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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果45件

タグ「ギターロック」のレビュー

レディオヘッド(Radiohead)と共振するような「絶望」「空虚」を受け入れた上でのエモーショナルを追求したアルバム。 サウンド的にはUSグランジ的なざらついた歪みギターと「どんよりした曇り空」のようなUKサウンドを大胆に導入しており、また歌詞の内容はネガティヴィティを肯定するかのような痛々しいものも存在する。

ミスター・チルドレン(Mr.Children)というバンドは曲のイメージをコントロールするのがうまいバンドだと感じる。歪んだリフが印象的な曲であっても実はその歪みリフの頻度は少なかったりするのだ。要するにインパクトに残るタイミングで印象に残したい音を出しているという事だと思う。これまでの作品と比べるとオルタナ・グランジ的な質感の曲が多いが、曲のバランス感覚がこれまで同様に素晴らしいのでほとんどの曲がポップ・ミュージックとして成立しているという作品となっている。

    「要点」

  • 歪んだギターサウンド
  • 社会批判やエロい歌詞多め
  • 空虚を受け入れた上でのエモーショナル

「曲解説」

2 Everything (It’s you)

「深い森に迷い込む」ような幻想的なイントロで始まり、「サビが2回あるような大サビ」が特徴的な曲。言葉遊びもうまく「捨てぇ」と「stay」をかけている。 歌詞は他人にあまり心を開かない主人公が唯一、通じ合える「君に」対して恋とは違う形でもいいからと愛情を独白するというニュアンスの内容となっている。サウンドはミスター・チルドレン(Mr.Children)らしい最小限の音数で形成されるのギターロックで、サビでは鳥が大空に羽ばたくような壮大な展開となる。
3 タイムマシーンに乗って

グランジ的な金属的な歪みギターリフがインパクト大。ヴァースは酔っ払いのようなヨレた歌声で社会風刺的な歌詞を歌い上げ、サビはネガティブな歌詞とは裏腹にビートルズのようなメロディックなボーカルラインという展開。「haa、ha」というコーラスと低音が強調されたミニマムなホーンがポップな質感を与えている。このポップな質感がなければ良くも悪くもグランジ的なダーティーさが前面に出た曲となっていただろう。
4 Brandnew my lover

「3 タイムマシーンに乗って」同様、ざらつき歪んだグランジギターリフが登場する(1:00〜)アシッドハウス期のプライマル・スクリーム(Primal Scream)を思わせる光に包まれるような電子音に乗せて泥酔のようなテンションのボーカルラインが乗り(1:18〜)「人間のどうしょうもなさ」を呪文のように唱えるパートが曲にエッジとミステリアスさを加えている。サビは伸びやかでコクのある歌声で歌われるボーカルラインだが、歌われている内容は「放送禁止レベル」にエロティックさを持ちバックでは光を閉ざすカーテンのようにダーティーな歪みリフが鳴り響く。
5 【es】 〜Theme of es〜

物悲しいストリングスが「どんより曇った早朝」のような雰囲気を醸し出す曲。歌詞の内容は諦念や失望を受け入れつつそれでも希望を持って前に進むというニュアンス。AメロBメロのボーカルラインは抑揚がなく少しメランコリックだが、サビのボーカルラインは「どこまでも続く曇り空」のような広がりをもっている(1:50〜)煌びやかなトーンのギターソロが登場し曲に僅かな光を灯す。
6 シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜

曲を通して全てがサビのような極彩色のボーカルラインを持つ曲。「幸福の鐘のような音」が鳴り響くイントロから始まるキャッチーでカラフルで軽やかなギターポップソング。ネガティヴな歌詞や退廃的とも言える空気感のサウンドが続いた後だけにこの曲が登場したときのワクワク感はとても大きい(2:30〜)ボーカルラインとピアノとアコギだけが鳴る静かなパートが挿入されアクセントになっている(3:14〜)曲を更にカラフルにするサックスソロが鳴り響き曲は最高潮を迎える。終盤はサビが繰り返し歌われ甘い余韻を残したまま終わる。
7 傘の下の君に告ぐ

