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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果75件

タグ「J-ロック」のレビュー

hideの死後に発売された傑作サイボーグロックアルバム。

ヘヴィでハードなサウンドに「おもちゃ」のようなポップネスを与えるhideのセンスは今作でも健在だが今作の最大の魅力は「頭の中に鮮明なストーリーがイメージできる詞の世界観」にこそあると思う。とりわけ「4 PINK SPIDER」の歌詞は秀逸で「閉ざされた狭い世界でしか生きられない者に対するアイロニーな歌詞にはhideの底なしの才能を感じる。hideは「ビジュアルショッカー」「サウンドメーカー」としてだけではなく「ストーリーライター」としての才能も一流である。

サウンドは前作よりもシンプルで音数が少なっている印象をもち「明確な答えが見えた」かのような迷いのなさを感じるものとなっている。hideが現在も存在していたら日本の音楽シーンはまた別のものとなっていたと断言してもいい。

    「要点」

  • ・今作の最大の魅力は「頭の中に鮮明なストーリーがイメージできる詞の世界観」
  • ・「4 PINK SPIDER」蝶からスパイダーに「知らぬが仏」と言わんばかりの辛辣なメッセージが送られる

「曲解説」

2 ROCKET DIVE
3 LEATHER FACE

「時空が歪んだような音響」を感じるヘヴィなインダストリアル・チューンでハードでミニマムベースリフが「地面をゴロゴロと転がる」ようにリフレインされる(2:18〜)突如「宇宙に迷い込んだ」ような浮遊感を感じる静パートが挿入されるが「頭の中を貫通する光」のような電子音の登場と共にすぐにヘヴィなサウンドに戻る。
4 PINK SPIDER

「頭の中に鮮明なストーリー」がイメージできる歌詞がとにかく見事でhideのストーリーライターとしての才能が発揮されている。歌詞の内容は嘘の網を張りめぐらし井の中の蛙状態のピンクスパイダーが、蝶の羽を頂きあの空に羽ばたこうとするという内容でhideの死後、様々な角度から注目された。サビではこれまでのハードなサウンドが嘘のように「晴れやかさ」を感じるストリングスが空間を舞いサビのインパクトを更に高めている(1:58〜)蝶からスパイダーに「知らぬが仏」と言わんばかりの辛辣なメッセージが送られる。
6 FISH SCRATCH FEVER

「明確な答えが見えた」かのように迷いがない直線的なリフロック。サビではSpread Beaverのメンバーによるスペーシーな質感のキャッチーなコーラスがhideのボーカルラインをサポートして、曲を更にノリの良いものにしている。
7 ever free

「光」のようなスピードを感じるカラフルなパンクチューン。「なくしてしまった初期衝動」と「まだ胸の中にある夢の続き」について言及した歌詞が「4 PINK SPIDER」同様に素晴らしく「消えていく最初のメモリー」なる歌詞は、エックスジャパン(X JAPAN)ファンに様々なイメージを与えるエモラインである。間奏部分では「サーフ・ミュージック」のようなギターサウンドと祝祭性強めのホーンセクションが曲を更に色鮮やかにしている。
8 BREEDING

「どんよりとした気怠さ」と「泥水」のような重さを感じるグランジチューン。イントロや間奏では珍しく「独り言」ようなニルヴァーナ(NIRVANA)流カッティングギターが登場。サビの歌詞にも「Breed」なるワードが登場する為「グランジに対する回答」的な立ち位置の曲であると思われる。※ニルヴァーナ(NIRVANA)の曲で「Breed」という曲がある※(4:20〜)最後に「ガラスの世界」のような透明なピアノの旋律が唐突に挿入され曲にミステリアスな影を与える。
9 HURRY GO ROUND

「牧場」のようなのどかさを感じるストリングスと「強風」のようなハードなギターサウンドが絡まる曲でサビに登場する「また春に会いましょう」なる歌詞は、卒業式のメッセージでヤンキーが書いていたと記憶している。やはりhideの歌詞は強烈に十代に突き刺さるようだ。

hideの死後に発売された傑作サイボーグロックアルバム。 ヘヴィでハードなサウンドに「おもちゃ」のようなポップネスを与えるhideのセンスは今作でも健在だが今作の最大の魅力は「頭の中に鮮明なストーリーがイメージできる詞の世界観」にこそあると思う。とりわけ「4 PINK SPIDER」の歌詞は秀逸で「閉ざされた狭い世界でしか生きられない者に対するアイロニーな歌詞にはhideの底なしの才能を感じる。h

