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live at the indoor
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検索結果75件

タグ「J-ロック」のレビュー

ルナシー(LUNA SEA)史上最もスレイヴ(彼らの熱心なファン)の中で賛否両論を巻き起こした問題作「SHINE」。

「1 SHINE」のサウンドを一言をで言うと「煌びやかな光を感じるタイトなポップパンク」という趣であり普通に良い曲である。だがしかし、ルナシー(LUNA SEA)というアーティストにおいてはこの「真っ当な光(SHINE)」は当時明らかにNGな質感であったのである。メンバーもおそらくリリース後の反響を受けて「リリースするのが早かった」と感じたことだろう。

要は俗な言い方をするとファンが彼らについていけなかったのである(筆者も含めて)

世界の音楽シーンと同時進行で「元祖オルタナ的な尖りきったサウンド」でインディーズシーンに登場した彼らには、既存の音楽シーンに対して「常にカウンターであり続けないといけない」というある種の強迫観念が常につきまとった。異端なアーティストが既存のシーンに対してカウンターを浴びせ時代の寵児になるまでのストーリーは実に美しくカリスマ的であり、また当時の音楽ビジネスの主流であったタイアップを拒絶した「孤高のスタンス」もコアで内向的なロックキッズには魅力的に移った。

94年~96年にかけての3年間はルナシー(LUNA SEA)の絶頂期であった。この3年間はまさに「神の時期」で自分たちのやりたい事と「内向的な激しさ」を求めるコアなロックキッズとの間で完璧にニーズが合致した。だがこの完璧なバランスを保つのは色んな角度から見て不可能に近く、彼らは96年に傑作アルバム「STYLE」をリリース後に活動休止に入った。

ただでさえ「先が見えない」から活動休止した訳であるが、彼らは活動休止中も各々5人5様のソロ活動を精力的に行いあらゆる刺激を吸収していった。またボーカルのRYUICHIは本名の河村隆一名義で300万枚のアルバムセールスを達成。河村隆一が在籍するバンドとして音楽にさして興味がないような中高生にも認知されるバンドとなってしまった。

■常に変化するルナシー(LUNA SEA)

■ダークで耽美的で実験的なサウンドを求めるコアなロックキッズ

■河村隆一的なものをルナシー(LUNA SEA)に求める世間・レコード会社

このような迷路的状況になってくるとまさに八方塞がり状態で何をやっても「以前より良くない」という評価にしかならないのは明白で筆者も本作がリリースされ始めて聴いた時は率直に言って「これは何かの間違いだ」と思った。そう、彼らの作り出した「独自のサウンド」は90年代に多数のフォロワーを生み出し当時のロックシーンで完全にブランド化されていたのである。要するに異端から頂点に上り詰めたカリスマブランドはそのイメージから逸脱したイメージを打ち出すことは極めて困難であるという事だ。

当時の彼らにとって最も簡単な選択はファンが求めるルナシー(LUNA SEA)サウンドに河村隆一的なエッセンスを僅かに追加することである。だが彼らはこのカオスな状況においても不器用なまでにこれまで同様に普通に「変化した」。鳴っている音はこれまでのサウンドと比べると非常にポップ感が強く戸惑いも大きかったのは確かだが「何も変わらないスタンス」を貫いた。この作品のリリースがなければ現在のルナシー(LUNA SEA)は存在していないといっても過言ではないほどにチャレンジ精神のある作品であると思う。

大人になった今なら分かる。

    「要点」

  • 賛否両論を巻き起こした問題作
  • 不器用にこれまで通り変化したサウンド

ルナシー(LUNA SEA)史上最もスレイヴ(彼らの熱心なファン)の中で賛否両論を巻き起こした問題作「SHINE」。 「1 SHINE」のサウンドを一言をで言うと「煌びやかな光を感じるタイトなポップパンク」という趣であり普通に良い曲である。だがしかし、ルナシー(LUNA SEA)というアーティストにおいてはこの「真っ当な光(SHINE)」は当時明らかにNGな質感であったのである。メンバーもおそらく

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1stアルバムから僅か半年あまりの短い期間でリリースされた2ndアルバム。