ザ・スミス(The Smiths)彷彿のメランコリックで流れるようなギターフレーズで幕を開け、サックスをフィーチャーしたジャジーなテイストのギターロック(0:43〜)Bメロのボーカルラインは歌われる内容(社会批判)と反比例するように能天気とも言える位の「不気味な明るさ」を感じるものになっておりシニカル(1:48〜)自暴自棄と自己嫌悪が混ざったような感情をぶちまけるシャウト(2:02〜)歪んだ歌声で絶望と諦念を吐き出し最後は「夢も希望もない」とまたもシャウトが飛び出す。その後に流れるサックスソロは荒廃した荒野のような虚無感すら感じる。最後は全ての絶望を受け入れた上で前に進もうとニュアンスの歌詞がわずかに登場する。これがこの曲の唯一の救いといっていいだろう。
8 ALIVE

「真っ白な空間」を連想するシンセサウンドと「独り言」のようなベースラインが空虚ささえ感じさせるイントロではじまり、空虚な気持ちや現状を受け入れた上で「苦笑いで前に進みわずかな光を見つけて歩き出す」ようなイメージの曲。サウンドは中盤までは空虚な質感が続くのだが、桜井 和寿(vo ,g)のボーカルはサビで大きな熱量を放ちわずかな光について歌う。歌詞は世の不条理に対して諦念に近い負の感情吐き出し、夢も希望もないけど光を探すことを忘れてはいけないという内容(4:36〜)これまで登場しなかったギターサウンドが煌びやか音色で鳴らされる。フレーズはメランコリックだが徐々に熱量をあげ光を感じることができる。終盤は確かな希望を感じるような眩しいサウンドが鳴り響く。
9 幸せのカテゴリー

アルバム「Atomic Heart」に収録されていても不思議ではないアーバンなソウルテイストのギターポップ。終始ノスタルジーと哀愁を感じるサウンドが展開され(1:24〜)サビでは今作で最もキャッチーでメロウなボーカルラインが聴くことができる。メランコリックな質感のボーカルラインが多い本作の中では異色の響き(3:16〜)ウォームなギターサウンドと煌びやかオルガンからなるソロパートが挿入される。終盤は哀愁あるサウンドをキャッチーなボーカルラインが混在して独特な雰囲気となる。
12 Tomorrow never knows

高層ビルから見下ろした夜景のようなアーバンな雰囲気の曲。煌びやかな電子音が星々のように輝くサウンドの上をサックスが縦横無尽に駆け回る。 サビのボーカルラインは歌詞の内容と相まってどこまでも続く地平線のように果てしない(3:08〜)誰も知ることのない明日を歩む事を決意した主人公の背中を強く押すような壮大なサックス(!?)ソロが鳴り響き曲は終盤を迎える。最後は全てのパートが綺麗にまとまり霧のように消える。

レディオヘッド(Radiohead)と共振するような「絶望」「空虚」を受け入れた上でのエモーショナルを追求したアルバム。 サウンド的にはUSグランジ的なざらついた歪みギターと「どんよりした曇り空」のようなUKサウンドを大胆に導入しており、また歌詞の内容はネガティヴィティを肯定するかのような痛々しいものも存在する。 ミスター・チルドレン(Mr.Children)というバンドは曲のイメージをコントロー

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前作「Atomic Heart」で大ブレイクを果たし音楽シーンの頂点に立った彼らが、自分たちがやりたいことをエゴイスティックにやりきった90年代を代表する問題作。ビジュアルが見える音色の数々で構成された本作を聴いているとまるで名作映画を見ているような感覚に陥る。歌詞の内容は「自問自答」「ノスタルジー」「虚無感」「怒り」「わずかな光」などがテーマであり、前作までに見られた「恋愛」をテーマにした詞はほとんど見られない。

またサウンドも退廃的といってもよいダークさと深さがありタイトルとシンクロしている。フォークロック、プログレ、USグランジ的な壊れた質感、ジャージーな哀愁などがギリギリのラインで見事にポップソングに落とし込まれている。

    「要点」

  • 映画を見ているようなコンセプトアルバム
  • アーティストエゴが爆発
  • 退廃的な雰囲気

「曲解説」

2 シーラカンス

本当に「海の中にいる」ような深さと暗さを感じる曲(0:55〜)前作「Atomic Heart」から90年代US/UKギターロックの影響を感じされるフレーズはあったのだが、このリフはUSグランジに対するミスター・チルドレン(Mr.Children)からの回答といっていい位にグランジテイスト。このグランジギターが曲中終始鳴り響くことになる。歌詞の内容は一言でいうと「ディープな自問自問」といったところだろうか(3:14〜)歪んでいるがとブルーな透明感のあるギターソロが鳴り響き、最後は壊れた質感を増したギターロックのような展開でそのまま3曲目に繋がる。
3 手紙

