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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果45件

タグ「ギターロック」のレビュー

「エモーショナルでダークな叙情性を放つギターロック」「ドライブ感溢れるラルク流R&R」 インディーズ時代から彼らが得意としている「神秘的・耽美的という形容がよく似合うサウンド」などが幅広く収録されており、 これまでのキャリアの集大成のようにラルク アン シエル(L’Arc〜en〜Cielの良いところをパッケージングした傑作アルバム。

2000年はV系サウンドの創始者とも言えるルナシー(LUNASEA)が終幕しV系氷河期がはじまった年であるが、 ラルク アン シエル(L’Arc〜en〜Ciel)はシーンのトレンドなど関係なしに自分たちのルーツであるニューウェイブに様々な要素を加え、または角度を変えて自分たちらしいサウンドを鳴らし続けた。

V系サウンドが「古いもの」と見なされた90年代末〜2000年代初頭でも彼らが多くのリスナーに支持されたのは、電子音楽やポップミュージックと距離を置かず「曲が良くなるのであれば」という柔軟なスタンスで曲に新しい要素を加えモダンな質感にアップデートし続けたからでは?と思われる。

    「要点」

  • これまでのキャリアの集大成のようにラルクの良いところをパッケージング
  • V系衰退期でも多くのリスナーに支持されたモダンな質感

「曲解説」

1 get out from the shell

「スペーシーなダンスミュージック」のような雰囲気を持つラウドなアッパーチューン(2:20〜)「落雷」のようなken(g)のギターリフとリスナーを扇情するかのようなhyde(vo)の歪んだエフェクトボイスはこれまでのラルクにはない質感であり、ケミカル・ブラザーズ(The Chemical Brothers)やザ・プロディジー(The Prodigy)などの90年代ビッグビート勢からの影響を彼らなりに解釈しロックとテクノの融合を実践した曲となっている。
2 THE NEPENTHES

名曲「4 Shout at the Devil」とも共通する濃厚なグランジ匂がある曲。本曲のダーティーなギターリフはwikiを見る限り実際にken(g)がグランジバンド/ストーン・テンプル・パイロッツ(Stone Temple Pilots)を聴いている時に閃いたものらしく「泥水」のような重さとディープな響きをもっている。
3 NEO UNIVERSE

恍惚を感じる光が眩しすぎるエレクトロロック。ピコピコ系の電子音が鳴り響く真っ白な空間が、ボーカルラインをよりビビッドに響かせる。
4 bravery

「ガラス越し」のような透明感を持つメロウソング(1:28〜)サビは歪んだグランジーなギターワークと「考えさせられる歌詞」で構成されている。歌詞の内容は「昔はよかったって言うけど、何か知ってるの??」というものであり、変化に対して否定的な人たちに対する皮肉ともとれる内容となっている。確かに懐古主義の人ほど、新しいものを拒絶し挑戦しない傾向が強いと思う。
5 LOVE FLIES

ダークでサックとした質感のギターロック。相変わらずken(g)のギターサウンドはセンス抜群で弾き過ぎず、弾かなさ過ぎずの絶妙な塩梅でキュアー(CURE)のような耽美さとレディオヘッド(radiohead)のようなダイナミズムを曲に与えている。
6 finale

「古いフィルム」のようなザラついた質感をもつダークなバラード。悲壮感あふれるバイオリンが印象的なヴァースと一気に熱量を放出するサビによって構成されている。サビで歌われる「眩し過ぎて明日が見えない」は、Rusty Nail / XJAPANにおける「涙で明日が見えない」に並ぶ名フレーズであると感じる。歌詞の内容はインディーズアルバム「DUNE」に収録されている「6 Dune」に近いものがあり「神も許さない禁断の恋」について。
7 STAY AWAY

アルバム「ark」に収録されていたドライブ感のあるロックチューンと同じ流れの曲。「焼き増しの世界に惹かれない」というフレーズがロックアーティストとしてのプライドを感じさせ、hyde(vo)の歌声はダミ声と言ってもいい位に濁っており、曲にザラついた質感を与えている。
8 ROUTE 666