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「1 ROCKET DIVE」
「並行移動のパワーコードリフ」を中心に展開されるご機嫌なラウドロックでギターフレーズは非常にシンプルなものとなっており「ギター初心者でもトライしやすいように」という「hideらしい十代に対する配慮」が感じられる。実際にこの曲にトライしたギターキッズは非常に多い(筆者も含む)

また本曲はエックスジャパン(X JAPAN)の解散から一ヶ月足らずというタイミングでリリースされており、エックスジャパン(X JAPAN)ファンに対する「クヨクヨせずに前に走り出そう」という無言のメッセージでもあると思われる。「だいたいおんなじ毎日」「何年待っても何も降ってこないんだろう」「高速の旅は一瞬のスパーク」という歌詞は「人生なんてどうせ、あっという間に終わるんだから「ロケット」みたいに突き進んじゃえよ!」という自己啓発的な内容となっており、親や教師の言うことを聞かない多くのティーンエイジャーに突き刺さったと思われる。

(2:35〜) 「稲妻」のようなイメージが頭に浮かぶシンプルな単音ギターソロは、一度聴いたら頭から離れないキャッチーさと「おもちゃ」のようなポップネスが混在しており「hide独自のセンス」を感じる。

「3 DOUBT (MIXED LEMONed JELLY MIX)」
サイボーグロックの名作をディープでスローに再構築しており原曲より「静寂なヴァース」と「狂乱のサビ」の対比を強調したアレンジとなっている(0:55〜、1:29〜)「螺旋階段を高速で転げ落ちる」ような質感のインダストリアルビートが炸裂(2:02〜)「fxxx up 」というhideのシャウトから原曲以上に鮮やかなサビに突入。リズムは「フロアが異常に凸凹した部屋」を連想するものとなっており、リスナーの脳にダイレクトに突き刺さる(2:36〜) 「お預けチワワのまんまじゃ」という可愛い歌詞と陰鬱なトリップホップ風サウンドとの対比が面白いパートが展開され「ヘヴィなサウンドが更にヘヴィに聴こえる」仕掛けとなっている。終盤は「頭のネジが外れた」ようなブチ切れたテンションで「DOUBT YOU」というフレーズが連呼される(3:55〜)hideのエフェクティヴな歪みボイスを「光のカッターで千切りにした」ようなパートが挿入される。最後の最後まで尖りすぎである。

    「要点」

  • ・「1 ROCKET DIVE」シンプルなギターサウンドでこの曲にトライしたギター初心者は非常に多い
  • ・「3 DOUBT (MIXED LEMONed JELLY MIX)」サイボーグロックの名作をディープでスローに再構築しており、 「静寂なヴァース」と「狂乱のサビ」の対比を強調したアレンジ

「1 ROCKET DIVE」 「並行移動のパワーコードリフ」を中心に展開されるご機嫌なラウドロックでギターフレーズは非常にシンプルなものとなっており「ギター初心者でもトライしやすいように」という「hideらしい十代に対する配慮」が感じられる。実際にこの曲にトライしたギターキッズは非常に多い(筆者も含む) また本曲はエックスジャパン(X JAPAN)の解散から一ヶ月足らずというタイミングでリリース

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デビューアルバム以上に様々な音楽要素を取り入れた作品となっており、本格的な海外進出を意識して作成したであろうハードな曲も収録されている2ndアルバムで「X JAPANのギタリストhide」ではなくソロアーティストhideとして見事なオリジナリティを提示している。

「USインダストリアルロックに対する日本からの回答」とも言える「サイボーグロック」を音楽シーンに提案したhideであったが、hideから感じる「DJのような目利きセンス」をもったUSヘヴィロックアーティストはあまり見た(聴いた)事がないので、是非、hideには海外進出を果たして向こうでも大暴れしてほしかった。

筆者のイメージではあるがhideというアーティストは「自身(hide)が初めてロックミュージックを聴いた時に感じた衝撃をリスナーに提示」 するという事に最も大きなモチベーションがあるアーティストなのでは?と感じる。

