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live at the indoor
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検索結果75件

タグ「J-ロック」のレビュー

アルバム全体を通してメランコリックなバラードを多く収録しておりファンの中で賛否両論あったと思われるが「ロックという枠組み」をいい意味で意識していない作品となっている。

全体を通して音響やサウンドから「雨後」「梅雨」のような湿り気を感じる曲が多く「3 MISSING PIECE」はロック的なエモーショナルではなく内省的な叙情性を感じさせる。ノリの良いビートロックを求めるファンには「リアクションの難しいアルバム」かもしれないが、 色彩豊かなメランコリックな音に氷室京介の「アーティスト魂」を感じる事が出来るハズだ。

本作はアメリカでレコーディングされ、またレコード会社を移籍してからの第一弾アルバムでもある為、氷室京介のキャリアの中でも節目とも言える立ち位置にあるアルバムとなっている。

    「要点」

  • ・メランコリックなバラードを多く収録
  • ・音響やサウンドから「雨後」「梅雨」のような湿り気を感じる

「曲解説」

1 STAY

「梅雨時」のような湿り気を感じるオープニングソングでサビのボーカルラインは派手さはないのだが非常にフックがある。歌詞は「誰かを傷つけても構わない、俺の女になれ」という「強引なオレイズム」を感じる内容となっているが、氷室京介がこの「強引なオレイズム」を歌うとナチュラルに「熱いラブソング」に変換されるから不思議だ。これがヒムロックの魔力だろうか。
2 PLEASURE SKIN

「弾けるゴジャース」なホーンセクションをフィーチャーしたミドルテンポの曲でサビのボーカルラインは「ミステリアスな呪文」をスピード感のあるメロディーに変換したようなものとなっている(2:33〜、3:32〜) ギターソロは「濃厚な白い煙」のようなサイケな質感を感じるものとなっている。
3 MISSING PIECE

「雨後の気怠い午前4時」のようなメランコリックさを感じるアーバンなサウンドにのせて「もうここにはいない君」に対する喪失感とノスタルジーを静かに歌い上げるバラード。ボーカルラインは「ゆったり流れる河」のようなもので淡々としているのだが非常に熱量を感じる(3:25〜)ギターソロは「消せない炎」のような質感でリスナーの心をかき乱す。
4 魂を抱いてくれ (ALBUM MIX)

「不器用で尖っている俺だけど、おまえだけには裸の感情をさらけ出せる」という感じの熱い歌詞が魂を揺さぶるバラード。「雨粒のついた曇った窓ガラスをベッドに横たりながらぼんやり見つめる」ようなイメージが浮かぶ冒頭から徐々に熱量を上げていく展開で優雅なストリングスが「ベッドで眠る二人」を優しく包み込むように流れる。
5 WALTZ

「誰もいなくなった部屋のような静けさ」と「しっとりと降り注ぐ雨のような湿り気」が同居しているバラードでアルペジオはまるで「独り言」のような物悲しさを感じるものとなっており、この曲でも「4 魂を抱いてくれ (ALBUM MIX)」同様に優しく優雅なストリングスを導入している。
7 MIDNIGHT EVE (ALBUM MIX)

「賑わう雨の都会」ような雰囲気のアーバンな曲で「艶のあるカッティングギター」が非常に目立つ(1:54〜)「高級飲食店でのディナー」のようなジャズピアノが挿入され曲にアダルトな質感を加えている。
8 SQUALL

「メロディックな暗躍」のようなベースラインを中心に展開されるアーバンポップで「微妙な曇り空」のような空気感はあまり聴く事ができないレアなものだと感じる。歌詞は「魅力度MAXのいい女に対する溢れんばかりの愛情をナルシスティックな言い回しに変換した」ようなイメージでこの歌詞を歌うことが許される日本人ボーカリストは非常に限られると思われる。
9 NAKED KING ON THE BLIND HORSE

エフェクトがかかった氷室京介のボーカルが印象的なハードチューン。メランコリックで「雨後」や「梅雨」を連想するバラードが多いアルバムの中で少し浮いている曲である。筆者の経験則からいってラストソング(10 NAKED KING ON THE BLIND HORSE 2」はリミックス版なのでノーカウント)に アルバムの全体像と毛色の違う曲を配置する時はかなりの高確率で「次作のサウンドを暗示」しているケースが多い。

