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live at the indoor
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検索結果26件

タグ「ヘヴィ系」のレビュー

X JAPANのカリスマギタリストhideのソロデビューアルバムであり「インダストリアル」「オルタナ」「グランジ」などのハードな歪みを大胆に取り入れた作風となっている。

hideの魅力はエッジのたったサウンドやマニアックな響きを主にしたサウンドを作りつつも、そこに「おもちゃ」や「ゲームセンター」のようなポップネスを反映できる点であろう。80年代UKギターポップのような「4 EYES LOVE YOU <T.T.VERSION>」ワルツ調のギターサウンドを響かせる「8 A STORY」などはhideの音楽的なキャパシティーの大きさを感じさせる。

「2 DICE」「13 TELL ME」のギターソロはエックスジャパン(X JAPAN)風のハモリフレーズでありhideからエックスジャパン(X JAPAN)ファンに対するプレゼントのようであり、「14 HONEY BLADE」における「神登場のミステリアスな語り」は後輩であるルナシー(LUNASEA)に対するhideからの「愛のあるイジリ」であると思われる。

    「要点」

  • ・エッジのたったサウンドやマニアックな響きを主にしたサウンドを作りつつも、 そこに「おもちゃ」や「ゲームセンター」のようなポップネスを反映
  • ・「2 DICE」「13 TELL ME」のギターソロはエックスジャパン(X JAPAN)風のハモリフレーズ

「曲解説」

1 PSYCHOMMUNITY

X JAPANのメジャーファーストアルバム「BLUE BLOOD」に収録されているオープニング「PROLOGUE (〜WORLD ANTHEM)」を思わせる曲で、「中世ヨーロッパに建てられたドイツの古城」のような叙情性を放つHRインスト。
2 DICE

当時の日本のメジャーシーンでは「斬新すぎたインダストリアル・ビート」を大胆に反映させたファストチューン。ギターサウンドは「金縛りのようなメタリックな音響」となっており「叩きつけるような直線的なビート」が大きな存在感を放っている。歌詞は「目の前にうつる全てが化け物に見える」尖ったセンスをもつ異端な10代に対するメッセージソングのようなイメージで「世間や大人に縛られず自分の思い描く花を咲かせればいい」という内容(1:10〜)「13 TELL ME」同様にX JAPAN風の流麗なハモリギターソロが登場(2:28〜)「ピィ〜、ピィ〜」というフィードバックノイズが鳴り響き最後までアグレッシヴに攻めきる。
4 EYES LOVE YOU <T.T.VERSION>

「80年代UKギターポップ」のような透明感とメロウネスを感じる曲だが歌詞には「絶望」や「狂気」という過激な言葉が登場して不思議なミスマッチがある。この曲のクリーンなギターフレーズはX JAPANでは聴けない類のものであり当時ファンに大きな衝撃を与えたハズだ。
5 D.O.D.(DRINK OR DIE)

ザクザクしたスラッシュメタル・リフが空間を切り裂く凶暴なハードコアチューン。hideの声にもエフェクトがかけられており、サビではhideが得意としている「早口呪文歌唱」が冴え渡る。「2 DICE」同様に海外のインダストリ系アーティスト/ミニストリー(Ministry)からの影響を感じる「コアなインダストリ感」を導入しているが「おもちゃ」のようなポップネスも同時に感じる事ができる曲となっている(1:54〜)ブレイクの後、BPMが倍速位に速くなりスラッシュに畳み掛ける。
7 DOUBT <REMIX VERSION>

「サイバーな爆発」のような強烈な歪みが炸裂するサイボーグロックの名曲。終始「分厚いモザイク」のような音響感でhideのボーカルにはやはりエフェクトがかけられており間違いなく「シラフではないブチ切れたテンション」で狂ったように畳み掛ける。「俺とよく似た歌うたい」なる歌詞からおそらくではあるが、自分(hide)のスタイルを表面的になぞってアナーキーを気取っている痛い人達を痛烈に批判していると思われる。そんな気がする。
8 A STORY