「最初からやりたい音楽が明確」で一切の迷いがないサウンドの強度を更に高めた内容となっており「2 Naked Desire(THE ENTERPRISE MIX)」「3 Moonshine Dance(THE ENTERPRISE MIX)」など曲はサウンド・歌詞の内容共に過剰に過剰を重ねたテイストとなっているが、色んな意味でバランス重視が多い日本のアーティストの中でアクセス(access)がもつある種の偏りは大きな個性であると言える。この2曲がシングルカットされヒットしているところを見ると世間がアクセス(access)に求めるモノはこの過剰さなのかもしれない。

「6 Lyin’ Eyes(THE ENTERPRISE MIX)」では貴水 博之(vo)によるラップも披露されるが、全くと言って言い程にヒップホップのテイストを感じない独自なものとなっている。また貴水 博之(vo)は作詞でも「謎解くアイランド」「迷うラビリンス」などの言葉のチョイスでセンスを発揮している。

    「要点」

  • バランス重視が多い日本のアーティストの中でアクセス(access)がもつある種の偏りは大きな個性であると言える
  • 貴水 博之(vo)は作詞でも「謎解くアイランド」「迷うラビリンス」など言葉のチョイスでセンスを発揮

「曲解説」

1 Night Wave(ORIGINAL AXS VERSION)

ド派手なサビのボーカルラインに乗せて「終わらない夜」について歌った曲。チカチカと眩しい質感のビートはまるで「夜空に輝く星々」のようだ。ギターサウンドは「歪んだ音」と「クリーンな音の断片」が随所に挿入される。
2 Naked Desire(THE ENTERPRISE MIX)

「高層ビルの屋上から見下ろす夜景」のようなゴージャス感があり、ここまで装飾感のある派手なコード進行で攻めまくる曲はバランス感を大事にする日本のアーティストの中ではレアであると感じる。歌詞の中に「グラビアのあなたに追いつきたい」なる歌詞があるが、これは暗に芸能人同士の派手な恋の事を歌っているのだろうか?!一般人の恋愛では「月や星が嘆く」ことは考えられないハズだ。
3 Moonshine Dance(THE ENTERPRISE MIX)

「Moonshine Dance」というフレーズだけを見るとV系的だが、アクセス(access)らしいゴージャスでハードロックな熱さを感じる曲。歌詞も「ディスティニー(destiny)」「エタニティー(eternity)」「銀の矢」などのゴージャスでキザな言葉が盛りに盛られて登場する。「2 Naked Desire(THE ENTERPRISE MIX)」にも共通するが、このバランスを取らない過剰さはある種、日本人離れした感覚であると感じる。(2:48〜) 蒸せるような熱さを感じる早弾きギターソロから揺らめくプログレ的シンセサウンドが登場。
4 I Sing Every Shine For You

アコースティックギターとストリングスを導入した「真っ白な空間」のようなイメージのバラード。サビは貴水 博之(vo)の高音を活かしたボーカルラインとなっておりシンプルな言葉で熱い思いを歌っている。アクセス(access) サウンドに欠かせない「強風」のようなギターサウンドが熱いサビをしっかりとサポートしている。
5 Jungling Party

浮遊感のあるテクノポップをバブリーに再構築したようなダンスチューン。貴水 博之(vo)の歌声にはシャープなキレがあり言葉チョイスのセンスには非常に個性がある。「謎解くアイランド」「迷うラビリンス」などのフレーズはそう出てこないだろう。(2:30〜)パーカッショナルなビートが「原子の宴」のようなムードを醸し出しその後は「空を舞うようなギターソロ」が鳴り響く。
6 Lyin’ Eyes(THE ENTERPRISE MIX)

「二日酔い」のような揺らめきを感じるシンセポップ。浅倉大介のキーボードサウンドは少ない手数で貴水 博之(vo)の歌声を煌びやかに引き立てるようなイメージだ。(1:33〜)「迷うラビリンス」的な質感のキーボードソロがミステリアスに響き渡る(3:04〜,4:37〜) 歯切れのよいラップが披露され歌詞の一部に放送禁止の「xxx(ピー)」が挿入される。ラップではあるが全くと言って言い程に「ヒップホップテイスト」がしないあたりが面白い。
8 ENDLESS SUMMER 〜君が滲んだ夏〜

「ノスタルジーな夏の恋」を回顧するしっとりしたテクノポップバラード。全てのフレーズから「中国の大河」を連想する旋律を感じる事ができる。
9 Marmalade Days