アルバム全体を通してメランコリックなバラードを多く収録しておりファンの中で賛否両論あったと思われるが「ロックという枠組み」をいい意味で意識していない作品となっている。 全体を通して音響やサウンドから「雨後」「梅雨」のような湿り気を感じる曲が多く「3 MISSING PIECE」はロック的なエモーショナルではなく内省的な叙情性を感じさせる。ノリの良いビートロックを求めるファンには「リアクションの難し

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「アーバンで浮遊感を感じるサウンド」が魅力であった前作から大きくサウンドを変換させたアルバムで気だるくルーズなギターサウンドや「突き抜ける」「エモーショナル」といった表現がピッタリのサビのボーカルラインは90年代初頭に音楽界を席巻した「グランジムーブメント」からの影響を感じる要素である。

グランジ系アーティストは「気怠く・陰鬱なヴァース」→「叫ぶようなエモーショナルなサビ」という構造が特徴であるが、ヒムロックはグランジ的な方法論を理解しつつもモノマネにはならないように細心の注意を払っていると思われ、サウンドがハードになってもサビのボーカルラインは氷室京介特有のメロディックなものとなっている。

本作をシンプルにまとめると「グランジ以降の感覚で再構築されたハードなビートロック」と言えるのではないだろうか。

    「要点」

  • ・「エモーショナルなサビ」「ルーズなギターサウンド」からグランジムーブメントからの影響が感じる
  • ・グランジ以降の感覚で再構築されたハードなビートロック」

「曲解説」

1 VIRGIN BEAT (Re-mix)

「高層ビルの屋上にいる」ような熱い風とビートを感じるサウンドは「ビートロック」をハードにしたイメージであり、前作には気薄であったロック的なエッジが強調されている。タイトルをシンプルになぞるサビのボーカルラインは「ミニマムなギターリフ」のようであり洋楽的(3:00〜)ギターソロは「ハイウェイを走るスポーツカー」を連想するスピードを感じる。
2 BREATHLESS

「モダンでシャープな建築物」のようなミニマムな電子音が印象的で「淡々としたヴァース」→「突き刺さるサビ」に移行するという構造がニルヴァーナ的であるロックソング。サビのメロディーは「洋楽グランジロック的な叫び」ではなく「これぞ!ヒムロック」というグッドメロディーで非常に耳に残る。
3 SHAKE THE FAKE

冒頭で氷室京介による「犬の鳴き声」を思わせるのシャウトも飛び出す曲でグランジ的な「気だるさ」と「ザラついた質感」を大胆に取り入れている。ボーカルは生々しいものとなっており掠れ声もパッケージングされている。「グランジ旋風」が氷室京介に与えた影響は決して少なくないのかもしれない。
4 LOST IN THE DARKNESS

「何もない真っ白な空間」のような空気を感じるロックバラード。ドラムサウンドは手数こそ少ないが「大粒の雨」のようで存在感がある。この曲のサビのボーカルラインはエモーショナルであり非常に熱を感じるものとなっている。またイントロや間奏で登場する「宇宙船」を連想するシンセサウンドは不思議なプログレ匂を放っている(4:02〜)ギターソロは非常にワイルドで「全てを吹き飛ばすトルネード」のようであり早弾きフレーズも飛び出す。
5 HYSTERIA

「酔っ払い」のようなルーズさを感じるダーティーなロック。ギターサウンドは「古着」のようなヨレた質感を演出する音響として機能しているイメージだ。ベースラインは「沼」ような「ダークな湿気」を感じさせるものとなっており、曲の持つダーティーな質感に大きく貢献している。最後はタイトル通りジャンクでヒステリーな悲鳴風サウンドで締めくくられる。このアバンギャルドなサウンドはソニック・ユース(Sonic Youth)を意識しているかもしれない。
6 FOREVER RAIN

「雨後」のような湿り気を感じるバラードでミニマムなストリングスとピアノを導入しておりギターサウンドは泣き系の音色で珍しく?!ブルージーなテイストである(2:50〜)マーチ風のドラムが現れそこから「名作大河ドラマのオープニング」のように弦楽器が重厚で優雅な旋律を奏でる(4:10〜)「全てが終わった」ような静けさの中、独り言のような氷室京介のボーカルがメランコリックに響く。
7 DON’T SAY GOOD BYE (Re-mix)

