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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果59件

タグ「J-ポップ」のレビュー

浅倉大介が人気ユニット・アクセス(access)を活動休止後にプロデュースした西川貴教による一人ユニットT.M.Revolutionの大ヒット3rdアルバム。

アクセス(access)時代のゴージャスで装飾感満載のキーボード・シンセサウンドは少なくロック色を強めたサウンドとなっている。歌詞の内容はユーモラスとシリアスが両極端に存在しているという印象をもつ。例えば「1 蒼い霹靂」などは人間不信を思わせるシリアスな歌詞だが「急ブレーキの音がしたらきっと君は逃げるね?」というフレーズにはどこかコント的な響きがあるし「6 LEVEL 4 -LEVEL→V MIX-」は「男の馬鹿げた欲望」を歌っているように見えて「自分に限界を設けるな、欲望に忠実であれ」的な自己啓発要素も感じられるといった具合だ。

大ヒットを記録したシングル曲「3 WHITE BREATH -MORE FREEZE MIX-」「11 HIGH PRESSURE -MORE HEAT MIX-」は共に非常にシンプルで西川貴教のパワフルな歌声を引き立てるようなサウンドとなっており、おそらくではあるが「これまでと違うサウンド」を模索しているが中々答えが見つからないというダイスケ的に苦悩していた時期であると思われる。

    「要点」

  • ユーモラスとシリアスが両極端に存在する歌詞
  • 「1 蒼い霹靂」における「急ブレーキの音がしたらきっと君は逃げるね?」というフレーズにはどこかコント的な響きがある

「曲解説」

1 蒼い霹靂

ガラケーの着信音SEで始まる色んな意味で90年代な質感が濃厚なデジロック。歌詞の内容は生々しいものとなっており 「昔は相手にしてくれなかったのに自身がいわゆる有名人になったら露骨に手のひらを返してくる相手に対する嫌悪感を表している」 「急ブレーキの音がしたらきっと君は逃げるね?」のフレーズにはコント的な響きがある。
2 OH! MY GIRL, OH MY GOD! -MORNING SURPRISE MIX-

ゴージャスな質感のギターリフが印象的なポップソング。サビでは西川貴教(vo)のボーカルラインのバックで「待ちわびたクリスマス」のような軽快さを感じるシンセサウンドが曲に華やかさを加えている(3:08〜)聴かせる系ギターソロが登場するが、その後ろで西川貴教(vo)による高速ぼやきが炸裂。歌詞は「色々問題はあるけど結局可愛いから許してしまう」というおのろけテイストである。
3 WHITE BREATH -MORE FREEZE MIX-

高速のスピードを感じるデジタルロック。サウンド自体は「切り裂くようなギターサウンド」をフィーチャーした非常にシンプルなもので、 西川貴教(vo)のハイテンションでパワフルな歌唱を聴かせる為の曲であると言える。
6 LEVEL 4 -LEVEL→V MIX-

「これぞ!浅倉大介」という装飾感満載のキーボードサウンドが印象的なヒットシングル。歌詞の内容は「男の馬鹿らしい妄想」と「色んな意味で現状に満足するな的な側面」を描いていると思われる。確かに自分が魅力的になるにはレベルの高い相手と付き合うべきだが「何も持たない自分」は知らぬ間に「諦めの馴れ合い」のような恋愛をしている。傷ついてもいいから自分の欲望に忠実に生きろということですね。きっと。
7 Slight faith

耽美なアルペジオ風サウンドをフィーチャーしており、他の収録曲よりワンランクハードなギターサウンドが鳴り響く曲(1:32〜)オクターブ奏法による煌びやかで直線的なギターサウンドは「スマッシング・パンプキンズ(The Smashing Pumpkins)」などのオルタナ系アーティストからの影響を僅かに感じさせる(3:03〜)気怠い質感のグランジーなギターソロが登場、90年代後半は日本のアーティスト中でニルヴァーナ(Nirvana)などのオルタナ・グランジ系アーティストの影響をモロにうけた曲が数多く存在する。それは浅倉大介も例外ではなくしっかりと気怠い質感を曲に反映させている。
8 MinD ESCAPE