ミニマムな音数で構成され「石ころ」のように回転するロックンロール(3:07〜)これまでの殻を破った「ウゥゥ〜、レイ♫」というhyde(vo)のファンキーボイスから流れるような旋律をもつギターソロが展開される。
9 TIME SLIP

「早朝」のような空気感をもつセンチメンタルなバラード。ラブソングとも深い人間関係ともとれる歌詞がイマジネーションを刺激し頭の中に様々な情景が浮かんでくる。タイトでシンプルなドラムと「曇り空」のような質感のベースラインからなるリズムの上で「ガラス細工」のようなken(g)のギターサウンドが輝きを放ち、hyde(vo)の歌声には「素顔」のようなナチュラルさがある(2:40〜)「溢れ出す光の洪水」のようなギターソロがリスナーを光溢れる異空間へと誘う。
10 a silent letter

静寂の中、「夜空の星々」のようにきらめくギターサウンドとhyde(vo)のファルセットボイスが圧倒的な存在感を放つ壮大なバラード (3:50〜)「美しい子守唄」のよう女性コーラスが幻想的に鳴り響き幽玄さを曲に加える。終盤は「歪む深海」のようなギターサウンドが曲にモザイクを加えるように響き渡る。
11 ALL YEAR AROUND FALLING IN LOVE

6弦ベースを使用した高音のベースラインがこれまでとは異なる響きを奏でるパワフルなバラード。サビはモザイクがかったように歪むギターサウンドとメロウなアコースティックサウンドが共存するパワフルな展開だが、そのサウンド以上にhyde(vo)のボーカルラインが力強く響き渡る。最後は「星々」のような電子音だけが静かに流れ曲は締めくくられる。

「エモーショナルでダークな叙情性を放つギターロック」「ドライブ感溢れるラルク流R&R」 インディーズ時代から彼らが得意としている「神秘的・耽美的という形容がよく似合うサウンド」などが幅広く収録されており、 これまでのキャリアの集大成のようにラルク アン シエル(L’Arc〜en〜Cielの良いところをパッケージングした傑作アルバム。 2000年はV系サウンドの創始者とも言えるル

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90年代に活躍した女性ボーカルのギターロック・ポップアーティストの代表格ジュディ・アンド・マリー(JUDY AND MARY)。

YUKI(vo)のキュートな歌声は印象に残っていたのだがアルバムをじっくり聴きこんだことはなかったのだ。今回初めてジュディ・アンド・マリー(JUDY AND MARY)のアルバムを聴いてみたところ、90年代以降のギターノイズをいち早く取り入れたアバンギャルドとも言えるサウンドに衝撃を受けた。

しかし、そのサウンド以上に衝撃なのはこのアルバムが200万枚以上のセールスを記録しているという点である。アンダーグラウンドなシーンで壊れたノイズを取り入れているバンドは当時、もちろん存在していたとは思うが今作は壊れたノイズをふんだんに取り入れておりながらもダイレクトにフックの効いたボーカルラインが真っ先に耳に入ってきてメロディックなポップソングとして成立している。ノイジーで壊れたサウンドがYUKI(vo)のキュートな歌声をさらに魅力的に響かせている。

    「要点」

  • 97年の日本の音楽シーンで「やりすぎなノイズサウンド」
  • ノイズサウンドがYUKI(vo)のキュートな歌声をさらに魅力的に

「曲解説」

1 BIRTHDAY SONG

タイトルとは裏腹に「ロボットが壊れた」ようなノイズが鳴り響くオープニングソング。サビの後ろでも「関係ない」と言わんばかりにノイズサウンドが渦巻いているが同時に「氷のように透明」な電子音も鳴っておりノイズロックではなくノイズポップとなっている。間奏部やギターソロは非常にアバンギャルドでサイバーな空気感が流れるものとなっている。
2 ラブリーベイベー

壊れた質感を持つギターポップ「1 BIRTHDAY SONG」同様サビでも容赦無くぶっ壊れたノイズサウンドが響き渡る。 時折、挿入される愛らしいコーラスがアクセントになっている。97年の日本のJ-POPシーンでここまで壊れたノイズを前面に押し出した曲はレアだと言える
3 そばかす