メランコリックで物悲しいアコースティックバラード。重層なストリングスが「2 シーラカンス」同様に海の中にいるような深さと暗さを醸し出しており、歌詞の内容は「いなくなった者」に対する喪失感とノスタルジーを歌っている。
4 ありふれたLove Story ~男女問題はいつも面倒だ~

重い質感であった「2 シーラカンス」「3 手紙」とは異なり少しリラックスした乾いた空気感が心地よい曲(1:57〜)滑らかストリングスとジャジーなピアノが本曲に滑らかな風を吹き込む。
5 Mirror

メルヘンな世界に迷い込んだような浮遊感を感じる曲。キラキラしたキーボードやオルゴールのように聴こえる管楽器がその空気感をさらに助長する (1:33〜)乾いたハーモニカソロが鳴り響きその後はシャボン玉のように透明で揺れるような電子音が登場する。歌詞のほうは古風なフォークソングのようだ
7 名もなき詩

「ジャカジャ〜ン」という勢いのあるコードストロークで始まる名曲。曲を通して乾いた空気感が常に流れており最小限の音数だけで鳴らされたジャージーなギターロックという趣だが、じっくり聴いてみるとドリーミなハーモニカや低音が強調されたホーンが海底で鳴り続いている(1:22〜)ダイナミックかつ大陸的な広がりを見せる神なボーカルラインが登場(4:04〜)これまでのミスター・チルドレン(Mr.Children)では考えられなかったマシンガンのようなラップ風のボーカルラインが飛び出す。歌われる内容は「「人を傷つけてもそこまで悩む必要ないよ」と言いながらもそこまでドライにも無感情にもなれない自分」について。このパートが曲にファンキーなテイストを与えている。最後は、澄み切ったシンプルなギターサウンドをバックに桜井 和寿(vo ,g)が悟りを開いたような愛情論を君に語りかける。
10 マシンガンをぶっ放せ

グランジ化したフォークロックという質感の曲。ありえない事が平然と起こりまくった90年代の空気感を怒りと虚無感が混在した歌詞で見事に表現している。アップテンポな曲なのだが海底で鳴っているシンフォニックなストリングスや雄大なホーンが色んな意味で痛い歌詞を中和させてこの曲をポップソングとして成立させている。
11 ゆりかごのある丘から

LUNASEAの曲に出てくるようなダークなアルペジオや哀愁感漂うアダルトなサックスが退廃的で哀愁のある雰囲気を醸し出す。歌詞の内容は「孤独な者」がノスタルジーな気分に浸る内省的なもので「自分にとって本当に大事なものは何か?!」を深く問いかける内容となっている。桜井 和寿(vo ,g)のボーカルラインは高級なワインのように渋みと甘みがありいつまでの頭の中で反芻し続ける(8:32〜)古いフィルを巻き戻すような音が流れ曲は静かに終わる。本作を象徴するような深くてダークな名曲。

前作「Atomic Heart」で大ブレイクを果たし音楽シーンの頂点に立った彼らが、自分たちがやりたいことをエゴイスティックにやりきった90年代を代表する問題作。ビジュアルが見える音色の数々で構成された本作を聴いているとまるで名作映画を見ているような感覚に陥る。歌詞の内容は「自問自答」「ノスタルジー」「虚無感」「怒り」「わずかな光」などがテーマであり、前作までに見られた「恋愛」をテーマにした詞はほ

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前作までのナイーヴな質感は残しつつ90年代以降の音楽から影響を曲に反映させ始めた作品で、時代が求める空気感に見事にはまりミスター・チルドレン(Mr.Children)史上最高のセールスを記録したアルバム。

「2 Dance Dance Dance」で聴ける歪んだカッティングリフやエフェクトのかかったボーカル、「7 ジェラシー」に流れるアブストラクヒップホップにも通じるダークさ、分厚いシンセサウンドがスピード感を体感できる「11 Round About 〜孤独の肖像〜」など、自分たちが影響を受けた幅広いジャンルをポップ・ミュージックに落とし込んでいる。また前作まではどこか箱庭的にこじんまりとしていた桜井 和寿(vo ,g)のボーカルラインはサビを中心にメロディックになっており一回聴いたら耳から離れない魔力がある。

