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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
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タグ「HR/HM」のレビュー

新ボーカリスト/ブルース・ディッキンソン(vo)を迎えて作成された3rdアルバム。全編に渡りブルース・ディッキンソン氏(vo)の伸びやかな高音を活かした1st 2ndよりメロディックな内容となっている。

躍動感のあるパワフルな楽曲が多いのが印象的でこのあたりボーカルリストが交代したことで、楽器隊も新たなイマジネーションを得たのかもしれない。「意外な展開」や「ヘヴィに聴こえるアレンジ」などはあまりなく1stアルバム以上に初期衝動という言葉が似合う作品になっている。

1stアルバム「鋼鉄の処女」をパンク的と評する方も多いが筆者には本作の迷いがない演奏のほうが遥かに「パンク的」に聴こえる。どこか煮え切らない印象のあった前作「killers」のフラストレーションを吹き飛ばすかのように終始ダイナミックである。彼らは今作でUKチャート1位を獲得して名実共にUKを代表するヘヴィメタルバンドとなった。

    「要点」

  • 新ボーカリストブルース・ディッキンソン(vo)のハイトーンを活かした内容
  • 迷いのないダイナミックな演奏

「曲解説」

2 Children Of The Damned

物悲しいマイナーなイントロではじまり「静のパート」とダイナミックなギターサウンドの対比がグランジライク。ライトハンドを駆使している(と思われる)ツインリードのギターソロもお見事。
3 Prisoner

高音を活かした流れるようメロディックなボーカルラインと「迷宮を彷徨う」ようなツインリードのハモリフレーズが印象的。
7 Gangland

ベースがイントロでリフ弾いたり早弾きしたりやりたい放題。ベースが目立つバンドだなと思いググってみるとなんとベースの方がリーダー。そう言えばメタリカもベース「クリフ・バートン(b)」が音楽的に重要な人物だった。ギターソロは「未来派のシューティングゲーム」のような質感でレイヤー状にレーザービームが乱発されているイメージが頭に浮かぶ。
8 Hallowed Be Thy Name

鐘の音が鳴り響き「この世の果て」のような緊張感のあるイントロで幕を開ける。全編にわたりギターソロを弾いているかのようにツインリードが暴れまくる。叙情的で「自身が勇者になった」かのような錯覚を味あわせてくれる。どこかレトロなギターソロの響きは「名作ロールプレイングゲームのボス戦」を思わせる。

新ボーカリスト/ブルース・ディッキンソン(vo)を迎えて作成された3rdアルバム。全編に渡りブルース・ディッキンソン氏(vo)の伸びやかな高音を活かした1st 2ndよりメロディックな内容となっている。 躍動感のあるパワフルな楽曲が多いのが印象的でこのあたりボーカルリストが交代したことで、楽器隊も新たなイマジネーションを得たのかもしれない。「意外な展開」や「ヘヴィに聴こえるアレンジ」などはあまりな

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「グランジ的なヨレたギターサウンド」「ジャジーな音色と展開」「ストリングスの大胆な導入」などこれまで以上に新たな要素を取り入れた作品。J-POP的な曲はシングルカットされた「7 love me, I love you」位でありアナログな質感の音が多いという印象。

新機軸にトライした作品ではあるがビーズ(B’z)独自の「ハードなポップネス」は今作も健在サビのボーカルラインは大河のようなスケールの大さが特徴であり特に「13 drive to MY WORLD」のボーカルラインは特筆。音楽的な挑戦を試みながらもビーズ(B’z)のオリジナルアルバムの中で最も売れた(300万枚)作品である

    「要点」

  • 「ハードさ」と「POPさ」が理想的なバランス
  • グランジ的なヨレた質感とジャジーな要素が新鮮
  • 音楽的にもセールス的にも最高レベル

「曲解説」

1 spirit loose

90年代以降のUSギターロックの壊れた質感を少し取り入れたラフなギターカッティングが印象的。「壊れたラジオ」のように掠れた稲葉浩志(vo)のシャウトはUSグランジの代表格サウンドガーデン(Soundgarden)にも全く劣らない迫力がある。
2 ザ・ルーズ

