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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果45件

タグ「ギターロック」のレビュー

傑作アルバム「The Bends」のラストに収録されているエモーショナル・ゴスの名曲「Street Spirit(Fade Out)」が収録されており、レディオヘッド(Radiohead)の代表作の一つである「Ok Computer/レディオヘッド(Radiohead)97年」の前年にリリースされたEPである。

タイトルトラックである「Street Spirit(Fade Out)」の歌詞は「現代人が抱える本質的な虚無感」をテーマにしていると思われ歌詞の中に登場する「コンピューターはオレの苛立ちに一切の反応を示さない」は神ラインである。その他の収録曲は2ndアルバム「The Bends」で早くもエモーショナル・ギターロックの頂点を極めた彼らが「新たな響きや質感」を実験しているというイメージの曲となっている。本作で彼らが試みた実験は3rdアルバム「Ok Computer」で見事に開花する事となる。

    「要点」

  • ・レディオヘッド(Radiohead)の代表作の一つである「Ok Computer/レディオヘッド(Radiohead)97年」の前年にリリースされたEP
  • ・本作で彼らが試みた実験は3rdアルバム「Ok Computer」で見事に開花する事となる

「曲解説」

1 Street Spirit(Fade Out)

「葬儀」のようなシリアスさとダークさを前面に押し出しており「レディオヘッド(Radiohead)流エモーショナル・ゴス」と言いたくなる趣の曲。「耽美で不気味な影」のようなアルペジオがリフレインされるサウンドとトム・ヨーク(vo)の「美しい嘆き」のようなボーカルを中心に構成される曲で「陰」か「陽」かで言うと間違いなく「陰」の曲なのだが、リスナーに「力強いエモーショナル」を与える神曲。歌詞の内容は「現代人が抱える本質な虚無感」についてであろう。
2 Talk Show Host

「北欧」のような澄んだ空気の中で「暗号」のようにミステリアスなギターサウンドが響き渡る曲。時折「夢の世界に迷い込む」ようなサイケパートが挿入され少しプログレ的な匂いもする。ドラムサウンドは歪んでおりサイバーな質感を曲に与えている。アルバム「Ok Computer」と「The Bends」に収録されている曲とは「少し毛色の違うサウンド」となっており彼らの試行錯誤が感じられる。
4 Banana Co

アルバム「Ok Computer」に収録されている名曲「 Exit Music (For a Film)」の続編のようなイメージの曲で「氷」のような質感のバラードからエモーショナルなサビに移行する。このダイナミックな展開はギターロック期のレディオヘッド(Radiohead)が非常に得意としている展開で(1:29〜)ギターソロは珍しくヘヴィメタル的な叙情性を感じさせるものとなっている。

傑作アルバム「The Bends」のラストに収録されているエモーショナル・ゴスの名曲「Street Spirit(Fade Out)」が収録されており、レディオヘッド(Radiohead)の代表作の一つである「Ok Computer/レディオヘッド(Radiohead)97年」の前年にリリースされたEPである。 タイトルトラックである「Street Spirit(Fade Out)」の歌詞は「現代

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USから輸入された「グランジ/オルタナティヴ」の「ぶっ壊れた質感」を最もダイレクトにそして理想的な形で「UKロック化」させた初期レディオヘッド(Radiohead)。本作は彼らの代表曲「Creep」を含んだEPであり当時多くのロックファンが待ち望んでいた「絶妙のバランス感覚」が魅力となっている。

今では考えられない事だが当時のロックアーティストはアルバムの収録曲を2・3曲聴いただけで「UKか否か」の判断が容易であった。要するに多くのUKアーティストが二ューウェイブ以降の「UKロックマナーという檻」の中におり、レディオヘッド(Radiohead)以外でここまで大胆にグランジ/オルタナティヴに接近したアーティストは存在しなかったのである。

今では「現代のビートルズ(The Beatles)」と音楽ファンから最大限の賞賛を受ける彼らではあるが、デビュー当時は明らかにUKロック界の異端児であった。本作に収録されている多くの曲は一言で言うと「グランジ以降のシンプルなギターロック」ではあるのだが、明らかに「他のグランジ・アーティスト」とは異なる「ナイーヴなヒリヒリ感」が存在している。

乱暴な言い方ではあるが、トム・ヨーク(vo)が歌えばどのようなスタイルのサウンドであっても「レディオヘッド(Radiohead)」になるのでは?!」そう思わずにはいられない。

