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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果75件

タグ「J-ロック」のレビュー

グランジロック的なダーティーな質感をTKサウンドに反映した2ndアルバム「FACES PLACES」から約1年後にリリースされた3rdアルバム。

前作ほどではないがギターサウンドを多くの曲で導入しており、エレクトロサウンドに「90年代US/UKギターロックからの影響」を反映させている。サビで「華やかに弾けるボーカルライン」はTKサウンドを象徴する重要な要素の一つだが、本作に収録されている多くの曲のボーカルラインは良くも悪くも「これまでとは異なるテイスト」であると感じる。

この「これまでとは異なるテイスト」が「意図したもの」なのか?!それとも「才能の枯渇」によるものなのかは正直、次作以降を聴いてみないとよく分からないが、本作と1st2ndを比べると「ポップ・ミュージックとしてのインパクト」にやや欠ける内容となっている事は間違いない。

本作ではほとんど全ての曲の作詞をTKとマーク・パンサーが共作しており「7 I’m bad」に関してはメインボーカルまでマーク・パンサーが務めており気怠く味のあるボーカルを披露している。独自のラップ・TKに全幅の信頼をよせられる作詞のセンスetc。マーク・パンサーはアーティストとしてもっと評価されるべきなのでは?!

    「要点」

  • ・本作ではほとんど全ての曲の作詞をTKとマーク・パンサーが共作。
  • ・独自のラップとTKに全幅の信頼をよせられる作詞のセンスetc マーク・パンサーはアーティストとしてもっと評価されるべきなのでは?!。

「曲解説」

2 UNDER Your Sky

「盛り上がりそうで盛り上がらない」珍しいボーカルラインをもつ曲。ギターサウンドをフィーチャーしているが、前作「FACES PLACES」のような「ダーティーな歪み」サウンドではなくどこか浮遊感を感じるサウンドとなっている。
3 Love again

「たくさんの人と情報が交錯するオフィス街」のような華やかさと冷たさを感じるエレクトロポップ。歌詞の内容は「過去の恋愛相手が忘れられずにまたハマってしまった」というもので「じゃれてるだけでも時間がすごく経ってる」というラインは恋愛に盲目的な10代の時によく感じる感情である。
4 YOU ARE THE ONE

サンプリングしたファンキーなシャウトを効果風にループさせているトラックが印象的な曲。小室ファミリーの売れっ子たちが集まりレコーディングされており、様々なアーティストのボーカルが堪能できるボリューム満点の曲となっている。歌詞は恋愛ではなく友情をテーマにしていると思われ「古い付き合いで色々あったけど結局憎めない唯一無二なアイツ」の事を歌っている。
5 Nothing ever makes me happy

「内省的なUKロック」のように「どんよりした曇り空」のフィーリングを感じる曲。歌詞は「部屋で一人様々な思考を巡らせてメランコリックな気分に浸っている」というイメージで主人公の精神状態はあまり良好なものではないが、コロナ渦で「孤独が当たり前になった人」が多く発生した現在では、共感できる人が多い歌詞なのかもしれない。
6 two keys

「5 Nothing ever makes me happy」同様に「どんよりした曇り空」のような雰囲気を感じるエレクトロ・ロック。KEIKOのボーカルは得意のハイトーンを活かしたものとなっている。歌詞は「終わったばかりの恋の断片」を振り返り、メランコリックな気分に浸っているというもの。「カラスが空を染めていく」というラインは絶望的な心境を端的に表現している。
7 I’m bad

オルタナティヴロックからの影響をダイレクトに反映したロックチューン。メインボーカルはマーク・パンサーが担当しており気怠く味のあるボーカルを披露している。
10 Open Wide

「チルアアウト」のようなまったりとした雰囲気があるエレクトロチューン。KEIKOのボーカルには一部ボーカロイド的なエフェクト処理が施されている。
11 Wanderin’ Destiny

「真夜中」のようなディープさとスペーシーな浮遊感を感じるヒットシングル。リズムは力強いインダストリアルビートとなっている。歌詞の内容はタイアップされたシリアスなドラマの内容とリンクしており「年の離れた相手に対して秘めていた恋愛感情独白する」ような内容となっている。永遠の友情と愛情を同時に感じる事は、非常にレアであると思われる。「昔から自分の近くにいた人物に対する思い」をテーマにしているのだろうか?!