「よく晴れた夏の日のメランコリックな思い出」のような浮遊系バラード。ワルツ調の流れるようなアコースティックサウンドを導入しており、hideの音楽的なキャパシティーの大きさに驚く。
9 FROZEN BUG ’93 <DIGGERS VERSION>

「壊れたラジオ」のような無秩序な歪みが歪(いびつ)な空間を構築する曲。ボーカルラインは「ミニマムなヘヴィリフ」のようだし、サウンド的にも「かき混ぜたグランジロック」のようなイメージなのだが不思議とポップな響きを感じるhideマジックを堪能できる(2:35〜)「悲鳴を洗濯機にぶち込んだ」ようなアバンギャルドノイズが登場、その後は「享楽的なバカンス」のようなトロピカルサウンドが鳴り響きアクセントとなる。
11 BLUE SKY COMPLEX

タイトル通り「BLUEなSKY」を連想するホーンセクションを大胆にフィーチャーしており、アグレッシヴなハードサウンドとホーンセクションが「仲良く喧嘩している」ようなイメージの曲で「音同士が殺しあわないギリギリの距離感」が面白い。
14 HONEY BLADE

「穏やかヴァース」→「アグレッシヴなサビ」に移行するグランジソング(2:15〜)ルナシー(LUNASEA)のインディーズ時代の名曲「CHESS」における 「ダークでミステリアスな語り」と共通する語りパートが挿入される。「神」というフレーズも登場。。hideによる愛のある後輩イジリだと思われる。
15 50% & 50% <CRISTAL LAKE VERSION>

ラテン調のアコースティックサウンドが印象的なリミックス。牧歌的なバイオリンの音色や軽やかなパーカッションの響きが「田舎の花畑」のような空気感を醸し出しす(3:52〜)「のどかな空気」を引き裂くように突如、アグレッシヴなハードサウンドが鳴り響く展開はインパクト大。

X JAPANのカリスマギタリストhideのソロデビューアルバムであり「インダストリアル」「オルタナ」「グランジ」などのハードな歪みを大胆に取り入れた作風となっている。 hideの魅力はエッジのたったサウンドやマニアックな響きを主にしたサウンドを作りつつも、そこに「おもちゃ」や「ゲームセンター」のようなポップネスを反映できる点であろう。80年代UKギターポップのような「4 EYES LOVE YO

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過去、最もレコーディングが難航し「コーラン」の逆回転を無断で使用した事でも一悶着あった問題作。

「90年代へヴィネス」「トリップホップ」「シューゲイザーサウンド」をバクチク(BUCK-TICK)流にアブノーマルに再構築したサウンドは、世界的に見ても「95年当時の最先端」である。今井寿(g)は常に先端音楽をチェックし続けているのだろう。アルバムタイトルは一見すると卑猥だが「音楽業界がsix sideなら自分たちはnine sideに行ってやる」という反逆的な意味合いがあると思わる(筆者の考察)事実、彼らは本作リリース後に自分たちの事務所(有限会社バンカー)を立ち上げ翌年にはレコード会社を移籍している(wiki)

「フラストレーション」「諦念」「偏執的な感情」をテーマにしたものが多く、ある種痛々しいがシリアスにクリエイティヴィティーを突き詰めた結果なのであろう。ヘヴィなサウンドを曲に反映され痛々しい歌詞をもつ本作はファンの中でもおそらく賛否両論あったはずではあるが、筆者としては彼らの「我流を貫く孤高のスタンス」を最大限スペクトしている。

    「要点」

  • ・世界的に見ても95年当時の最先端サウンド
  • ・アルバムタイトルは「音楽業界がsix sideなら自分たちはnine sideに行ってやる」という反逆的な意味合いがある

「曲解説」

1 Loop

「中東的な音響」と「スペーシーな質感」をもつエレクトロニカサウンドをバックに「自然とあなたに対する感謝」を淡々と朗読する衝撃のオープニング。オルタナ・グランジ以降の乾いたカッティングギターは「宇宙を彷徨っている」ような浮遊感と静けさがある。
2 love letter