    「要点」

  • ・USから輸入されたグランジ/オルタナティヴの「ぶっ壊れた質感」を最もダイレクトにそして理想的な形で「UKロック化」させた初期レディオヘッド(Radiohead)
  • ・乱暴な言い方ではあるが「トム・ヨーク(vo)が歌えばどのようなスタイルのサウンドであってもレディオヘッド(Radiohead)」になるのでは?!」

「曲解説」

1 Creep

「何も起きない退屈な日常」のような淡々とした展開を唐突なギターのブラッシングノイズが切り裂き、そこから「感情を解き放つ」ようなエモーショルなサビに移行する90年代ギターロックを代表する名曲であり、この曲に影響を受けたと思われる曲は邦・洋楽問わず数多く存在する。タイトルである「Creep」とは日本語訳で「イケてない奴・半端者」という意味である。この曲の歌詞は「高嶺の花」である女性に対して強烈な愛情を感じている主人公(イケてない自分)が「自分は所詮Creepだから」と自己否定的な諦念感情を爆発させるという内容となっている。「グランジ以降のネガティヴィティーの爆発」とザ・スミス(The Smiths)にも通じる「ダメ人間の視点から描いた世界観」が最高のバランスで絡み合っいる歌詞は、90年代前半の音楽ファンが求めていた正に求めていたものであり、本人達が望む望まないは別として「完璧なロックアンセム」と言えるだろう。
2 Inside My Head

気怠いヴァースから「感情を叩きつける」ようなエモーショナルなサビに移行する「王道グランジソング」なのだが「他のアーティストのグランジソングとは明らかに何かが違う」ナイーヴなヒリヒリ感を感じる事ができる。トム・ヨーク(vo)の叫び声はとにかく「生理的に気持ち良いとしか言いようのない」スペシャルなものである。中盤で登場するスローなギターサウンドは「泥酔したソニック・ユース(Sonic Youth)」のように危うい。また話は飛ぶが「OMOIDE IN MY HEAD / ナンバーガール(NUMBER GIRL)」は、この曲からヒントを得てつけられたタイトルなのではないだろうか?!
5 Blow Out

「耽美でメランコリックな要素」をぶっ壊れた質感のギターロックに上手く反映させた曲で当時のUSグランジ勢にはない「強烈なUK匂」が漂う。間奏部分以降はジョニー・グリーンウッド(g)によるアバンギャルドなギターサウンドがこの曲に「不穏さ」と「アブノーマルなエッジ」を与えている。

USから輸入された「グランジ/オルタナティヴ」の「ぶっ壊れた質感」を最もダイレクトにそして理想的な形で「UKロック化」させた初期レディオヘッド(Radiohead)。本作は彼らの代表曲「Creep」を含んだEPであり当時多くのロックファンが待ち望んでいた「絶妙のバランス感覚」が魅力となっている。 今では考えられない事だが当時のロックアーティストはアルバムの収録曲を2・3曲聴いただけで「UKか否か」

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ボウイ(BOØWY)解散後に程なくしてリリースされた布袋寅泰のソロデビューアルバム。

デジタルサウンドを大胆に導入してデヴィッド・ボウイ(David Bowie)やロキシー・ミュージック (Roxy Music)からの影響を感じさせるグラマラスでノリの良いロックンロールをモダンにアップデートしたようなイメージの作品であり、ビッグになり過ぎた後期ボウイ(BOØWY)では表現できなったリスナーのイマジネーションを刺激するアーティスティックな音響や音が多く登場する。

「実験的な作品」というのはリスナーに驚きを与える反面、ポップ・ミュージックとしての強度を欠くケースがままあるのだが、この難しい課題を布袋寅泰はソウルフル・オペラ調の女性コーラスを大胆に活用するという手法で解決している。「5 DANCING WITH THE MOONLIGHT」「6 WIND BLOWS INSIDE OF EYES」「8 STRANGE VOICE」などは女性コーラスが曲のクオリティーを大きく左右する程の存在感を放っており「曲に何が必要であるか?!」を冷静に見極めるプロデューサーとしての才覚を発揮している。本作「GUITARHYTHM」はソロ活動のスタートとして文句なしのクオリティーを誇り、ボウイ(BOØWY)ロスのファンにとっては当時救いの1枚であったと思われる。

    「要点」

  • ・デジタルサウンドを大胆に導入してグラマラスでノリの良いロックンロールをモダンにアップデートしたようなイメージの作品
  • ・ビッグになり過ぎた後期ボウイ(BOØWY)では表現できなったリスナーのイマジネーションを刺激するアーティスティックな音響や音が多く登場

「曲解説」

2 C’MON EVERYBODY

「これぞ!布袋寅泰」という疾走感のあるギターリフと東洋的な浮遊感を感じるテクノポップ風シンセサウンドが並行するノリノリのロックンロール(1:30〜)ロックンロール感を強調するバイクのエンジン音も登場する。
3 GLORIOUS DAYS

