検索画面を消す
検索画面を消す
live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果45件

タグ「ギターロック」のレビュー

「2 スロウ」「4 光について」という日本のギターロック史に残る名曲が収録されている2ndアルバムでグレイプバイン(GRAPEVINE)のキャリアを代表する作品となっている。

90年代末に多く現れた文系ギターロック・アーティストの多くは「UKギターロック」に多大な影響を受けていたと思われるが、本作に収録されているサウンドはUKギターロック的なナイーヴさの中に「ブルースの匂い」を絶妙に織り交ぜている。このほのかに香る「ブルースの匂い」と個性的ではあるが同時に「不思議な親近感と甘さ」を感じる田中和将(vo)のボーカルがグレイプバイン(GRAPEVINE)の最大の個性である。

また「2 スロウ」における繊細で混沌とした文学的表現は見事と言うほかなく個人的には何故?!彼らがセールス的な大ブレイクを果たさなかったのか?!不思議で仕方がない。

    「要点」

  • ・「2 スロウ」「4 光について」という日本のギターロック史に残る名曲が収録されている2ndアルバム
  • ・UKギターロック的なナイーヴさの中に「ブルースの匂い」を絶妙に織り交ぜている。

「曲解説」

1 いけすかない

「曇り空」のようなUKギターサウンドと「ほのかに香るブルースの匂い」が混ざり合った曲。田中和将(vo)のボーカルラインは日本語らしいイントネーションを活かしたパートと外国語的なイントネーションをしているパートが同居している。この感覚はまるで「邦楽を聴いているが洋楽を聴いている」ようである。
2 スロウ

「深い海」のような音響とギターサウンドが「ギターロック期のレディオヘッド(Radiohead)」のような代表曲。歌詞は「文学的な表現の塊」となっており「知的な若者の恋愛への諦念を言語化した」ようなイメージである。「めぐりあうたびに溺れる」が同時に「探りあうたびに汚れる」というラインは10代にしか理解できない心境ではないだろうか。
3 SUN

「平凡な日の昼下がり」のようなアコースティックソングからサビでエモーショナルに豹変するギターロック。この曲のサビも日本語で歌っているがイントネーションは英語風であり「UKギターロックを聴いている」ような錯覚に陥る。
4 光について

「悟りを開いた文学者が口にしそうなタイトル」の曲。サビのボーカルラインは珠玉の内容で大袈裟なメロディーではないのだが、メランコリックかつ流れるようなメロディーですぐに頭にインプットされる神ラインとなっている。歌詞の内容は 音楽シーンに身を置きこれまでと全くことなる生活を送る中で感じた「繊細な喪失感を言語化した」ようなイメージである。 若い主人公は「何もかも全て受け止められる事」が出来なかったのであろう。この素晴らしいシングル曲が大ヒットをマークしなかった事は個人的に非常に残念だ。
6 Lifework

「ガラス瓶の中で歌っている」ようなエフェクトが掛けられている田中和将(vo)のボーカルが印象的で「気怠いサイケ感」を感じる曲となっている。歌詞は「マンネリ化した交際」や「結婚生活」に対する悟りのようなイメージとなっている。間奏部では「60年代サイケ」のようなオルガンが響き渡る。
7 25

アルバム収録曲の中で最もパンク調の曲なのだが「濃厚な文系ギターロックの香り」がする歪みチューン。間奏部ではブルースハープが披露される。
8 青い魚

「海の中で揺らめく」ようなサイケな音響を感じるカバー曲。ギターサウンドは漂うようなものとなっており音響構築に徹している。歌詞は虚無的と言っていい内容で「全てを失ったものの悟り」のような内容となっている。歌詞に登場する「グロテスクな子供」というラインは中々出てこない表現である。
10 白日

田中和将(vo) のボーカルが一層気だるいブルース調のギターロック。「夢は夢のまま」というラインが「シリアスな現実」のように突き刺さる。歌詞は失恋を経た主人公が「捨てられない言葉」を抱えつつも日常を走り抜けるようなイメージである。
11 大人 (NOBODY NOBODY)

