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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果59件

タグ「J-ポップ」のレビュー

無国籍な質感のサウンドアプローチが印象的であった前作「WORLD GROOVE」からわずか半年足らずでリリースされた4thアルバム。

「3 BOY MEETS GIRL(12”CLUB MIX)」「7 survival dAnce(12”REMIX)」などの曲は「口ずさむたくなる抜群のメロディー」と「つい体を動かしたくなるフィーリング」が融合されておりレイヴサウンドをJ-POPに落とし込むという方法論が完璧なまでに機能していると感じる。

また「3 BOY MEETS GIRL(12”CLUB MIX)」「7 survival dAnce(12”REMIX)」などで聴くことができるサビの圧倒的な爆発力は鳴っている音はこそ全く異なるが「静→動」のダイナミズムを強調したオルタナティヴロックに通じるものがある。

サウンド面では90年代前半のテクノサウンドからの影響を感じる極彩色な電子音やジャズやヒップホップのレコードからサンプリングした様々な音や声などを反映している曲もありこれまでの作品よりストリート感があると感じる。

    「要点」

  • 「7 survival dAnce(12”REMIX)」はレイヴ×J-POPの完成系
  • 極彩色な電子音やジャズやヒップホップのレコードからサンプリングした音の断片を曲に反映

「曲解説」

1 BILLIONAIRE(ORIGINAL SUMMER’94 MIX)

ダビーな質感のリズムと中国風のシンセサウンドが印象的なオープニングソング。歌詞は「生きていく為の仕事」と「自分が描く夢」ついて言及しており 「自分の可能性を信じてビッグな存在を目指せ」とリスナーにエールを送る曲。小室哲哉ってこんな熱い系メッセージソングを書く人なんだと少しびっくり。
2 Le Bleu(GRAND BLEU DANCE)

「海岸をドライブする」ような清涼感を感じるポップなハウスチューンで時折、小室哲哉独自の浮遊感を感じるコーラスが「髪を乱す風」のように流れる。 ボーカルラインはメロディーよりメッセージ性を重視しているような感じで「メロディックな語り」のようである。
3 BOY MEETS GIRL(12”CLUB MIX)

テクノグループ/808ステイト(808 State)のようなシンセサウンドと重低音がビビッドに響くハードテクノ(1:46〜,4:18〜)YU-KI(vo)の声が 「酩酊」のように揺れるアレンジは非常にサイケである。サビのボーカルラインはおそらくキーボードで作ったと思われる質感であり「出会いこそ人生の宝探し」であるという真理をリスナーに突きつけてくる。終盤は「夏の終わり」のような哀愁を感じる旋律をシンセサイザーが奏でる。
4 Sexual in Gravure (JAZZY GROOVE MIX)

ジャズやヒップホップの音源から様々な音や声をサウンプリングした遊び心ある曲。「ジャジーなトラックを流してラッパーやダンサーが即興でパフォーマンスした」ようなイメージが頭に浮かぶ。
5 TRUTH’94(UNPLUGGED STYLE MIX)

ピアノとボーカルのみで構成されたセンチメンタルなバラード。「嘘が溢れて夢が隠れていた」というラインは、夢を忘れて日々何気なく過ごしている多くの人にとって耳が痛いフレーズだと思われる。
7 survival dAnce(12”REMIX)

爆発的な疾走感をもつサビのボーカルラインが秀逸なノリノリのダンスチューン。全編を通して「カラフルなバブル」に包まれたようなドリーミーな質感のアレンジが施されている。サビのボーカルラインは「yeah」と「wow」が大部分を占めるミニマムな構造だがとんでもなくインパクトがある(2:28〜)「雨雲」のようにどんよりとしたベースラインと幽玄なシンセが「Bメロ」のボーカルラインをなぞる珍しいアレンジ。

無国籍な質感のサウンドアプローチが印象的であった前作「WORLD GROOVE」からわずか半年足らずでリリースされた4thアルバム。 「3 BOY MEETS GIRL(12”CLUB MIX)」「7 survival dAnce(12”REMIX)」などの曲は「口ずさむたくなる抜群のメロディー」と「つい体を動かしたくなるフィーリング」が融合されておりレイヴサウンドをJ-POPに落とし込むという方

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アシッドハウス的なディープさとジャジーな要素を大幅に加えた3rdアルバム「音楽で繋がる世界」「グルーヴは万国共通」などの思いがテーマになっていると思われ前作より多面的になったサウンドはどこか無国籍な印象を与え少しマニアックな質感がある。