伸びやか歪みギターサウンドを中心に展開されるメロディックなロックンロール。珍しく?!煌びやかアルペジオをプレイしており曲にカラフルな彩りを与えている。
4 MATERIALS

「シュールな異空間」のような音響を感じる曲でギターサウンドは金属的なきらめきを感じるものとなっており少しだけヘヴィメタル的である(1:30〜) 「ホラー映画」のようにダークでおどろおどろしい音響が不気味さを演出(1:53〜)「蜃気楼」のように揺らめく音響の中で「カラフルなガラス細工」のようなビートが踊る。
5 DANCING WITH THE MOONLIGHT

「真夜中」のようなベースラインと「太陽」のような眩しさを感じるシンセサウンドの対比が面白い曲でボーカルラインは渾身の出来であると思われ、繰り返しリフレインしたくなるグッドメロディーとなっている。サビではソウルフルな女性コーラスが「華やかな風」を運んできてポップソングとしての強度を劇的に向上させている。このコーラスの有無は曲のクオリティを大幅に左右するほどの存在感があると感じる。
6 WIND BLOWS INSIDE OF EYES

「ミステリアスにどこまでも追いかけてくる影」のような不穏なループがインパクト大でボーカルは「ヒステリーな語り調」となっている。 時折、挿入されるシンセサウンドは幽玄な光を感じさせる(3:30〜)「大空を羽ばたく巨大な鳥」のようなオペラ調の女性コーラスが曲に優雅な風を運んでくる。終盤は「古びた渋いバー」のようなジャズサウンドを中心に展開される。1曲を通してリスナーに様々なイメージを連想させる曲となっている。
8 STRANGE VOICE

オペラ調の女性ボーカルを大胆に導入した曲でミニマムなインダストリアル・ビートの上でイマジネーション刺激する様々な音が次々と現れる(2:05〜) 「テクニカルなタップダンス」のようなリズムアプローチが鳴り響き、その後はエレクトロニカ的な音響が「ダイヤモンド」のようにチカチカと輝く。88年にこのエレクトロニカ風サウンドは新しすぎる。
10 GUITARHYTHM

「中華の風」を感じるテクノポップサウンドをバックに実験的なロックバンドが演奏したようなフリーな曲でサビは布袋による「HEY!Cocoon」というファンキーなボーカルが炸裂する。布袋本人もお気に入りの1曲であると思われ後に「今井寿」「永井聖一」「雅-MIYAVI-」などの個性派ギタリストをゲストに招き新バージョンを再録音している。
11 A DAY IN AUTUMN

「長い戦の終焉」のようなストリングスが中心となり「神秘的な和」を演出するラストソング。布袋寅泰の声は「ガラス越し」のような質感であり歌というより音響の一部として機能している。

ボウイ(BOØWY)解散後に程なくしてリリースされた布袋寅泰のソロデビューアルバム。 デジタルサウンドを大胆に導入してデヴィッド・ボウイ(David Bowie)やロキシー・ミュージック (Roxy Music)からの影響を感じさせるグラマラスでノリの良いロックンロールをモダンにアップデートしたようなイメージの作品であり、ビッグになり過ぎた後期ボウイ(BOØWY)では表現できなったリスナーのイマジ

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前作「SMILE」からの流れであるアナログでシンプルなサウンドを響かせつつ、エモやポップパンクをルーツにもつアーティスからの影響を感じられる突き刺さるサビのボーカルラインが印象的な10thアルバム「AWAKE」。

名曲「3 叙情詩」に流れる「強烈な和」の響きや「4 TRUST」の無国籍感などは新機軸であり、「11 星空」「12 twinkle, twinkle」などは「メランコリックな質感の曲をポジティヴに響かせる」ラルクマジックが堪能できる。「何をやってもラルクサウンド」になるというポジティヴな悟りすら感じる安心の名作と言える。

    「要点」

  • エモやポップパンクをルーツにもつアーティスからの影響
  • 名曲「3 叙情詩」に流れる「強烈な和」の響き

「曲解説」

1 New World

突き刺さる疾走感を持つサビがエモのようなロックチューン。「青空」のような晴れやかなサウンドであり、ギター・ベース・ドラムが一体となって迫ってくる(2:06〜)「夢の中で見た夢」のようなメロディックな高音ベースソロが踊る。
2 LOST HEAVEN