グランジロック的なダーティーな質感をTKサウンドに反映した2ndアルバム「FACES PLACES」から約1年後にリリースされた3rdアルバム。 前作ほどではないがギターサウンドを多くの曲で導入しており、エレクトロサウンドに「90年代US/UKギターロックからの影響」を反映させている。サビで「華やかに弾けるボーカルライン」はTKサウンドを象徴する重要な要素の一つだが、本作に収録されている多くの曲の

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「1 Anytime smokin’ cigarette (STRAIGHT RUN)」
過去の恋愛に大きな後悔をもつ喫煙者の女の焦燥感をパッケージングした詞の世界観は「やさぐれたテイスト」であり、本来であれば音楽ビジネスの頂点に君臨するモンスターグループがシングルカットするような内容ではないが、2ndアルバム「FACES PLACES」作成時にTKが傾倒していた「グランジ」からの影響をダイレクトに反映している曲となっている。

グランジの音楽的な特徴はザラついたダーティーな音と「ネガティヴィティーをエモーショルに吐き出すボーカル」にこそある。詞の主人公は自らを「落ちている石」と自虐的に形容している。

歌詞の内容は「モラトリアム」であり、なくした過去の恋愛に対して「言われた通りにすれば良かった」と素直に反省している反面、20才を過ぎたと言うのに「ガキのように操られている」状況に対するフラストレーションをブチまけている。また自己完結するだけではなく「色んなルールをもっている同世代の仲間」にも言及している。彼女たちの中では「馬鹿げてる話と車には乗らない」という共通認識があるようだ。

この曲で聴けるKEIKOのボーカルはテクニックよりエモーショナル重視となっており、歪んだギターサウンドはあまり登場しないこの曲に「グランジロック」のようなダーティーなエッジを与えている。

    「要点」

  • ・ 過去の恋愛に大きいな後悔をもつ喫煙者の女の焦燥感をパッケージングした詩の世界観は「やさぐれたテイスト」。
  • ・「色んなルールをもっている同世代の仲間」にも言及、彼女たちの中では「馬鹿げてる話と車には乗らない」という共通認識があるようだ。

「1 Anytime smokin’ cigarette (STRAIGHT RUN)」 過去の恋愛に大きな後悔をもつ喫煙者の女の焦燥感をパッケージングした詞の世界観は「やさぐれたテイスト」であり、本来であれば音楽ビジネスの頂点に君臨するモンスターグループがシングルカットするような内容ではないが、2ndアルバム「FACES PLACES」作成時にTKが傾倒していた「グランジ」からの影響

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ニルヴァーナやUSグランジのから影響を反映させたグローブ(globe) の傑作2ndアルバム。

「誰かに依存したい気持ち」を赤裸々に吐き出している「3 FACES PLACES」人間の暗部を当時の流行であったプリクラに絡ませて描いている「10 a picture on my mind」など、生々しい感情を言語化し歌詞にしている点が大きな特徴である。

サウンドはグランジからの影響を見事にTKサウンドに反映させており、ポップ・ミュージックとしてのクオリティーを落とす事なくロック的な「ダイナミズム」を曲に反映させている。「売れたらいいな」ではなく「売れなくてはダメ」という強烈なプレッシャーの中で制作されたアルバムではあるが、本作に関しては一部の曲を除いては「ナチュラルにTKがやりたい事をやっている」作品であるという印象をもつ。

本作はTKプロデュース作品の中でも最も90年代のグランジロックに接近している異色作と言えるのではないだろうか。

    「要点」

  • ・ニルヴァーナやグランジのからの影響を反映させた異色作。
  • ・ポップ・ミュージックとしてのクオリティーを落とす事なくロック的な「ダイナミズム」を曲に反映させている。

「曲解説」

2 DEGENERATE

「真夜中のオフィス街」のような冷たい音響とミニマムな電子音のループが印象的でKEIKOとマーク・パンサーによるラップも披露されるアッパーチューン。曲を通して「弾けたい気分だけど、あえてクールを装っている」ような冷静さを感じさせる。
3 FACES PLACES

グランジロックをグローブ(globe)流にアレンジしたような曲で「濁った水」のような歪んだギターサウンドを大胆にフィーチャーしている。歌詞は「赤裸々」という形容がよく似合う内容となっており「恋愛や異性に依存しないと生きていけない女の痛々しい叫び」のようだ。この曲で聴けるKEIKOのハイトーンボイスは鬼気迫るものがある。
4 Is this love

