四畳

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「1 ロストマン」
これまでにはないデリケートな音響処理を施したサウンドが印象的なシングル曲。歌詞はバンプ・オブ・チキン(BUMP OF CHICKEN)らしく「考えさせられる内容」となっており端的に言うと「自分のこれまでの人生を振り返ったディープな自問自答」というところだろう。

多くの人の人生がそうであるようにこの曲の歌詞の主人公の人生の分岐点にも「大事な君」が存在しており「君を失ったことに気づいた今が現在地である」と歌っているが、そこはやはりバンプらしく「この現在地は自分自身が選んだもの」という意思の強さが存在する。

他のレビューでも書いたかもしれないが、バンプの歌詞に登場する主人公は内省的でメランコリックな心情に浸っても決して「大人」や「世間」や「君」のせいにはせず「自責思考を貫き」ポジティブなエネルギーを歌にして解き放つ。この点がバンプ・オブ・チキン(BUMP OF CHICKEN)の音楽(とりわけ詞の世界)が多くの人に支持される理由なのであろう。

「2 sailing day」
人気漫画「ワンピース」の映画主題歌となった曲でBPMより遥かに早いスピードを感じるアグレッシヴなギターロック。「光の洪水」のような電子音が時折差し込まれ曲に色彩を与えている。

歌詞の内容は漫画「ワンピース」をしっかりと読んだ上で書かれたものであると思われ、決して小難しい言葉などは出てこないのだがリスナーに元気と明るい光と元気を届けてくれるものとなっている。「1 ロストマン」が様々な解釈が可能なディープな内容となっていた為、 B面にシンプルでアグレッシヴなこの曲を配置するのは素晴らしいバランスであると思う。

この曲が放つポジティヴな意味での「明るさ」は同世代ギターロック・アーティストが放つ「ある種の気難しさ」とは全く無縁である。

    「要点」

  • ・「1 ロストマン」・・・「君を失ったことに気づいた今が現在地である」と歌っているが、そこはやはりバンプらしく「この現在地は自分自身が選んだもの」という意思の強さが存在する。
  • ・「2 sailing day」・・・この曲が放つポジティヴな意味での「明るさ」は同世代ギターロック・アーティストが 放つ「ある種の気難しさ」とは全く無縁である。

「1 ロストマン」 これまでにはないデリケートな音響処理を施したサウンドが印象的なシングル曲。歌詞はバンプ・オブ・チキン(BUMP OF CHICKEN)らしく「考えさせられる内容」となっており端的に言うと「自分のこれまでの人生を振り返ったディープな自問自答」というところだろう。 多くの人の人生がそうであるようにこの曲の歌詞の主人公の人生の分岐点にも「大事な君」が存在しており「君を失ったことに気づ

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