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live at the indoor
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検索結果75件

タグ「J-ロック」のレビュー

「1 SCARS」
イントロの「レーザー光線」のような電子音だけでhideが作曲したという事が分かる曲であり、hideが傾倒していた「インダストリアルロック」の要素をXJAPANのサウンドに大胆に導入している。ちなみにではあるがエックスジャパン(XJAPAN)最後のオリジナルアルバム「DAHLIA」には「SCARS」だけでなく「DRAIN」というインダストリアルチューンも収録されている。

この曲のサウンドの特徴はなんと言っても「ロボットが弾いた」ようにカチッとした無機質でヘヴィなギターサウンドと「素顔」のようなキーで歌われる「メロディックな語り」風のToshi(vo)のボーカルである。歌詞は「苦悩」をテーマにしたものであると思われるが「yoshikiの苦悩」とはまたタイプの異なる「自問自答系の苦悩」をテーマにしている。

「かけ違いのボタンでさえ知らずに奏で続けた」「君の壊れたメロディー二度と交わらず」などの歌詞は、今後のメンバー(TAIJIも含む)に起こる全ての「ネガティヴな現象」を予言しているかのようで恐怖すら感じる。

メンバーの中で誰よりも冷静に物事を見つめるhideは、この頃には既にToshi(vo)の異変に気付いていたのであろう(2:47〜)ギターソロの後に他のヘヴィ系アーティストでは中々聴けない「ただ一人夜の星を見つめる」ような静寂パートが挿入される。「過去の戻らない記憶」に対して祈りを告げるようなイメージの歌詞とは対照的にToshiのボーカルには薄っすらとディストーションがかけられている。

「2 White Poem I (M.T.A. Mix)」
アルバム「DAHLIA」に収録されているオリジナルバージョンを大胆にアレンジしており、サビでは「楽園」のように華やかなハウスミュージックを思わせる展開をみせる。またオリジナルバージョンはマッシヴ・アタック(Massive Attack)からの影響を大胆に反映させた「沈む」ようなメランコリックチューンとなっている。

この時期のエックスジャパン(XJAPAN)は「激情をクラシカルな美旋律に変換して奏でるハードチューン」「美しくクラシカルなバラード」というエックスジャパン(XJAPAN)サウンドにおける2本柱以外の「新たな音楽的な軸」を構築する為に様々な試行錯誤を行なっていた時期なのだろう。

歌詞は「関係が冷めきったカップルの別れ」のようなものとなっているが、おそらくではあるがこれは「当時のバンドの関係性や温度感」の事を歌っているのであろうと思われる。

Yoshikiはこの時点で既に解散は不可避であると明らかに悟っている。

    「要点」・「1 SCARS」「かけ違いのボタンでさえ知らずに奏で続けた」「君の壊れたメロディー二度と交わらず」などの歌詞は、 今後のメンバー(TAIJIも含む)に起こる全ての「ネガティヴな現象」を予言しているかのようで恐怖すら感じる。

  • ・「2 White Poem I (M.T.A. Mix)」冷めた関係性をテーマにしている歌詞、Yoshikiはこの時点で既に解散は不可避であると明らかに悟っている。

「1 SCARS」 イントロの「レーザー光線」のような電子音だけでhideが作曲したという事が分かる曲であり、hideが傾倒していた「インダストリアルロック」の要素をXJAPANのサウンドに大胆に導入している。ちなみにではあるがエックスジャパン(XJAPAN)最後のオリジナルアルバム「DAHLIA」には「SCARS」だけでなく「DRAIN」というインダストリアルチューンも収録されている。 この曲の

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様々な音楽ジャンルからの影響をサウンドに反映させた1stアルバムと比べてシンプルなサウンドとなっており「ブルース」や「ハードロック」的な熱量が印象的なアルバムとなっている。

また1stアルバム以上に原由子のピアノサウンドがフィーチャーされており「非売れ線サウンド」な曲の中でもポップネスを感じる事ができる一つの大きな要因となっている。

「7 気分しだいで責めないで」は名曲「勝手にシンドバッド」同様にラテン調であり、 桑田佳祐(vo)独自の「しゃがれた巻き舌歌唱」と奇跡の相性をみせ本アルバムでも特筆すべき曲となっている。 桑田佳祐(vo)の歌声はバラードにありがちな「湿っぽさ」「暗さ」を良い意味で見事にかき消し曲に「圧倒的なポップネス」を与える魔力がある。