うねるベースラインとグルグルと目が回るようなギターリフが絡みつくイントロではじまり、ダルっとしたルーズな雰囲気と晴天のようなホーンセクションが同居している曲。90年代USギターロック的な質感を取り入れつつもポップネスは失われておらず、また稲葉浩志(vo)の過去の経験からくる「独り言風の語り」もどこかコミカル。ギターソロの余韻を残すハウリングが止むと(2:33〜)エフェクトが掛かった声で展開される独特なラップが聴ける。
3 ねがい

異国感を醸し出すリズミカルなパーカッション、教会の窓から差し込む光のようなキーボード(オルガンかも)とミニマムなコードカッティングを中心に展開されるジャジーな曲。キャッチーなサビのボーカルラインの裏ではやはりここでも「晴天のように明るい」ホーンセクションが鳴り響く(3:00〜)サビの後にベースとピアノだけのジャジーな展開となりその後、ギターソロが鳴り響く。歌詞の内容は迷路に迷い込んだ主人公が神様に願いを叶えてくれと懇願するという内容だが、神様に対してその言い方はないだろとツッコミどころ満載。
5 BAD COMMUNICATION

ミニマムなベースリフとフラメンコ調のギターフレーズが印象的でデジタルダンステイストだった原曲を70年代ハードロック風にアレンジしている(3:53〜) 「BAD COMMUNICATION!」というボーカルラインの後から、リズムが激しさを増していく展開となりハーモニカソロも登場。最後はそのまま激しさを増し熱量マックスのところで終わる。
7 love me, I love you

本作で最もポップな曲。派手でゴージャースなホーンセクションが鳴り響きギターは疾走感を助長するプレイに専念(2:02〜)これまでの弾けたポップソングとは対照的な泣きの早弾きギターソロが聴ける。「人の心は弱いし足りないところもある」と認めつつも「消去法」や「人頼みではダメ」という解決策をリスナーに提案する歌詞が秀逸で「悩みやうまくいかない要因に対して解決策を歌う」ここが彼らがメガヒットを連発した背景のの一つなのかもしれないと妙に納得。
8  LOVE PHANTOM

イントロは壮大なオペラ調のストリングスが緊張した空気感を作り、そこに乱反射する光のようなキラキラした電子音と重低音を強調したベースと唸るギターサウンドが絡みあう冒頭。男性コーラスが「LOVE PHANTOM」というタイトルワードを言った後は、いきなりサビのボーカルラインから突入するというインパクト大の曲。 よく聴いてみると重低音が効いたシンセポップがベースとなっており、そこにストリングスやキラキラした電子音、歪んだギターサウンドが鳴っている。「クネクネと動くヘビ」のように空間を動き回る松本 孝弘(g)のギターは過去最高の暴れっぷり(4:02〜)オペラ歌手の優雅なコーラスが曲をより壮大な雰囲気にして最後は優雅なコーラスコーラスと伸びやかギターが絡み合い終わる。
10 砂の花びら

ずっしりとしたベースラインとオリエンタルな雰囲気のするギターサウンドが特徴。叙情的なサビのボーカルラインの裏ではゴスペル風のコーラスが稲葉浩志(vo)本人によって歌われている。曲自体はシンセやキーボードは入っておらずアナログな質感だが、オリエンタルな空気感やゴスペル風のコーラスなど新機軸にトライした曲。
12 BIG

アグレッシヴなアコギのコードストロークが終始鳴り響き、その上を少しコミカルな世界観の歌詞を歌うボーカルラインが乗る。端的に表現するとゆずの曲をB’zがアレンジして演奏したような質感の曲で歌詞の内容はBIGになりたい男の日常について。
13 drive to MY WORLD

「アーバンな雰囲気」と「乾いた砂漠のような雰囲気」が混在した曲でシンプルなバンドサウンドが非常にダイナミックに鳴り響く。サビのボーカルラインは非常にフックがあり、唸りを上げるギターと絡むことでさらにスケールを増す。最後は叙情的で焼け付くようなギターソロが鳴り響きそのままフェイドアウトする。

「グランジ的なヨレたギターサウンド」「ジャジーな音色と展開」「ストリングスの大胆な導入」などこれまで以上に新たな要素を取り入れた作品。J-POP的な曲はシングルカットされた「7 love me, I love you」位でありアナログな質感の音が多いという印象。 新機軸にトライした作品ではあるがビーズ(B’z)独自の「ハードなポップネス」は今作も健在サビのボーカルラインは大河のようなス

