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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果49件

タグ「ニューウェイブ」のレビュー

「1 JUST ONE MORE KISS」
「UK耽美なニューウェイブをビートロック化させた」ようなヒットシングル。「チープなトリック」のような今井寿(g)のギターサウンドはデビュー当時から異彩を放っており、ギターソロも当時のメジャーシーンではシュールに聴こえたであろうコミカルな質感なサウンドとなっている。

「美貌をもつあなたに対する叶わぬ恋をゴージャスでナルシスティックなワードで表現した」歌詞は、櫻井敦司以外の人物が書く事が許されない類のものであり「天使のざわめき」「悪魔のささやき」とは下心で揺れる男心を表現していると思われる。

同郷の先輩BOOWYが解散した88年にリリースされたこのシングルは、後に続くV系アーティスト達に多大な影響を与える事となった。

「2 TO SEARCH」
ギクシャクしたビートと刻まれる空間系ギターサウンドという初期バクチク(BUCK-TICK)のカッコいい部分がギュッと詰まったぶっ壊れたパンクチューン。歌詞は「色んな解釈が可能な内容」となっているが、とにかく悪(ワル)である事である事は間違いないであろう。

(3:00〜)「発狂」のような櫻井敦司のシャウトの後に今井寿(g)のギターソロが登場。アバンギャルドで一歩間違えればメチャクチャなものなのだが、不思議な音程のメロディーを感じる。(4:20〜) 悪ふざけとしか思えないような狂ったシャウトが炸裂。

A面がキャッチーであったとは言えメジャーデビューシングルのB面に「このぶっ壊れた曲」を収録するあたりにバクチク(BUCK-TICK)というアーティスト名に負けず劣らずな「ぶっ壊れたセンス」を感じる。

    「要点」

  • ・ 「1 JUST ONE MORE KISS」・・・美貌をもつあなたに対する叶わぬ恋をゴージャスでナルシスティックなワードで表現。
  • ・「2 TO SEARCH」・・・歌詞は「色んな解釈が可能な内容」となっているがとにかく悪(ワル)である事である事は間違いないであろう。

「1 JUST ONE MORE KISS」 「UK耽美なニューウェイブをビートロック化させた」ようなヒットシングル。「チープなトリック」のような今井寿(g)のギターサウンドはデビュー当時から異彩を放っており、ギターソロも当時のメジャーシーンではシュールに聴こえたであろうコミカルな質感なサウンドとなっている。 「美貌をもつあなたに対する叶わぬ恋をゴージャスでナルシスティックなワードで表現した」歌詞

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ルナシー(LUNA SEA)絶頂期の96年にリリースされた傑作アルバムで「日本における二ューウェイブ系ギターロックの独自進化」の一旦の完成形という内容となっている。

前作「MOTHER」との違いは90年代以降に彼等がインスピレーションを受けたであろう「グランジ」「トリップホップ」「シューゲイザー」「実験的な電子音楽」などからの影響を大胆に反映させ点であり、サウンド・歌詞共に「ディープ」な内容となっている。

歌詞の内容は一言で言うと「愛」をテーマにしたものが大多数を占めているが、彼等らしくどこか「狂気的」である。

音楽的な充実を一気に放出した「94年〜96年の絶頂期」を経て翌年97年に彼等は1年間のソロ活動を行ったが、97年には彼等の音楽性や美意識に多大な影響を受けたと思われるアーティスト達が大量に発生し「ビジュアル系」というワードが「お茶の間レベル」にも広がりを見せた。

下世話な話だがこの「ビジネス的に最も良い時期」に活動休止する彼等のスタンスはやはり「孤高」である。

    「要点」

  • ・「日本における二ューウェイブ系ギターロックの独自進化」の一旦の完成形。
  • ・歌詞に内容は一言で言うと「愛」をテーマにしたものが大多数を占めているが、彼等らしくどこか「狂気的」である。