大胆に90年代へヴィネス導入したロックチューンでヘヴィなリフが目立つ曲ではあるがHR/HM的なグルーヴ感はなく、「ヘヴィなB-Tニューウェイブ」という感じのサウンドとなっている。
3 君のヴァニラ

「ヨレたエロス」を感じるミニマムなオルタナチューン。歌詞の内容はおそらく「刹那的でアブノーマルな恋愛」についてである。(2:31〜)エロティックな展開から「メロウな夏休み」のようなギターソロが登場するが、そこに「B-Tらしい不穏なノイズサウンド」が登場しなんとも言えない空気感が出来上がる。
4 鼓動

「幻」のような雰囲気を感じるB-T流シューゲイザーソング。サビで「感情を解き放つ」ような展開にはレディオヘッド(Radiohead)的なダイナミズムがある。歌詞は「母とこの世に生きる全て」に対する感謝を歌っており、最後は「これまでの事が全て夢であった」かのようなドリーミな揺れる音響に包まれる。
5 限りなく鼠

アリス・イン・チェインズ(Alice in Chains)を彷彿とさせる「泥水」のような重さと気怠さを感じるスローなヘヴィリフを中心に構成されている曲で櫻井敦司(vo)のボーカルは「ホラー映画」のような質感で過去最高レベルにおどろおどろしい。歌詞は「不条理な世の中に対する」諦めにも近い感情を吐き出しており、「道しるべに騙されたように」というラインは秀逸で「救いようのなさ」を端的に表している。
6 楽園(祈り 希い)

全ての音響から「泥酔」のような揺らめきを感じるルーミーでマニアックな曲。「戦争や殺戮が終わらない世界に対する」馬鹿らしさを「神の子が殺し合う愛の園」という歌詞で批判しつつも、そんな世界に対して「何もする事ができない自分」に対する虚無感を歌っている。
9 相変わらずの「アレ」のカタマリがのさばる反吐の底の吹き溜まり

今井寿がメインボーカルを担当する曲でアルバムタイトルにも深く関係している強烈な歌詞がインパクト大。歌詞の内容は「腐りきった音楽業界」を批判したもであり、「six side is heaven nine side is go」なる歌詞はおそらくではあるが「独立」を暗に宣言していると思われる。それにしてもかっこ良すぎるラインである。
11 密室

ダビーな音響とタイトル通りの密室感を感じる偏執的なラブソング。マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(My Bloody Valentine)からの影響を感じる「揺らめくサイケサウンド」を中心に構成されている(1:17〜、2:50〜)狂おしい愛情を歌うボーカルラインの後ろでは「砂嵐」のようにザラついたノイズサウンドが吹き荒れる(1:58〜)ギターソロは「蜃気楼」のようなフィーリングでリスナーの鼓膜に絡みつく。
12 Kick(大地を蹴る男)

グランジをエレクトロポップ化したようなアブノーマルなロックチューン。この曲の歌詞も「9 相変わらずの「アレ」のカタマリがのさばる反吐の底の吹き溜まり」同様に「独立の決意」を表したものだと思われる。サビのライン「道化師躍れ、それが運命」なる歌詞をここまで楽しそうに歌うシンガーは櫻井敦司(vo)だけであろう。
15 見えない物を見ようとする誤解 全て誤解だ

ニルヴァーナ(NIRVANA)のギターリフを今井寿(g)流にワンコードで再構築したリフが終始リフレインされるダークなギターロック。サウンド自体はシンプルでダイナミックなサウンドであるのに対して、歌詞の内容は非常に癖が強く一聴すると「捻くれすぎた男の嘆き」のようなものに聴こえるが「不条理なこの世界に染まるのは危険だ」と警笛を鳴らすような内容ともとれる。深読みかもしれないが。
16 Loop MARK II