「海で過ごした短い夏休み」のような開放感を感じる曲でギターサウンドは「揺らめく」ようなサイケ感を演出している。歌詞の内容は開放的なサウンドとは対照的で「過去のさよなら」がだけが消えないというナイーヴなものとなっている。
9 LONESOME DUMMY

「夜のハイウェイ」のようなスピードを感じるノリの良いロックチューン。ハードロック的なリフがリフレインされるがその合間を縫うように鳴り響く煌びやかなキーボードサウンドは「夜空に輝く星々」のようだ。サビではポップでファンキーな女性コーラスを導入しており、曲に華やかさを与えている。
11 TRUE BELIEVER

「夏の終わり」のようなセンチメンタルと熱さが同居しているロックバラード。リスナーに「何事も遅くはない、動き出せ」「愛だけを追いかけて」と熱いメッセージを送る曲でサウンドは「主張少なめのスローなハードロック調」となっており「歌を届ける」ためのサポートという謙虚さを感じさせる。

「アーバンで浮遊感を感じるサウンド」が魅力であった前作から大きくサウンドを変換させたアルバムで気だるくルーズなギターサウンドや「突き抜ける」「エモーショナル」といった表現がピッタリのサビのボーカルラインは90年代初頭に音楽界を席巻した「グランジムーブメント」からの影響を感じる要素である。 グランジ系アーティストは「気怠く・陰鬱なヴァース」→「叫ぶようなエモーショナルなサビ」という構造が特徴であるが

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代表曲「KISS ME」 が収録されており氷室京介のキャリア史上最もセールス的に成功したアルバム。

アーバンで浮遊感を感じる大人なロックサウンドを中心に構成されており、多くの曲でU2(ユートゥー)からの影響を感じさせるディレイサウンドを大胆に取り入れている。また本作の歌詞はアルバムタイトル通り「過去のメモリーを大人になった氷室京介が回顧・内省する」という質感のものが多いと感じる。歌詞は「過去の回顧」がメインとなっているがサウンド的には「過去=ボウイ(BOØWY)」と良くも悪くも距離を置いているような気さえ感じさせ、ボウイ(BOØWY)を彷彿とされる曲は布袋寅泰風のギターソロが登場する「6 SON OF A BITCH」、直線的なビートロック「9 GET READY “TONIGHT” TEDDY BOY」位であり、「10 WILL」の歌詞にもある通り「過去の瓦礫に消えてしまいたくない」という強い意思を感じさせる。

    「要点」

  • ・氷室京介のキャリア史上最もセールス的に成功したアルバム
  • ・歌詞は「過去の回顧」だが、サウンド的には「過去=ボウイ(BOØWY)」と良くも悪くも距離を置いている

「曲解説」

1 KISS ME

イントロで登場するカッティング・ギターリフは、ミニマムなギターリフのお手本のようなフレーズでギターキッズ必聴のフレーズとなっている。氷室京介と言えばこの曲をあげる人も多く、氷室京介のパブリックイメージに最も近い代表曲となっている。歌詞の内容は「イケない関係の男女がホテルで密会して熱い夜を過ごす」ようなイメージの歌詞で「メビウスのハイウェイ」「凍えてる三日月」などのナルシスティックな表現も登場する。「バブルの名残」のような装飾感のあるシンセとU2(ユートゥー)的なディレイ・ギターサウンドを中心に構成されており「メビウスのハイウェイ」のような浮遊感を感じる整合性の取れたロックサウンドとなっている。
2 YOU’RE THE RIGHT

「浅い夢の中にいる」ような雰囲気を醸し出すディレイサウンド・オリエンテッドな空間系バラード。「心を求めすぎて傷つくだけの恋愛」を歌っており、 最後は「一人で生きるために」なる歌詞も登場。「もう恋なんてしない」という切なさを感じる(2:19〜)「二人の眩しかった思い出」を回顧するような華やかさと甘さが同居したサックスソロが登場。
3 Memories Of Blue