また歌詞にも「バハマ」「行ったことない南の島」などインパクトのあるフレーズが登場。「3 寒い夜だから…(SEQ OVER DUB MIX)」「7 Silver and Gold dance(Remix)」「8 Beauty and Beast」などの曲で聴けるサビのボーカルラインはTKサウンドの代名詞である弾けた質感の素晴らしいメロディーをもっている。

どこかマニアックなサウンドと弾けたサビのボーカルラインの共存は「TMNの小室」から「希代のヒットメーカーTK」へと進化する過渡期的な内容であるといえる。

    「要点」

  • 「無国籍感を感じるサウンド」と「弾けたサビのボーカルライン」が共存
  • 「TMNの小室」から「希代のヒットメーカーTK」へと進化する過渡期的な内容

「曲解説」

1 WORLD GROOVE 1st.chapter(Forest Ambient)

曲名通り「森林の中にいる」ようなアンビエント感があるオープニングのインスト。終盤は「森林の中から他の空間にワープする」かのようにシンセサウンドが揺らめく。
2 Feel the CENTURY

「1 WORLD GROOVE 1st.chapter(Forest Ambient)」とはうってかわり「都会の狂騒」を思わせるゴージャスなシンセサウンドを中心に展開されるアグレッシブなテクノ。リズムアプローチはシンプルでアシッドハウス的な弾力感をもつ四つ打ちがメインとなっている。
3 寒い夜だから…(SEQ OVER DUB MIX)

アーバンなジャズテイストをアシッドハウスに反映させたサウンドと「寒い夜だから」という歌詞とは裏腹にどこまでも伸びていくような抜群のメロディーをもつサビのボーカルラインがインパクト大のヒットシングル。全編にわたり「賑わう休日の銀座」のように弾けるサックスサウンドが曲に色彩を与えている。
4 CAMILLE CLAUDEL

アンビエントな質感のアルペジオ風サウンドをシンセで再現した「深夜」のような雰囲気をもつディープソング。歌詞の内容はディープなサウンドと同様に深いもので「無防備な信頼、それは恋の入り口」であると説く。ビートはスライムのような弾力と潤いを持つアシッドハウスなアプローチとなっている(1:45〜)サウンドの質感に寄り添うような渋いギターフレーズがミニマムに鳴り響く。終盤はサビのボーカルラインをシンセサイザーでなぞるという展開になるのだがキャッチーとは言えないメロディーが非常に耳に残る。これが小室マジックだろうか。
6 Waiting Waves (夏の気分を待ちわびて)

YU-KI(vo)のボーカルがコミカルな響きを持つ変化球ソング。「バハマに行きたいが東京からマイアミはストレートには行けない」という歌詞もどこかシュールである。終盤はリズムアプローチにプリミティヴな要素が加えられパーカッショナルな躍動感を感じる。またアウトロでは空間を縦横無尽に踊るサックスソロが登場する。
7 Silver and Gold dance(Remix)

「曇り空」のようなUKテイストと高揚感が同居しているアッパーなダンスチューン。サビのメロディーは頭に即座にインプットされるグッドメロディーである (2:18〜)地を這うような質感の重低音が鳴り響き、その後はシンセソロが飛び出しサビのボーカルラインをなぞる。アウトロでもシンセでサビのボーカルラインが繰り返し奏でられる。この曲は自信のあるサビのボーカルラインを聴かせる為の曲という感じがする。
8 Beauty and Beast

「海」のようなうねりと「星々のきらめき」を感じるアッパーチューン。アシッドハウス的なディープでミステリアスなサンプリングボイスや「良質なポップ・ミュージックのサビの断片を切り取った」ような女性ボイスが空間を自由に舞う。この曲でYU-KI(vo)が歌うのはサビのみでありサビのボーカルラインは「輝く星」のような電子音と絡まり華やかである。
10 Winter Grooves

カラフルなシンセサウンドが頭の中を駆け回るテクノポップ風の曲。サビではTKサウンドを象徴する「wow,wow,wow」というコーラスがボーカルラインを華やかに彩る。
11 WORLD GROOVE 3rd.chapter(main message)

アーバンでジャジーなサウンドをベースにした無国籍ポップ。終盤はシックなサックスが縦横無尽に鳴り響き曲をビシッと引き締めている。歌詞の内容は「行ったことがない南の島でも感じることができるWORLD GROOVE」について。