「曲解説」

1 WITH LOVE

レコードに針を落とす音から始まるオープニングチューン。揺らめく気怠い音響が「ディープな静けさ」を演出しており、このような実験的な曲をアルバムの1曲目に収録できる点に当時の彼等の自信と充実ぶりを感じる。歌詞はこの時期の彼等らしく「狂おしい愛」をテーマにしており「この愛が冷めてしまうのでは?!」という強迫観念に追われている男の心情を歌っている。曲の中盤で聴く事ができるSUGIZO(g)のアバンギャルドノイズは「ポップミュージックの体裁」に反発するかのような暴れっぷりである。
2 G

「バーンと何かが弾け飛ぶ」ようなギターフレーズで幕をあけるハードチューン。90年代以降のUSグランジ/オルタナのダイナミズムをダイレクトに反映しているサウンドとなっており、コアなルナシー(LUNA SEA)ファンであればイントロから20秒もあれば「作曲者」が誰か分かってしまうだろう。ハードで低音が強調されたサウンドではあるが、エフェクティヴで空間構築に徹するツインギターは相変わらず左右でバラバラのフレーズを弾いる。タイトルの「G」とは「God」の「G」であり、初期の歌詞に登場した「神」をモダンに洗練させた形で表現している。
3 HURT

ルナシー(LUNA SEA)らしからぬヘヴィリフを前面に押し出したハードチューン。一聴する分には非常にシンプルな構造となっているが、J(b)のベースラインにはマニアックな空間系エフェクトが掛けられており、サウンドに「宇宙的な無重力感」を与えている。
4 RA-SE-N

「独白」のような歌詞の内容に思わず「ハッ」とさせられるスローテンポの名曲。「静かで淡々とした展開」から「一気に熱量を放出する展開」に移行する曲なのだが、海外のハード系アーティストの「それ」とは明らかに異なる空気感があり「繊細な緊張感」が常に保たれている。この曲のギタープレイは宇宙的なサウンドを求めるSUGIZO(g)にとって、一つの理想形い言えるものとなっており特に「ディープな感情を解き放つ」ような短いギターソロは抜群のクオリティを誇る。
6 FOREVER & EVER

90年代に最も評価されたギターロックアーティストの一つであるレディオヘッド(radiohead)のエモーショナルな名曲と比較しても全く負けていない10分超えの大作。「ゆったりと流れる大河」のような雰囲気がある曲で歌詞の内容は「今までの自分達とこれから羽ばたこうとする自分たち」についてであり曲の途中でJ(b)による「英語の語りパート」が挿入される。「語りパート」の和訳は「あの頃に感じた永遠と希望を思い出そう、時間の経過と努力は僕を確かに変えたが熱いアティテュードはあの頃と変わらない。そして人生はこれからも続く。あの頃感じた永遠をずっと感じていたい」このようなイメージの内容となっている。落ち込んでいる時や迷っている時に聴きたくなるこの「語りパート」だけでも非常に価値があると筆者は思う。
7 1999

INORAN(g)のアルペジオがミステリアスな存在感を放つ2分弱の曲でSUGIZO(g)とJ(b)のベースラインがユニゾンしており、なんとも言えない不穏な空気感を演出している。「ディープでシリアスなアルバムの前半」から「爆発するアルバムの後半」にスムーズに繋げるような「橋渡し」的な立ち位置の曲となっている。
10 IN SILENCE

「万華鏡」のような幻想的なディレイサウンドが素晴らしく、海に佇み「過去の切ない恋愛を回顧する」ような歌詞を歌う RYUICHI(vo)のボーカルラインと複雑に絡まる。ディレイを上手く活かしたお手本のような曲である。「真っ白な羽が空浮かんでた、何かを告げるように」というラインは文学的でこの後に起こる「活動休止」を示唆していると思われる。
11 SELVES

「終幕感を演出する鐘の音」「神経質で冷たいリズム」などトリップホップからの影響を感じるディープなラストチューンで 完璧主義のSUGIZO(g)をして「理想に近い」(wiki)と言わしめる完成度を誇る。歌詞は相当読み込んで考察しないと正しい意味を解釈できそうにない「非常に深く宇宙的な内容」となっている。