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インディーズシーンで伝説を残した「X」が1989年にリリースしたメジャーデビューアルバム。まるで「全てのパートが歌を歌っている」かのような美しい旋律を感じることができる内容となっている。

インディーズアルバム「Vanishing Vision」はハードコアの影響が大きい激しくエッジのたったサウンドを聴かせてくれたが、今作はそれがよりクラシカルに洗練された形で表現されており、「2 BLUE BLOOD」「5 X」「7 紅」などの激しく疾走する曲であってもどこか哀愁と静けさを感じる。

彼らの音楽のキーとなっているのは間違いなく「旋律」でありそれはサウンドがハードコアであろうとスラッシュメタルであろうと関係なくリスナーの脳裏に刻まれる。また歌詞の内容も素晴らしく所々に究極の自己啓発のようなフレーズが散りばめられている。本作で強烈なインパクトを残した「X」はあっという間にロックシーンの頂点に向けて駆け上がる。

    「要点」

  • 激しさをクラシカルに洗練された形で表現したメジャーデビユー作
  • 全てのパートが歌っているような美しい旋律

「曲解説」

2 BLUE BLOOD

初っ端からMAXスピードで全力疾走するYOSHIKI(dr)の強烈なドラムプレイで幕を開ける、これぞ「X」というクラシカルな旋律を感じるハイスピードなメタルチューン。疾走するツインギターはザクザクした質感でヘヴィメタルしているが確かなメロディーを感じる事ができ、「give me some more pain!!」というコーラスが当時の彼らの尖りっぷりを象徴している(2:08〜)ボーカルラインを強調したメロディックな静かなパートが挿入され(2:27〜)ツインギターによる流麗なハモりソロが鳴り響く、USヘヴィメタルと比較すると顕著だが「歌心」を感じる旋律となっている。アウトロはただでさえ強烈なYOSHIKI(dr)のドラムが最後の追い込みとばかりに畳み掛けるプレイを聴かせる。
3 WEEK END

スローテンポなX流ロックンロール。イントロはでは「しっとりと降る雨」のような透明感あるアルペジオが鳴り響くが、その合間を縫うに登場するウォームでコクのあるギターリフとベースラインがこれから起こるカオスを予感させる。BPMは「X」にしてはスローテンポといえるものになっている(1:35〜)「2 BLUE BLOOD」同様にボーカルラインを強調した静のパートが挿入されロックンロール調の曲にアクセントを与える。歌詞の内容は「幻覚」そのものである。
4 EASY FIGHT RAMBLING

シャフルビートに乗せて展開される元気の良いハードロックソング。TAIJI(b)によるワイルドな掛け声コーラスは色んな意味で「X JAPAN」では聴けないものである。アウトロではサイレンのようなギターサウンドと早弾きベースソロが炸裂する。
5 X

「X」というアーティストの魅力が凝縮されている彼らの代表曲。相変わらずドラムプレイは強烈なものになっており「屈強なサラブレットの足音」のようだ。筆者の見解としては歌詞の内容は「究極の自己啓発である」と感じる。「見慣れた愛に流される」のか、それとも「刺激に身をさらす」のかをYOSHIKIは我々に問いかけてくる(3:18〜)静けさの中でスタイリッシュに響くTAIJIのベースラインは秀逸で「激しい雨が降り注ぐ中、ふと冷静になり夜空を見上げタバコを吸う」ようなイメージが浮かぶ。
6 ENDLESS RAIN

「しっとりと優しい雨が降る街角」のような雰囲気の名バラード。TOSHIが美しいボーカルラインを歌い上げる。歌詞の内容は「消えない傷跡」について。底でひっそりと佇むながらも存在感を示すベースラインが曲にうねりを与えている(3:22〜)サビの後に用意されている「大サビ」が登場しそのままギターソロになだれ込む。やはりギターソロには歌心があり「ボーカルが歌わないボーカルライン」を代理で歌っているような旋律であり、バックでは大波のようにベースラインがうねる。終盤はサビの美しいボーカルラインが繰り返し歌われ、「悲しさを引きずりながらも生きていく」という強い熱量を感じる。
7 紅