    「要点」

  • ボーカルラインがメロディックに変貌
  • 90年代的な空気感と見事にマッチしている
  • 「7 ジェラシー」は明らかに異色作

「曲解説」

2 Dance Dance Dance

「散らかった部屋」のような透明で歪んだミニマムなリフが繰り返されるミスター・チルドレン(Mr.Children)風90年代USロックという趣の曲。これまでのミスター・チルドレン(Mr.Children)とは異なる雰囲気でエフェクトのかかった歪んだ声で歌われる「社会風刺」と桜井 和寿(vo ,g)の伸びやかなボーカルラインと春風のようなサウンドが聴くことができるサビが実に対照的だ。
3 ラヴ コネクション

ウォームなギターサウンドが鳴り響くシンプルな曲。シンプルに淡々としヴァースと曲に奥行きと厚みを与える銀座のバーのようなホーンセクションに開放的なボーカルラインが乗るサビによって構成されている(3:36〜)ワウをかけた70年代ハードロックバンドのようなサイケなギターソロが鳴り響く。
4 innocent world

イントロのギターフレーズは「夏の終わり」のようで少しセンチメンタル。仕事に追われて何も起きない平凡な日常のようなヴァースと清涼感のある桜井 和寿(vo ,g)が奏でる「メロウな記憶が走馬灯のように過ぎていく」ようなボーカルラインを持つサビによって構成される。柔らかいそよ風のような爽快感を感じる事ができるポップソング。
5 クラスメイト

シンプルなリズムの上を渋いサックスと水滴のような繊細でクリーンなギターが淡々と鳴り響くアーバンなソウルミュージックのような曲。サビのボーカルラインは派手ではないがしっかりとした熱量を感じる事ができる。
6 CROSS ROAD

「LOVE」と「並ぶ」をかけた言葉遊びもお見事な曲。サビが2個あるような壮大で流れるようなボーカルラインは90年代J-POP/J-ROCK史に残る神ラインだと思う。サウンド的には最小限の音で構成されたアーバンなギターポップといった感じ。
7 ジェラシー

本作中で最も実験的でアブストラクヒップホップに通じるようなダークさと「宇宙にいる」かのような無重力感を感じる曲。ミニマムで軽やかなビートと不穏なうねりを生み出すベースラインが中心となりギターはほとんど入っていない。歌詞はエロ系で心身ともに満たし合ういけない男女関係みたいなイメージ。
8 Asia (エイジア)

タイトル通り「湿度の高い東南アジアの街」にいるような雰囲気を感じる曲であり、抑揚なく流れる川のようなサビのボーカルラインがアジアンテイスト。 ギターリフは「じめっとした空気感」を演出するような重さがある(3:00〜)軽く酔っているような透明なギターソロが異国感を演出(4:30〜)これまでの淡々とした展開が嘘のような桜井 和寿(vo ,g)による 「オォー、オォー、オォー」というメロディックな雄叫びのようなボーカルラインが登場。曲はそのまま静かにフェードアウトしていく。「7 ジェラシー」同様に新機軸といえる1曲。
11 Round About 〜孤独の肖像〜

スポーツに青春を捧げた過去を回顧するような壮大なホーンセクションが印象的。「80年代ギターポップのようなメロウなヴァース」と「分厚くスペーシーなシンセと軽やかなアコギで「マッハのスピードを感じる弾けたサビ」で構成されている曲(3:15〜)サックスソロが始まるがどことなく青春的なメロウさを感じる。シティーポップ的なアーバンさと田舎っぽさが同居している。

前作までのナイーヴな質感は残しつつ90年代以降の音楽から影響を曲に反映させ始めた作品で、時代が求める空気感に見事にはまりミスター・チルドレン(Mr.Children)史上最高のセールスを記録したアルバム。 「2 Dance Dance Dance」で聴ける歪んだカッティングリフやエフェクトのかかったボーカル、「7 ジェラシー」に流れるアブストラクヒップホップにも通じるダークさ、分厚いシンセサウンド

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フー・ファイターズ(Foo Fighters)は非常にジャンル分けしにくいアーティストだと言える。それは色んな音楽要素が複雑に絡み合っているからではなくむしろ逆で、シンプルでかつ特定のバンドや特定のジャンルに対する明確な傾倒が見られないからである。持論だがシンプルな音を出しているバンドは影響やルーツがわかりやすい傾向にあるのだが、フー・ファイターズ(Foo Fighters)はその傾向に当てはまらないアーティストだ。