「浮遊感のある音響」と「しっかりと地を踏むようなリズム」が対照的なポップソングで「電車」「会社の話」などという日常的なワードと「砂漠の果て」というワードが違和感なく溶け込んでいる不思議な歌詞を持つ(2:18〜)唐突に「アダルトなバー」のような雰囲気を感じるジャズサウンドが挿入される。
10 Juliet

マッハのスピードを感じるエレクトロチューン。マッハな音響とは対照的にリズムアプローチは「巨人の足跡」のように「ズシッ,ズシッ」 と非常にスローである。またシンセサウンドは不穏なダークさを感じるものとなっており、海外のEDMアーティスト/アンダーワールド(Underworld)のような「悩めるダンスミュージック」的な質感のサウンドとなっている。
11 S-MILE Generation

ディレイをかけたギターサウンドを導入しており「大空」のような開放感をもつ曲。時折挿入されるキーボードサウンドは相変わらずド派手であり、 ギターソロの後には「ダイヤモンド」のようにチカチカするソロパートも用意されている。

1stアルバムから僅か半年あまりの短い期間でリリースされた2ndアルバム。 「最初からやりたい音楽が明確」で一切の迷いがないサウンドの強度を更に高めた内容となっており「2 Naked Desire(THE ENTERPRISE MIX)」「3 Moonshine Dance(THE ENTERPRISE MIX)」など曲はサウンド・歌詞の内容共に過剰に過剰を重ねたテイストとなっているが、色んな意味

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ゴージャスなシンセポップをヘヴィメタル・ハードロックな熱量で再構築したようなイメージの曲が目立つ1stアルバム。ファーストアルバムの時点でここまで「やりたい音楽」が明確なグループは非常にめずらしいと感じる。

ユニークな高音を持つ貴水 博之(vo)の歌声は一度聴いたら頭から離れない類のものであり、プロデューサーである浅倉大介が彼をパートナーに選んだのも納得である。

本作を聴くまではアクセス(access)サウンド=「シンセ・キーボードで埋め尽くされたデジタルデジタルしたサウンド」をイメージしていたのだが、ほとんど全ての曲で「強風」のようなギターサウンドを導入しておりロック的なパワフルさを感じるサウンドとなっている。ラストソング「11 Look-a-head」に関してはスラッシュメタルもびっくりのハイスピードを体感できる。

    「要点」

  • ファーストアルバムの時点で「やりたい音楽」が明確なグループ
  • ほとんど全ての曲で「強風」のようなギターサウンドを導入

「曲解説」

1 Sensual Glide

「頭上をクルクルと回る」ようなシンセサウンドが印象的なシンセロック。立体的で潤ったシンプルなビートと「強風」のようなギターサウンドが曲にロックな力強さを曲に与えており(2:34〜)ハードロック的な叙情性を感じるギターソロまで登場する。
2 VIRGIN EMOTION

バブリーでゴージャスな雰囲気を醸し出すハードなシンセロック。この曲でもやはり「強風」のような質感のギターサウンドが鳴り響き曲に疾走感を与えている(2:27〜)「遠い地へワープできる渦巻き」のようなプログレ的なシンセサウンドが登場、その後は「雨後の街」のような質感のピアノフレーズが挿入される。
3 Pale Blue Rain

「雨の日」のような湿り気を感じるロックバラード。序盤は物悲しいピアノ風シンセサウンドと「懐かしい日々」のような質感のストリングスを中心にしっとりとした展開(2:34〜)空間を包み込むようなギターサウンドの登場と共に曲は一気に熱量を高め、そのまま泣き系のギターソロに突入。終盤は「強い風が過ぎ去った後」のような静けさの中「独り言」のようなピアノが鳴り響く。
4 JEWELRY ANGEL (DEEP AXS MIX)

ディープで立体的なビートと「ギターリフ」を思わせる浅倉大介のキーボードサウンドが印象的で曲を通してゴージャスなナルシズムを感じる曲(2:55〜)「おもちゃ箱をひっくり返した」ようにカラフルでポップなサウンドが次々と飛び出しアクセントとなる。
5 Distance 〜求め合うには遠すぎて〜

ノスタルジーと「曇り空」のようなどんより感を感じるロックバラード。B’zの名バラード「もう一度キスしたかった」のように映画のような映像が見える曲である。
7 Against The Rules

曖昧な記憶を辿ってハッチャけた昨日の夜を思い出すようなジャンクソング。「縮れた音の断片」が次々と現れ「クラブの狂騒」を思わせるが憂鬱な質感の「不穏なシンセサウンド」は「本当は真面目だけど無理している俺」のようなイメージである。
9 Be Nude