ノスタルジーな雰囲気と肩の力が抜けたリラックス感を感じるアコースティックソング。歌詞は「言葉を発するのは簡単だが、正確に伝えるのは難しい」という内容で主人公は面倒なコミュニケーションにウンザリしているのであろう。
12 望みの彼方

グレイプバイン(GRAPEVINE)の音楽性を「ギュッと凝縮した」ようなエモーショナルな曲。「真夏に咲いた花は枯れて」というラインはまるでアートスクール(ART-SCHOOL)のようである。

「2 スロウ」「4 光について」という日本のギターロック史に残る名曲が収録されている2ndアルバムでグレイプバイン(GRAPEVINE)のキャリアを代表する作品となっている。 90年代末に多く現れた文系ギターロック・アーティストの多くは「UKギターロック」に多大な影響を受けていたと思われるが、本作に収録されているサウンドはUKギターロック的なナイーヴさの中に「ブルースの匂い」を絶妙に織り交ぜている

READ MORE

ファンの中で最も賛否両論を巻き起こしたアルバムであり、またルナシー(LUNA SEA)史上最も過小評価されている6thアルバム。

97年のソロ活動で男性ソロアーティストのアルバムセールス記録を更新し「国民的歌手」と化した「河村隆一が在籍するバンドのアルバム」という事で多くの注目を集めた本作だが、結果論として「既存のルナシー(LUNA SEA)ファン」「河村隆一ファン」の両者にとって「リアクションの難しい作品」となってしまった。サウンド的にはこれまでのアルバムとは異なる「アナログでコクのある音」が印象的で、空間的で浮遊感のあるサウンドをフィチャーしたアルバム「EDEN」同様に「音楽的に過渡期的な作品」となっている。

「自分たちに影響を受けているであろうアーティストの台頭」(ビジュアル系なるワードがお茶の間レベルで浸透したのもこの頃だった) や「5人5様であったソロ活動」の後というビジネス的に最もデリケートなタイミングにリリースされた本作もまた、これまで同様にアーティストエゴを剥き出している。

本作はベースJが作曲したと思われるシンプルでパワフルなサウンドが多くみられる。インディーズ時代からルナシー(LUNA SEA)は作曲者が誰であれ、メンバー全員で「あ〜でもない、こ〜でもない」と意見を出し、ジャムりながら音を作り上げる事で有名なアーティストなのだが、個人的に今作は「あまりジャムってる感」を感じないのである。これは「作曲者のキャラを立たせてみよう」というあえての試みなのか?!それとも「多忙の極みによる時間不足」の問題なのであろうか?!非常に気になる。

90年代に多くのギターキッズを魅了した「ダークで耽美なサウンド」が減退し「ロックらしいロックテイスト」がこれまでより強く反映されている本作は、これまでの作品と比べるとやや「独自性が薄れている」と筆者は感じるのだが、同時に「これまでの自分たちの殻を壊す」という最も難易度の高いをチャレンジしているとも感じている。

「常に変化し続けなければならない」という強迫観念は彼らのクリエイティヴィティーの源なのだろう。また本作のリリース前後からメンバー全員が「輝く」というワードを頻繁に使い出しバンド内の共通認識ワードとしていた。「売れたい」「もっとビッグになりたい」などという下世話な言葉は彼らには似合わない。自分たちの究極目的を深く突きつめたところ導き出された言葉が「輝く」なのであろう。

    「要点」

  • ・結果論として「既存のルナシー(LUNA SEA)ファン」と「河村隆一ファン」の両者にとってリアクションの難しい作品。
  • ・これまでの作品と比べるとやや「独自性が薄れている」と筆者は感じるのだが、同時に「これまでの自分たちの殻を壊す」という最も難易度の高いチャレンジしているとも感じている。

「曲解説」

1 Time Has Come

「これから起こる輝きに満ちたストーリーを予感させる」ようなオープニングチューン。これまでエフェクトを多用して幻想的・耽美的という形容がよく似合うサウンドを構築してきたツインギターは「輪郭のはっきりとしたアナログで太い音」を出しておりロック的なダイナミズムを演出している。
3 NO PAIN

