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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果49件

タグ「ニューウェイブ」のレビュー

ラルク アン シエル(L’Arc〜en〜Ciel)のルーツであるニューウェイブ的なダークさが印象的なアルバムで「8 浸食 〜lose control〜」のようなヘヴィな曲であっても、ダークな質感や耽美的な要素が盛り込まれておりサウンド的に統一感がある。彼らの初期の曲を「HEART」以降のサウンドで再構築したような曲が多いアルバムなので、ある意味、インディーズ時代のアルバム「DUNE」と本作はリンクしていると感じる。

セールス的にピークにあった1999年だからこそ彼らは自分たちの原点を再確認するようなアルバムを作成したのだろうか!?「ダークな統一感」にハマれるかどうかで評価の分かれるアルバムと言える。

    「要点」

  • インディーズ時代のサウンドを再構築
  • ダークで耽美的
  • イケイケの全盛期

「曲解説」

1 死の灰

前作から本格導入したグランジ的な歪みとクリアな浮遊感が同居しているハードチューン。ルーズで「少し酔っている」かのようなヨレた質感の歪んだギターリフが終始鳴り響き、リズムはどっしりとしたシンプルな展開なっている(1:40〜)ハードなサウンドとこぶしの効いたボーカルラインをメインに構成されるサビだが、裏ではユートゥー(U2)やルナシー(LUNASEA)と共通するような眩しい光を連想する空間系アルペジオが鳴り響いており、ハードさと同時に浮遊感と眩しさも感じる(2:13〜)歪んだトーンで鳴らされるギターソロは煌びやかでありやはり眩しい光を感じる。
2 It’s the end

ザ・スミス(The Smiths)彷彿の流麗なギターフレーズが「黄昏の海辺」を連想するようなニューウェイブソング。BPMは早めだがhyde(vo)はギターフレーズに呼応するように流麗で大河のようにゆらりと流れるボーカルラインを歌い上げる、曲を通してサビのような展開。最後は流麗なサウンドが止まり、陽炎のような残響を残すギターサウンドが鳴り響く。
3 HONEY

hyde(vo)からニルヴァーナ(Nirvana)に対する回答とも言えるようなオルタナギターチューン。壊れた質感のオルタナ/グランジギターが終始鳴り響くがボーカルラインがメロウでキャッチーな点が、本家USオルタナ/グランジとは決定的な違いで。壊れたサウンドとメロウなボーカルラインのせめぎ合いがこの曲の魅力。また動きまくるメロディックなベースラインもUSグランジバンドではありえない(1:45〜)ソニックユースのような「機械が壊れたノイズ」のようなken(g)のギターソロは「ノイジーでジャンクな音質」なのだがメロディーを感じさせるのはさすがのセンスだといえる。終盤はまるでリフのようなyukihiro(dr)のドラムが鳴り響き曲を更に疾走させる。
4 Sell my Sou

アジアンの香りがするメロウなギターポップ。パーカッションを使ったラテンっぽいリズムパターンとジャジーなテイストを反映しておりギター・ベース共に最小限の手数でプレイしているが、ギターフレーズは相変わらず流麗なフレージングである(1:10〜)ファルセットを使った「蝶が舞う」ようなメロウなボーカルラインを聴かせるための曲という感じ。それくらい珠玉なボーカルラインだと思う。
6 L’heure

「誰もいないモノトーンな部屋」を思わせるインスト。トリップホップのようなダークで立体的なリズムの上を効果音のようなアルペジオが淡々と鳴り響くとう展開。時折、プライベート感あふれる英語による男女の会話が挿入される。ちょっと休憩というニュアンスの立ち位置の曲。
7 花葬

ニューウェイブ系ダーク・ギターロックの名曲。ダークで浮遊感のあるギターとストリングスが絡みあい幻想的な空気感を演出。音響構築に徹するギターとは対照的にクネるように動きまくるベースラインが印象的(2:02〜)ファルセットを使ったサビのメロディーラインはメランコリックだが一度聴くと頭から離れない中毒性があり(2:19〜)ギターソロはダークで幻想的な世界に「降り注ぐ光」のようび煌びやかな音色。終盤はサビが繰り返され最後はイントロと同様の耽美的なギタースレーズで締め括る。
8 浸食 〜lose control〜