「孤独」そのものな静かなパートから突如スラッシュメタルに変貌する代表曲。冒頭はアルペジオとTOSHIの語り調の物悲しいボーカルラインのみで構成されるが(1:58〜)これからの狂騒を予感させるようなシンバルの音は輝度が狂ったネオンのようだ。この曲のアレンジはおそらくではあるがメタリカ(Metallica) の「Fight Fire with Fire」あたりを参考にしているアレンジだと思われるがそれにしても素晴らしい展開である。(2:03〜)激しい風が吹く街のようなスラッシュメタルに変貌するが、ボーカルラインは美しくメロディーというより旋律という言葉がぴったりである。また激しいサウンドの中で「ふと冷静になった」ような感覚を与えてくれるTAIJI(b)のベールラインがやはり圧倒的な存在感を放っている(3:20〜)「これまでの激情が走馬灯のように頭の中を走り抜ける」ような間奏〜ギターソロのラインは日本音楽史に残る名演だと思う。サビのボーカルラインはもちろん素晴らしいのだが、それ以上に少年時代に「誰でも一度は感じた事がある疎外感」を歌った歌詞に意識がいく。夏の甲子園で「紅」が演奏されるのも納得である。
8 XCLAMATION

「いにしえの宴を描いた油絵」のような実験的なファンク。不規則でパーカッショナルなリズムと冷たいジェルのようなベースラインが躍動しギターサウンドは音響的でオリエンタルなムードを醸し出す。彼らのインディーズ時代のアルバム「Vanishing Vision」に収録されてる「GIVE ME THE PLEASURE」の延長線上のような曲といえる(3:04〜)宴は最高潮のところでガラスが砕けたようなピアノの音と共に遮断され、不穏な静けさを残したままそのまま終わる。
9 オルガスム

とんでもないBPMで駆け抜けるメロディックなハードコア。サウンドは「初期X」らしい狂乱そのものな内容となっている。歌詞の内容は刹那的な快楽を歌っているように聴こえるがリスナーに行動を促すような「時の檻はやぶれない」というラインが強烈。
11 ROSE OF PAIN

残虐な歴史を音楽化したドラマティックな大作。序盤は「ゆったりと雄大に流れると大河」のような展開だが(2:20〜)激しい雨のようなドラムの登場とともに急速に熱量を帯び始める。その後は恐怖すら感じるダークなオーケストラとハードなメタルサウンドが、タペストリーように絡み合うような展開に移行する(5:48〜)ヒステリーな歌詞の登場を境にソリッドなスラッシュメタルに変貌して、これまで抑制されていたhideとPATAのツインギターが檻から出てきたライオンのように暴れ、リズム隊は悲劇的な歌詞の内容と相まって一層激しく鳴り響く(7:48〜)砂漠に現れた蜃気楼のように揺らめくベースソロとYOSHIKIのヒステリーな語りが登場してそこからギターソロになだれ込み曲は最高潮を迎える。終盤は空気を引き裂くような歪んだツインギターと「タガが外れた」ドラムが鳴り響く中、TOSHI(vo)がヒステリーな詞の世界観に入り込んで全力で歌い上げる。曲全体から強烈な旋律を感じる事ができ、各パートでひとつのメロディーを奏でているようだ。

インディーズシーンで伝説を残した「X」が1989年にリリースしたメジャーデビューアルバム。まるで「全てのパートが歌を歌っている」かのような美しい旋律を感じることができる内容となっている。 インディーズアルバム「Vanishing Vision」はハードコアの影響が大きい激しくエッジのたったサウンドを聴かせてくれたが、今作はそれがよりクラシカルに洗練された形で表現されており、「2 BLUE BLOO

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ハードロックを突き詰めた前作「Brotherhood」から1年後にリリースされた作品「90年代ヘヴィロック」への接近と中国風のメロディーの導入が大きな特徴としてあげられ、またヘヴィネスをより強調するために浮遊感のある音色や展開も多い。これまでとは明らかに質感の異なるノイズサウンドや不穏な空気は、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)やナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)からの影響を感じさせる。

「9 Raging River「14 今夜月の見える丘に」などのボーカルラインは「雨の上海」や「中国の大河」といった景色を連想してしまうような質感をもっており、前作「Brotherhood」同様にハード・ヘヴィなサウンドが主だが、そこにこれまでにない色彩や質感を与える試行錯誤を感じる。