ルナシー(LUNA SEA)絶頂期の96年にリリースされた傑作アルバムで「日本における二ューウェイブ系ギターロックの独自進化」の一旦の完成形という内容となっている。 前作「MOTHER」との違いは90年代以降に彼等がインスピレーションを受けたであろう「グランジ」「トリップホップ」「シューゲイザー」「実験的な電子音楽」などからの影響を大胆に反映させ点であり、サウンド・歌詞共に「ディープ」な内容となっ

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前作「Kiss Me, Kiss Me, Kiss Me」がキャリアの集大成的な大ボリュームな内容であった為「次はどんなサウンドを聴かせてくれるのだろう」と多くの音楽ファンが注目したに違いないキュアー (The Cure)の8thアルバム。

「世界的な成功を収めてビジネスのレールに乗って丸くなるのだろうか?!」というファンの不安をあざ笑うかのように、原点回帰的なミニマリズムを強調したサウンドを展開している。「ダーク」「ミステリアス」「耽美」「メランコリック」と形容したくなるキュアー (The Cure)サウンドだが本作に収録されている全ての曲から「豊かな色彩」を感じる事ができる。

キュアー (The Cure)がアメリカで大成功を果たした要因は様々あるのだろうが「唯一無二な耽美サウンド」だけではなく「シュール過ぎる詞の世界」の存在も非常に大きいのだと思う。筆者は音楽レビューを書く際は音楽を聴きながら歌詞も当然チェックするのだが、正直、キュアー (The Cure)ほど意味不明な歌詞で溢れているアーティトは中々いない。

彼らは「アーティスト過ぎて、その商業性のなさが「レアキャラ」としてセールスに繋がる」というアーティストとしての理想的なモデルケースなのかもしれない。

    「要点」

  • ・原点回帰的なミニマリズムを強調したサウンドを展開、収録されている全ての曲から「豊かな色彩」を感じる事ができる。
  • ・「アーティスト過ぎて、その商業性のなさがセールスに繋がっている」というアーティストとして理想的なモデルケース

「曲解説」

1 Plainsong

「ゴージャスで耽美なテーマパーク」のようなキラキラ感が眩しいスローなオープニング。高音が強調されたエフェクティヴなベースラインがゆったりとした旋律を奏で神聖なストリングスが曲に奥深さを与えている。
2 Pictures of You

初期のサウンドを彷彿とさせるミニマムな構造の曲だが、キャリアを重ねた余裕なのだろうか?!非常にディープでスローな展開となっている。ギターサウンドは時折「キラメク星々」のように眩しく響き渡る。この眩しい質感は初期のキュアー (The Cure)サウンドにはないものである。
3 Closedown

「神秘の祭典」のようなミステリアスな雰囲気を醸し出す曲でシンセが「透明な光の壁」のようなサウンドを奏でる。
4 Lovesong

「耽美」と「ビーチ」のような開放感が同居しているメランコリックチューン。ツインギターは「左右で全く事なる鋭角的なフレーズ」を奏でている。この辺りの方法論はルナシー(LUNASEA)などの日本のV系アーティストにも影響を与えたと思われる。またロバート・スミス(vo)の声は「性行為後」のような脱力を感じさせるものとなっている。
5 Last Dance

シンセが奏でる「神秘的で真っ白な音響」の中をベースラインがクネるように動きまくる曲。歌詞は相変わらず意味不明である。
7 Fascination Street

立体的でツヤのあるベースが「刻むリフ」を奏で、コーラスをふんだんに効かせたギターサウンドが「異空間」のような雰囲気を演出するキュアー (The Cure)らしい曲で終盤は「万華鏡」のような「雅」でバグったサイケを感じる事ができる。
9 The Same Deep Water as You