「遠い日の夏」のような透明感を感じるポップソング。アナログな質感のシンプルなバンドサウンドで構成されており、「yeah,yeah,wow」というコーラスはコミカルでリラックスした曲のムードにマッチしている(2:48〜)ギターソロはサーフ・ミュージック的な響きを持ちどことなく「南国の海辺」を連想するサウンドとなっている。歌詞の中に出てくる「ベストチョイスのMD」がいかにも90年代後半という感じで時代を感じる。
10 Twinkle Million Rendezvous

「夕暮れ」のような脱力感を感じるセンチメンタルなバラード。サビの歌声は非常に熱量がありバックでは壮大なストリングスがしっとりと流れている。歌詞の内容は時代や周囲に流されず自分のポジションを探せというメッセージだと思われる。それにして「本名も知らず増える友達の輪」というのはSNS中心の世界に対する警告のようだ。
11 HIGH PRESSURE -MORE HEAT MIX-

強烈な雨風がインパクト大のプロモが印象的なヒットソング。「3 WHITE BREATH -MORE FREEZE MIX-」同様にシンプルなデジタルロックではあるが西川貴教(vo) のパワフルな歌声は非常にインパクトがあり印象に残る。「カゲキにさあ行こう」における「さあ行こう」は間違いなく「最高」とかけている。
12 JUST A JOKE

「楽しかった夏休みを1日で振り返る」ようなインスト。中間部までは愉快なメロディーが全面に押し出されているが後半は「明日からの登校を憂う」ような暗さを感じる展開となっている。

浅倉大介が人気ユニット・アクセス(access)を活動休止後にプロデュースした西川貴教による一人ユニットT.M.Revolutionの大ヒット3rdアルバム。 アクセス(access)時代のゴージャスで装飾感満載のキーボード・シンセサウンドは少なくロック色を強めたサウンドとなっている。歌詞の内容はユーモラスとシリアスが両極端に存在しているという印象をもつ。例えば「1 蒼い霹靂」などは人間不信を思わ

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1stアルバムから僅か半年あまりの短い期間でリリースされた2ndアルバム。

「最初からやりたい音楽が明確」で一切の迷いがないサウンドの強度を更に高めた内容となっており「2 Naked Desire(THE ENTERPRISE MIX)」「3 Moonshine Dance(THE ENTERPRISE MIX)」など曲はサウンド・歌詞の内容共に過剰に過剰を重ねたテイストとなっているが、色んな意味でバランス重視が多い日本のアーティストの中でアクセス(access)がもつある種の偏りは大きな個性であると言える。この2曲がシングルカットされヒットしているところを見ると世間がアクセス(access)に求めるモノはこの過剰さなのかもしれない。

「6 Lyin’ Eyes(THE ENTERPRISE MIX)」では貴水 博之(vo)によるラップも披露されるが、全くと言って言い程にヒップホップのテイストを感じない独自なものとなっている。また貴水 博之(vo)は作詞でも「謎解くアイランド」「迷うラビリンス」などの言葉のチョイスでセンスを発揮している。

    「要点」

  • バランス重視が多い日本のアーティストの中でアクセス(access)がもつある種の偏りは大きな個性であると言える
  • 貴水 博之(vo)は作詞でも「謎解くアイランド」「迷うラビリンス」など言葉のチョイスでセンスを発揮

「曲解説」

1 Night Wave(ORIGINAL AXS VERSION)

ド派手なサビのボーカルラインに乗せて「終わらない夜」について歌った曲。チカチカと眩しい質感のビートはまるで「夜空に輝く星々」のようだ。ギターサウンドは「歪んだ音」と「クリーンな音の断片」が随所に挿入される。
2 Naked Desire(THE ENTERPRISE MIX)