アシッドハウス的なディープさとジャジーな要素を大幅に加えた3rdアルバム「音楽で繋がる世界」「グルーヴは万国共通」などの思いがテーマになっていると思われ前作より多面的になったサウンドはどこか無国籍な印象を与え少しマニアックな質感がある。 また歌詞にも「バハマ」「行ったことない南の島」などインパクトのあるフレーズが登場。「3 寒い夜だから…(SEQ OVER DUB MIX)」「7 Silver a

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タイトルにもなっている代表曲「EZ DO DANCE」を収録し「レイヴ的な開放感と煌びやかさ」をJ-POPに融合させたTKサウンドのベーシックとなる要素が詰まっているヒットアルバム。

TMN時代から小室哲哉というソングライターはどちらかというと聴けば聴くほど味が出るスルメタイプのメロディーセンスの持ち主であるという印象があったのだが、「1 EZ DO DANCE」サビで聴くことができる「突き抜けて弾けるボーカルライン」はリスナーに「マッハの速度」を感じさせるもので素晴らしいポップネスをもっている。

本作には「EZ DO DANCE (UK DANCE VERSION)」という海外を意識したバージョンも収録されている。「EZ DO DANCE」という曲は小室哲哉にとって自信作であると同時に売れるポップミュージックを作る上での明確な答えを与えたのではないかという気がする。

    「要点」

  • TKサウンド黄金期の幕開けを告げるヒットアルバム
  • マッハの速度を感じる「1 EZ DO DANCE」のサビ

「曲解説」

1 EZ DO DANCE

「夜の街を駆け抜けるような疾走感」と「レイヴ的な解放感」が混在された雰囲気を持つ代表曲。「はじける夜」を連想するサンプリングされた「男の壊れた笑い声」や「3.2.1 break down」というフレーズが随所で挿入され不思議なストリート感を演出する (1:32〜,2:47〜) サビのボーカルラインはこれまでのJ-POPでは聴けない類のものであり、耳に残るメロディーとファンキーな質感が癒合され非常にマッハのスピードを感じるものとなっている(3:28〜)DJ KOOによるファンキーなラップ風ボイスは当時相当にシュールな響きをもっていた。
2 ROCK IT ON!!

アシッドハウス的に潤う重低音が印象的なダンスチューン。都会的な落ち着きがあるラップと「ロキノン,ロキノン」(そう聴こえる)というフレーズを連呼するキュートなイケイケボイスは「シャイな男の子」と「はっちゃけたいギャル」のように対照的である(2:40〜)「声が何重にもブレるエフェクティブなアプローチ」は小室哲哉が多大な影響を受けたと思われるニューオーダー(New Order)の曲でも聴くことができるアプローチである。終盤は「1 EZ DO DANCE」同様にDJ KOOによるファンキーボイスが挿入される。
3 ISLAND ON YOUR MIND

清涼感を感じるシンセサウンドが「肌寒い秋の夜」を連想するスピード感のあるバラード。ヴァースはYU-KI(vo)が歌いサビはプロデューサーである小室哲哉が歌うというまさかの展開を見せる。サビのボーカルラインは「おとぎ話のような質感」を持つメロディーと「言葉のリフのようなスピーディーなボーカルライン」で構成されている。
4 ON MY WAY

TMNの曲であったとしても不思議ではない「都会の街角」のような雰囲気を醸し出す曲。サビのボーカルラインは「早歩き」のようなイメージでTKサウンド全盛の突き抜けた質感はまだない(3:36〜)小室哲哉による「woo woo woo woo」というメロディックなコーラスはサビ以上のポップネスがある。
5 ONE MORE NIGHT

切迫感とバブリーなゴージャス感が混在するシンセサウンドが「ハードなギターリフ」ようにリフレインされるスペーシーでディープなアッパーチューン(1:53〜,4:12〜)ミステリアスでダークな囁きは「マークパンサーによる独自のラップ」とも共通する質感である。終盤はDJ KOOにより「GO,GO」というノリノリの掛け声が披露される。
6 RAVING ZONE

ネオンカラーを思わせる電子音が「賑わうクラブ」を連想するイケイケの曲。ディープな四つ打ちのビートが脳みそをズンズンと刺激。中盤以降は更にリズムがディープになりダンスミュージックとしての強度を高める。