元ニルヴァーナ(NIRVANA)という重すぎる看板と十字架を背負っているデイブ・グロール(vo)は、どのような音楽性でフー・ファイターズ(Foo Fighters)をやっていくか相当悩んだと思われ、その苦悩はバンド名にも表れているように思う。Foo=whoと掛けているだろう多分、、苦悩の果てに彼らはポジティヴな意味で自分たちの「本能のままにハイエナジーなロックミュージックをやろう」という一点のみで音楽を作っているのだろう。いや、そうあっていてほしい。

    「要点」

  • ジャンルレスなハイエナジーロック
  • デイブ・グロール(vo)は元ニルヴァーナ(NIRVANA)

「曲解説」

2 Monkey Wrench

ドライブ感全開のノリノリなロックンロール。ワイルドなリフが全編で鳴り響き続ける(2:33〜)ギターソロ後はデイブ・グロール(vo)がこれまで以上にアグレッシヴなボーカリゼイションを聴かせ絶叫する。最後はうねるベースとギターがユニゾンしピタッとキレイに締める。
3 Hey, johnny Park

「ブーン、ブーン」とうねりまくるベースラインで幕をあける。そこからクリーンなギターサウンドとデイブのボーカルのみで構成される静かなパートになるが(1:05〜)弦楽器隊のスライドをきっかけにハードなサウンドに切り替わる。サウンドがハードになってもボーカルラインは「アグレッシヴなライン」と「メロウなライン」が地続きなグッドメロディー「ルゥールゥールゥ♪」というコーラスはとりわけメロウ。終盤は「ルゥールゥールゥ♪」というコーラスを連呼して終わる。
4 My Poor Brain

ソニック・ユース(Sonic Youth)彷彿の「ピィー、ピィー」というノイズで始まる曲。その後は透明感のあるアコギのアルペジオとコードバッキングの上をデイブ・グロール(vo)のファルセットによるメランコリックで儚げなボーカルラインが乗るが、その後ハードでドライブ感のあるハードなサウンドに切り替わる。メランコリックなパートは後でもう1回だけ登場するが、やはりまたハードな展開に切り替わり(2:00〜)「大空を支配する巨大な鳥」のようにゆったりと上空を舞うようなギターソロが聴ける(3:00〜)「brain!」というワードを絶叫して曲は幕を閉じる。
6 Up In Arms

夕暮れの海辺で佇むようなメランコリックで沈むようなボーカルラインが心地よい(0:50〜)口笛が鳴り一瞬のブレイクの後、手数の多いドラムを皮切りに軽やかなポップパンク風に切り替わる。デイブ・グロール(vo)のボーカルラインはさっきまでのメロンコリックな質感が嘘みたいにポップに弾けまくる。終盤は得意のドライブ感全開のハードサウンドで疾走する。
7 My Hero

変拍子のドラムに煌びやかなギターサウンドを中心に展開される(1:55〜)オクターブ奏法によるギターフレーズが登場。スマッシング・パンプキンズ(The Smashing Pumpkins)やジェーンズ・アディクション(Jane’s Addiction)などはオクターブ奏法を多投するが、フー・ファイターズ(Foo Fighters)からオルタナの影響が出るのは色んな意味で嬉しい(2:40〜)ドラムの連打から「これからが本番だろ」言わんばかりに一層ハードなサウンドとボーカルを聴かせる。
11 Everlong

デイブ・グロール(vo)のセンチメンタルなボーカルラインが印象的で「「UKギターバンド的な曇り空」のような音色が聴けるポップパンク」と彼らが得意とする「ドライブ感のあるハードなサウンド」を繰り返す曲(3:04〜)ハードなサウンドがピタリと止まり「梅雨の夜」のような静寂パートが現れる。だが、すぐに各パートの熱量が急激に上がり始めうねりハードなサウンドがまた鳴り響く、最後までこのテンションは続き突っ走る。

フー・ファイターズ(Foo Fighters)は非常にジャンル分けしにくいアーティストだと言える。それは色んな音楽要素が複雑に絡み合っているからではなくむしろ逆で、シンプルでかつ特定のバンドや特定のジャンルに対する明確な傾倒が見られないからである。持論だがシンプルな音を出しているバンドは影響やルーツがわかりやすい傾向にあるのだが、フー・ファイターズ(Foo Fighters)はその傾向に当てはまら

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アルバムジャケットに映るメンバーの写真からは同世代バンド達のような「エッジ」や「シュール」を感じることはなく100% 「素」である。ボーカルのリヴァース・クオモ(vo)は昔ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N’ Roses)に憧れていたそうだ(wiki)グランジ旋風が吹き荒れていた当時「人間には色んな意味で向き不向きがある」ということを彼らはいち早く察知したのだろう。