「真冬の夜空」を連想するジャジーなサウンドをディレイサウンド・オリエンテッドな耽美ロックに絡めた曲。サビはロック的な熱量を感じさせるボーカルラインだがバックでは軽やかなシンフォニーが「あの頃の俺たち」のように切なく鳴り響くという展開。「10代の繊細さと弱さ」を大人になって回顧するような歌詞が秀逸である。
4 Good Luck My Love

「思い出にできない過去の恋愛」を後悔と共に切なく振り返るバラードでやはりこの曲でもU2(ユートゥー)彷彿のディレイギターがサウンドの中心となっている。筆者が知る限りここまで曲のタイトルをリフレインする曲は非常に珍しく、おそらくではあるが「Good Luck My Love」というフレーズを曲中に20回くらい言っているはずである。
6 SON OF A BITCH

「大粒の雨」のようなドラムとタイトなビート感を感じさせるギターリフを中心に展開されるアーバンなギターロック(1:58〜)イケイケのシャウトの後に登場するギターソロは布袋寅泰が弾いていたとしても不思議ではない位にボウイ(BOØWY)的なラインでありボウイ(BOØWY)ファン必聴といえる。
8 Urban Dance

ゴージャスなシンセポップと浮遊系ギターロックを融合させた曲で「高層ビルの最上階から見下ろす都会」のような煌びやかさを感じる。「波紋のようなアルペジオ」「終幕感を感じる伸びやかな単音フレーズ」「残響サウンド」など、多様な音色のギターフレーズが収録されている。
9 GET READY “TONIGHT” TEDDY BOY

直線的なビートが強調されておりアルバムの中で最もロックンロール色が強い曲となっている。「いじけてる暇があれば早く行動を起こせ」と 10代の不良少年・少女にエールを送る歌詞には元不良の氷室京介なりの優しさを感じる。
10 WILL

「ガラス越しの雨の街」のような湿り気を感じるラストソングで氷室京介の歌声は時折「魂の叫び」のように生々しく響き渡る。「過去の瓦礫に消えてしまいたくない」というラインはからは、過去の栄光にしがみつかず「これからも自分らしさを貫いてサバイブする」という強い意思を感じさせる。

代表曲「KISS ME」 が収録されており氷室京介のキャリア史上最もセールス的に成功したアルバム。 アーバンで浮遊感を感じる大人なロックサウンドを中心に構成されており、多くの曲でU2(ユートゥー)からの影響を感じさせるディレイサウンドを大胆に取り入れている。また本作の歌詞はアルバムタイトル通り「過去のメモリーを大人になった氷室京介が回顧・内省する」という質感のものが多いと感じる。歌詞は「過去の回顧

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ボウイ(BOØWY)解散後に程なくしてリリースされた布袋寅泰のソロデビューアルバム。

デジタルサウンドを大胆に導入してデヴィッド・ボウイ(David Bowie)やロキシー・ミュージック (Roxy Music)からの影響を感じさせるグラマラスでノリの良いロックンロールをモダンにアップデートしたようなイメージの作品であり、ビッグになり過ぎた後期ボウイ(BOØWY)では表現できなったリスナーのイマジネーションを刺激するアーティスティックな音響や音が多く登場する。

「実験的な作品」というのはリスナーに驚きを与える反面、ポップ・ミュージックとしての強度を欠くケースがままあるのだが、この難しい課題を布袋寅泰はソウルフル・オペラ調の女性コーラスを大胆に活用するという手法で解決している。「5 DANCING WITH THE MOONLIGHT」「6 WIND BLOWS INSIDE OF EYES」「8 STRANGE VOICE」などは女性コーラスが曲のクオリティーを大きく左右する程の存在感を放っており「曲に何が必要であるか?!」を冷静に見極めるプロデューサーとしての才覚を発揮している。本作「GUITARHYTHM」はソロ活動のスタートとして文句なしのクオリティーを誇り、ボウイ(BOØWY)ロスのファンにとっては当時救いの1枚であったと思われる。

    「要点」

  • ・デジタルサウンドを大胆に導入してグラマラスでノリの良いロックンロールをモダンにアップデートしたようなイメージの作品
  • ・ビッグになり過ぎた後期ボウイ(BOØWY)では表現できなったリスナーのイマジネーションを刺激するアーティスティックな音響や音が多く登場