「大雨が降り注ぐ」ようなアシッドな音響と壮大なストリングスを中心に展開されるバラード。歌詞にも「深海」(deep water)というフレーズが登場する。「キスします」というフレーズが頻出するがワードのポップさとは裏腹にポップの「ポ」の文字もないサウンドとなっている。タイトル通りの「深海」を思わせる「ディープな音世界」が見事である。
10 Disintegration

硬質なビートとディープにうねるベースラインを中心に展開される耽美チューン。「沈む」ようなダークな音響が印象的ではあるが、直線的なデジタルビートを上手く取り入れており、メランコリックではあるが「ダンスミュージック」のようなノリの良さもある。8分超えの長尺ではあるがダレる事なく最後まで「シリアスな緊張感」が保たれている。
12 Untitled

「どこまでも続く田園風景」のようなメロウチューン。歌詞は救いようのないものとなっており「自分の中にいるモンスターが自分の心をかじる為、二度とあなたの夢を見ない」というものである。本曲に限らずキュアー (The Cure)の歌詞は難解なものが多く「一般的な感性」の人が一聴しただけでは意味が分からないモノが多い。

前作「Kiss Me, Kiss Me, Kiss Me」がキャリアの集大成的な大ボリュームな内容であった為「次はどんなサウンドを聴かせてくれるのだろう」と多くの音楽ファンが注目したに違いないキュアー (The Cure)の8thアルバム。 「世界的な成功を収めてビジネスのレールに乗って丸くなるのだろうか?!」というファンの不安をあざ笑うかのように、原点回帰的なミニマリズムを強調したサウンドを展開

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アメリカを中心に世界で大ヒットを果たしザ・キュアー (The Cure)が世界的なアーティストとなるキッカケとなったアルバム。

内容としてはこれまでのザ・キュアー (The Cure)の「キャリアの良いところ取り」をしたような内容となっており、収録曲も盛りだくさんの17曲である事から「ザ・キュアー (The Cure)ってどんな音楽をやっているの?!」と興味をもった人に最もオススメ出来る内容となっている。

タイトルは「俺たちの魅力を詰め込んだ作品だから是非愛して欲しい」(kiss me)という意味からきているのではないだろうか?!

神作「Pornography」に収録されていてもおかしくない濃厚なサイケ「1 The Kiss」全ての音が油絵のように美しく溶け合う「6 How Beautiful You Are..」神秘的でありながら完璧なポップチューンとして成立している代表曲「8 Just Like Heaven」などバラエティー豊かな曲が収録されており、また「ファンク」の要素を取り入れた曲なども存在するのだが、もはや「何をやっても嫌な位に自分たちのサウンド・音楽になる」という領域に突入していると本作を聴いて実感した。

    「要点」

  • ・アメリカを中心に世界で大ヒットを果たし世界的なアーティストとなるキッカケとなったアルバム。
  • ・もはや何をやっても嫌な位に自分たちのサウンド・音楽になるという領域に突入している。

「曲解説」

1 The Kiss

サイケギターが「蜃気楼」のように揺らめき「リスナーを幻想の世界に誘う」オープニングチューン。 「神秘のベール」のようなシンセサウンドが唸るギターサウンドを優しく包み込む(3:50〜)これまでロバート・スミス(vo)のボーカルラインが全く登場しない為、「サイケな実験インスト」かと思っていたのだが、突如、ロバート・スミス(vo)のボーカルが登場する。メロディーラインは「天から降りてきたメロディーを即興で無秩序に歌いあげる」ようなものとなっている。
2 Catch

クラシカルな弦楽器が奏でる牧歌的な音色が印象的なアコースティックソングで「海辺で寝そべって過ごす秋の午後」のようなリラックスした雰囲気を醸し出している。ボーカルラインは派手なフックなどはないのだが、抜群のメロディーセンスがあり耳に残る。
3 Torture

オリエンタルな音響を前面に押し出した王道キュアー (The Cure)チューン。「眩しすぎる光」のようなギターサウンドが音響を構築し「暗躍」のようなベースラインが曲にダークで立体的な疾走感を与えている。
5 Why Can’t I Be You?