「都会の狂騒を抜け出した」ような開放感を感じるバラード。歌詞は考えさせられる内容で「物事がうまく進まない状況」「変わり続ける時代」「答えは明日また変わる」だけど「優しい人が好き」なんだと独白する。
6 a temporary girl

「空を飛んでいる」ような浮遊感とオリエンタルな音響が心地よいテクノポップ。歌詞は「ふとした時に頭に思い浮かんだ言葉を無造作に並べた」ようなものとなっており新鮮だ。歌詞に「この頃、やさしい曲が好き」というフレーズが登場する。この頃の小室哲哉は激務とストレスから癒しを求めていたのであろう。
7 Because I LOVE the NIGHT

ミニマムなギターリフが印象的でグランジからの影響をポップソングに反映させている曲。歌詞はファンキーな内容で世紀が変わるまでの後4年間で「やれる事をやっておこう」という内容。サビの中に「どこか飛んでいったり」「健康でいたいから」というワードが同居している点がとてもユニークだと思う。
10 a picture on my mind

「深夜」のようなディープさと暗さを感じるグローブ(globe)流グランジ。歌詞は「人の中に紛れて表面的には楽しく振舞っているけど本当は1人になるのが怖いだけの弱い自分」にスポットを当てたディープな自問自答。プリクラを歌詞の世界観と絡めている点がなんとも心憎い。
11 FACE

「持て余している激情」を美しいメロディーにのせて吐き出す代表曲。サウンドは浮遊感を感じるディレイギターとアーバンなピアノが主となっているが「激しくエモーショナルなギターロックの名曲を聴いた後」のようなヒリヒリ感を感じる。「バス停でおしゃべりしている学生」と「悩みしかない自分」を比較している歌詞が秀逸である。
12 Can’t Stop Fallin’ in Love

「いつもは指輪を外していたのに」「人には話せない、誰かに話したい」というラインが「不倫」を連想する名バラード。「正義も勝てないこの世で一つ」の愛(LOVE)について語るマーク・パンサーのラップは名演である。

ニルヴァーナやUSグランジのから影響を反映させたグローブ(globe) の傑作2ndアルバム。 「誰かに依存したい気持ち」を赤裸々に吐き出している「3 FACES PLACES」人間の暗部を当時の流行であったプリクラに絡ませて描いている「10 a picture on my mind」など、生々しい感情を言語化し歌詞にしている点が大きな特徴である。 サウンドはグランジからの影響を見事にTKサウンド

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「1 Tears」
エックスジャパン(X JAPAN)を象徴する「クラシカルで美しいバラードの完成形」と言っても良い曲であり、X時代にリリースされたバラード「ENDLESS RAIN」「Say Anything」とは異なる「どこまでも続く異国の夜空を一人見つめる」ような「圧倒的な静けさ」と「壊れそうな孤独感」を感じる事ができる。

海外進出以降から解散までのエックスジャパン(X JAPAN)は「Longing」「Forever Love」「CRUCIFY MY LOVE」などの名バラードをリリースしているが「全てはこの曲をベースにしているのではないか?!」と思える程のクオリティを誇る曲となっている。

他のレビューでも書いたが海外進出以降のエックスジャパン(X JAPAN)はあまりに複雑な状況の中で(91年以降激変した音楽シーンのトレンド)これまでエックスジャパン(X JAPAN)サウンド以外の音楽的軸を模索する必要があった。ハードチューンの音楽的試行錯誤に関してはアルバム「DAHLIA」に収録されているインダストリアルチューン「SCARS」「DRAIN」などから感じ取れる事ができる。

反面「バラード」に関しては「新たな要素を加える」事ではなく、むしろ「削ぎ落とし」「世界観をよりディープに表現」する事で「これまでの壁」を壊そうとしている印象がある。特筆すべきは「究極の孤独感」をストイックに描いている歌詞であろう。よく知られている事だがエックスジャパン(X JAPAN)のバラードの歌詞に登場する「あなた」とは多くの場合「恋愛関係にある相手」の事ではなく「早世したYOSHIKIの父」の事を指している。X時代のバラードも「消えない傷」「孤独感」をYOSHIKIは言語化して歌詞にしてきた訳だが「Tears」以降は歌詞に登場するワードがよりシンプルになり、装飾感がなくなったという印象を受ける。

「心の傷と向き合う事」は誰でも怖く、ましてやその「痛々しい感情を言語化・音楽化」するなどというのは耐えきれない苦行である。だが「音楽に全てを捧げる」YOSHIKIは心の傷と真っ正面からディープに向き合う事で「これまで(X時代)のバラード」を完全に凌駕する事に成功している。