宇宙から「美しい奇跡の星」を静かに眺めるようなスペーシーさと静けさを感じるエンディング。櫻井敦司(vo)が「り・ん・ね」というフレーズを時間をたっぷり使って囁く。

過去、最もレコーディングが難航し「コーラン」の逆回転を無断で使用した事でも一悶着あった問題作。 「90年代へヴィネス」「トリップホップ」「シューゲイザーサウンド」をバクチク(BUCK-TICK)流にアブノーマルに再構築したサウンドは、世界的に見ても「95年当時の最先端」である。今井寿(g)は常に先端音楽をチェックし続けているのだろう。アルバムタイトルは一見すると卑猥だが「音楽業界がsix side

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ヘヴィロック界のレディオヘッド(Radiohead)とも称されるデフトーンズ(Deftones)「エレクトロニカ」や「ポストロック」などの要素がふんだんに盛り込まれたサウンドなのかと思いきや本作ではヘヴィロックバンドがダイナミックなUKロックを演奏しているような質感のサウンドが多くミクスチャー的なヒップホップのビート感やストリート感のあるエフェクトなどは皆無となっている。

UKバンド的なマイナーコードをここまで使うヘヴィなバンドは当時では非常に珍しかった。またレディオヘッド(Radiohead)からの影響も大きいと見られディオヘッド(Radiohead)の名作「The Bends」はデフトーンズ(Deftones)のダイナミックでエモーショナルなサウンドに通じるところがある。粘りっけのあるスクリームから繊細なファルセットまで歌い上げる チノ・モレノ(vo)のディープな歌声は歌声は素晴らしいの一言だ。

    「要点」

  • 「ディープ」×「ヘヴィ」だがメランコリック
  • 絶叫〜ファルセットまで自在に操るボーカル
  • 冷たい質感を持つ音が多い

「曲解説」

1 Feiticeira

前半はうねるヘヴィリフとUKロックバンドのようなトーンのバッキングが同時に響き合い、後半はヘヴィリフが姿を消しコードバッキングとアルペジオで「曇り空」のような沈むサウンドを聴かせる。チノ・モレノ(vo)のボーカルラインはラップ・歪んだシャウト・叙情的なメロディーラインを取り入れまさに変幻自在だ。
4 Rx Queen

「「地下室」のようなダークで不穏な雰囲気のパート」と「ダイナミックなギターロックサウンドパート」が交互に展開される(2:00〜)マイナー調で沈むような音色のアルペジオが響き渡り(3:33〜)「金属がぶつかり合う」ような冷たい効果音とデリケートな電子音が鳴り響き徐々に音量が小さくなり終わる
6 Teenager

ポストロック的な「電子の海」のようなアンビエント感のあるトラックの上でチノ・モレノ(vo)が「舞い降りる羽」のような繊細なファルセットでボーカルラインを歌い上げる(2:05〜)一筋の光を思わせる電子音がかすかに聴こえ曲に暖かみを与えている。
7 Knife Prty

ディレイの掛かった幻覚のようなギターカッティングとディープでマイナー調のコードバッキングが同時に鳴らされ、ヘヴィだがどちらかというと浮遊感を感じるサウンドになっている(2:50〜)ヒステリーな雄叫びのようなコーラスが入ってきて終盤はダークで沈むような音色のギターサウンドが重なるディープな展開。
8 Korea 

インダストリアルなシューゲイザーサウンドという雰囲気の曲。ダークでマイナー調の分厚いギターサウンドが何重にも重なり壁となって迫り来るチノ・モレノ(vo)の狂ったようなスクリームは破壊力抜群。
10 Change (In the House of Flies)

「雪国」を連想する雰囲気を「雪崩」のようなディープでヘヴィなギターサウンドが包み込む(3:32〜)「氷の迷宮に迷い込んだ」ようなダークな展開になるが、再びディープなサウンドが鳴り響き視界は真っ白に塞がる。