「高層ビルの屋上から見下ろす夜景」のようなゴージャス感があり、ここまで装飾感のある派手なコード進行で攻めまくる曲はバランス感を大事にする日本のアーティストの中ではレアであると感じる。歌詞の中に「グラビアのあなたに追いつきたい」なる歌詞があるが、これは暗に芸能人同士の派手な恋の事を歌っているのだろうか?!一般人の恋愛では「月や星が嘆く」ことは考えられないハズだ。
3 Moonshine Dance(THE ENTERPRISE MIX)

「Moonshine Dance」というフレーズだけを見るとV系的だが、アクセス(access)らしいゴージャスでハードロックな熱さを感じる曲。歌詞も「ディスティニー(destiny)」「エタニティー(eternity)」「銀の矢」などのゴージャスでキザな言葉が盛りに盛られて登場する。「2 Naked Desire(THE ENTERPRISE MIX)」にも共通するが、このバランスを取らない過剰さはある種、日本人離れした感覚であると感じる。(2:48〜) 蒸せるような熱さを感じる早弾きギターソロから揺らめくプログレ的シンセサウンドが登場。
4 I Sing Every Shine For You

アコースティックギターとストリングスを導入した「真っ白な空間」のようなイメージのバラード。サビは貴水 博之(vo)の高音を活かしたボーカルラインとなっておりシンプルな言葉で熱い思いを歌っている。アクセス(access) サウンドに欠かせない「強風」のようなギターサウンドが熱いサビをしっかりとサポートしている。
5 Jungling Party

浮遊感のあるテクノポップをバブリーに再構築したようなダンスチューン。貴水 博之(vo)の歌声にはシャープなキレがあり言葉チョイスのセンスには非常に個性がある。「謎解くアイランド」「迷うラビリンス」などのフレーズはそう出てこないだろう。(2:30〜)パーカッショナルなビートが「原子の宴」のようなムードを醸し出しその後は「空を舞うようなギターソロ」が鳴り響く。
6 Lyin’ Eyes(THE ENTERPRISE MIX)

「二日酔い」のような揺らめきを感じるシンセポップ。浅倉大介のキーボードサウンドは少ない手数で貴水 博之(vo)の歌声を煌びやかに引き立てるようなイメージだ。(1:33〜)「迷うラビリンス」的な質感のキーボードソロがミステリアスに響き渡る(3:04〜,4:37〜) 歯切れのよいラップが披露され歌詞の一部に放送禁止の「xxx(ピー)」が挿入される。ラップではあるが全くと言って言い程に「ヒップホップテイスト」がしないあたりが面白い。
8 ENDLESS SUMMER 〜君が滲んだ夏〜

「ノスタルジーな夏の恋」を回顧するしっとりしたテクノポップバラード。全てのフレーズから「中国の大河」を連想する旋律を感じる事ができる。
9 Marmalade Days

「浮遊感のある音響」と「しっかりと地を踏むようなリズム」が対照的なポップソングで「電車」「会社の話」などという日常的なワードと「砂漠の果て」というワードが違和感なく溶け込んでいる不思議な歌詞を持つ(2:18〜)唐突に「アダルトなバー」のような雰囲気を感じるジャズサウンドが挿入される。
10 Juliet

マッハのスピードを感じるエレクトロチューン。マッハな音響とは対照的にリズムアプローチは「巨人の足跡」のように「ズシッ,ズシッ」 と非常にスローである。またシンセサウンドは不穏なダークさを感じるものとなっており、海外のEDMアーティスト/アンダーワールド(Underworld)のような「悩めるダンスミュージック」的な質感のサウンドとなっている。
11 S-MILE Generation

ディレイをかけたギターサウンドを導入しており「大空」のような開放感をもつ曲。時折挿入されるキーボードサウンドは相変わらずド派手であり、 ギターソロの後には「ダイヤモンド」のようにチカチカするソロパートも用意されている。