「南国」のような開放感を感じるサビが印象的なポップチューン。「スライムのようなベースライン」「トロピカルな質感のギターソロ」などインパクトのある音を中心にコンパクトにまとめられている。
11 Look-a-head

「舞空術で空を飛んでいるZ戦士」を連想するハードなシンセロックでハイスピードを感じる曲となっている。歌詞の中に「フリーザ」というワードが登場して一瞬ドキッとする。「just you access」「give me access」というフレーズを頻繁に繰り出している為、「access」のテーマソングのような立ち位置の曲であると思われる(3:00〜)「名作RPGゲームの戦闘シーン」を思わせるテクニカルで流れるようなキーボードソロが登場、ソロの後半はギターとユニゾンしメロディック・ヘヴィメタル的な旋律を奏でる。

ゴージャスなシンセポップをヘヴィメタル・ハードロックな熱量で再構築したようなイメージの曲が目立つ1stアルバム。ファーストアルバムの時点でここまで「やりたい音楽」が明確なグループは非常にめずらしいと感じる。 ユニークな高音を持つ貴水 博之(vo)の歌声は一度聴いたら頭から離れない類のものであり、プロデューサーである浅倉大介が彼をパートナーに選んだのも納得である。 本作を聴くまではアクセス(acce

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「FAKE STAR」を自称する黒夢らしい「強烈な我流」を感じるデジタルパンクアルバム。

本作に収録されてる「7 REASON OF MY SELF」の歌詞にもあるようにまさしく「昨日いた場所、立つのを拒んでいる」という内容となっており、前作「feminism 」に収録されていた「カマキリ」のようなパンク・ハードコアテイストの曲が多く収録されている。またヒデ(hide)やバクチク(BUCK-TICK)からの影響を感じられる「インダストリアルな歪み」も多くの曲で導入されておりサイバーな質感がある。

歌詞はサウンド以上にぶっ飛んでおり現在だとリリースが難しいと思われる生々しい音楽業界批判も数曲で歌われている。反抗期における少年のフラストレーションに同調してくれるメッセージが圧倒的に不足していた90年代半ばにおいて、この反逆と言っていい尖った歌詞は非常に存在感があった。

「静寂」を感じるエンディングにうってつけの曲「15 夢」の後にぶっ壊れた「16 H・L・M」 is ORIGINAL」を配置するあたりは正に「FAKE STAR」。

    「要点」

  • 「強烈な我流」を感じるデジタルパンクアルバム
  • 現在だとリリースが難しいと思われる生々しい音楽業界批判

「曲解説」

1 Noise Low3

「情報過多」のようなインダストリアルノイズが「テレビ画面に映る砂嵐」のようにザラついた質感で鳴り響くインスト。攻撃的音響とは対照的に人時(b)のベースラインは「砂時計」のように淡々と時を刻む。
2 FAKE STAR

前作「feminism」に収録されていた「カマキリ」に近い質感のサウンドを聴かせるデジロック風のパンクチューン。洋楽アーティストのモノマネになる位なら「FAKE扱い」されても構わないと高らかに宣言し、また商業主義な音楽業界をバッサリと切り捨てている。最後は「狂い果てた後」のような清春(vo)のシャウトが炸裂する。
3 BEAMS

1曲目2曲目の暴れっぷりが嘘のようにスペーシーな浮遊感を感じるポップソング。歌詞の内容は「自身の無神経な一言に対する後悔」と鮮やかな彼女についてであり、パンクな反抗ソング「2 FAKE STAR」の歌詞を書いた人物が書いたとは思えない少しメルヘンな内容となっている。
4 BARTER

高速のエレクトロビートが終始リフレインされるインダストリアル風ロックチューン。「詞は誰に書かせようか?」「二番煎じあたるから」など、やりすぎな音楽業界批判を展開している。
6 SEE YOU

冷たく耽美的なV系ソングをポップパンク化したような曲。歌詞はエモく「長い片思いの終わり」をテーマにしているが、内省的な内容ではなく「恋の終わり」=「卒業」と捉え未来に向けて一歩踏み出そうという前向きなものとなっている。
7 REASON OF MY SELF