「モノクロームな白昼夢」を連想するアルペジオ・オリエンテッドなダークチューン。作曲者はINORANではなく意外にもSUGIZOである。 コアファンであれば幻想・耽美要素が少ない「1 Time Has Come」「2 STORM」の後にこの曲を聴くと「ホッ」と安心するだろう。歌詞は戦争を「すれ違い続ける恋愛関係」に絡ませて表現したものとなっている。
5 I for You

ドラマのタイアップにも抜擢されたメロディックで熱量が高いバラード。イントロのツインギターの絡みは素晴らしいの一言であり「繊細な感情が泉のように溢れ出す」名フレーズ。歌詞は一聴すると「悲しい運命にあるヒロインに対して自身の激しくそして繊細な愛情を全てをぶつけた」ような内容となっているが、一説にはこの曲の歌詞に登場する「君」とは同年に亡くなった「恩人/hide」の事だとも言われている。この曲がテレビで披露される際、河村隆一の目は心なしか潤んでいるように見える。いつまでもドラマの主人公に対して感情移入し続けることは難しいハズである。おそらくこの曲に出てくる「君」とはhideの事であろう。
6 Unlikelihood

ストリート感溢れるラップ調のJ(b)のボーカルが印象的なザクザクした質感のハードチューンでタイトルの和訳は「あり得ない」である。RYUICHIはタイトルにもなっている「あり得ない」を「天使と悪魔がキスをした」という独自な言い回して表現。ハードに攻めまくるアグレッシヴなサウンドは間違いなくカッコいいのだがルナシー(LUNA SEA)独自の耽美テイストはやや希薄であると感じる。
7 ANOTHER

レッド・ツェッペリン(LED ZEPPELIN)の名曲「Stairway to Heaven」和訳;「天国への階段」を意識していると思われるコクのあるエモーショナル・バラード。歌詞の内容は「心の中に影を持ちながらも明日への扉を開けたい」と強く願うという内容である。ミニマムな音数でしっかりとしたグルーヴを感じる事ができ「アナログで太い音」に拘っているアルバム「SHINE」を象徴する曲であると言える。間奏部に登場するパワフルな女性コーラスは「大空を支配する巨大な鳥」のように別格の存在感を放っている。
8 MILLENNIUM 11 Love Me

河村隆一の良質なポップネスをルナシー(LUNA SEA)サウンドに上手く反映させた2曲。おそらくではあるが河村隆一目当てのリスナーにもウケが良いと思われる。2曲ともツインギターの絡みが面白い疾走系ルナシー(LUNA SEA)クラシックとも言える内容だが「河村隆一」として世間に認知されたRYUICHIが歌うと不思議と「ポップソング」として成立する。河村隆一の大成功はルナシー(LUNA SEA)に絶大な知名度とある種のバイアスを与える事となった。
12 BREATHE

「雲の上」のような浮遊感を感じるアコースティック・バラード。INORAN(g)のミニマムなアルペジオが曲に開放感を与えていおり、RYUICHI(vo)の声は「どこまでも広がる海」のように伸びやかである。歌詞は「河村隆一的なシュール性」を含んだラブソングであり「空に浮かぶ街」なるフレーズがインパクト大である。河村隆一の曲に「小さな星」という曲があるが、歌詞の世界に「非現実・シュールな場所」を設定するのは河村隆一が得意とする方法論かもしれない。
13 UP TO YOU

サウンド・歌詞共に「ルナシー(LUNA SEA)の殻」を壊しているラストソング。シンプルなグランジ風サウンドだが作曲者はまさかのINORAN(g)。歌詞はこれまでの彼らからは考えられない程に熱量を強調したポジティヴなモノとなっている。この曲をはじめて聴いた時、筆者は中学生であったので「クサイ事を言い始めたな」と斜に構えていたが、大人になった現在の感覚で聴くと「エネルギーに満ちた素晴らしい歌詞」であると素直に感じる事が出来る。

ファンの中で最も賛否両論を巻き起こしたアルバムであり、またルナシー(LUNA SEA)史上最も過小評価されている6thアルバム。 97年のソロ活動で男性ソロアーティストのアルバムセールス記録を更新し「国民的歌手」と化した「河村隆一が在籍するバンドのアルバム」という事で多くの注目を集めた本作だが、結果論として「既存のルナシー(LUNA SEA)ファン」「河村隆一ファン」の両者にとって「リアクションの