「「地下の実験室」を思わせるダークでミステリアスなアルペジオが鳴り響く静のパート」と「ヘヴィでドライブ感のあるハードなサウンドによる動のパート」を中心にして構成される(1:05〜)「Good‐morning Mr.Fear」というhyde(vo)の呟きからヘヴィでドライブ感のある展開に変貌。ドラムはパワフルな変拍子を叩いている(1:50〜)ライド(Ride)彷彿の暴風雨のようなノイズが登場してカオスな様相を呈する。ノイズが鳴り止んだ後は「滅びた世界」のような淡々としたアルペジオとhyde(vo)の独り言のようなボーカルラインが流れる(3:33〜)またも「Good‐morning Mr.Fear」という呟きからハードな展開に変貌。終盤はハードなベースラインが強烈にウネり最後まで攻めまくる。
9 trick

冷たい金属的な響きが終始鳴り響くノイジーな曲。ループのようなミニマムなギターリフやサイレンのようなエフェクティヴなサウンド、冷たい金属的な響きがインダストリアル風でhyde(vo)のボーカルラインは所々でラップのように聴こえる(2:52〜)脳裏をギシギシ刺激するノイズソロ(?!)が鳴り響く 。このあたりもやはりインダストリアルの影響だと思われる。
10 いばらの涙

初期の耽美的な質感を「HEART」以降のサウンドで再構築したようなサウンド。冒頭は「秒針」のようなアルペジオがループされ、その上をhyde(vo)が「ファルセットで耽美的なボーカルラインを歌うパート」と「ハードでダイナミックなバンドサウンドによるパート」を中心となり構成される。時折、鳴り響く幻聴のようなギターサウンドは幽玄で幻想的な雰囲気がある(1:10〜)手数の多いドラムフレーズからエモーショナルでハードなサウンドに変貌、hyde(vo)のボーカルラインはエモーショナルで空を舞うようだ(3:16〜)ダイナミックで空間を支配するようなギターソロが登場。終盤はサビがリフレインされ全てのパートが主張する展開となり最後はハウリングが鳴り響く。

ラルク アン シエル(L’Arc〜en〜Ciel)のルーツであるニューウェイブ的なダークさが印象的なアルバムで「8 浸食 〜lose control〜」のようなヘヴィな曲であっても、ダークな質感や耽美的な要素が盛り込まれておりサウンド的に統一感がある。彼らの初期の曲を「HEART」以降のサウンドで再構築したような曲が多いアルバムなので、ある意味、インディーズ時代のアルバム「DUNE」と

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海外渡航(イギリス・ドイツ)時に得たインスピレーションから作成された楽曲を収録した5枚目のアルバム。

これまでもインディーズ時代のアルバム「DUNE」や3枚目のアルバム「heavenly」で異国感を感じる音創りをしていた彼らだが、今作では「ダークで重厚な質感」や「叙情性のあるフレージング」などの要素を取り入れている。それに加え「ジャジーなテイスト」や「USグランジ・オルタナ」からの影響をラルク アン シエル(L’Arc〜en〜Ciel)らしいメロディックな曲に反映させることによってこれまでの作品とは異なるレベルのダイナミズムや深さを感じることができる作品に仕上がっている。「歪んだマイナーコードの響きを活かしたギターロック」「景色が浮かぶメロウなポップソング」「ドイツの大河を連想するスケールの大きな曲」など様々なタイプの曲が収録されているが全ての曲のクオリティーが非常に高く本作は彼らの最高傑作と呼べる作品になっている。

    「要点」

  • ドイツ大河や古城を思わせる異国感
  • ジャジーな質感を導入
  • 最高傑作との呼び声が高い

「曲解説」

1 LORELEY

極寒のような冷たいピアノとダークで重層な雰囲気が印象的なオープングソング。ken(g)のギターサウンドが曲のダークさと緊張感を演出している。 冒頭では不穏で緊張感のあるサックスが空気を切り裂き、そこからゆったりとしたテンポの上を滑らかなhyde(vo)のボーカルラインが踊り、徐々に熱量を上げていく。Bメロの裏ではこれまであまり聴けなかったスマッシング・パンプキンズ(The Smashing Pumpkins)のようなオクターブ奏法により歪んだギターリフを聴くことができ、サビは煌びやかなシンセとうねるベースラインの上をどこまで果てしなく続く大河のような壮大なボーカルラインが響き渡る。中世ヨーロッパのような雰囲気を持ちつつもUSオルタナ的な「エッジ」が反映されている神曲。最後は不穏なコクのあるアルペジオが静かに鳴り響く。
2 winter fall

実際に「真っ白な雪原にいる」かのような錯覚を味わえる曲。ガラスのように透明なアルペジオと優雅なホーンを中心に展開される。 メロディックで「真っ白な吐息」を連想するボーカルラインを持つサビがインパクト大(2:45〜)「雪の上に寝そべって見る晴天の青空がクルクルと回る」ようなイメージが浮かぶスケールの大きい伸びやかなボーカルラインが曲に躍動感を与え(3:08〜)ギターソロは暖炉に手をかざすような暖かさを感じる。曲を通して「どこまでも続く青空」「降り積もる雪」「凍える寒さ」「白い吐息」といった雰囲気を醸し出すフレーズや音色のみで構成されており世界観を見事に表現している。最後はhyde(vo)による「戻らない時間」のような物悲しい一人語りで終わる。
3 Singin’ in the Rain