1stアルバムから僅か半年あまりの短い期間でリリースされた2ndアルバム。 「最初からやりたい音楽が明確」で一切の迷いがないサウンドの強度を更に高めた内容となっており「2 Naked Desire(THE ENTERPRISE MIX)」「3 Moonshine Dance(THE ENTERPRISE MIX)」など曲はサウンド・歌詞の内容共に過剰に過剰を重ねたテイストとなっているが、色んな意味

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ゴージャスなシンセポップをヘヴィメタル・ハードロックな熱量で再構築したようなイメージの曲が目立つ1stアルバム。ファーストアルバムの時点でここまで「やりたい音楽」が明確なグループは非常にめずらしいと感じる。

ユニークな高音を持つ貴水 博之(vo)の歌声は一度聴いたら頭から離れない類のものであり、プロデューサーである浅倉大介が彼をパートナーに選んだのも納得である。

本作を聴くまではアクセス(access)サウンド=「シンセ・キーボードで埋め尽くされたデジタルデジタルしたサウンド」をイメージしていたのだが、ほとんど全ての曲で「強風」のようなギターサウンドを導入しておりロック的なパワフルさを感じるサウンドとなっている。ラストソング「11 Look-a-head」に関してはスラッシュメタルもびっくりのハイスピードを体感できる。

    「要点」

  • ファーストアルバムの時点で「やりたい音楽」が明確なグループ
  • ほとんど全ての曲で「強風」のようなギターサウンドを導入

「曲解説」

1 Sensual Glide

「頭上をクルクルと回る」ようなシンセサウンドが印象的なシンセロック。立体的で潤ったシンプルなビートと「強風」のようなギターサウンドが曲にロックな力強さを曲に与えており(2:34〜)ハードロック的な叙情性を感じるギターソロまで登場する。
2 VIRGIN EMOTION

バブリーでゴージャスな雰囲気を醸し出すハードなシンセロック。この曲でもやはり「強風」のような質感のギターサウンドが鳴り響き曲に疾走感を与えている(2:27〜)「遠い地へワープできる渦巻き」のようなプログレ的なシンセサウンドが登場、その後は「雨後の街」のような質感のピアノフレーズが挿入される。
3 Pale Blue Rain

「雨の日」のような湿り気を感じるロックバラード。序盤は物悲しいピアノ風シンセサウンドと「懐かしい日々」のような質感のストリングスを中心にしっとりとした展開(2:34〜)空間を包み込むようなギターサウンドの登場と共に曲は一気に熱量を高め、そのまま泣き系のギターソロに突入。終盤は「強い風が過ぎ去った後」のような静けさの中「独り言」のようなピアノが鳴り響く。
4 JEWELRY ANGEL (DEEP AXS MIX)

ディープで立体的なビートと「ギターリフ」を思わせる浅倉大介のキーボードサウンドが印象的で曲を通してゴージャスなナルシズムを感じる曲(2:55〜)「おもちゃ箱をひっくり返した」ようにカラフルでポップなサウンドが次々と飛び出しアクセントとなる。
5 Distance 〜求め合うには遠すぎて〜

ノスタルジーと「曇り空」のようなどんより感を感じるロックバラード。B’zの名バラード「もう一度キスしたかった」のように映画のような映像が見える曲である。
7 Against The Rules

曖昧な記憶を辿ってハッチャけた昨日の夜を思い出すようなジャンクソング。「縮れた音の断片」が次々と現れ「クラブの狂騒」を思わせるが憂鬱な質感の「不穏なシンセサウンド」は「本当は真面目だけど無理している俺」のようなイメージである。
9 Be Nude

「南国」のような開放感を感じるサビが印象的なポップチューン。「スライムのようなベースライン」「トロピカルな質感のギターソロ」などインパクトのある音を中心にコンパクトにまとめられている。
11 Look-a-head