READ MORE

「1 STORM」
活動休止期間を経て再び走り出した彼等の勢いをパッケージングした疾走感のあるハードチューン。活動休止前と比較して音が「カチッと太く」なっており「硬質なロック感」が増している。サビの最後に「盛り下がる」ような沈むボーカルラインをもってくるあたりがいかにもルナシー(LUNA SEA)らしい。

コアファンは「活動休止前の「ダークで前衛的なサウンド」と「河村隆一」が絡まる事でとんでもない化学反応が起こるのでは?!」と 大きな期待をよせていたハズだがこの曲は良くも悪くも整合性がとていると感じる。97年に行われたソロ活動では5人5様のスタイルで各々がやりたい事にチャレンジした訳だが、ソロ活動で得た収穫をルナシー(LUNA SEA) サウンドに反映させるには時間が足りなかったのであろう。また河村隆一名義でのソロ活動がセールス面で大成功を収めた事から「河村隆一が在籍するバンド」として世間にも大きく認知される存在となった彼等には、セールス面でのプレッシャーも重くのしかかったハズである。

当時はこの曲を聴いて活動再開してくれて嬉しい反面「ルナシー(LUNA SEA)らしさという体裁」が彼等のクリエイティヴィティーに制限をかけているのでは?!という印象をもった。

「2 この世界の果てで」
これぞルナシー(LUNA SEA)というディープなダークチューン。「河村隆一目当てでこのシングルを購入したリスナー」はこの曲にどのようなリアクションをしたのだろうか?!非常に興味がある。「どこまでも続いていく雨雲」のようなどんよりした空気感が印象的な曲ではあるのだが、暗さよりも「耽美な美しさ」に耳がいく。

開放弦を活かした(と思われる)アルペジオはLIVE映像を見る限りSUGIZO(g)がプレイしておりアルペジオ職人/INORAN(g)とは異なるタイプの鋭角性を感じる。この曲で聴けるRYUICHI(vo)のボーカルは「何の偏見」もたず聴くと伸びやかでパワフルな素晴らしい歌声なのだが繰り返される「この世界の果て」といういかにもルナシー(LUNA SEA)な「退廃ワード」と「微妙なミスマッチ」も同時に感じるというのが「ぶっちゃけた」ところである。

この曲がもつディープネス・耽美性は非常に素晴らしいので、現在の彼等が歌い・演奏すれば「最も化ける曲」であるような気してならない。

    「要点」

  • ・「1 STORM」・・・サビの最後に「盛り下がる」ような沈むボーカルラインをもってくるあたりがいかにもルナシー(LUNA SEA)
  • ・「2 この世界の果てで」・・・この曲がもつディープネス・耽美性は非常に素晴らしいので、現在の彼等が歌い・演奏すれば「最も化ける曲」であるような気してならない。

「1 STORM」 活動休止期間を経て再び走り出した彼等の勢いをパッケージングした疾走感のあるハードチューン。活動休止前と比較して音が「カチッと太く」なっており「硬質なロック感」が増している。サビの最後に「盛り下がる」ような沈むボーカルラインをもってくるあたりがいかにもルナシー(LUNA SEA)らしい。 コアファンは「活動休止前の「ダークで前衛的なサウンド」と「河村隆一」が絡まる事でとんでもない

READ MORE

ルナシー(LUNA SEA)絶頂期の96年にリリースされた傑作アルバムで「日本における二ューウェイブ系ギターロックの独自進化」の一旦の完成形という内容となっている。

前作「MOTHER」との違いは90年代以降に彼等がインスピレーションを受けたであろう「グランジ」「トリップホップ」「シューゲイザー」「実験的な電子音楽」などからの影響を大胆に反映させ点であり、サウンド・歌詞共に「ディープ」な内容となっている。

歌詞の内容は一言で言うと「愛」をテーマにしたものが大多数を占めているが、彼等らしくどこか「狂気的」である。

音楽的な充実を一気に放出した「94年〜96年の絶頂期」を経て翌年97年に彼等は1年間のソロ活動を行ったが、97年には彼等の音楽性や美意識に多大な影響を受けたと思われるアーティスト達が大量に発生し「ビジュアル系」というワードが「お茶の間レベル」にも広がりを見せた。