時空が歪んだような心地よい違和感とキャッチーなボーカルラインを持つヒットソング。イントロ・間奏・アウトロではやはり壊れたノイズサウンドが鳴り響き(2:24〜)元気でノリの良い曲の中にジャージーでアダルトなパートが挿入される。歌詞はサウンドとは裏腹にメルヘンの極みのような内容となっている。
4 KISSの温度

アーバンなポップソングとノイズが同居している曲。部屋でくつろいでいるようなリラックス感と夢のような浮遊感を同時に感じる空気感で(1:26〜)マニアックなエフェクターがかかった歪み音で奏でられる牧歌的なフレーズは非常に癖がある。
6 Pinky loves him

少しジャージなサウンドとYUKI(vo)の元気な歌声の対比が面白い曲。「アダルトなバーに佇む男」のように淡々と静かに進行する。さすがにこの曲にノイズサウンドは登場しない。
7 くじら12号

ドライブするベースラインとジャカジャカ歪むギターサウンドを中心に展開されるヒットソング(1:27〜)サビのボーカルラインは「待ちわびた海開き」のような爽快さとダイナミズムを感じるものとなっているが、裏ではモノトーンなダンスビートが鳴り響きBPM以上のスピード感を演出している。
8 クラシック

「目の前がパッと開けた」ような開放感を感じるギターロック(1:40〜)ギターソロはモダンなサーフミュージックのような清涼感を感じるものとなっており、終盤は抑揚の効いたサビが繰り返し流れ最後は静かに終わる。
10 The Great Escape

本作を象徴するようなアグレッシヴなノイズポップ。ハードで畳み掛けるようなパンク調ではあるがYUKI(vo)のキュートな声とマッチしている。

90年代に活躍した女性ボーカルのギターロック・ポップアーティストの代表格ジュディ・アンド・マリー(JUDY AND MARY)。 YUKI(vo)のキュートな歌声は印象に残っていたのだがアルバムをじっくり聴きこんだことはなかったのだ。今回初めてジュディ・アンド・マリー(JUDY AND MARY)のアルバムを聴いてみたところ、90年代以降のギターノイズをいち早く取り入れたアバンギャルドとも言えるサ

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スピッツ(SPITZ)のキャリアの中でセールス的に最も成功した6枚目のアルバム。全曲を通して草野マサムネ(vo)のメロウで透明感ある歌声が響き渡り、どのようなサウンドやテンポであってもバカボンのパパのように「これでいいのだ!」状態でスピッツ(SPITZ)の音楽となっている。

失礼な話だが「2 涙がキラリ☆」などの曲は他のボーカリトが歌た場合、そこまで売れないのでは?!と思われるのだが草野マサムネ(vo)が歌うと一度でリスナーの頭にメロディーが刷り込まれる。「6 トンガリ’95」などはUSグランジロックに対する回答のような曲で色んな意味で「非売れ線」な曲だがこれまたポップソングとして成立してしまう。

この一度聴くと頭にインプットされる独特な歌声をもつシンガーはそう多くなく、90年代の日本の音楽シーンで考えるとパッと頭に浮かぶのは「草野マサムネ」「河村隆一」「MISIA」などだろうか。例えば、ルナシー(LUNA SEA)というバンドの場合は5人のメンバーの個性や癖を絡めて面白いものを作るというスタンスだが、スピッツ(SPITZ)は草野マサムネ(vo)の歌声を最大限活かす為に他のメンバーがサポートするというような構造になっているとじっくり今作「ハチミツ」を聴いて感じた。

    「要点」

  • 「6 トンガリ’95」はグランジロックへの回答
  • 一度聴くと頭にインプットされる独特な草野マサムネ(vo)の歌声

「曲解説」

2 涙がキラリ☆

イントロと間奏で聴ける「眩しい光」のようなギターリフが印象的なヒットソング。ヴァースの裏では「しっとりした雨」のようなアルペジオと「鐘の音」のようなカッティングが鳴り響く。歌詞の内容は「純粋さと下心の間で揺れる思春期男子の気持ち」といったところ。基本的にはメロウな曲だが不思議な熱量も感じる曲となっている。
3 歩き出せ、クローバー