「曲解説」

2 C’MON EVERYBODY

「これぞ!布袋寅泰」という疾走感のあるギターリフと東洋的な浮遊感を感じるテクノポップ風シンセサウンドが並行するノリノリのロックンロール(1:30〜)ロックンロール感を強調するバイクのエンジン音も登場する。
3 GLORIOUS DAYS

伸びやか歪みギターサウンドを中心に展開されるメロディックなロックンロール。珍しく?!煌びやかアルペジオをプレイしており曲にカラフルな彩りを与えている。
4 MATERIALS

「シュールな異空間」のような音響を感じる曲でギターサウンドは金属的なきらめきを感じるものとなっており少しだけヘヴィメタル的である(1:30〜) 「ホラー映画」のようにダークでおどろおどろしい音響が不気味さを演出(1:53〜)「蜃気楼」のように揺らめく音響の中で「カラフルなガラス細工」のようなビートが踊る。
5 DANCING WITH THE MOONLIGHT

「真夜中」のようなベースラインと「太陽」のような眩しさを感じるシンセサウンドの対比が面白い曲でボーカルラインは渾身の出来であると思われ、繰り返しリフレインしたくなるグッドメロディーとなっている。サビではソウルフルな女性コーラスが「華やかな風」を運んできてポップソングとしての強度を劇的に向上させている。このコーラスの有無は曲のクオリティを大幅に左右するほどの存在感があると感じる。
6 WIND BLOWS INSIDE OF EYES

「ミステリアスにどこまでも追いかけてくる影」のような不穏なループがインパクト大でボーカルは「ヒステリーな語り調」となっている。 時折、挿入されるシンセサウンドは幽玄な光を感じさせる(3:30〜)「大空を羽ばたく巨大な鳥」のようなオペラ調の女性コーラスが曲に優雅な風を運んでくる。終盤は「古びた渋いバー」のようなジャズサウンドを中心に展開される。1曲を通してリスナーに様々なイメージを連想させる曲となっている。
8 STRANGE VOICE

オペラ調の女性ボーカルを大胆に導入した曲でミニマムなインダストリアル・ビートの上でイマジネーション刺激する様々な音が次々と現れる(2:05〜) 「テクニカルなタップダンス」のようなリズムアプローチが鳴り響き、その後はエレクトロニカ的な音響が「ダイヤモンド」のようにチカチカと輝く。88年にこのエレクトロニカ風サウンドは新しすぎる。
10 GUITARHYTHM

「中華の風」を感じるテクノポップサウンドをバックに実験的なロックバンドが演奏したようなフリーな曲でサビは布袋による「HEY!Cocoon」というファンキーなボーカルが炸裂する。布袋本人もお気に入りの1曲であると思われ後に「今井寿」「永井聖一」「雅-MIYAVI-」などの個性派ギタリストをゲストに招き新バージョンを再録音している。
11 A DAY IN AUTUMN

「長い戦の終焉」のようなストリングスが中心となり「神秘的な和」を演出するラストソング。布袋寅泰の声は「ガラス越し」のような質感であり歌というより音響の一部として機能している。

ボウイ(BOØWY)解散後に程なくしてリリースされた布袋寅泰のソロデビューアルバム。 デジタルサウンドを大胆に導入してデヴィッド・ボウイ(David Bowie)やロキシー・ミュージック (Roxy Music)からの影響を感じさせるグラマラスでノリの良いロックンロールをモダンにアップデートしたようなイメージの作品であり、ビッグになり過ぎた後期ボウイ(BOØWY)では表現できなったリスナーのイマジ

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「クリアでアンビエントな音響」を前面に押し出した前作「極東 I LOVE YOU」とはうってかわり、「ロックンロール」や「パンク」がもつダイナミズムを「90年代を通過した感性」で再構築したサウンドが聴ける13枚目のアルバム。

過去の遺産(R&R、パンク)をナチュラルに奏でる懐古主義ではなく、初期衝動的なスタンスで細かい事よりもノリを重視した曲が多いと感じる。「1 ナカユビ」高速デジタルハードコアチューン、「4 LIMBO」アンダーワールド(Underworld)を彷彿とさせる「憂鬱なダンスミュージック」、「7 Sid Vicious ON THE BEACH」「おもちゃ」のような明るさを感じるニューウェイブソングetc