下世話な話だがこの「ビジネス的に最も良い時期」に活動休止する彼等のスタンスはやはり「孤高」である。

    「要点」

  • ・「日本における二ューウェイブ系ギターロックの独自進化」の一旦の完成形。
  • ・歌詞に内容は一言で言うと「愛」をテーマにしたものが大多数を占めているが、彼等らしくどこか「狂気的」である。

「曲解説」

1 WITH LOVE

レコードに針を落とす音から始まるオープニングチューン。揺らめく気怠い音響が「ディープな静けさ」を演出しており、このような実験的な曲をアルバムの1曲目に収録できる点に当時の彼等の自信と充実ぶりを感じる。歌詞はこの時期の彼等らしく「狂おしい愛」をテーマにしており「この愛が冷めてしまうのでは?!」という強迫観念に追われている男の心情を歌っている。曲の中盤で聴く事ができるSUGIZO(g)のアバンギャルドノイズは「ポップミュージックの体裁」に反発するかのような暴れっぷりである。
2 G

「バーンと何かが弾け飛ぶ」ようなギターフレーズで幕をあけるハードチューン。90年代以降のUSグランジ/オルタナのダイナミズムをダイレクトに反映しているサウンドとなっており、コアなルナシー(LUNA SEA)ファンであればイントロから20秒もあれば「作曲者」が誰か分かってしまうだろう。ハードで低音が強調されたサウンドではあるが、エフェクティヴで空間構築に徹するツインギターは相変わらず左右でバラバラのフレーズを弾いる。タイトルの「G」とは「God」の「G」であり、初期の歌詞に登場した「神」をモダンに洗練させた形で表現している。
3 HURT

ルナシー(LUNA SEA)らしからぬヘヴィリフを前面に押し出したハードチューン。一聴する分には非常にシンプルな構造となっているが、J(b)のベースラインにはマニアックな空間系エフェクトが掛けられており、サウンドに「宇宙的な無重力感」を与えている。
4 RA-SE-N

「独白」のような歌詞の内容に思わず「ハッ」とさせられるスローテンポの名曲。「静かで淡々とした展開」から「一気に熱量を放出する展開」に移行する曲なのだが、海外のハード系アーティストの「それ」とは明らかに異なる空気感があり「繊細な緊張感」が常に保たれている。この曲のギタープレイは宇宙的なサウンドを求めるSUGIZO(g)にとって、一つの理想形い言えるものとなっており特に「ディープな感情を解き放つ」ような短いギターソロは抜群のクオリティを誇る。
6 FOREVER & EVER

90年代に最も評価されたギターロックアーティストの一つであるレディオヘッド(radiohead)のエモーショナルな名曲と比較しても全く負けていない10分超えの大作。「ゆったりと流れる大河」のような雰囲気がある曲で歌詞の内容は「今までの自分達とこれから羽ばたこうとする自分たち」についてであり曲の途中でJ(b)による「英語の語りパート」が挿入される。「語りパート」の和訳は「あの頃に感じた永遠と希望を思い出そう、時間の経過と努力は僕を確かに変えたが熱いアティテュードはあの頃と変わらない。そして人生はこれからも続く。あの頃感じた永遠をずっと感じていたい」このようなイメージの内容となっている。落ち込んでいる時や迷っている時に聴きたくなるこの「語りパート」だけでも非常に価値があると筆者は思う。
7 1999

INORAN(g)のアルペジオがミステリアスな存在感を放つ2分弱の曲でSUGIZO(g)とJ(b)のベースラインがユニゾンしており、なんとも言えない不穏な空気感を演出している。「ディープでシリアスなアルバムの前半」から「爆発するアルバムの後半」にスムーズに繋げるような「橋渡し」的な立ち位置の曲となっている。
10 IN SILENCE

「万華鏡」のような幻想的なディレイサウンドが素晴らしく、海に佇み「過去の切ない恋愛を回顧する」ような歌詞を歌う RYUICHI(vo)のボーカルラインと複雑に絡まる。ディレイを上手く活かしたお手本のような曲である。「真っ白な羽が空浮かんでた、何かを告げるように」というラインは文学的でこの後に起こる「活動休止」を示唆していると思われる。
11 SELVES