「誰もいない曇りのビーチ」のような雰囲気を持つUKポップ風の曲で「サビ以上にサビ」なボーカルラインを持つメロウなBメロが素晴らしい(2:18〜)夏の幻のような陶酔感のあるギターソロが登場、ギターソロ以降はウォームに歪んだギターサウンドも鳴り響き、曇りから晴れに移りゆくようなサウンドになる。
4 ルナルナ

ザ・スミス(The Smiths)の曲をフリッパーズ・ギター(Flipper’s Guitar)が演奏したようなポップソング。「待ちきれない明日の遠足」のような早足のテンポ感と「短く切ない夏休み」のような揺らめく電子音が印象的で柔らかいストリングスが爽快な風を運んでくる(3:26〜)最後は唐突に「夏の終わりの」ようなギターフレーズが飛び出す。
6 トンガリ’95

スピッツ(SPITZ)がグランジにチャレンジした尖っている曲。終始、がっつりと歪んだギターサウンドが鳴り響くが、イントロので聴けるキラキラした電子音やサビのコーラス「ルゥー、ウー、ウー」などがスピッツ(SPITZ)らしい。サビは「尖っている」というワードを草野マサムネ(vo)が甘い声で連呼するというシュールなものとなっている。この曲をガチのUSグランジ勢が聴いたらどのような反応示すのか興味がある。
7 あじさい通り

真夏の田舎道をゆっくりと練り歩くようなスローテンポの曲。「カッティングギターが淡々鳴り響く展開」と「シャボン玉のように揺らめくクリーンなアルペジオが踊るカラフルな展開」で構成されている(2:55〜)リバーヴを掛けた濃厚な煙のようなギターソロが曲にコクを与えている。
8 ロビンソン

日本の音楽史に残るメロウなギターポップソング。イントロとサビ裏で聴けるメロウなアルペジオは簡単そうにみえて実は難しく、サビのメロディーラインは素晴らしいの一言で「本当に空を飛んでいる」ような浮遊感を感じる名曲。
10 グラスホッパー

本作の中では「6 トンガリ’95」の次に歪んでいるハードな曲。低音がよく聴こえるウォームに歪んだサウンドだが「そよ風」のような爽やかさがある。

スピッツ(SPITZ)のキャリアの中でセールス的に最も成功した6枚目のアルバム。全曲を通して草野マサムネ(vo)のメロウで透明感ある歌声が響き渡り、どのようなサウンドやテンポであってもバカボンのパパのように「これでいいのだ!」状態でスピッツ(SPITZ)の音楽となっている。 失礼な話だが「2 涙がキラリ☆」などの曲は他のボーカリトが歌た場合、そこまで売れないのでは?!と思われるのだが草野マサムネ(

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ラルク アン シエル(L’Arc〜en〜Ciel)のルーツであるニューウェイブ的なダークさが印象的なアルバムで「8 浸食 〜lose control〜」のようなヘヴィな曲であっても、ダークな質感や耽美的な要素が盛り込まれておりサウンド的に統一感がある。彼らの初期の曲を「HEART」以降のサウンドで再構築したような曲が多いアルバムなので、ある意味、インディーズ時代のアルバム「DUNE」と本作はリンクしていると感じる。

セールス的にピークにあった1999年だからこそ彼らは自分たちの原点を再確認するようなアルバムを作成したのだろうか!?「ダークな統一感」にハマれるかどうかで評価の分かれるアルバムと言える。

    「要点」

  • インディーズ時代のサウンドを再構築
  • ダークで耽美的
  • イケイケの全盛期

「曲解説」

1 死の灰

前作から本格導入したグランジ的な歪みとクリアな浮遊感が同居しているハードチューン。ルーズで「少し酔っている」かのようなヨレた質感の歪んだギターリフが終始鳴り響き、リズムはどっしりとしたシンプルな展開なっている(1:40〜)ハードなサウンドとこぶしの効いたボーカルラインをメインに構成されるサビだが、裏ではユートゥー(U2)やルナシー(LUNASEA)と共通するような眩しい光を連想する空間系アルペジオが鳴り響いており、ハードさと同時に浮遊感と眩しさも感じる(2:13〜)歪んだトーンで鳴らされるギターソロは煌びやかでありやはり眩しい光を感じる。
2 It’s the end