国民的ラブバラードと言っても過言ではない名曲「10 いとしのエリー」に関しても桑田佳祐(vo)が歌うと「ラブバラード特有の非恥ずかしさ」が消去されポップソングらしい「楽しさ」が強調されている。

    「要点」

  • ・「7 気分しだいで責めないで」は名曲「勝手にシンドバッド」同様にラテン調であり、桑田佳祐(vo)独自の「しゃがれた巻き舌歌唱」と奇跡の相性をみせる。
  • ・名曲「10 いとしのエリー」に関しても桑田佳祐(vo)が歌うと「ラブバラード特有の非恥ずかしさ」が消去されポップソングらしい楽しさが強調される。

「曲解説」

1 お願いD.J.

「爽やかな早朝」を連想する軽やかな曲で「水滴」のような透明感を感じるピアノサウンドが印象的であり、ちょっと狂ったDJの語りがフィーチャーされている。
2 奥歯を食いしばれ

「濃厚なコーヒー」のような桑田佳祐(vo)のしゃがれ声がリスナーの鼓膜にまとわりつくブルージーなロックソング。ギターサウンドはオールドスクールなハードロック風でウォームな響きである。中盤以降は「レゲエ的な揺らめく音響」が強調されるという展開を見せる(3:20〜) 本格的にレゲエサウンドに移行、桑田佳祐(vo)の歌声は「愉快な夢を見ている老人」の独り言のようである。
3 ラチエン通りのシスター

「夕暮れ」を思わせるハーモニカが印象的なバラード。ミニマムでシンプルなリズムアプローチの上で桑田佳祐(vo)が伸びやかなボーカルラインを歌い上げる。この曲の歌詞は桑田佳祐がかつて交際していた女性をモデルに書かれたらしい(wiki)が、サビの歌詞「彼氏になりたきゃどういうの」というフレーズを後に妻となる原由子が歌っているのには何とも言えない気まずさを感じる。
6 アブダ・カ・ダブラ (TYPE 2)

牧歌的な雰囲気とタイトル通り「アラブ的な賑やかさ」が同居する曲となっており、ホーンサウンドが濃厚な雰囲気を演出している。
7 気分しだいで責めないで

ラテン的なノリの良さを感じるロックチューン。サウンドは非売れ線でルーズなハードロック調ではあるのだが、桑田佳祐(vo)が歌う事で唯一無二のポップネスを放つ曲となっている(1:25〜)ギターソロは「チープな西部劇をヘヴィメタルにした」ようなイメージの音である。
8 Let It Boogie

アーバンな雰囲気と「田舎」のようなのどかさが同居しているノリノリのポップチューン。歌詞はエロい系で「やりたい放題」(2:04〜)「ロックンロール!」というご機嫌なシャウトが登場しそのままギターソロになだれ込む。
10 いとしのエリー

ディープなベースラインを中心に展開されるサザンオールスターズ(Southern All Stars)の代表曲。歌詞は「エリーとの恋を最後の恋」にしたいと願う主人公が、愛するエリーに対してシンプルに真っ直ぐな愛情を歌うというシリアスな内容だが「歌が上手い酔っ払い」桑田佳祐(vo)が歌うとラブバラード特有の気恥ずかしさが消えてポップソングらしい楽しさが強調されるのである。

様々な音楽ジャンルからの影響をサウンドに反映させた1stアルバムと比べてシンプルなサウンドとなっており「ブルース」や「ハードロック」的な熱量が印象的なアルバムとなっている。 また1stアルバム以上に原由子のピアノサウンドがフィーチャーされており「非売れ線サウンド」な曲の中でもポップネスを感じる事ができる一つの大きな要因となっている。 「7 気分しだいで責めないで」は名曲「勝手にシンドバッド」同様に

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硬質かつシリアスな作風でアーティスティックな印象があった前作「JUST A HERO」の反動からか?!シンプルなビートとキャッチーなボーカルラインが目立つアルバムとなっている。

本作には80年代中頃〜後半にかけてティーンエイジャーであった者なら一度は聴いた事があるであろう「1 B・BLUE」「2 ONLY YOU」などのボウイ(BOØWY) を象徴するシンプルなビートロックが収録されており、トータルで見て彼らのパブリックイメージに最も近いアルバムとなっている。また本作はオリコンチャート1位を獲得した大出世アルバムでもあり、世の中にバンドブームなる現象を起こす一つのキッカケにもなった。