    「要点」

  • ・hideから感じる「DJのような目利きセンス」をもったUSヘヴィロックアーティストはあまり見た(聴いた)事がないので、 是非、hideには海外進出を果たして向こうでも大暴れしてほしかった。
  • ・「X JAPANのギタリストhide」ではなくソロアーティストhideとして見事なオリジナリティを提示

「曲解説」

2 ERASE

ダンサブルなビートを感じる横ノリのロックチューンでギターサウンドには「DJスクラッチ」のような鋭角性がある。
3 限界破裂

ミニマムで性急なパンクサウンドにのせて「出会うのが遅すぎたせいで君を傷つけてしまう」というナイーヴな歌詞をアグレッシヴに歌い上げる曲(2:20〜)ギターソロは「メタリックに揺らめく」サイケサウンドとなっており、ギターソロの後には「迷走」のようなベースソロも披露される。
4 DAMAGE

「地下の実験室で行われる破壊的な実験」のような歪みチューン。冷静に聴いてみるとゆったりしたBPMのリフロックなのだが「ハイテンションでルナティックな歪みボーカル」が曲にBPMを大幅に上回るスピード感を与えている。
5 LEMONed I Scream (CHOCO-CHIP version)

ひんやりとしたサイケデリックを感じるドリーミーなギターポップ。サビのボーカルラインはフリッパーズ・ギター(Flipper’s Guitar)風であり、おしゃれカフェで流れていても違和感なくマッチすると思われる。「I scream」と「アイスクリーム」をかけた歌詞は脱力感すら感じさせる。
6 Hi-Ho

ラテンなビートを感じるダンサブルなロックチューンで「ハウスミュージックに影響を受けているグルーヴィーなUKロックバンド」のような雰囲気もある。歌詞は「無駄だらけだが天才肌であるアーティスト」に対するリスペクトをファンキーに言語化したようなイメージである。
7 FLAME

「ギターロック期のレディオヘッド(radiohead)のようなダイナミズム」を感じるオルタナチューン。激しいサウンドとは対照的にhideのボーカルは「何気ない日常」のように淡々としているが、歌詞は「悲しみは消えないけど、星の嘆きを聞けば小さな事だ」というラインからもわかるようにシリアスなものとなっている。
8 BEAUTY & STUPID

「恋」と「行為」をかけたアニマルな歌詞がインパクト大のノリノリな曲。先に惚れてしまい「追いかける側の苦悩」が詰まった歌詞だが、一度聴けばスグに覚えてしまう「突き刺さるポップネス」を感じる。
10 BACTERIA

バグった重力を感じるブチギレたサイボーグロック。終始「暴風雨」のような強烈なノイズが吹き荒れ「USヘヴィロック勢に対する宣戦布告」のようなサウンドとなっている。hideのボーカルは「ヒリヒリとしたメロディックな音響」のようである。
11 GOOD BYE

「手に持ちきれないもの全てにgood byeしよう」という前向きなのか後ろ向きなのかよくわからない不思議な歌詞が印象的でサウンドはローファイで「どんより曇った早朝」のような気だるさを感じる。
14 POSE

ブレイクビーツや四つ打ちを取り入れた凝ったリズムアプローチが印象的なダンサブルなヘヴィロック(1:35〜、3:10〜)「流れるアクエリアス」のような流麗なピアノの旋律が挿入されハードなサウンドの中に幻想の華が咲く。hideのボーカルは「デビル」のような凶暴さを感じさせるものとなっている。

デビューアルバム以上に様々な音楽要素を取り入れた作品となっており、本格的な海外進出を意識して作成したであろうハードな曲も収録されている2ndアルバムで「X JAPANのギタリストhide」ではなくソロアーティストhideとして見事なオリジナリティを提示している。 「USインダストリアルロックに対する日本からの回答」とも言える「サイボーグロック」を音楽シーンに提案したhideであったが、hideから

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X JAPANのカリスマギタリストhideのソロデビューアルバムであり「インダストリアル」「オルタナ」「グランジ」などのハードな歪みを大胆に取り入れた作風となっている。

hideの魅力はエッジのたったサウンドやマニアックな響きを主にしたサウンドを作りつつも、そこに「おもちゃ」や「ゲームセンター」のようなポップネスを反映できる点であろう。80年代UKギターポップのような「4 EYES LOVE YOU <T.T.VERSION>」ワルツ調のギターサウンドを響かせる「8 A STORY」などはhideの音楽的なキャパシティーの大きさを感じさせる。