ザ・スミス(The Smiths)彷彿の流麗なギターフレーズが「黄昏の海辺」を連想するようなニューウェイブソング。BPMは早めだがhyde(vo)はギターフレーズに呼応するように流麗で大河のようにゆらりと流れるボーカルラインを歌い上げる、曲を通してサビのような展開。最後は流麗なサウンドが止まり、陽炎のような残響を残すギターサウンドが鳴り響く。
3 HONEY

hyde(vo)からニルヴァーナ(Nirvana)に対する回答とも言えるようなオルタナギターチューン。壊れた質感のオルタナ/グランジギターが終始鳴り響くがボーカルラインがメロウでキャッチーな点が、本家USオルタナ/グランジとは決定的な違いで。壊れたサウンドとメロウなボーカルラインのせめぎ合いがこの曲の魅力。また動きまくるメロディックなベースラインもUSグランジバンドではありえない(1:45〜)ソニックユースのような「機械が壊れたノイズ」のようなken(g)のギターソロは「ノイジーでジャンクな音質」なのだがメロディーを感じさせるのはさすがのセンスだといえる。終盤はまるでリフのようなyukihiro(dr)のドラムが鳴り響き曲を更に疾走させる。
4 Sell my Sou

アジアンの香りがするメロウなギターポップ。パーカッションを使ったラテンっぽいリズムパターンとジャジーなテイストを反映しておりギター・ベース共に最小限の手数でプレイしているが、ギターフレーズは相変わらず流麗なフレージングである(1:10〜)ファルセットを使った「蝶が舞う」ようなメロウなボーカルラインを聴かせるための曲という感じ。それくらい珠玉なボーカルラインだと思う。
6 L’heure

「誰もいないモノトーンな部屋」を思わせるインスト。トリップホップのようなダークで立体的なリズムの上を効果音のようなアルペジオが淡々と鳴り響くとう展開。時折、プライベート感あふれる英語による男女の会話が挿入される。ちょっと休憩というニュアンスの立ち位置の曲。
7 花葬

ニューウェイブ系ダーク・ギターロックの名曲。ダークで浮遊感のあるギターとストリングスが絡みあい幻想的な空気感を演出。音響構築に徹するギターとは対照的にクネるように動きまくるベースラインが印象的(2:02〜)ファルセットを使ったサビのメロディーラインはメランコリックだが一度聴くと頭から離れない中毒性があり(2:19〜)ギターソロはダークで幻想的な世界に「降り注ぐ光」のようび煌びやかな音色。終盤はサビが繰り返され最後はイントロと同様の耽美的なギタースレーズで締め括る。
8 浸食 〜lose control〜

「「地下の実験室」を思わせるダークでミステリアスなアルペジオが鳴り響く静のパート」と「ヘヴィでドライブ感のあるハードなサウンドによる動のパート」を中心にして構成される(1:05〜)「Good‐morning Mr.Fear」というhyde(vo)の呟きからヘヴィでドライブ感のある展開に変貌。ドラムはパワフルな変拍子を叩いている(1:50〜)ライド(Ride)彷彿の暴風雨のようなノイズが登場してカオスな様相を呈する。ノイズが鳴り止んだ後は「滅びた世界」のような淡々としたアルペジオとhyde(vo)の独り言のようなボーカルラインが流れる(3:33〜)またも「Good‐morning Mr.Fear」という呟きからハードな展開に変貌。終盤はハードなベースラインが強烈にウネり最後まで攻めまくる。
9 trick

冷たい金属的な響きが終始鳴り響くノイジーな曲。ループのようなミニマムなギターリフやサイレンのようなエフェクティヴなサウンド、冷たい金属的な響きがインダストリアル風でhyde(vo)のボーカルラインは所々でラップのように聴こえる(2:52〜)脳裏をギシギシ刺激するノイズソロ(?!)が鳴り響く 。このあたりもやはりインダストリアルの影響だと思われる。
10 いばらの涙