2000年前は「ロックンロール・リバイバル」なるムーブメントが世界的なトレンドとなったが、 今作はサウンドとしてのロックンロールというより、どちらかというとアティテュード面での 「ロックンロール」=「ノリが良くてかっこよければなんでもアリ」を具体化したアルバムと言える

    「要点」

  • ・「7 Sid Vicious ON THE BEACH」「おもちゃ」のような明るさを感じるニューウェイブソング
  • ・サウンドとしてのロックンロールというより、どちらかというとアティテュード面での 「ロックンロール」=「ノリが良くてかっこよければなんでもアリ」を具体化したアルバム

「曲解説」

1 ナカユビ

強烈なフラストレーションをダイレクトに叩きつける高速デジタルハードコアチューン。櫻井敦司(vo)と今井寿(g)によるツインボーカルは数えられないほどに「I HATE YOU SO FUCK IT」というフレーズを繰り返す。非難GO-GO時代(B-Tインディーズ初期)にこの曲の原曲が作られていたとしても筆者は全く驚かない。それ位イケイケの曲。
2 BUSTER

アシッドハウス的な潤いを感じるハードチューン。この曲でも今井寿(g)はボーカルを披露しており、歌詞の内容は今井寿(g)らしい「未知の生物」をテーマにしたシュールなものとなっている。
3 残骸 -Shape2-

ナチュラルに歪んだギターリフを中心に展開されるロックンロール。ニューウェイブ・テクノをルーツにもつバクチク(BUCK-TICK)がここまでストレートなロックンロールを鳴らすのは非常に感慨深く、歌詞も「深く、もっと深く」というフレーズをリフのように繰り返すものとなっている。
4 LIMBO

アンダーワールド(Underworld)を彷彿とさせる「憂鬱なダンスミュージック」をB-T流にアレンジしたような曲。サビのボーカルラインは淡々とした語り調であるが、「強烈なボディーブロー」のように「ドシッ」「ドシッ」と響く「ヘヴィなギターサウンドの断片」が登場して非常に目立つ。
6 GIRL -Shape2-

「妄想のリゾート」のような空気感が新鮮なエレクトロポップ。祝祭性を感じる電子音はまるで「ネオンカラー」のように眩しくバンドサウンドはメロウなUKロックのようなシンプルな音をだしている。
7 Sid Vicious ON THE BEACH

今井寿(g)がメインボーカルを担当するポップなニューウェイブソングで「おもちゃ」のような明るさがある。セックス・ピストルズ(Sex Pistols)の名曲「アナーキー・イン・ザ・U.K.」のリフを引用しており(wiki)いろんな意味で遊び心に溢れる曲となっている。「退屈な星がくるくる回るメリーゴーランド」という表現で何気ない日常を表現する今井寿(g)の作詞センスはやはり非凡である。
8 BLACK CHERRY

ブルージーでシンプルなロックサウンドと「跳ねる」ようなトリッキーな電子音が並行する曲でサビでは前作「極東 I LOVE YOU」に収録されていた 「21st Cherry Boy」とも共通する「春風」のようなコーラスが曲にポップネスを与える。
10 MONSTER

「頭の中にいるぶっ壊れた化け物」について歌ったハードチューン。「鉛」のような重みを感じる歪みギターリフを中心としたシンプルな曲だが(1:30〜、2:57〜)サビのバックでは「光の世界」を連想する眩しいサウンドレイヤーが登場して曲に浮遊感を与えている。
12 Continuous

ビートの粒が「ガラスの破片」のように突き刺さるインストで前作「極東 I LOVE YOU」のオープニングチューン「疾風のブレードランナー」を再構築している(wiki)「海の中にいる」ようなディープさを感じる曲で前衛的なビート・アーティスト「オウテカ(Autechre)」からの影響を感じさせる。

「クリアでアンビエントな音響」を前面に押し出した前作「極東 I LOVE YOU」とはうってかわり、「ロックンロール」や「パンク」がもつダイナミズムを「90年代を通過した感性」で再構築したサウンドが聴ける13枚目のアルバム。 過去の遺産(R&R、パンク)をナチュラルに奏でる懐古主義ではなく、初期衝動的なスタンスで細かい事よりもノリを重視した曲が多いと感じる。「1 ナカユビ」高速デジタルハ

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