ヘヴィロック界のレディオヘッド(Radiohead)とも称されるデフトーンズ(Deftones)「エレクトロニカ」や「ポストロック」などの要素がふんだんに盛り込まれたサウンドなのかと思いきや本作ではヘヴィロックバンドがダイナミックなUKロックを演奏しているような質感のサウンドが多くミクスチャー的なヒップホップのビート感やストリート感のあるエフェクトなどは皆無となっている。 UKバンド的なマイナーコ

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「90年代ヘヴィロック」と「非ヘヴィロック」なジャンルをクロスオーバーさせたサウンドはまさにHybrid Theory。掛け合いのボーカルが奏でる大陸的でエモーショナルなボーカルラインと絶叫、そしてエレクトロニカやポストロックやヒップホップなどを大胆に取り入れたサウンドなどが特徴で言わずもがなヘヴィなリフはほぼ全曲で登場する。

彼らのサウンドを聴いているとヘヴィ系バンドが他ジャンルを積極的に取り入れたというよりかは、エレクトロニカやポストロックやヒップホップテイストを出したトラックをバックにヘヴィなロックバンドが演奏しているというイメージなのである。ベーシックとなるトラックが透明感や荒涼感やアーバンなテクスチャを持っている為、ヘヴィなギターやエモーショナルな絶叫を聴いたあとでも過剰な感じがなく重くない。このあたりの計算も彼らのセオリーに沿ったものなのだろうか?!

    「要点」

  • エレクトロニカやヒップホップなど大胆導入
  • 大陸的でエモーショナルなボーカルライン
  • ヘヴィだが過剰ではない

「曲解説」

2  One Step Closer

ヘヴィなギターリフが終始鳴り響き空間を構築するシンプルな曲。その空間を圧倒的な歌唱力をもつチェスター・ベニントン(vo)のエモーショナルな歌声が響き渡る(1:42〜)一瞬テンポダウンしてDJスクラッチが登場するとこれまでより更にヘヴィになったリフが炸裂。終盤は「Shut up」という絶叫が繰り返される。歌詞の内容は「限界で壊れてしまいそう」という内容。
3 With You

「ピアノの調べをサンプリングした神秘的な静パート」と「ファンキーなDJスクラッチとヘヴィなギターサウンドによる動パート」を交互に繰り返す(2:18〜)アーバンな質感のピコピコなポリリズムが挿入される。終盤はやはりヘヴィなギターリフと激情なボーカルラインが炸裂。
5 Crawling

荒涼とした質感のエレクトロニカ以降の音響が印象的でヘヴィなギターサウンドや大陸的で伸びやかなボーカルラインや絶叫なども当然登場するのだが、冷凍された都会的でクールな質感を感じることが出来る曲。
8 In the End

サンプリングされた物悲しいピアノをフィーチャーな曲。物悲しいピアノの上を都会的でソリッドな音響やスクラッチが踊り、当然、ヘヴィなギターや激情ボーカルも鳴り響くが聴き終わった後に不思議と重たさを感じない。

「90年代ヘヴィロック」と「非ヘヴィロック」なジャンルをクロスオーバーさせたサウンドはまさにHybrid Theory。掛け合いのボーカルが奏でる大陸的でエモーショナルなボーカルラインと絶叫、そしてエレクトロニカやポストロックやヒップホップなどを大胆に取り入れたサウンドなどが特徴で言わずもがなヘヴィなリフはほぼ全曲で登場する。 彼らのサウンドを聴いているとヘヴィ系バンドが他ジャンルを積極的に取り入

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ヘヴィロックの隆盛を象徴するアーティスト/リンプ・ビズキット(Limp Bizkit)。シリアスなレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)とは対立関係にある。筆者はレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)ファンなので、正直、本作を聴くまでリンプ・ビズキット(Limp Bizkit)というアーティストにあまり良い印象をもっておらず聴かず嫌いしていたのだが、本作を聴いてポップミュージックとしてヤバイ=「これは売れるだろ」という強烈な納得感を得てしまった。