初期の耽美的な質感を「HEART」以降のサウンドで再構築したようなサウンド。冒頭は「秒針」のようなアルペジオがループされ、その上をhyde(vo)が「ファルセットで耽美的なボーカルラインを歌うパート」と「ハードでダイナミックなバンドサウンドによるパート」を中心となり構成される。時折、鳴り響く幻聴のようなギターサウンドは幽玄で幻想的な雰囲気がある(1:10〜)手数の多いドラムフレーズからエモーショナルでハードなサウンドに変貌、hyde(vo)のボーカルラインはエモーショナルで空を舞うようだ(3:16〜)ダイナミックで空間を支配するようなギターソロが登場。終盤はサビがリフレインされ全てのパートが主張する展開となり最後はハウリングが鳴り響く。

ラルク アン シエル(L’Arc〜en〜Ciel)のルーツであるニューウェイブ的なダークさが印象的なアルバムで「8 浸食 〜lose control〜」のようなヘヴィな曲であっても、ダークな質感や耽美的な要素が盛り込まれておりサウンド的に統一感がある。彼らの初期の曲を「HEART」以降のサウンドで再構築したような曲が多いアルバムなので、ある意味、インディーズ時代のアルバム「DUNE」と

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海外渡航(イギリス・ドイツ)時に得たインスピレーションから作成された楽曲を収録した5枚目のアルバム。

これまでもインディーズ時代のアルバム「DUNE」や3枚目のアルバム「heavenly」で異国感を感じる音創りをしていた彼らだが、今作では「ダークで重厚な質感」や「叙情性のあるフレージング」などの要素を取り入れている。それに加え「ジャジーなテイスト」や「USグランジ・オルタナ」からの影響をラルク アン シエル(L’Arc〜en〜Ciel)らしいメロディックな曲に反映させることによってこれまでの作品とは異なるレベルのダイナミズムや深さを感じることができる作品に仕上がっている。「歪んだマイナーコードの響きを活かしたギターロック」「景色が浮かぶメロウなポップソング」「ドイツの大河を連想するスケールの大きな曲」など様々なタイプの曲が収録されているが全ての曲のクオリティーが非常に高く本作は彼らの最高傑作と呼べる作品になっている。

    「要点」

  • ドイツ大河や古城を思わせる異国感
  • ジャジーな質感を導入
  • 最高傑作との呼び声が高い

「曲解説」

1 LORELEY

極寒のような冷たいピアノとダークで重層な雰囲気が印象的なオープングソング。ken(g)のギターサウンドが曲のダークさと緊張感を演出している。 冒頭では不穏で緊張感のあるサックスが空気を切り裂き、そこからゆったりとしたテンポの上を滑らかなhyde(vo)のボーカルラインが踊り、徐々に熱量を上げていく。Bメロの裏ではこれまであまり聴けなかったスマッシング・パンプキンズ(The Smashing Pumpkins)のようなオクターブ奏法により歪んだギターリフを聴くことができ、サビは煌びやかなシンセとうねるベースラインの上をどこまで果てしなく続く大河のような壮大なボーカルラインが響き渡る。中世ヨーロッパのような雰囲気を持ちつつもUSオルタナ的な「エッジ」が反映されている神曲。最後は不穏なコクのあるアルペジオが静かに鳴り響く。
2 winter fall

実際に「真っ白な雪原にいる」かのような錯覚を味わえる曲。ガラスのように透明なアルペジオと優雅なホーンを中心に展開される。 メロディックで「真っ白な吐息」を連想するボーカルラインを持つサビがインパクト大(2:45〜)「雪の上に寝そべって見る晴天の青空がクルクルと回る」ようなイメージが浮かぶスケールの大きい伸びやかなボーカルラインが曲に躍動感を与え(3:08〜)ギターソロは暖炉に手をかざすような暖かさを感じる。曲を通して「どこまでも続く青空」「降り積もる雪」「凍える寒さ」「白い吐息」といった雰囲気を醸し出すフレーズや音色のみで構成されており世界観を見事に表現している。最後はhyde(vo)による「戻らない時間」のような物悲しい一人語りで終わる。
3 Singin’ in the Rain