歯切れの良いクランチなカッティングギターを中心に展開されるメロウなポップソング。サビのボーカルラインは流れるような旋律をもちながらもメランコリックでインパクト大(2:34〜)ギターソロはサビのボーカルラインをなぞるシンプルなもので「凛」とした響きを持つ(3:18〜)メタリックな電子音がチカチカと鳴り響く静パートが挿入させアクセントとなる。終盤は畳み掛けるようにサビが何度もリフレインされそのまま突き進む。
3 叙情詩

オーガニックな生命力を感じる壮大なバラード。カッティングギターを中心に展開される「何気ない日常」のようなヴァースと強烈な「和の響き」を持ち「優雅な風」のような上品な旋律を奏でるサビによって構成されている。どちらかと言うとメランコリックな質感の曲なのだがリスナーを包み込むような不思議な包容力があり、数多く存在するラルクの名曲の中でも特別な存在感を放つ曲である。
4 TRUST

不思議な無国籍感を醸し出すメランコリックバラード。サビではtetsuya(b)の「春風」のようなコーラスがhyde(vo)のボーカルラインと絡まり曲に色彩を与えている。またギターとベースのユニゾンフレーズが随所に挿入され分厚いサウンドを構成している。
5 Killing Me

パンク的なシンプルさと「曇り空」のようなメランコリックが混在する疾走ソング。Bメロのバックではクラシカルな弦楽器が幽玄な旋律を奏で曲にダークな質感を与えており、アグレッシヴなロックチューンでは中々聴くことができないアレンジとなっている。サビは「1 New World」同様にエモーショナルな突き刺さるボーカルラインが印象的である(2:52〜)アグレッシヴなパートの体感速度を上げる為に「どんよりした曇り空」のような質感のメロディックな静寂パートが挿入される。
6 AS ONE

前作から解禁された「ヘヴィメタルな響き」を感じるダークなリフソング。AメロBメロでは「泥水」のような質感のマニアックでディープなヘヴィリフがリフレインされ、サビはメロディー自体はそこまでメロディックではないのだがhyde(vo)が伸びやかなボーカルで歌い上げると強烈にメロディーが頭にインプットされる。
7 My Dear

「センチメンタルな思い出」のようなドリームポップ。hyde(vo)のボーカルは「悟りを開いた老人」のような重みがあり、tetsuya(b)のベースラインはhyde(vo)のボーカルラインに寄り添うようにメロディックである(3:30〜)ザラついたノイズが曲にモザイクのような質感を与え時空が歪んだような展開を見せる。最後は優雅なストリングスだけが物悲しく鳴り響き静寂を感じる。
8 EXISTENCE

USグランジ的な気怠さと確かな光を感じるシンプルなリフロック(1:27〜)「光溢れる空間」のようなサウンドや(2:01〜)リフの裏で闇に流れる耽美なアルペジオの存在から曲をハード一辺倒にさせない工夫を感じられる。最後はダークで淡々とした「暗号」のようなアルペジオだけが静かに流れる。
9 自由への招待

韻を踏んだ歌詞もお見事なラルク系の疾走ソング。サウンドは前作「SMILE」からの流れであるシンプルでアナログな音で構成されている。(2:38〜)ギターソロは非常に短いがken(g)らしい「眩しすぎる光」サウンドを聴かせてくれる。
10 Ophelia

「雨に濡れた都会の朝」のような質感のジャジーなバラード。「スパニュシュなギター」「透明なピアノ」「煙のようなサックス」がアダルトな空気感を構築するが、ベースラインは強烈に歪んだサウンドになっており縮れた光線」のようにリスナーの頭の中を刺激する。
11 星空

メランコリックなUKロック調の曲だがなぜか前向きになれるラルクマジックが堪能できるどっしりとしたバラード。歌詞の内容は「目が覚めれば変わっているといいな」という無邪気な子供のような言葉で平和を願うという内容になっている。
12 twinkle, twinkle

「11 星空」同様にUKロック調のメランコリックソングをポジティヴに響かせるラルクマジックを堪能できる曲。全パートがひとつに溶け合い「油絵」のように揺らめいており、(1:43〜 , 3:28〜 ,4:45〜)ken(g)のギターソロは「早朝の曇り空を自由に羽ばたく鳥」のようだ。

前作「SMILE」からの流れであるアナログでシンプルなサウンドを響かせつつ、エモやポップパンクをルーツにもつアーティスからの影響を感じられる突き刺さるサビのボーカルラインが印象的な10thアルバム「AWAKE」。 名曲「3 叙情詩」に流れる「強烈な和」の響きや「4 TRUST」の無国籍感などは新機軸であり、「11 星空」「12 twinkle, twinkle」などは「メランコリックな質感の曲をポ