90年代ヘヴィロック勢はシリアスな表現や音の質感が多く「怒り」「憎しみ」「トラウマ」などが主題であるが、リンプ・ビズキット(Limp Bizkit)の場合、ヘヴィなギターリフこそ鳴ってはいるが曲全体で見たときに圧倒的にキャッチーで、また歌詞に関しても10代の男の子が好きそうな内容であり、フレッド・ダースト(vo)は親しみやすい声質をしている。ギタリスト/ウェス・ボーランドのシアトリカルなビジュアルもヘヴィロック的なシリアスさに対する一種のカウンターになっていると思う。だが反面、彼らはセールス面で成果を上げたが、そのわかりやすさ故に音楽ファンからは過小評価されている感は否めない。

    「要点」

  • ヘヴィロックを良くも悪くもポピュラーにした存在
  • 1人ビジュアル系ギタリスト/ウェス・ボーランド

「曲解説」

2 Just Like This

DJスクラッチとヘヴィでミニマムなリフが絡むイントロからはじまる。その後は「スライム」のようにプニプニと伸縮するような電子音の上をヘヴィなリフが鳴り響き、そこにフレッド・ダーストのキャッチーなボーカルラインが乗る(2:22〜)テンポダウンしてコミカルなサンプリングボイスが挿入される。親しみやすさ満点の曲で悔しいが売れるのはわかる。
3 Nookie

ブルースのレコードをサンプリングしたような渋いトラックと「ディープでヘヴィなリフをフィーチャーしたパート」からなる曲。フレッド・ダースト(vo)の歌声が親しみやすい声質なのもあり他のヘヴィロック勢より圧倒的にキャッチーで聴きやすい。
4 Break Stuff

コーン(Korn)彷彿のヘヴィリフが鳴り響く中、ストリート感があるアグレッシヴなラップが乗る。中間部でスローなテンポになりリフと一緒に「縄跳びの縄の音」のようなミニマムなループが絡みあい徐々にテンポを上げていく、そこに(1:58〜)ヘヴィリフが鳴り響き畳み掛けるようなアグレッシヴなサウンドが最後まで続く。
5 Re-Arranged

スラップベースとクリーンで透明なアルペジオがリフレインされる(2:27〜)少し憂鬱な昼下がりのようなブルージーなフレーズが登場(3:13〜)ヘヴィなギターサウンドが響き渡りヘヴィな展開になってもこの曲のメランコリックな雰囲気は損なわれていない。最後はワープ音のようなDJスクラッチが鳴り響く中、唐突に終わる。
8 Don’t Go Off Wandering

「古いドアがゆっくりと閉まる」ようなSEが流れ、「浅い夢を見ている」ような浮遊感がある曲。時折、夢から目覚めるようなヘヴィなギターリフが炸裂(3:05〜)フレッド・ダースト(vo)の強烈なシャウトが聴ける。終盤はストリングスと浮遊感あるサウンドが絡み合う展開だがそこに唐突なヘヴィリフが現れ空気感をザクザクと切り刻む。 
11 Trust?

「悲鳴」のようなギターノイズとヘヴィリフが絡んだイントロからはじまり、エフェクトがかかった歪んだラップで攻めまくる曲。(1:53〜)アニメのようなコミカルなボーカルをフィチャーした展開に移行するが、この展開は他のヘヴィロック勢では考えられないキャッチーさがある(2:55〜)ヘヴィな展開になり最後の追い込みと言わんばかりにヘヴィリフで攻めまくる。 
13 Show Me What You Got

「お家芸ヘヴィリフと信号のような効果音を絡めたヘヴィなパート」と「メロウなギターフレーズをサンプリングしたエモいトラック」が交互に繰り返される。

ヘヴィロックの隆盛を象徴するアーティスト/リンプ・ビズキット(Limp Bizkit)。シリアスなレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)とは対立関係にある。筆者はレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)ファンなので、正直、本作を聴くまでリンプ・ビズキット(Limp Bizkit)というアーティストにあまり

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