「雨が降る都会の早朝」を連想するジャージーなピアノの旋律と微かな光のようなギタープレイがを中心に展開されるメロウな曲。 歌詞の中にもやはり「雨」が登場、歌詞の内容としては「降りしきる雨」が「雨が好きだった君」を思い起こさせるとういうもの(1:24〜)メロウな曲にぴったりな湿り気を帯びた力強いボーカルラインが曲の世界観をより確固なものとする。ボーカルラインの裏では残響のようなギターサウンドがノスタルジーな雰囲気を演出。終盤は「雨が激しくなった」ようなギターのノイズ音が薄っすらと鳴り響き、最後は水面に波紋を残すようなピアノの音で終わる。
4 Shout at the Devil

ラルク アン シエル(L’Arc〜en〜Ciel)流グランジと言いたくなる歪んだギターロック。イントロからハウリングとhyde(vo)のカウントアップで幕を開ける激しい展開でken(vo)の開放的で歪んだギターフレーズが終始縦横無尽に暴れまわる。90年代後半はグランジ・オルタナ的な歪みを自分たちの曲に反映させる日本バンドが多かったが、この曲で聴けるken(g)のギターサウンドはジ・エッジ/U2(ユートゥー)がニルヴァーナ(Nirvana)のリフを弾いような音であり、ワウを効果的に使って飛翔感を感じるような質感になっていて個性がある(2:20〜)前作「True」までのhyde(vo)からは想像もできないようなまさにDevilなシャウトが登場する。それに続ギターソロに関してもグランジ的な壊れた質感を伴うものとなっている。終盤はリズム隊もグイグイと猛烈に攻めて最高潮を迎え最後は終焉のようなホーンが鳴り響き、僅かな不気味さを残し終わる。
5 虹

「蝶がクルクルと舞う」ようなミニマムなアルペジオが鳴り響く代表曲。言わずもがなバンド名を日本語に変換したタイトルとなっている。 イントロが終わると「いきなりサビから突入」する展開でインパクトがある。話が少しそれるが96年〜97年にかけて当時の3大バンド(L’Arc〜en〜Ciel、LUNASEA、GLAY)が揃ってサビから突入する代表曲をリリースしていることは大変興味深い。本曲は全体的にセンチメンタルな雰囲気のある曲となっており「静かで淡々としたAメロ」、「サビの爆発での予感させるBメロ」、「激しくエモーショナルなサビ」という構造になっている(2:38〜)メロウなアルペジオをバックにhyde(vo)の愛に対する悟りのような呟きが聴ける。終盤はエモーショナルなサビが繰り返しリピートされ最高潮を迎える。
7 Promised land

歪んだマイナー調の残響が心地よくハードでラフな曲なのだが不思議な浮遊感を感じる曲。よく聴いてみるとハードでラフなサウンドのバックに「柔らかい舞」のようなシンセや空間的なアルペジオが鳴っており、これがハードなサウンドなのにも関わらずハードに聴こえず浮遊感すら感じる仕掛けなのだろう(3:05〜)サイケデリックな揺れる光のようなサウンドに全体が包まれれるが、この後、光は消えてなくなりタイトで原始的なドラムが鳴り響く。終盤はフックのあるサビが繰り返されて最後はエフェクトのかかった声の残響で終わる。
8 fate

「ドイツの古城」を思わせる叙情系ギターフレーズと動きまくるベースフレーズが印象的なミドルテンポでダークな曲。マイナー調の歪んだギターサウンドが終始鳴り響き、曲を通して切ない雰囲気が漂う(1:30〜)hyde(vo)による高音を活かしたメロディックなボーカルラインを持つサビが強烈(1:50〜)残響が心地よくゆらゆらと宙を舞うギターソロが鳴り響き、間奏部では柔らかいストリングスやピアノ、煌びやかな電子音なども登場して切なさを更に助長する。終盤は柔らかいストリングスと煌びやかな電子音が更に存在感を増し最後はミニマムな電子音のループで終わる。この曲の終わり方はKarma Police/レディオヘッド(Radiohead)に近いものを感じる。

海外渡航(イギリス・ドイツ)時に得たインスピレーションから作成された楽曲を収録した5枚目のアルバム。 これまでもインディーズ時代のアルバム「DUNE」や3枚目のアルバム「heavenly」で異国感を感じる音創りをしていた彼らだが、今作では「ダークで重厚な質感」や「叙情性のあるフレージング」などの要素を取り入れている。それに加え「ジャジーなテイスト」や「USグランジ・オルタナ」からの影響をラルク ア

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