世の中に ボウイ(BOØWY)のコピーバンドが大量発生しロックバンドとして「完全に天下を取った」ボウイ(BOØWY)だが、同時に売れたことによってアイドル扱いされるようになった自分達に違和感を感じるようにもなっていった。ある意味、近い将来に起こる解散を決定つけたアルバムであると言える。

    「要点」

  • ・ボウイ(BOØWY) を象徴するシンプルなビートロックが収録されており、トータルで彼らのパブリックイメージに最も近いアルバム
  • ・オリコンチャート1位を獲得した大出世アルバム

「曲解説」

1 B・BLUE

「シンプル」と言う言葉を具現化したような8ビートが心地よいビートロック。名曲「マリオネット」と共にボウイ(BOØWY)というバンドのパブリックイメージを作り上げた曲で難解であった前作「JUST A HERO」からの反動なのか?!非常にポップな躍動感を感じるサウンドとなっている。歌詞は「不器用で傷つけあった過去の恋愛」をテーマにしつつ「もう一度飛ぶのさ」と力強く宣言する内容となっており「ナイーヴな湿り気」は一切感じない。
2 ONLY YOU

煌びやかなギターサウンドに乗せて「お前に対する真っ直ぐで熱すぎる愛情」を歌うロックチューン。氷室京介(vo)がここまで前向きなラブソングを歌ったのは筆者の知る限り初めてである。この曲におけるドラムプレイも「1 B・BLUE」同様に「晴れ渡る青空」のように果てしなくシンプルである。
4 BEAT SWEET

布袋寅泰(g)特有の不思議なコミカルさを感じるギターリフを中心に展開されるロックチューン。歌詞は「男の下心を気持ち良い位に全肯定」した内容となっており、要約すると「君とはじめて会った日から、その白い素肌の事ばかりを考えるようになり、みだらな夢ばかり見ている」というもの(1:58〜)ギターソロはピッキングハーモニクスを交えたフレーズとなっており「揺らめく」ようなエフェクトもかけられている。
5 NOISE LIMITTER

ドラムマシーン風の高橋まこと(dr)のドラムプレイが印象的な曲で「カチッ」としたメカニカルなサウンドがメインとなっている。終盤に「呑気」と形容しても良い「子供向けアニメ的な音響」に転調するというまさかの展開を見せる。
7 B・E・L・I・E・V・E

シンセの連打が「過去のメモリーを思い起こさせる」ように鳴り響くバラード。サビのボーカルラインはボウイ(BOØWY)史上最も「安らぎ」を感じるメロディーとなっている。「ゆったりと時が流れる」ようなギターソロなどは、インディーズ時代から激動の日々を送ってきたボウイ(BOØWY) に与えられた「束の間の休息」のようである。
10 WORKING MAN

鋭角的なインダストリアルビートで幕をあける疾走感抜群のロックチューン。作詞はなんと松井恒松(b)が担当。タイトルにもなっているWORKING MANとは「パンを食えて飛び乗る」というラインから推測するとおそらくサラリーマンの事であろう。初期のボウイ(BOØWY)は「サラリーマンという存在そのものに対する強烈な嫌悪感」をパンキッシュに吐き出していた訳だが、この曲の歌詞にはサラリーマンに対して「哀れな奴ら」的な同情がありつつも応援歌的なエッセンスもある。彼らのこの心境の変化は、以前のレビューでも触れたが「他者を否定・批判するだけの歌詞」はある意味「居酒屋で無駄な熱量を発するサラリーマン」と本質的には変わらないという「パンクの矛盾」に気付いたからではないだろうか?!
12 DRAMATIC?DRASTIC!

トーキング・ヘッズ (Talking Heads)を意識した音創りをした曲(wiki)サビ裏でボーカルラインと同様のメロディーを「煙」のようなサイケな音色で奏でるギターサウンドがインパクト大(2:12〜)ギターソロは「トロピカルな妄想」を具現化したようなラインとなっており、布袋寅泰(g)のタイトなリズム感を堪能する事ができる指弾きフレーズとなっている。
14 SENSITIVE LOVE

「曇り空」のようなどんよりした音響の中でクリーンなアルペジオが存在感を放つラストチューン。歌詞は「いつの間にか冷めていた恋愛感情」についてである。

硬質かつシリアスな作風でアーティスティックな印象があった前作「JUST A HERO」の反動からか?!シンプルなビートとキャッチーなボーカルラインが目立つアルバムとなっている。 本作には80年代中頃〜後半にかけてティーンエイジャーであった者なら一度は聴いた事があるであろう「1 B・BLUE」「2 ONLY YOU」などのボウイ(BOØWY) を象徴するシンプルなビートロックが収録されており、トータ