タイトルにもなっている代表曲「EZ DO DANCE」を収録し「レイヴ的な開放感と煌びやかさ」をJ-POPに融合させたTKサウンドのベーシックとなる要素が詰まっているヒットアルバム。 TMN時代から小室哲哉というソングライターはどちらかというと聴けば聴くほど味が出るスルメタイプのメロディーセンスの持ち主であるという印象があったのだが、「1 EZ DO DANCE」サビで聴くことができる「突き抜けて

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男女混成のツインボーカル、サックスプレイヤーの存在などメンバー構成の時点でユニークな存在であるバービーボーイズ(BARBEE BOYS)。本作はそんな彼らの絶頂期にリリースされオリコン初登場1位を記録したアルバム。

KONTA(vo)、杏子(vo)による掛け合いのボーカルは色んな男女関係を想像させるものになっておりリスナーの想像力を刺激。

またギタリスト:いまみち ともたか(g)はパンク以降のニューウェイブ系ギターに多大な影響を受けていると思われメロウで流麗なプレイが特徴だが、海外のギタリストにはない日本人特有の直線的な質感もあり非常にユニークな存在と言える。

サウンドはミニマリズムといっていい位に余計な音が鳴っておらず静けさすら感じる。パンクでも、ハードロックでも、ダーク系ギターロックでもない独自のギターロックを展開している。

    「要点」

  • 男女混成の掛け合うボーカルラインは様々な男女関係を想像させる
  • 独自のサウンドを聴かせるギタリスト:いまみち ともたか(g)

「曲解説」

1 ト・キ・メ・キ

ミニマリストの部屋のように必要最低限の音のみで構成されているオープニングソング。時折、民族音楽のようなパーカッションも飛び出す。ギターサウンドは独特で「空気に溶け込み漂う煙」のようで不思議な静けさを感じる。
2 目を閉じておいでよ

「砕けたグラス」のような透明でエッジのたったギターサウンドを中心に展開されるハードロック風の曲(2:02〜)部屋に差し込む斜陽のような電子音が僅かな光を灯す(2:18〜)ちょいエロな歌詞とは対照的な落ち着いた淡々としているサビのボーカルラインが登場(2:45〜)光沢感がのあるベースラインとピアノからなる間奏部がアクセントになっている。
3 Y〰ゆがむ〰

ブレイクビーツ風のビートと哀愁あるメロウなアルペジオが空間を支配するルーミーな曲。時折登場する透明なピアノとエフェクティヴな残響、KONTAのメロディックなコーラスがタイトル通り「〰ゆがむ〰誰もいなくなった部屋」を連想する。
5 Late Again

「何も変わらない街」のようなサックスのメロディーが印象的な「一人遊び」を思わせるミドルテンポの曲(1:44〜)「アー、アー、アー、アー」という声と共に軽いパニックのような展開が一時的に挿入されアクセントになっているが、全体を通して同じところをクルクル回るようなイメージの曲。
6 さぁ どうしよう

ウォームな質感のベースラインがうねるバービーボーイズ(BARBEE BOYS)流パンクソング。ギターサウンドは相変わらず「空気に溶け込み漂う煙」のような静けさがあり汗臭さが全くなく、ザ・スミス(The Smiths)のような流麗さすら感じる。「さぁ どうしよう」という日常の頻出ワードを音楽化したサビのボーカルラインは秀逸。
7 噂ばなしはM(マッハ)4

早足で駆け抜けるメロウなUKポップという趣の曲。ギターサウンドはクリーンで最小限の手数でプレイされているため、ウォームで小波のようなベースラインが非常によく聴こえ(1:56〜)センス抜群のエバーグリーンでミニマムなアルペジオフレーズが清涼感を与えている。ボーカルラインも含めてメロディックで派手なフレーズなどは存在しないのだが、曲を通して非常にメロディックな印象をもつ1曲。
9 君を見てるとしょんぼり

フォークソング的な湿り気を帯びたギターポップ(1:45〜)エフェクトをかけた音色を活かしたキラ星のようなギターフレーズが曲に輝きを(2:20〜)マイルドなブラックコーヒーのようなサックスが渋みを与えている。
10 もうだいじょうぶヒステリー

「曇り空の海辺」のような雰囲気をもち淡々とした展開だが世界観に浸れるメランコリックなラストナンバー。淡々とそのまま最後までいくかと思いきや(4:10〜)アウトロで「切ない思い出」のようなギターソロが登場する。

男女混成のツインボーカル、サックスプレイヤーの存在などメンバー構成の時点でユニークな存在であるバービーボーイズ(BARBEE BOYS)。本作はそんな彼らの絶頂期にリリースされオリコン初登場1位を記録したアルバム。 KONTA(vo)、杏子(vo)による掛け合いのボーカルは色んな男女関係を想像させるものになっておりリスナーの想像力を刺激。 またギタリスト:いまみち ともたか(g)はパンク以降のニュ