「舞空術で空を飛んでいるZ戦士」を連想するハードなシンセロックでハイスピードを感じる曲となっている。歌詞の中に「フリーザ」というワードが登場して一瞬ドキッとする。「just you access」「give me access」というフレーズを頻繁に繰り出している為、「access」のテーマソングのような立ち位置の曲であると思われる(3:00〜)「名作RPGゲームの戦闘シーン」を思わせるテクニカルで流れるようなキーボードソロが登場、ソロの後半はギターとユニゾンしメロディック・ヘヴィメタル的な旋律を奏でる。

ゴージャスなシンセポップをヘヴィメタル・ハードロックな熱量で再構築したようなイメージの曲が目立つ1stアルバム。ファーストアルバムの時点でここまで「やりたい音楽」が明確なグループは非常にめずらしいと感じる。 ユニークな高音を持つ貴水 博之(vo)の歌声は一度聴いたら頭から離れない類のものであり、プロデューサーである浅倉大介が彼をパートナーに選んだのも納得である。 本作を聴くまではアクセス(acce

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前作「Concentration 20」は90年代オルタナ的なエッジを感じるアルバムであったが今作は「宙を舞うような電子音」を大胆に導入しており多くの曲でメランコリックな雰囲気を感じる事ができる。

おそらく和製R&Bを意識していると思われるボーカルラインのメロディーは全前作・前作と比べてどこかマニアックな響きがあると感じる。TKブームの終焉、宇多田ヒカル・椎名林檎・MISIAなどの新感覚・女性アーティストの出現により、90年代TKサウンドからの脱却を図っていた時期であると思われる時期にリリースされた今作は、「売れなくてはいけない」だが「過去のサウンドやメロディーの焼き回しは嫌だ」というTKの苦悩が詰まっていると感じる。

    「要点」

  • 和製R&Bを意識していると思われるボーカルラインのメロディーは全前作・前作と比べてどこかマニアックな響きがあると感じる
  • 90年代TKサウンドからの脱却を図っていた時期にリリースされたアルバム

「曲解説」

2 LOVE 2000

立体的でメタリックなブレイクビーツで攻めまくるエレクトロ・ロック。歌詞の内容は「いまだに戦争が起きる不条理な世界に対する嘆き」といったところ(4:33〜)モノトーンで冷めた質感の電子音の登場と共にビートが「雪崩」のようにリスナーに迫ってくる。
3 RESPECT the POWER OF LOVE

アーバンなソウルミュージックにロック的な熱量を加えた曲でディレイをかけたギターサウンドが「早朝の空を羽ばたく鳥」のように空間を舞う。ロック色の強い曲だが「灼熱の風」のような女性コーラスが曲にコクを与えている。
4 LEAVIN’ for LAS VEGAS

「モザイク越しに見た気怠い午後」のようなデジタルファンク。「リラックスした雰囲気のギターカッティング」と「縮れた質感のベース音」がメインとなって構成されている曲で終始淡々とした展開となっている。アルバムの中での「ちょっと休憩」というポジションの曲である。
5 SOMETHING ‘BOUT THE KISS

「2 LOVE 2000」同様にオリエンタルなメランコリックを感じる「舞う」ような電子音をフィーチャーしたR&B。歌詞の内容はざっくり言うと「愛情は言うだけでは伝わらない、kissも大事だ」というイメージ。安室 奈美恵の歌声は熱量よりクールネスを強調したものとなっており、これまでにはない質感となっている。
6 I HAVE NEVER SEEN

「どんよりとした曇り空」を連想するエレクトロポップ。安室 奈美恵の歌声は「ガラス越し」のような質感で不思議な透明感がありビートはエレクトロニカ以降の小刻みなリズムアプローチとなっている。最後は「全てが光に包まれる」ように視界が揺らめく展開となり幕を閉じる。
8 MI CORAZON (TE’AMOUR)