「2 DICE」「13 TELL ME」のギターソロはエックスジャパン(X JAPAN)風のハモリフレーズでありhideからエックスジャパン(X JAPAN)ファンに対するプレゼントのようであり、「14 HONEY BLADE」における「神登場のミステリアスな語り」は後輩であるルナシー(LUNASEA)に対するhideからの「愛のあるイジリ」であると思われる。

    「要点」

  • ・エッジのたったサウンドやマニアックな響きを主にしたサウンドを作りつつも、 そこに「おもちゃ」や「ゲームセンター」のようなポップネスを反映
  • ・「2 DICE」「13 TELL ME」のギターソロはエックスジャパン(X JAPAN)風のハモリフレーズ

「曲解説」

1 PSYCHOMMUNITY

X JAPANのメジャーファーストアルバム「BLUE BLOOD」に収録されているオープニング「PROLOGUE (〜WORLD ANTHEM)」を思わせる曲で、「中世ヨーロッパに建てられたドイツの古城」のような叙情性を放つHRインスト。
2 DICE

当時の日本のメジャーシーンでは「斬新すぎたインダストリアル・ビート」を大胆に反映させたファストチューン。ギターサウンドは「金縛りのようなメタリックな音響」となっており「叩きつけるような直線的なビート」が大きな存在感を放っている。歌詞は「目の前にうつる全てが化け物に見える」尖ったセンスをもつ異端な10代に対するメッセージソングのようなイメージで「世間や大人に縛られず自分の思い描く花を咲かせればいい」という内容(1:10〜)「13 TELL ME」同様にX JAPAN風の流麗なハモリギターソロが登場(2:28〜)「ピィ〜、ピィ〜」というフィードバックノイズが鳴り響き最後までアグレッシヴに攻めきる。
4 EYES LOVE YOU <T.T.VERSION>

「80年代UKギターポップ」のような透明感とメロウネスを感じる曲だが歌詞には「絶望」や「狂気」という過激な言葉が登場して不思議なミスマッチがある。この曲のクリーンなギターフレーズはX JAPANでは聴けない類のものであり当時ファンに大きな衝撃を与えたハズだ。
5 D.O.D.(DRINK OR DIE)

ザクザクしたスラッシュメタル・リフが空間を切り裂く凶暴なハードコアチューン。hideの声にもエフェクトがかけられており、サビではhideが得意としている「早口呪文歌唱」が冴え渡る。「2 DICE」同様に海外のインダストリ系アーティスト/ミニストリー(Ministry)からの影響を感じる「コアなインダストリ感」を導入しているが「おもちゃ」のようなポップネスも同時に感じる事ができる曲となっている(1:54〜)ブレイクの後、BPMが倍速位に速くなりスラッシュに畳み掛ける。
7 DOUBT <REMIX VERSION>

「サイバーな爆発」のような強烈な歪みが炸裂するサイボーグロックの名曲。終始「分厚いモザイク」のような音響感でhideのボーカルにはやはりエフェクトがかけられており間違いなく「シラフではないブチ切れたテンション」で狂ったように畳み掛ける。「俺とよく似た歌うたい」なる歌詞からおそらくではあるが、自分(hide)のスタイルを表面的になぞってアナーキーを気取っている痛い人達を痛烈に批判していると思われる。そんな気がする。
8 A STORY

「よく晴れた夏の日のメランコリックな思い出」のような浮遊系バラード。ワルツ調の流れるようなアコースティックサウンドを導入しており、hideの音楽的なキャパシティーの大きさに驚く。
9 FROZEN BUG ’93 <DIGGERS VERSION>

「壊れたラジオ」のような無秩序な歪みが歪(いびつ)な空間を構築する曲。ボーカルラインは「ミニマムなヘヴィリフ」のようだし、サウンド的にも「かき混ぜたグランジロック」のようなイメージなのだが不思議とポップな響きを感じるhideマジックを堪能できる(2:35〜)「悲鳴を洗濯機にぶち込んだ」ようなアバンギャルドノイズが登場、その後は「享楽的なバカンス」のようなトロピカルサウンドが鳴り響きアクセントとなる。
11 BLUE SKY COMPLEX

タイトル通り「BLUEなSKY」を連想するホーンセクションを大胆にフィーチャーしており、アグレッシヴなハードサウンドとホーンセクションが「仲良く喧嘩している」ようなイメージの曲で「音同士が殺しあわないギリギリの距離感」が面白い。
14 HONEY BLADE