    「要点」

  • USヘヴィッロックからの影響を反映
  • ノイズのようなギターサウンドを積極活用
  • 中国の大河を思わせるボーカルラインを持つ曲がある

「曲解説」

2 Seventh Heaven

SEはロボットが何かを囁いているような電子音。前作ではほとんど聴くことができなかったカッティングギターのリフが登場してBメロのボーカルラインの裏でなるリフはダークでこれまでにない質感のものだ。またイントロやサビ部分ではカラフルなホーンセクションが鳴り響きビーズ(B’z)らしいポップソングに仕上がっている。
3 信じるくらいいいだろう

「2 Seventh Heaven」を聴いて「本作はポップな作品かな?!」と思った矢先、ハードなギターリフとパワフルなドラムが鳴り響く。本曲は終始、ハードでダイナミックなサウンドが鳴り響くシンプルな曲だが、(2:20〜)ギターソロは少しシューゲイザーのようなノイズサウンドになっている。松本 孝弘(g)がこのようなプレイを披露したのは初めてでこれまでどんなサウンドでも「伸びやかでコクのあるギタートーン」を聴かせてくれたので、このギターソロはかなり意外。
4 RING

ギターフレーズとストリングスからなるイントロは「中国の大河」を連想。前作でも登場した空間系でクリーンなアルペジオが曲中で頻繁に登場し神聖な空気感を作り出すしヴァースのボーカルラインも「中国の大河」のようなメロディーを奏でて哀愁があるが、サビのボーカルラインと裏で鳴り響くギターサウンドはパワフルでハードなビーズ(B’z)サウンドとなっている。「神聖で浮遊感のあるパート」と「ハードなビーズ(B’z)サウンド」がクロスしている。
5 愛のprisoner

ガッツリと歪んだヘヴィリフが繰り返され、ボーカルもエフェクトが歪んでいる。サビ前のボーカルラインの裏ではまたもエフェクティブな空間系ギターサウンドが鳴り響き浮遊感を感じるが、サビではパワフルなボーカルラインとヘヴィなギターリフでストレートに攻める。本曲は神聖な雰囲気→ハードサウンドに移行する展開が繰り返される(2:22〜)トム・モレロ(g)/レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)を彷彿とさせる暴風のようなエフェクティヴなノイズプレイが登場してその後ギターソロが始まる(2:58〜)これまたトム・モレロ(g)/レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)彷彿の鋼鉄を切り裂くレーザーのようなバンギャルドなギターサウンドが登場。ヘヴィなサウンドに+aを追加しようとする創意工夫を感じる。wikiを見ると当時、稲葉浩志(vo)はレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)に影響を受けていたらしい。納得。
6 煌めく人

ヘヴィなギターリフがグルグルと回り続ける。この曲では稲葉浩志(vo)がザック・デ・ラ・ロッチャ(vo)/レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)のようなハイテンションでアグレッシヴなラップにトライしている。これまたレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)の影響が出ている曲。
7 May

メロディックなピアノの旋律が流れ「シャボン玉の中にいる」ような不思議な揺れた空気感を持つバラード(2:40〜)HIPHOPのビートとDJのスクラッチが登場してその後、ギターソロがプレイされる。ギターソロの音色はこれまでの松本 孝弘(g)のプレイでは聴いたことがない浮遊感があるものになっている。
9 Raging River

「雨の上海」を連想するウェットな響きを感じる大曲。冒頭はクリアなアコギのストロークを中心に展開され、そこに透明感のあるアルペジオや雨のようなピアノのフレーズが乗りウェットな質感を感じる(2:23〜)歪んだノイズ音の登場とともにハードでダイナミックなサウンドに切り替わる(3:10〜)ハードなサウンドがピタリと止まりポツポツと降り注ぐ雨のようなピアノが流れ、その雨音を重厚なストリングスが包み込み展開。そこにオペラ調のゴージャスなコーラスとタイトなリズムが加わる。メロディーラインはどことなく中国風(4:05〜)重厚なストリングスが作り出した不思議空間を天まで届くような光線のようなギターソロが引き裂くがギターソロが終わった後は雨音のようなピアノとしっとりとしたボーカルラインだけの展開となる(5:40〜)歪んだノイズからハードなサウンドに移行するが、ストリングスはずっと鳴り響いてたままなので浮遊感も感じる(6:50〜)最後は冒頭のクリアなアコギのストロークが静かに流れる。
10 TOKYO DEVIL