メランコリックなスパニュシュギターが時折挿入され「ラテンな風」を感じる軽快なハウスチューン(3:28〜)ゴージャスで華やかなホーンセクション、優雅な女性コーラスがボーカルラインと絡まり最高潮を迎える。
9 YOU ARE THE ONE featuring IMAJIN

「夕暮れの海辺」のような哀愁とメランコリックを感じるエモーショナルポップ。この曲でも「8 MI CORAZON (TE’AMOUR)」同様にスパニッシュな質感のギターワークを大胆に導入している。また「IMAJIN」というソウルフルな男性ボーカリストをフィーチャーしておりコーラスにラップに縦横無尽の活躍を見せる(2:42〜)「夢なんて見るもんじゃない!」と尖っていた少女とは思えない「ヒロイックなオペラ調」のような歌声でサビのメロディーを奏でるパートが登場。僅か5年でここまで洗練されるものなのか?!と驚愕する。
10 KISS-AND-RIDE

トリップホップの創始者マッシヴ・アタック(Massive Attack)に多大な影響を受けたと思われ、ディープでどっしりとしたベースラインを中心に展開されるメランコリックソング。サウンドに呼応するかのように「憂鬱そうなビジネスマン」なるフレーズも登場。安室 奈美恵の歌声には揺れるような質感のエフェクトがかけられている。
13 ASKING WHY

「ゆらりと宙を舞う」ような浮遊感を感じるポップソング(0:42〜)揺らめく牧歌的な電子音がどこか口笛のような質感で鳴り響き(1:04〜)タイトなドラムの登場と共にサビに突入するがサビのボーカルラインは「少し沈んだ」ようなメロディーを奏でるというマニアックな展開(3:26〜)「透明な雫が降り注ぐ」ようなピアノサウンドが曲に透明感を与え一気に熱量を高める。
14 GIVE IT A TRY

清々しい孤独を感じるバラード。物悲しいピアノが中心となるサウンドで「誰もいない夜の公園」のような雰囲気がある。歌詞の内容は「人に心を許している自分にびっくりしつつも、ずっと一緒にいようと願う」という内容である。

前作「Concentration 20」は90年代オルタナ的なエッジを感じるアルバムであったが今作は「宙を舞うような電子音」を大胆に導入しており多くの曲でメランコリックな雰囲気を感じる事ができる。 おそらく和製R&Bを意識していると思われるボーカルラインのメロディーは全前作・前作と比べてどこかマニアックな響きがあると感じる。TKブームの終焉、宇多田ヒカル・椎名林檎・MISIAなどの新感覚

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ブラックミュージック・オリエンテッドであった前作から大胆にサウンドチェンジさせた3rdアルバム。

同じく97年にリリースされた「FACES PLACES / globe(グローブ)」と共振する「オルタナ・グランジ的な響き・質感」を大胆に反映させた作風となっており、オープニングソングである「1 Concentration 20 (make you alright)」などはイントロを聴いた時点では「これは本当にアムロの曲なのか?」と疑うレベルである。

シングルカットされた「6 a walk in the park [Remix]」「12 How to be a Girl [STRAIGHT RUN]」などは「ブラックミュージック的なディープさ」と「オルタナ的な壊れた質感」が見事に掛け合わされており、当時の小室哲哉は相当に90年オルタナ・グランジに傾倒していたと思われる。

    「要点」

  • FACES PLACES / globe(グローブ)」と共振する「オルタナ・グランジ的な響き・質感」を大胆に反映させたアルバム
  • 6 a walk in the park [Remix]における「a」は「amuro」の「a」だと今気づいた

「曲解説」

1 Concentration 20 (make you alright)

「暗号」のような質感の歪んだギターリフと「暴風雨」のようなノイズが空気を支配するハードなオルタナチューン。イントロを聴いた段階だと「本当にアムロの曲なのか?」と疑いたくなる程に前作からの変化を感じるサウンドであり、サビのボーカルラインもどことなくニルヴァーナ(Nirvana)的なエモーショナルを放っている。最後は「狂騒」のようなノイズサウンドがパタリと止まり「ガラス」のような質感のミニマムな電子音だけが静かに鳴り響く。
2 B w/z you