「深夜徘徊」のようなダークさと足音を感じるサウンドをもつ曲であり、歌詞は「遠回りしてもしてもいいから自分たちのやりたい事をやっていく」と決意表明するような内容となっている。「昨日いた場所、立つのを拒んでいる」という歌詞からは「常にオリジナルでいたい」という強烈な熱量を感じる。
9 SEX SYMBOL

「砕けたグラス」のような質感のミニマムな歪みギターリフがリフレインされ「畳み掛ける」ようなテンションで展開されるエロい系パンクソング。間奏部では「行為後」のような脱力感と「嘲笑」のような清春の笑い声が虚しく響くパートが挿入されアクセントとなっている。
10 Cool Girl

「ドッドッドッドッ」という「大きなドット」のような人時(b)のベースが存在感を放つ曲。コード進行はニルヴァーナ(Nirvana)的な混沌とした質感で歌詞は「9 SEX SYMBOL」同様にエロい系である。サビでは「Cool Girl」というワードに呼応するかのように「炭酸飲料」のような清涼感を感じるシンセサウンドが挿入される。
11 S.O.S

ローファイな質感の低音と「疾風」のようなシンセサウンドを中心に展開されるデジタルパンク。イントロとアウトロで登場する透明でエッジのたった電子音は規則正しく「ミステリアスな記号」のように鳴り響き非常にインパクトがある。「悪趣味な君は僕がFavorite」という歌詞は「Sなのか?Mなのか?」もはやよく分からない。
14 ピストル

ミニストリー(Ministry)彷彿の強烈な歪みをもつインダストリアルなイントロから「極彩色の部屋」のような質感のカラフルなポップソングに転調するインパク大の曲。「疾風」のような電子音が部屋の中を駆け巡りデジタルな質感を曲に与えている。歌詞は壊れた内容で「壊れていく、撃ち殺せないピストル」についてである。
15 夢

極限までそぎ落とされた音数で展開される「誰もいない真っ白なベッド」のような哀愁を感じるメランコリックなバラード。壊れた質感のサウンドが多いアルバムの中で「安堵の時間」と言える静寂が存在し、清春の歌声は「本当の俺」のような素顔感がある。
16 H・L・M」 is ORIGINAL

「15 夢」という最後にピッタリな曲の後に用意されている「壊れたルービックキューブ」のようなマニアックな歪みチューン。清春のボーカルラインは呪文風でオリエンタルな浮遊感を感じるものとなっている。カラフルでバグった電子音が所狭しと自由に踊り、リスナーの頭を心地よく混乱させる。

「FAKE STAR」を自称する黒夢らしい「強烈な我流」を感じるデジタルパンクアルバム。 本作に収録されてる「7 REASON OF MY SELF」の歌詞にもあるようにまさしく「昨日いた場所、立つのを拒んでいる」という内容となっており、前作「feminism 」に収録されていた「カマキリ」のようなパンク・ハードコアテイストの曲が多く収録されている。またヒデ(hide)やバクチク(BUCK-TIC

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前作・前々作同様に様々な音楽的要素をラルクサウンドに反映させているアルバムであり、サックスやピアノ、ホーンセクションを大胆に活用して「渋みのあるジャジーなテイスト」や「カラフルで弾けたポップネス」を曲に反映している。

「1 SEVENTH HEAVEN」「12 Hurry Xmas」などは共にアルバム「True」に収録されていても不思議ではない弾けた質感をもっているし、またエレクトロニカやアンビエントミュージックからの影響を感じられる「冷たくクリアーな質感のサウンド」も登場してこれまでとは違う空気感を演出している。

前作・前々作では割とラフでストレートなサウンドを鳴らしていたken(g)がラルクの代名詞とも言える輝きに満ちたディレイサウンドを聴かせてくれるので、90年代の王道ラルクサウンドが好きなリスナーにとっても入っていきやすいアルバムとなっている。

    「要点」

  • 「渋みのあるジャジーなテイスト」「カラフルで弾けたポップネス」が印象的
  • 90年代の王道ラルクサウンドが好きな人も入っていきやすいアルバム

「曲解説」

1 SEVENTH HEAVEN

アルバム「True」に収録されている「2 Caress of Venus」とも共通するカラフルな光を感じるアッパーなダンスロックチューン。hyde(vo)のボーカルラインは「ラップ」のように歯切れが良くこれまでにはないフィーリングを感じさせ、ギターサウンドは「衛星」のように空間を彷徨っている。
2 Pretty girl