残像のようなストリート感のあるエフェクティヴSEではじまり、曲を通してジャンクなストリート感を感じることができるハードチューン。インダストリアル的要素を曲に影響を反映させた新機軸である(0:23〜)不穏な雰囲気を醸し出すエフェクトをかけた稲葉浩志(vo)の声と金属的な響きのザクザクギターサウンドがインダストリアル風(0:54〜)うねる煙のようなオルタナ風ギターフレーズも聴くことができる。
13 扉

「宇宙空間にいるような浮遊感を感じるパート」と「時空が歪んだようなヘヴィサウンドのパート」で構成された曲。宇宙空間に「ピィー」という機械音が流れ続け(1:14〜)遠く離れた故郷を思い出すような渋いアコギソロが絡み浮遊感と哀愁を感じる空間ができあがる。「宇宙的な静けさ→ヘヴィなサウンドに移行する際に感じるヘヴィネス」と「ヘヴィなサウンドが宇宙に吸い込まれるような静けさ」という両極端を感じることができる。
14 今夜月の見える丘に

イントロは「中国の大河」を思わせるアルペジオが鳴り響き、「ジャージーで柔らかく空気感のヴァース」と「ハードなサウンドなサビ」という構成になっている。サビのボーカルラインもやはり「中国の大河」を連想する(2:28〜)「梅雨の晴れ間」のようなピアノの調べと「浅い夢」のような揺らめくようなアコギフレーズが絡み安堵感を与えてくれる。終盤はコクのあるギターソロが鳴り響き、その後、サビが連続で繰り返される。最後は「イントロの中国の大河フレーズ」が響き渡り曲は終わりを迎える。

ハードロックを突き詰めた前作「Brotherhood」から1年後にリリースされた作品「90年代ヘヴィロック」への接近と中国風のメロディーの導入が大きな特徴としてあげられ、またヘヴィネスをより強調するために浮遊感のある音色や展開も多い。これまでとは明らかに質感の異なるノイズサウンドや不穏な空気は、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)やナイン・インチ・

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ヘヴィメタルといっても過言ではない位にハードでヘヴィなアルバム。前作「SURVIVE」で見られた「ハードさ」「ヘヴィネス」を更に推し進め、 少しリラックスしたアコースティックな数曲以外はアナログでハードなサウンドで埋め尽くされている。ミスター・ビッグ(Mr. Big)のメンバーがレコーディングに参加しておりテクニック面でも高度であると思われる、本作はハードロック的な音以外とはあえて距離を置いるかのような印象すらある。

唯一、非ハードロック的な要素として確認できるのは、「3 Brotherhood」「7 その手で触れてごらん」で聴けるような空間的でクリアなギターサウンド この要素はもしかするとV系の影響なのかもしれない?!と推測してみる。 それ位にソングライターである松本 孝弘(g)は幅広く様々な音楽をチェックしているという感想を筆者は持っている

    「要点」

  • ヘヴィメタルアルバムといっても過言ではない
  • ミスター・ビッグ(Mr. Big)のメンバーがレコーディングに参加
  • 空間系クリーンギターサウンドを導入

「曲解説」

1 F・E・A・R

前作よりタイトでパワフルなドラムが非常に目立つオープニング曲。ヘヴィロックといってもいい位に重低音が効いた歪んだ刻みギターリフが印象的で(2:06〜)稲葉浩志(vo)が相変わらずノリのよいシャウトを聴かせてくれる。本曲は過去のBzの曲で重要な要素となっていた煌びやかなキーボードやシンセ、キャッチーなホーンセクションなどが一切入っていない。
2 ギリギリchop