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マイナー調のアルペジオがメインリフとなっており、一度聴いたらキャッチーなメロディーが頭の中で必ずリフレインされるボウイ(BOØWY)の代表曲。

ボウイ(BOØWY)というアーティストは若者の「社会」や「学校」に対する「反発を代弁してくれる存在であるという先入観」が筆者にはあったので、はじめてこの「Marionette」を聴いた時は「サラリーマン的人生」を否定した反抗的なパンクソングであると感じた。(実際、初期の彼らは学校や教師、サラリーマンを真っ向から否定するようなパンクな歌を歌っていた。)だが大人になった現在の感覚で冷静に「Marionette」の歌詞を考察してみると、この曲は「反抗的なパンクソング」ではなく寧ろ「ロックミュージシャンとして成功をおさめ、かつてほどハングリーではなくなってしまった自分達に対する危機感」を歌っている「自己啓発的な内容」であるという事に気付いた。

「鏡の中に写っているマリオネット」とは「何にも考えずにタイムカードを押しているサラリーマン」の事ではなく作詞者である氷室京介(vo)自身であろうし、 「あきらめ顔の良く出来た歯車」というフレーズは決してスマートな表現ではないが、ビッグになり保守的な考えが芽生え出したボウイ(BOØWY)の事を指しているのではないだろうか?!

学校や社会に対する反発を代弁してくれる存在として若者からの圧倒的な支持を得たボウイ(BOØWY)だが「ビッグになりすぎてしまった」事でかつて自分達が牙を向いていた「社会」や「学校」のような「権威性」をボウイ(BOØWY)自体が持ち出しはじめた事に氷室京介(vo)はいち早く気づいてしまったのかもしれない。 ここで言う権威性とは「偉い」とかではなく社会からの「圧倒的な承認」を意味しており、 事実、80年代中頃〜後半は世の中にボウイ(BOØWY)のコピーバンドが大量発生した。

この曲には短期間でミュージックシーンの頂点に立った彼らならではの苦悩が詰まっている。

    「要点」

  • ・鏡の中に写っているマリオネット」とは「何にも考えずにタイムカードを押しているサラリーマン」の事ではなく作詞者である氷室京介(vo)自身のことだと考察。
  • ・ビッグになりすぎてしまった」事で「社会」や「学校」のような「権威性」をボウイ(BOØWY)自体が持ち出していた事に氷室京介(vo)はいち早く気づいてしまったのかもしれない。

マイナー調のアルペジオがメインリフとなっており、一度聴いたらキャッチーなメロディーが頭の中で必ずリフレインされるボウイ(BOØWY)の代表曲。 ボウイ(BOØWY)というアーティストは若者の「社会」や「学校」に対する「反発を代弁してくれる存在であるという先入観」が筆者にはあったので、はじめてこの「Marionette」を聴いた時は「サラリーマン的人生」を否定した反抗的なパンクソングであると感じた。

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「アーバンな冷気」を感じるシンセサウンドやマシーンビートを大胆に導入し、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)やニュー・オーダー (New Order)などの前衛的なアーティストからの影響を強く感じる硬質でシリアスな作風となっているボウイ(BOØWY)の4thアルバム。

アルバム全編を通して布袋寅泰(g)のギターサウンドは非常に実験的で「アヴァンギャルド」と形容しても良い内容となっている。特に「5 Justy」で聴けるギタープレイは特筆すべき「完璧な内容」と言ってよく布袋寅泰(g)史上TOP3に入るクオリティなのでは?!と筆者は感じる。

また氷室京介の作詞もこれまでと比べて「難解でマニアックな言葉」をチョイスしており「5 Justy」における「エスプリック」「ボナンザグラム」※クロスワードクイズの一種※「11 Welcome To The Twilight」における「アレスクラ」(ドイツ後で「It’s ok」の意味)など、実験的なサウンドにナチュラルに融合するシュールなものが多くなっている。本作は「ノリの良いロックを求めるリスナー」にはリアクションの難しいアルバムなのかもしれないが「シリアスなニューウェイブサウンドが好きなリスナー」には高評価を得るそんなアルバムだと思う。