弾けるホーンセクションをフィーチャーしたカラフルなポップチューン。ギター・ベース共にミニマムなフレーズをリフレインしており、キュアー (The Cure)ソングの中ではトップクラスに「ノーマルな体裁」を保っているのだが、ロバート・スミス(vo)が「ご機嫌にノリノリで歌えば歌う」ほどに不気味さを感じるというタイプの曲である。
6 How Beautiful You Are..

「夏の憂鬱」のようなメランコリックと「秋が近づく海辺」のようなメロウさが同居するポップソング。前作から導入しはじめたピアノがモダンでミニマムな耽美性を演出し、クラシカルな弦楽器が優雅で美しい旋律を奏でる。中盤以降は全ての音が「油絵」のように溶け合いリスナーの脳裏に「ビビッドなイマジネーション」を与える。
8 Just Like Heaven

「神秘的な空間にいる」かのような浮遊感が心地よい代表曲。軽快なギターのコードストロールの合間を縫ってアンビエントなピアノサウンドとエフェクティヴなギターサウンドが「蝶」のように空間を舞う。音数的に絶妙なラインを保っている曲であり、ミニマムなポップソングのお手本のような曲である。
9 All I Want

「グランジ」のような「混沌とした響き」を奏でるギターのコード進行と「クリスタル」のような神秘的な音響が奇妙に同居している曲。他のアーティストであれば「マニアック」の一言で終わる曲になると思うのだが、この曲を「異端なポップ」として成立させてしてしまう点に「破格のセンス」を感じる。
10 Hot Hot Hot!!!

流麗なファンクギターとディープなベースラインを全面に押し出している曲ではあるが、ブラックテイストを感じさせつつも「キュアー (The Cure)以外の何者でもない耽美チューン」となっている。どんなタイプの音楽に接近しようとも最終的に「自分たち以外の何者でもない音楽」として成立してしまう感じは、レディオヘッド(Radiohead)に近いものがある。
11 One More Time

「視界を真っ白に染め上げる」空間系アルペジオが淡々と響き渡る曲で、時折登場する吹奏楽器がラテン的な牧歌旋律を奏でる。歌詞は珍しく「凡人にも意味が分かる」ものとなっており「空に触れたいからもう一度抱きしめて」という内容である。
13 Icing Sugar

原始的で無造作なビートと濃厚なアラブの旋律が印象的な曲。キュアー (The Cure)らしくマニアックな曲だが「上質なジャズ」を聴いたような口当たりの良さがある。
16 Shiver and Shake

屈折したビート感を押し出したキュアー (The Cure)らしいロックチューンでBPMより遥かに速いスピードを感じる事ができる。ギターサウンドは意地でも「ロック的な歪みリフなど弾くものか!」と言わんばかりの空間的なアプローチとなっている。
17 Fight

70年代ハードロック的なブルージーを感じるギターリフがキュアー (The Cure)らしからぬラストチューン。ハードなリフが繰り返される展開ではあるが、全体的にはしっかりと「迷宮」のようなミステリアスムードを醸し出している。

アメリカを中心に世界で大ヒットを果たしザ・キュアー (The Cure)が世界的なアーティストとなるキッカケとなったアルバム。 内容としてはこれまでのザ・キュアー (The Cure)の「キャリアの良いところ取り」をしたような内容となっており、収録曲も盛りだくさんの17曲である事から「ザ・キュアー (The Cure)ってどんな音楽をやっているの?!」と興味をもった人に最もオススメ出来る内容となっ

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初期を彷彿とさせるミニマリズムを感じる曲が多く収録されている6thアルバム。

初期同様に「ミニマム」という共通点はあるのだが、初期作のような「閉ざされた感」はあまりなくキュアー (Cure) 独自としか言いようのない「浮遊感溢れる異端なポップソング」を数多く収録。前作「The Top」から本格的に導入されたシンセやピアノをキュアー (Cure)ソングの中にうまく落とし込んでおり曲のバランスが格段に上がっている。