後期は「エックスジャパン(X JAPAN)=バラード」と言える位にバラードの存在感が増し「ハードなロックアーティスト」という側面が希薄になっていった。だが「純粋に良い音楽」をファンや音楽シーンに届けたいという視点に立った時に、海外進出〜解散までの時期におけるYOSHIKIにとっては「自分の中にある痛々しい感情をダイレクトに音楽化したバラード」こそがエックスジャパン(X JAPAN)の音楽であったのだろう。

YOSHIKIというアーティストは「激情を音楽化する」この1点を誰よりも突き詰めるアーティストである。

    「要点」

    ・エックスジャパン(X JAPAN)のバラードは「全てこの曲をベースにしているのではないか?!」と思える程のクオリティを誇る
  • ・「音楽に全てを捧げる」YOSHIKIは心の傷と真っ正面からディープに向き合う事で「これまで(X時代)のバラード」を完全に凌駕する事に成功

「1 Tears」 エックスジャパン(X JAPAN)を象徴する「クラシカルで美しいバラードの完成形」と言っても良い曲であり、X時代にリリースされたバラード「ENDLESS RAIN」「Say Anything」とは異なる「どこまでも続く異国の夜空を一人見つめる」ような「圧倒的な静けさ」と「壊れそうな孤独感」を感じる事ができる。 海外進出以降から解散までのエックスジャパン(X JAPAN)は「Lo

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「1 Rusty Nail」
これまでのエックスジャパン(X JAPAN)にはないシンセサイザーによる鋭角的なループが印象的なヒットシングル。これまで彼らが得意としてきた「激情で美しいハードチューン」とはやや毛色が異なる質感のサウンドとなっており、誤解を恐れずにいうと「J-ロック的」と言っていい整合性を感じるサウンドとなっている。

91年にアメリカで起こった「グランジ / オルタナティヴムーブメント」はこれまでの音楽業界の潮目を完全に変えた。91年以降「ドラマティックで過剰なサウンド」「テクニカルなヘヴィメタルサウンド」などは「前時代的なダサいモノ」として扱われるようになってしまったのである。奇しくも91年はエックスジャパン(X JAPAN) がアルバム「Jealousy」をリリースして100万枚セールスを達成し、日本のロックシーンにおいて「別格の存在」になった年でもある。

92年にアメリカに渡り「本気でアメリカでの成功」を考えていたYOSHIKIにとって「アメリカ版のパンクムーブメント」と言っていい「グランジ / オルタナティヴムーブメント」は完全に誤算であったであろう。要するにエックスジャパン(X JAPAN)の音楽がもつポジティヴな意味での「過剰さ」が当時のアメリアの音楽マーケットにおいて「明らかにNGな質感」になったのである。

この「音楽シーンの流れ」をビジネスセンスに長けたYOSHIKIが見逃す訳がなかった。

アメリカの音楽シーンの流れを見ながらアメリカ版アルバムのレコーディングを進めつつ、同時に日本の巨大音楽マーケットの存在も気にする必要がある。またアメリカでは「1枚も作品をリリースしていない新人アーティスト」である反面、日本では「海外進出を果たしたカリスマロックスター」であったエックスジャパン(X JAPAN)。当時、ここまで複雑な状況での活動を余儀なくされたアーティストは世界中を見渡してもエックスジャパン(X JAPAN)だけであろう。

本曲の歌詞に登場する「素顔のままで生きて行ければきっと」というラインに当時のエックスジャパン(X JAPAN)の苦悩が端的に詰まっていると筆者は感じる。

    「要点」・誤解を恐れずにいうと「J-ロック的」と言っていい整合性を感じるサウンド。

  • ・YOSHIKIにとって「アメリカ版のパンクムーブメント」と言っていい「グランジ / オルタナティヴムーブメント」は完全に誤算

「1 Rusty Nail」 これまでのエックスジャパン(X JAPAN)にはないシンセサイザーによる鋭角的なループが印象的なヒットシングル。これまで彼らが得意としてきた「激情で美しいハードチューン」とはやや毛色が異なる質感のサウンドとなっており、誤解を恐れずにいうと「J-ロック的」と言っていい整合性を感じるサウンドとなっている。 91年にアメリカで起こった「グランジ / オルタナティヴムーブメン

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