    「要点」

  • ・硬質でシリアスな作風となっているボウイ(BOØWY)の4thアルバム
  • ・「5 Justy」で聴けるギタープレイは特筆すべき「完璧な内容」と言ってよく布袋寅泰(g)史上TOP3に入るクオリティなのでは?!
  • ・氷室京介の作詞に関しても「エスプリック」「ボナンザグラム」「アレスクラ」などの「難解でマニアックな言葉」をチョイスしている

「曲解説」

1 Dancing In The Pleasure Land

冷気とエッジを感じるシンセサウンドとクラウディーな布袋寅泰(g)のギター音色が印象的なダンサブルな曲(1:56〜、3:05〜)「ウ〜ッ、ハッ」というボウイ(BOØWY)らしからぬワイルドなコーラスが登場し、一時的に「先住民の宴」のような展開となる。終盤はチープなリズムトラックが挿入され、タイトルである「Dancing In The Pleasure Land」というフレーズが連呼される。
2 Rouge Of Gray

ドラムマシーンのビートを大胆に導入しており、おそらくではあるがニュー・オーダー (New Order)からの影響をダイレクトに曲に反映していると思われる。曲を通して「24h稼働する最先端の工場」のようなタイトさとメカニカルな質感がある。サビ裏で聴ける布袋寅泰(g)のトリッキーで耽美的なサウンドが「妖しい光」のように曲を彩っている。
3 わがままジュリエット

アーバンな泣き系ギターフレーズで幕をあける名バラード。シンプルでタイトなリズムの上を「ガラス細工」のような電子音が踊り、布袋寅泰(g)のギターサウンドは最小限の手数で音響構築に徹している(1:30〜)氷室京介がファルセットを使い「空回りして愛も夢も何も残っていない現状」を壊れそうな位に切なく歌い上げる。歌詞の内容は「夢を追いかければ追いかけるほど、傷つけあった過去の悲しい恋愛体験」についてである。
5 Justy

「神秘的な呪文」のようなギターリフが冴え渡るボウイ(BOØWY)屈指のイカしたニューウェイブチューン。サビ裏でも容赦なくイントロのギターリフを弾いており、氷室京介(vo)のボーカルより明らかに目立っている(2:07〜)ギターソロはオリエンタルでミステリアスな雰囲気があり「階段を転がり落ちる」ようなある種の危険性も感じる。最後はビビッドでアヴァンギャルドな音響がリスナーの視界を極彩色に染め上げる。本作のギタープレイは布袋寅泰(g)史上TOP3に入るクオリティであると思わる。それ位に「完璧」で全てのギタープレイヤー必聴の内容となっている。
7 1994 -Label Of Complex-

布袋寅泰(g)のファンキーなカッティングギターが「ガラス瓶」のようにキラめいている曲で「海辺に佇む」のようなメロウネスと切なさ、「高層ビル」のような艶やかなアーバンさが同居している曲。ギターソロは立体的な響きでありウォームな松井常松(b)のベースラインが非常によく目立つ。
8 ミス・ミステリー・レディ

メカニカルなリズムアプローチの上を布袋寅泰(g)の煌びやかなギターフレーズが踊るダンスチューン。サビのボーカルラインの後ろでは「カラフルな火炎放射」のような布袋寅泰(g) のアヴァンギャルドなギターサウンドが唸りをあげる。歌詞の中にも「アヴァンギャルド」というワードが登場。タイトル通りミステリーな内容となっている。
9 Blue Vacation

「深海」のようなBlueを感じる曲。サビはメカニカルなビートの上で氷室京介(vo)と布袋寅泰(g)がデュエットする展開となっておりインパクトがある。
11 Welcome To The Twilight

「眩しい季節」のような音響を感じるラストチューン。実験的で冷たい質感を前面に出したシリアスなサウンドが多い本作の中でこの曲がもつ「健全な清々しさ」は一種の救いとも言える。シンプルなサウンドとは異なり歌詞は一癖あり、見慣れない「アレスクラ」なるワードが登場。ドイツ語で「It’s ok」との意味があるそうだ。

「アーバンな冷気」を感じるシンセサウンドやマシーンビートを大胆に導入し、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)やニュー・オーダー (New Order)などの前衛的なアーティストからの影響を強く感じる硬質でシリアスな作風となっているボウイ(BOØWY)の4thアルバム。 アルバム全編を通して布袋寅泰(g)のギターサウンドは非常に実験的で「アヴァンギャルド」と形容しても良い内容となっている。特

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