初期の曲が良くも悪くも「ミステリアス」「耽美」「浮遊感」など言語化・形容しやすかったのに対して、本作に収録されてる多くの曲は「ミニマム×ポップ」ではあるのだが「形容が困難」なものが多く、ある種のバラドックスが魅力となっている。

例えば「ミステリアスでダークな要素」があったとすれば、そこに相反する「軽快で清涼感を感じる要素」などを盛り込む事でリスナーを「特定の感情」に浸らせない。この他のアーティストと良い意味でズレた「異端なバランス感覚」は見事と言う他ない。

    「要点」

  • ・ミニマムではあるのだが、初期作のような「閉ざされた感」はあまりない。
  • ・「ミステリアスでダークな要素」があったとすれば、そこに相反する要素を盛り込む事でリスナーを「特定の感情」に浸らせない方法論は見事と言う他ない。

「曲解説」

1 In Between Days

透明な解放感を感じるギターポップで初期曲を彷彿とさせるミニマムな音数で構成されている。前作「The Top」から本格導入されたシンセが奏でる「浮遊感溢れる突き抜けた旋律」を最大限活かしたアレンジとなっており、この曲はキュアー (Cure)ソングの中でシンセを有効活用するには?!」という試行錯誤に対する一つの回答であると思われる。
2 Kyoto Song

「上品な和の旋律」を見事に反映させた曲で三味線風の音で奏でられた単音フレーズが非常によく目立つ。歌詞の中に「京都」というフレーズは一度も登場しない。歌詞の内容は「悪夢」と「死」をテーマにした難解な内容となっている。
3 The Blood

「癖はあるが心地よい」アコギのコードストロークを前面に押し出した曲なのだが、バックでは「アラビア」を連想する東洋音階が奏でられてしっかりとキュアー (The Cure)ソングとなっており「意地でも軽快で爽やかなポップソングなんてやるもんか?!という維持すら感じる。
5 Push

「装飾された退廃感」を感じるギターサウンドに「眩しい季節」のようなピアノを絡めており、中盤以降からロバート・スミス(vo)のボーカルが加わり熱量を増す曲展開となっている。歌詞にはキュアー (Cure) らしからぬ「go go go」というフレーズが飛び出す。だが、ロバート・スミス(vo)がこの元気溢れるフレーズを歌っても「ファンキーなテイスト」を一切醸し出さない所がなんとも面白い。
6 The Baby Screams

スピード感がある歪んだベースラインが全体を引っ張る曲。ベースラインだけを聴くと初期作のように「ミニマムでミステリアス」な印象を受けるのだが「水滴」のようなピアノサウンドと「ゆっくり回る」ようなギターサウンドが曲のバランスを大幅に向上させている。ミステリアスではあるが「閉ざされた感」がしないのはそのせいであろう。
7 Close to Me

オーガニックなエレクトロニカサウンドが時代を先取りしすぎている素晴らしいバラード。ノリの良い手拍子が非常に目立つ曲ではあるのだが「一般的なノリ」の良さとは全く無縁である。
9 Screw

サイモン・ギャラップ(b)による歪んだグルーヴィーなベースリフをフィーチャーした曲で「インダストリアル的な硬質さ」が非常に印象的ではあるが「迷子」のように空間を彷徨う電子音が曲に「不思議なポップネス」を与えている。
10 Sinking

「神秘のベール」のようなシンセサウンドの上でサイモン・ギャラップ(b)によるダークなベースラインが「怪しいなダンス」のように踊るバラード。中盤以降はロバート・スミス(vo)のボーカルもエモーショナルになる。

初期を彷彿とさせるミニマリズムを感じる曲が多く収録されている6thアルバム。 初期同様に「ミニマム」という共通点はあるのだが、初期作のような「閉ざされた感」はあまりなくキュアー (Cure) 独自としか言いようのない「浮遊感溢れる異端なポップソング」を数多く収録。前作「The Top」から本格的に導入されたシンセやピアノをキュアー (Cure)ソングの中にうまく落とし込んでおり曲のバランスが格段に

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