「雨が降る都会の早朝」を連想するジャージーなピアノの旋律と微かな光のようなギタープレイがを中心に展開されるメロウな曲。 歌詞の中にもやはり「雨」が登場、歌詞の内容としては「降りしきる雨」が「雨が好きだった君」を思い起こさせるとういうもの(1:24〜)メロウな曲にぴったりな湿り気を帯びた力強いボーカルラインが曲の世界観をより確固なものとする。ボーカルラインの裏では残響のようなギターサウンドがノスタルジーな雰囲気を演出。終盤は「雨が激しくなった」ようなギターのノイズ音が薄っすらと鳴り響き、最後は水面に波紋を残すようなピアノの音で終わる。
4 Shout at the Devil

ラルク アン シエル(L’Arc〜en〜Ciel)流グランジと言いたくなる歪んだギターロック。イントロからハウリングとhyde(vo)のカウントアップで幕を開ける激しい展開でken(vo)の開放的で歪んだギターフレーズが終始縦横無尽に暴れまわる。90年代後半はグランジ・オルタナ的な歪みを自分たちの曲に反映させる日本バンドが多かったが、この曲で聴けるken(g)のギターサウンドはジ・エッジ/U2(ユートゥー)がニルヴァーナ(Nirvana)のリフを弾いような音であり、ワウを効果的に使って飛翔感を感じるような質感になっていて個性がある(2:20〜)前作「True」までのhyde(vo)からは想像もできないようなまさにDevilなシャウトが登場する。それに続ギターソロに関してもグランジ的な壊れた質感を伴うものとなっている。終盤はリズム隊もグイグイと猛烈に攻めて最高潮を迎え最後は終焉のようなホーンが鳴り響き、僅かな不気味さを残し終わる。
5 虹

「蝶がクルクルと舞う」ようなミニマムなアルペジオが鳴り響く代表曲。言わずもがなバンド名を日本語に変換したタイトルとなっている。 イントロが終わると「いきなりサビから突入」する展開でインパクトがある。話が少しそれるが96年〜97年にかけて当時の3大バンド(L’Arc〜en〜Ciel、LUNASEA、GLAY)が揃ってサビから突入する代表曲をリリースしていることは大変興味深い。本曲は全体的にセンチメンタルな雰囲気のある曲となっており「静かで淡々としたAメロ」、「サビの爆発での予感させるBメロ」、「激しくエモーショナルなサビ」という構造になっている(2:38〜)メロウなアルペジオをバックにhyde(vo)の愛に対する悟りのような呟きが聴ける。終盤はエモーショナルなサビが繰り返しリピートされ最高潮を迎える。
7 Promised land

歪んだマイナー調の残響が心地よくハードでラフな曲なのだが不思議な浮遊感を感じる曲。よく聴いてみるとハードでラフなサウンドのバックに「柔らかい舞」のようなシンセや空間的なアルペジオが鳴っており、これがハードなサウンドなのにも関わらずハードに聴こえず浮遊感すら感じる仕掛けなのだろう(3:05〜)サイケデリックな揺れる光のようなサウンドに全体が包まれれるが、この後、光は消えてなくなりタイトで原始的なドラムが鳴り響く。終盤はフックのあるサビが繰り返されて最後はエフェクトのかかった声の残響で終わる。
8 fate

「ドイツの古城」を思わせる叙情系ギターフレーズと動きまくるベースフレーズが印象的なミドルテンポでダークな曲。マイナー調の歪んだギターサウンドが終始鳴り響き、曲を通して切ない雰囲気が漂う(1:30〜)hyde(vo)による高音を活かしたメロディックなボーカルラインを持つサビが強烈(1:50〜)残響が心地よくゆらゆらと宙を舞うギターソロが鳴り響き、間奏部では柔らかいストリングスやピアノ、煌びやかな電子音なども登場して切なさを更に助長する。終盤は柔らかいストリングスと煌びやかな電子音が更に存在感を増し最後はミニマムな電子音のループで終わる。この曲の終わり方はKarma Police/レディオヘッド(Radiohead)に近いものを感じる。