「二日酔い」のようなルーズさがあるロックチューン。ポップなタイトルとは裏腹にビンテージな質感を持つシンプルなギターリフがリフレインされる渋い曲だが、サビの裏ではカラフルなサックスが踊るというポップ職人「ラルク」らしい展開を見せる。hyde(vo)の歌声は低音が強調されたダンディーなテイストのものとなっている。
3 MY HEART DRAWS A DREAM

ken(g)得意のディレイサウンドが「夜空の星々」のように輝く曲。全体を通して「霧」のような透明感があり全てのパートがクリアーに響き渡る。終盤はミニマムでアンビエントな質感のピアノがループされ「冷たい雨」のように降り注ぐ。
4 砂時計

「蜃気楼」のように揺らめくken(g)のディレイサウンドがリフレインされる幻想的な曲(1:24〜)「ガザッ」という唐突なブラッシングノイズとパンチの効いたドラムの連打が挿入されて清涼感のあるクリアーなサビに移行する。終盤は「精神と時の部屋」のような真っ白な空間を思わせるストリングスをバックにアグレッシヴなバンドサウンドが鳴り響く。
5 spiral

「ハリネズミ」のようなインダストリアル・ビートが印象的で密室のような雰囲気の曲で電子音や歪んだギターサウンドが次々と現れ不穏に鳴り響く。終盤はスローなBPMではあるが非常に疾走感を感じるサビが繰り返しリフレインされる。
6 ALONE EN LA VIDA

「ラテン」な異国感と哀愁の風を感じるオーガニックソング。「優雅なストリングス」「小雨のようなスパニッシュギター」を中心に展開される。時折、登場するken(g)のリードギターは「夕暮れを羽ばたく鳥」のように自由である。
7 DAYBREAK’S BELL

「内省派エモバンド」のような透明なギターサウンドと「雫」のようなメランコリックなピアノが絡まるサウンドが「梅雨」のような湿り気と透明感を演出するジャジーな曲。(1:13〜,2:18〜,3:18)サビのボーカルラインは歌謡テイストが強く「川」のように滑らかに流れる。
8 海辺

ヘヴィな歪みと冷たいピアノサウンドの共存が印象的な曲。タイトルとは裏腹に「実験室」のようなダークさがあり(2:47〜)ギターソロはテクニカルなヘヴィメタルフレーズのようだ(3:35〜)これまでのダークさが嘘のように「晴れ渡る空」を連想する爽やかなパートが挿入されるが、それもつかの間すぐに元のダークなサウンドに戻る。終盤はダークなサウンドに「斜陽」のようなken(g)のギターサウンドが僅かな光を差し込む。
9 THE BLACK ROSE

ミニマムミュージックの巨匠「スティーヴ・ライヒ」を思わせるミニマムなピアノの連打で始まるジャジーなヘヴィチューン(0:50〜,1:54〜,2:48〜)サビではhyde(vo)らしい伸びやか高音を活かしたボーカルラインの裏で透明感溢れるピアノが舞い、サビの後はヘヴィなバンドサウンドと並走する形で「渋みのあるワイン」のようなホーンセクションが鳴り響くレアな展開を見せる。
11 雪の足跡

天から降り注ぐ光をスポットライトにしてhyde(vo)がしっとりとエモーショナルに歌い上げるバラード。ローファイな質感のドラムと重厚なバイオリンを中心に構成される曲でありラルクのバラードの中でも指折りにシンプルな構成をもつ曲ではあるが、リスナーにノスタルジーな冬の景色を連想させる。
12 Hurry Xmas

アルバム「True」に収録されていても不思議ではない弾けたポップソング。クリスマスのワクワク感を表現しているようなストリングスとカラフルなホーンセクションが終始曲をリード(1:35〜)ギターソロは「Xmasプレゼントに添えられた花束」のような華やかさがあるジャジーなテイスト。またポップネスの権化のような歌詞から「ラルク」や「ロック」という殻を打ち破ろうとするチャレンジ精神を感じる。

前作・前々作同様に様々な音楽的要素をラルクサウンドに反映させているアルバムであり、サックスやピアノ、ホーンセクションを大胆に活用して「渋みのあるジャジーなテイスト」や「カラフルで弾けたポップネス」を曲に反映している。 「1 SEVENTH HEAVEN」「12 Hurry Xmas」などは共にアルバム「True」に収録されていても不思議ではない弾けた質感をもっているし、またエレクトロニカやアンビエ

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