スラッシュメタルのような時速200kmレベルの疾走感を感じる曲。ギターサウンドは80年代スラッシュメタルのようなザクザクした歪みリフではなく、金属的なギラつきがありながらも松本 孝弘(g)らしいコクのあるトーンとなっている(2:15〜)浮遊感があり高速で回転するUFOを思わせる驚愕のベースソロが登場する。色んな意味で「なんだこのベースソロ?!と思いwikiをみるとまさかのビリー・シーン/ミスター・ビッグ(Mr. Big)(2:21〜)ギターソロもベースソロに負けないテクニカルな内容となっており光沢があるビームのような音色は高崎晃/ラウドネス(LOUDNESS)を思わせる。本曲も終始疾走するハードチューンとなっておりポップなテイストは一切ない。
3 Brotherhood

「神聖な雰囲気のある音色のアルペジオが印象的なパート」と「「乾いた空気感」を感じることができるハードサウンドなパート」で構成されるバラード。派手な歪みギターリフはなく全体のダイナミズムを重視している(4:48〜)ハードなサウンドが「ボタンをポチり」と押したようにガラリと神聖な雰囲気にかわる。この唐突な雰囲気の移行はどことなくオルタナっぽい。
4 ながい愛

LOVE PHANTOMにも通じるような重厚で真っ白なストリングスが流れるが、その空間をギターリフが黒く染め一気にヘヴィロックになる。Aメロ、Bメロ、サビで全て違うギターリフが弾かれるというギターリフオリエンテッドでやりたい放題なハードチューン。「Aメロ/不穏でダークな質感のエフェクティグなリフ」「Bメロ/煌びやかで開放的なラフなリフ」「サビ/ザクザク切り刻むハードリフ」(3:18〜)ハードなサウンドの残響を残す中でイントロでも流れたストリングスが一時流れるが、その空気を次は強烈に歪んだ汽車の音のようなギターサウンドが切り裂く。終盤はストリングとハードなサウンドが同居した展開となる。
5 夢のような日々

SEはプライベートのメンバー会話(wiki)乾いた空気感を感じるアコースティックソングでキラキラしたキーボードやドリームなオルガンがポップ感を与えてくれる(1:51〜)ギタリスト松本 孝弘(g)がサビを歌うというまさかの展開。5曲目にして非ハードロック/非ヘヴィメタルな登場して少しほっとする。
6 銀の翼で翔べ

タイトルからしてハードな曲をイメージするが、やはりハードな曲。うねるヘヴィなギターリフとそのリフの合間を縫うように鳴らされるパンチの効いたホーンセクションがキャッチー(2:18〜)ギターソロと並走する形でブルースハープのソロが鳴り響く。ハードな曲だがキャッチーでポップな質感もある。
7 その手で触れてごらん

「鏡の世界」のような透明感と浮遊感を感じる。U2のような空間系サウンドとダイナミックでハードなサウンドが同居している曲(2:28〜)ヒソヒソ話のような囁きが挿入され一時的に歪みが減少するが、すぐに更にハードになったサウンドが鳴り響き最後まで続く。
8 流れゆく日々

「「誰もいない部屋」のようなクリーンなアルペジオと「散歩」のようなゆったりとしたリズムで構成されるヴァース」と「ザラついた質感のギターサウンドとタイトでパワフルなリズム」で構成されるサビが中心となる。イントロや中間部で挿入されるフレーズは80年代ブリティッシュメタルのような聴いているだけで自分がRPGゲームの主人公になったような錯覚を味わえる叙情フレーズ(3:10〜)縦横無尽に駆け回る稲妻のようなテクニカルなギターソロが登場。全体を通してやはりPRGゲーム的メタル感を感じる曲
11 SHINE

哀愁のフラメンコギター(多分)によるイントロが印象的。その後は、ハードでダイナミックなサウンドに移行して底の方でうねるベースラインがこの曲に浮遊感を与えている(2:42〜)サークルの飲み会のような手拍子と歓声が挿入され、サビのボーカルラインはどことなくラテンの香りがする。本作を締めくくるにふさわしくハードで疾走感のある曲となっている。

ヘヴィメタルといっても過言ではない位にハードでヘヴィなアルバム。前作「SURVIVE」で見られた「ハードさ」「ヘヴィネス」を更に推し進め、 少しリラックスしたアコースティックな数曲以外はアナログでハードなサウンドで埋め尽くされている。ミスター・ビッグ(Mr. Big)のメンバーがレコーディングに参加しておりテクニック面でも高度であると思われる、本作はハードロック的な音以外とはあえて距離を置いるかの

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