「穏やかヴァース」→「アグレッシヴなサビ」に移行するグランジソング(2:15〜)ルナシー(LUNASEA)のインディーズ時代の名曲「CHESS」における 「ダークでミステリアスな語り」と共通する語りパートが挿入される。「神」というフレーズも登場。。hideによる愛のある後輩イジリだと思われる。
15 50% & 50% <CRISTAL LAKE VERSION>

ラテン調のアコースティックサウンドが印象的なリミックス。牧歌的なバイオリンの音色や軽やかなパーカッションの響きが「田舎の花畑」のような空気感を醸し出しす(3:52〜)「のどかな空気」を引き裂くように突如、アグレッシヴなハードサウンドが鳴り響く展開はインパクト大。

X JAPANのカリスマギタリストhideのソロデビューアルバムであり「インダストリアル」「オルタナ」「グランジ」などのハードな歪みを大胆に取り入れた作風となっている。 hideの魅力はエッジのたったサウンドやマニアックな響きを主にしたサウンドを作りつつも、そこに「おもちゃ」や「ゲームセンター」のようなポップネスを反映できる点であろう。80年代UKギターポップのような「4 EYES LOVE YO

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「1 TELL ME」
「新学期のような期待感」と「きらめく宇宙」を感じる軽やかなポップロックで。歪んだギターサウンドは控えめでキュアー(CURE)のような空間系サウンドが印象的である。歌詞の内容は思春期男子に向けられたものだと思われ「幻覚に踊る体」「心とは裏腹のパントマイム」などのラインは、周囲の気をひきたくて「本当の自分ではない役を演じているヤンキー少年」を連想させ、この1曲だけでもhideが十代から熱い支持を受けた理由が非常によくわかる。

(2:50〜)ギターソロはエックスジャパン(X JAPAN)ファンに対して「ご褒美」と言わんばかりの内容で流麗でメロディックなハモリフレーズとなっている(3:01〜) レゲエ的な音響が「シャボン玉」のようなメルヘンさを演出しており、そこにhideの囁き(僕には僕が見えない)が溶け合う。

「2 SCANNER」
ルナシー(LUNASEA)のRYUICHIをゲストに招きデュエットした曲でサウンドはインディーズ時代のルナシー(LUNACY)を彷彿とさせるダークなハードコアチューンとなっている。

気のせいかもしれないがhideとRYUICHIの声質は非常に似ており、歌詞の内容は「DOUBT」に近いもので「むかつくアイツ」に対する苛立ちを全面に押し出したものだが同時に「今のうちにせいぜい吠えておきなさい」という余裕もある。本作はルナシー(LUNASEA)大ブレイク前夜の94年3月リリースの作品となっており、深読みかもしれないがこの時期にRYUICHIを招きハードコア調の曲でディュエットを試みたのは、 hideがRYUICHIに対して「昔(インディーズ時代)の君を思い出せ」というメッセージを伝えたかったからでは??と感じた。93年にルナシ(LUNASEA)がリリースした耽美アルバム「EDEN」には賛否両論があったし、何よりhideはRYUICHIの「ルナティクでダークな独自歌唱」が大好きだったのだろう。

RYUICHIは見事にhideの思い(筆者の妄想)にこたえ、名曲ROSIERで耽美さとアグレッシヴな熱量が見事に絡まった素晴らしいボーカルを披露してくれた。

    「要点」

  • ・「1 TELL ME」の歌詞にある「幻覚に踊る体」「心とは裏腹のパントマイム」などのラインは、 周囲の気をひきたくて「本当の自分ではない役を演じているヤンキー少年」を連想させる
  • ・「2 SCANNER」はルナシー(LUNASEA)の大ブレイクのキッカケの一つでもある

「1 TELL ME」 「新学期のような期待感」と「きらめく宇宙」を感じる軽やかなポップロックで。歪んだギターサウンドは控えめでキュアー(CURE)のような空間系サウンドが印象的である。歌詞の内容は思春期男子に向けられたものだと思われ「幻覚に踊る体」「心とは裏腹のパントマイム」などのラインは、周囲の気をひきたくて「本当の自分ではない役を演じているヤンキー少年」を連想させ、この1曲だけでもhideが

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