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90年代に活躍した女性ボーカルのギターロック・ポップアーティストの代表格ジュディ・アンド・マリー(JUDY AND MARY)。

YUKI(vo)のキュートな歌声は印象に残っていたのだがアルバムをじっくり聴きこんだことはなかったのだ。今回初めてジュディ・アンド・マリー(JUDY AND MARY)のアルバムを聴いてみたところ、90年代以降のギターノイズをいち早く取り入れたアバンギャルドとも言えるサウンドに衝撃を受けた。

しかし、そのサウンド以上に衝撃なのはこのアルバムが200万枚以上のセールスを記録しているという点である。アンダーグラウンドなシーンで壊れたノイズを取り入れているバンドは当時、もちろん存在していたとは思うが今作は壊れたノイズをふんだんに取り入れておりながらもダイレクトにフックの効いたボーカルラインが真っ先に耳に入ってきてメロディックなポップソングとして成立している。ノイジーで壊れたサウンドがYUKI(vo)のキュートな歌声をさらに魅力的に響かせている。

    「要点」

  • 97年の日本の音楽シーンで「やりすぎなノイズサウンド」
  • ノイズサウンドがYUKI(vo)のキュートな歌声をさらに魅力的に

「曲解説」

1 BIRTHDAY SONG

タイトルとは裏腹に「ロボットが壊れた」ようなノイズが鳴り響くオープニングソング。サビの後ろでも「関係ない」と言わんばかりにノイズサウンドが渦巻いているが同時に「氷のように透明」な電子音も鳴っておりノイズロックではなくノイズポップとなっている。間奏部やギターソロは非常にアバンギャルドでサイバーな空気感が流れるものとなっている。
2 ラブリーベイベー

壊れた質感を持つギターポップ「1 BIRTHDAY SONG」同様サビでも容赦無くぶっ壊れたノイズサウンドが響き渡る。 時折、挿入される愛らしいコーラスがアクセントになっている。97年の日本のJ-POPシーンでここまで壊れたノイズを前面に押し出した曲はレアだと言える
3 そばかす

時空が歪んだような心地よい違和感とキャッチーなボーカルラインを持つヒットソング。イントロ・間奏・アウトロではやはり壊れたノイズサウンドが鳴り響き(2:24〜)元気でノリの良い曲の中にジャージーでアダルトなパートが挿入される。歌詞はサウンドとは裏腹にメルヘンの極みのような内容となっている。
4 KISSの温度

アーバンなポップソングとノイズが同居している曲。部屋でくつろいでいるようなリラックス感と夢のような浮遊感を同時に感じる空気感で(1:26〜)マニアックなエフェクターがかかった歪み音で奏でられる牧歌的なフレーズは非常に癖がある。
6 Pinky loves him

少しジャージなサウンドとYUKI(vo)の元気な歌声の対比が面白い曲。「アダルトなバーに佇む男」のように淡々と静かに進行する。さすがにこの曲にノイズサウンドは登場しない。
7 くじら12号

ドライブするベースラインとジャカジャカ歪むギターサウンドを中心に展開されるヒットソング(1:27〜)サビのボーカルラインは「待ちわびた海開き」のような爽快さとダイナミズムを感じるものとなっているが、裏ではモノトーンなダンスビートが鳴り響きBPM以上のスピード感を演出している。
8 クラシック

「目の前がパッと開けた」ような開放感を感じるギターロック(1:40〜)ギターソロはモダンなサーフミュージックのような清涼感を感じるものとなっており、終盤は抑揚の効いたサビが繰り返し流れ最後は静かに終わる。
10 The Great Escape

本作を象徴するようなアグレッシヴなノイズポップ。ハードで畳み掛けるようなパンク調ではあるがYUKI(vo)のキュートな声とマッチしている。

90年代に活躍した女性ボーカルのギターロック・ポップアーティストの代表格ジュディ・アンド・マリー(JUDY AND MARY)。 YUKI(vo)のキュートな歌声は印象に残っていたのだがアルバムをじっくり聴きこんだことはなかったのだ。今回初めてジュディ・アンド・マリー(JUDY AND MARY)のアルバムを聴いてみたところ、90年代以降のギターノイズをいち早く取り入れたアバンギャルドとも言えるサ

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