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前作「REAL」が集大成的なALL in ONEのような作品であった点、また全メンバーがソロ活動を経た点などから、これまで築き上げたラルクサウンドに各メンバーがソロ活動で得た影響を反映した情報量の多いサウンドになるのでは?と聴く前は予想していたのだが、実際は予想に反してアナログなサウンドを前面に押し出したシンプルなロックアルバムとなっていた。

「2000年頃から世界的なトレンドとなっていたロックンロール・リバイバル的なミニマリズム」「これまで距離を置いているとも感じ取れたスラッシュメタル的なザクザクとした質感」「シンプルなロックソングを華やかに彩る七色のストリングス」これらが今作のサウンド面の特徴としてあげられる。

これまでのどの作品にも必ず存在したUKニューウェイブ的なサウンドがほとんど登場しないという点において本作は異色作と言って良いのでは??という気がする。

    「要点」

  • アナログなサウンドを前面に押し出したロックアルバム
  • スラッシュメタル的なザクザクリフ
  • ニューウェイブサウンドが登場しない異色作

「曲解説」

1 接吻

「アンプ直」のようなシンプルでアナログなギターリフがリフレインされるロックチューン。サビでは光沢感のあるスペーシーなシンセサウンドと優雅なストリングスが流れ、モノトーンになりがちなミニマムなロックソングに華やかさを与えている。
2 READY STEADY GO

アルバム「ark」以降、彼らの十八番となったドライブ感のあるロックンロール系譜の曲(1:00〜)サビは疾走感のあるボーカルラインと光を感じるシンセサウンドを中心に構成されるが、途中からスラッシュメタルのようなザクザクとした質感のリフが挿入されるという盛りだくさんな内容。ソロ活動を経て歌うことの楽しさに目覚めたのだろうか?tetsuya(b)のコーラスが過去最高レベルで目立つ曲となっている。最後はギターとベースがユニゾンする展開で幕を閉じる。
3 Lover Boy

退廃的なムードを持つスラッシュメタルライクな曲。これまでメタルという音楽と距離を置いていた感すらあるラルクが、ここまでスラッシュなザクザクギターリフをフィーチャーしたサウンドを鳴らした事は驚きである(2:28〜)立体的なベースラインがブライクビーツ風のリズムの上で踊り、そこからギターソロに突入する。
5 Time goes on

夢見心地な雰囲気のアコースティックソング。tetsuya(b)が大活躍の曲であり、サビでは「ボーカルライン以上に目立つベースライン」がボーカルとは異なるメランコリックなメロディーを奏で、またhyde(vo)のボーカルラインを包み込むようなコーラスも聴かせる。
6 Coming Closer

スローなギターサウンドが「金縛り」のように鳴り響くシンプルな曲。時折挿入される「ホイッスル」のような電子音や「春風」のようなストリングスが曲にポップネスを与えている。最後は悲壮感漂う重厚なバイオリンだけが流れる少し不気味な展開である。
7 永遠

ザ・ストロークス(The Strokes)のようなミニマムでモダンな質感のロックソング。ken(g)のラフで歪んだカッティングギターがループされリフというより音響的に鳴り響く(3:05〜)ギターソロは非常にインパクトがあり「永遠」というタイトルとは裏腹に刹那的な輝きに満ちている早弾きフレーズである。
8 REVELATION

「砂鉄」ような歪みギターサウンドが重力感を演出するヘヴィチューン。サビのボーカルラインはUSグランジのように「言葉のリフ」という感じである。
9 瞳の住人

「長閑で平和な日々」を連想する優しい音で構成されたバラード。サビのメロディーはこれまであまり聴いたことがないタイプでどことなく中国風。また間違いなく偶然だが浜崎あゆみの某曲のボーカルラインに少し似てるとも思う(4:03〜)ギターソロは「浅い眠り」のような質感で空間を彷徨う。
10 Spirit dreams inside

本作を象徴するラフでアナログなサウンドが響き渡るラストソング(1:48〜)存在感のある分厚いベースリフがリフレインされ、そこにオリエンタルな電子音やken(g)特有の光を感じるギターサウンドが絡まる展開は非常にグルーヴィー。

前作「REAL」が集大成的なALL in ONEのような作品であった点、また全メンバーがソロ活動を経た点などから、これまで築き上げたラルクサウンドに各メンバーがソロ活動で得た影響を反映した情報量の多いサウンドになるのでは?と聴く前は予想していたのだが、実際は予想に反してアナログなサウンドを前面に押し出したシンプルなロックアルバムとなっていた。 「2000年頃から世界的なトレンドとなっていたロックン

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