「終幕感を演出する鐘の音」「神経質で冷たいリズム」などトリップホップからの影響を感じるディープなラストチューンで 完璧主義のSUGIZO(g)をして「理想に近い」(wiki)と言わしめる完成度を誇る。歌詞は相当読み込んで考察しないと正しい意味を解釈できそうにない「非常に深く宇宙的な内容」となっている。

ルナシー(LUNA SEA)絶頂期の96年にリリースされた傑作アルバムで「日本における二ューウェイブ系ギターロックの独自進化」の一旦の完成形という内容となっている。 前作「MOTHER」との違いは90年代以降に彼等がインスピレーションを受けたであろう「グランジ」「トリップホップ」「シューゲイザー」「実験的な電子音楽」などからの影響を大胆に反映させ点であり、サウンド・歌詞共に「ディープ」な内容となっ

READ MORE

代表作「Ok Computer」の翌年にリリースされたシングルであり「ギターロック」というフォーマットだけでは表現欲求が満たされなくなっていた彼らが「何にも縛られず」に純粋にやりたい事をやっている良質な3曲が収録されている。

「2 Palo Alto」はアルバム「The Bends」「Ok Computer」どちらに収録されていても「良い意味で浮く曲」となっておりレディオヘッド(Radiohead)の曲の中でも「有数に異色作」であると言える。反面「3 How I Made My Millions」は2000年にリリースされたアルバム「Amnesiac」に収録されていても不思議ではないノスタルジックで哀愁漂うピアノバラードである。

「1 No Surprises」で「サプライズはいらない、ただ静かな生活がしたい」と歌った彼らは、今後「狂騒のUKロックシーン」とは距離を置くようになり、これまで以上に純粋に「ロックアーティスト」として前衛的な音楽からの影響を自らのサウンドに大胆に反映させていく事となる。

    「要点」

  • ・「1 No Surprises」・・・「サプライズはいらない、ただ静かな生活がしたい」とトム・ヨーク(vo)が「悟りを開いた老人」のように静かに歌い上げる名バラード
  • ・「2 Palo Alto」・・・アルバム「The Bends」「Ok Computer」どちらに収録されていても良い意味で浮く曲。レディオヘッド(Radiohead)の曲の中でも有数の異色作

「曲解説」

1 No Surprises

「サプライズはいらない、ただ静かな生活がしたい」とトム・ヨーク(vo)が「悟りを開いた老人」のように静かに歌い上げる名バラード。 サウンドは極めてシンプルで「夢の中で行われる静かなクリスマスパーティー」のようであり、ギターサウンドは「ハンドベル」のようなキラキラした音響を奏でる。この曲は「偏執的なエモーショナル」で溢れた傑作アルバム「Ok Computer」の中でリスナーに最も「安堵感」を与える曲となっている。
2 Palo Alto

スペーシーな音響とローファイな質感がどことなく「Ladies and Gentlemen We Are Floating in Space(宇宙遊泳)/スピリチュアライズド(Spiritualized)1997年」を彷彿とさせる歪みロックチューン。宇宙空間で「初期のレディへ流グランジ」を鳴らしたようなイメージの曲となっている。
3 How I Made My Millions

宇宙的な静けさの中で美しいピアノの旋律とトム・ヨーク(vo)のボーカルだけが「輝く惑星」のように響き渡るバラード。歌詞の内容はリスナーのイマジネーションを刺激するものであり「かつてはイケていたが今は落ちぶれてしまった男が自分に対する自信のなさから恋人に対して「終わりにしよう」と提案する」という内容であると思われる。

代表作「Ok Computer」の翌年にリリースされたシングルであり「ギターロック」というフォーマットだけでは表現欲求が満たされなくなっていた彼らが「何にも縛られず」に純粋にやりたい事をやっている良質な3曲が収録されている。 「2 Palo Alto」はアルバム「The Bends」「Ok Computer」どちらに収録されていても「良い意味で浮く曲」となっておりレディオヘッド(Radiohead

READ MORE

1 2 3 4 9