ウィーザー(Weezer)の音楽はグランジでもオルタナでもヘヴィロック系でもない。ギターサウンドのトーンは「どんよりした晴れ」というイメージで、尖っている同世代バンドのような「象徴的な音やフレーズ」があまりない。だがしかし、「ビートルズ的なハーモニー」や「爽やかさ」「メルヘンな雰囲気」など他の同世代バンドが色んな意味で手を出しづらところを自然体で取り入れている点がウィーザー(Weezer)の個性と言える。ウィーザー(Weezer)の音楽には「絶望」も「ヘヴィネス」も「過剰なメランコリック」もない。ただただシンプルで自然体なギターロックである。

    「要点」

  • サウンド・ルックス的に100%「素」
  • ビートルズ的なハーモニーや爽やかさがある

「曲解説」

1 My Name is Jonas

「スピード感のあるオルゴール」のようなアルペジオで幕をあける。メインリフはざっくりとしたウォームな響きでグランジやヘヴィロックのようなエッジのたったものではなく「どんよりしたな晴れ」のようなトーンになっている(2:02〜)リヴァース・クオモ(vo)の「yeah!」という掛け声の後にリズムがタイトなエイトビートになり疾走する。終盤は(2:42〜)ハーモニカの音色が流れて曲にレトロな哀愁を加味する。
2 No One Else

ざっくりしたリフが鳴り響くシンプルなミドルテンポの曲(1:22〜)初期ビートルズのようなメロウなハーモニーによるサビのボーカルラインが素晴らしく(1:58〜) ギターソロは「少し肌寒い春風」のような爽快さを感じる。歌詞の内容は思春期の恋愛における束縛をテーマにしていると思われる。
3 The World Has Turned and Left Me Here

「ゴォォ」と鳴り響くプチ轟音ギターの上を「メリーゴーランゴに乗っている」ようなメルヘンなアルペジオがクルクル回り曲がはじまる。プチ轟音ギターは終始鳴り響きUKバンドのようなメランコリックさを感じ、またサビのボーカルラインはやはりメロウで良質(4:08〜)微かなハウリング音が鳴り響き「夢から覚める」ように曲は終わる。
5 Undone –- The Sweater Song

冒頭は「真夏の月」のようなダークで少しキラキラしたアルペジオが淡々と鳴り続ける(0:52〜)気怠いボーカルラインと少し遅れたリズム感のあるハードなギターサウンドが鳴り響く。このハードなギターサウンドは最後まで続いていく(3:38〜)壊れた質感のノイズギターが顔を出すがノイズの上に「フゥゥ〜♪」というコーラスを入れるところがこのバンドらしい。最後はサンプリングされたピアノの音やバイクのエンジン音など様々な音が挿入され静かに終わる。
7 Say It Ain’t So

冒頭はジャジーな渋い雰囲気の中、アダルトで囁くようなリヴァース・クオモ(vo)のボーカルラインが聴ける。開始からしばらく経ち「渋い曲も1曲くらいあってもいいな」と思っていた矢先(1:14〜)空気を引き裂くようなハウリングとハードなギターサウンドが鳴り響きラウドな展開になる。「ジャジーな展開」と「静を切り裂くラウドな展開」で構成される曲となっている(3:15〜)「空にむけて光を放つ」ような音色の泣き系ギターソロが登場。「静」→「動」のダイナミズムを生かしたアプローチなど本作の中で同世代のバンド達に最も近い匂いがある曲。
9 Holiday

ダイナミックで雄大なボーカルラインが印象的でハードなギターサウンドが全面に出てくる(1:38〜)ハードなサウンドが一時的に「ベースラインと指パチンと独り言のようなボーカルライン」のみの構成に変化するが(2:08〜)ハウリングが鳴り響くのを皮切りにしてハードなギターサウンドが再開される。最後はハウリングが鳴り響く中、「光に包まれる」ようにして終わる。

アルバムジャケットに映るメンバーの写真からは同世代バンド達のような「エッジ」や「シュール」を感じることはなく100% 「素」である。ボーカルのリヴァース・クオモ(vo)は昔ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N’ Roses)に憧れていたそうだ(wiki)グランジ旋風が吹き荒れていた当時「人間には色んな意味で向き不向きがある」ということを彼らはいち早く察知したのだろう。 ウィーザー(W

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