「縮れたビーム」のような電子音と「不穏な影」のような音響が印象的なトラックに乗せてアムロがしっとりした歌声で歌い上げるバラード。「1 Concentration 20 (make you alright)」ほど露骨ではないが全編を通してロック的なエッジを感じる事ができる。終盤では「空間を彷徨う黒い影」のような質感のノイズギターが鳴り響き曲をカオスにしている。
3 Close your eyes, Close to you

「メタリックな質感のうねる波のような重低音」と「ネオンカラーの電子音」が印象的なハウスチューン。中盤以降は一番遠くでノイズギターが鳴り響き曲にロック的なエッジを与えている。
4 Me love peace !!

「海辺に一人で佇む」ようなセンチメンタルを感じるレゲエ調の曲。サビのボーカルラインは「グランジアーティストを彷彿とする言葉のリフのようなハードなパート」と「メロディックでポップなパート」という2部構成になっている(3:20〜)「素敵な別れ」のような晴れやかさをもつ電子音が登場、その後は気怠い音響のノイズサウンドが曲にミステリアスな印象を与える。
5 No Communication

メタリックでカラフルな電子音と「雨雲」のような質感のベースラインの対比が印象的な曲。この曲でも随所に歪んだギターサウンドが挿入される為、前向きなポップさの中にも不穏さを感じる。
6 a walk in the park [Remix]

「深夜徘徊」のようなダークさをもつニューウェイブソング。イントロなどで聴く事ができる「終わらない螺旋階段」のような キーボードのループは非常に中毒性があり何度でも聴いていられる。サビは「一気に感情を解き放つ」ような開放感があり、 ボーカルの裏では何重にも重ねられた歪んだギターサウンドが鳴り響く。鳴っている音こそ全く違うが、このサビでの爆発はUSグランジ的と言っていいと思う。あとタイトルの主語である「a」は「amuro」の「a」だと思われる。
7 To-day

「眠れない夜」のようなディープさと気怠さをもつ曲でミステリアスに規則正しく鳴り響く電子音はオリエンタルな耽美を感じる。 終盤は「思い出したくないシーン」のような質感の歪みギターサウンドが脳内をグシャグシャとかき乱す。
8 Storm

「チープな西部劇」のようなミニマムな音響がループされるファンキーな曲。「急ぎ足」のようなラップと面白いテンポ感のボーカルラインが印象的。作詞作曲はなんと「m.c.a.t」。
10 CAN YOU CELEBRATE? [Remix]

「卒業式」のような晴れやかさと「1人で都会に佇む」ような孤独を同時に感じる大ヒットソング。ゴスペル風のコーラスがサビのボーカルラインに花を添え「全てを包み込む優しい風」のようなストリングスが全ての負の感情を浄化してくれる。
12 How to be a Girl [STRAIGHT RUN]

「ケミカル・ブラザーズ(The Chemical Brothers)」のようなハードなブレイクビーツとオルタナロックのような質感が印象的なハードチューン(3:03〜)「空に浮かぶ黄金の城」を連想するサイケなギターソロが登場。ギターソロ以降はこれまで以上に壊れた質感のギターサウンドが強度を増し、最後はアシッドハウス的なスライムビートが淡々と鳴り響く。

ブラックミュージック・オリエンテッドであった前作から大胆にサウンドチェンジさせた3rdアルバム。 同じく97年にリリースされた「FACES PLACES / globe(グローブ)」と共振する「オルタナ・グランジ的な響き・質感」を大胆に反映させた作風となっており、オープニングソングである「1 Concentration 20 (make you alright)」などはイントロを聴いた時点では「こ

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