海外渡航(イギリス・ドイツ)時に得たインスピレーションから作成された楽曲を収録した5枚目のアルバム。 これまでもインディーズ時代のアルバム「DUNE」や3枚目のアルバム「heavenly」で異国感を感じる音創りをしていた彼らだが、今作では「ダークで重厚な質感」や「叙情性のあるフレージング」などの要素を取り入れている。それに加え「ジャジーなテイスト」や「USグランジ・オルタナ」からの影響をラルク ア

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グランジ・オルタナ系ギターバンドの中で最も「耽美」「浮遊感」「メルヘン」という形容が似合うアーティストであり、ハードなギターサウンドをフィーチャーしたサウンドではあるのだが、他のUSグランジ・オルタナ勢に見られるような「ヘヴィネス」や「グルーヴ」といった要素はあまり感じられず、直線的な轟音がなんとも言えない浮遊感を醸し出している。

「静」→「動」のダイナミズムを生かしたサウンドも得意とするバンドではあるが、真骨頂やはり「破壊的な轟音」と「メルヘンな質感」を同居させる事にあり、「轟音ニューウェイブ」と言いたくなる独自の音楽であると言える。ビリー・コーガン(vo)の特有のダミ声は「轟音ニューウェイブ」と奇跡の相性をみせ、どれだけ轟音を重ねても不思議な浮遊感を感じる一つの要因になっている。

    「要点」

  • 「耽美」「浮遊感」「メルヘン」を感じるハード系バンド
  • 「轟音ニューウェイブ」と言いたくなる独自の音楽

「曲解説」

1 Cherub Rock

これから始まる激情を予感させるマーチ風のシンバルではじまり、ニルヴァーナ(Nirvana)やサウンドガーデン(Soundgarden)etcとはやや異なる少し「金属的なきらめき」を感じることができるギターリフが鳴り響くが「ヘヴィ」という印象ははなく「轟音」という表現がぴったりのサウンド。タイトル和訳は「天使のロック」おそるおそる歌詞の和訳を見てみるとファンタジーな内容ではなく生々しい音楽産業批判であった。
2 Quiet

SEは「センサーが不法侵入者の発見を知らせる」ような不穏な残響音。その後は「地に張り付く砂鉄」のような重低音リフが終始鳴り響く (1:50〜)ブラックホールに吸い込まれるような音の後にこれからの爆発を予感させる手数の多いドラムフレーズが鳴り響き(2:02〜)「空気をナイフで引き裂く」ような金属的でエフェクティヴなギターソロ飛び出す。
3 Today

日本のミクスチャーバンド「ドラゴン・アッシュ(Dragon Ash)」がヒットシングル「Grateful Days」のイントロで本曲のアルペジオをサンプリングしている事でも有名。おとぎ話のような少しセンチメンタルなアルペジオが終始鳴り響くが、メインリフはそれとは対極の地を這うような轟音となっている。両極端なフレーズが見事に絡み、油絵のような浮遊感を感じる事ができる。
4 Hummer

ヒップホップ風のリズムに激しいモザイクような音が絡んだようなSE(0:55〜)異なる音色がハモるツインギターは轟音だがやはり浮遊感を感じる(1:18〜)透明でクリアなアルペジオは同時期のグランジ・オルタナバンドではあまり聴けない。その後は「透明でクリアなパート」と「油絵のような轟音」パートを交互に繰り返す(4:30〜)流れるようなアルペジオはメランコリックさが強調されており、特に後半は「水面に広がる波紋」のような美旋律が堪能できる。
6 Disarm

柔らかいアコギのコードストロークとストリングスとビリー・コーガン(vo)の歌声だけで構成される壮大な曲。本曲におけるビリー・コーガン(vo)のボーカルはエモーショナルでセンチメンタル。ボーカルラインの美しさは筆者がこれまで聴いた全ての曲の中でもトップ10に入る位の神ライン。教会の鐘を思わせる音もセンチメンタルな雰囲気を助長する。
7 Soma

「何も起きない平凡な日常」のような淡々とした静かなアコギの音色が心地よく、そこにビリー・コーガン(vo)の繊細なボーカルラインが加わる(2:25〜)徐々にボーカルラインに抑揚がつき始め平凡な日常に色彩が加わる(3:30〜)轟音ギターサウンドが鳴り響きグランジサウンドに変貌(6:00〜)全ての感情を放出した後のような静けさに包まれ「浅い夢」のようなメルヘンなメロディーが流れる。
11 Silverfuck

ブラッシングノイズをうまく取り入れたザクっとした質感のノイズギターがメインリフ(1:00〜)テンポダウンして原始的なリズムとビリー・コーガン(vo)の囁くような歌声だけで構成される展開に移行するが(1:37〜)直線的なギターリフが鳴り響き一気に熱量マックスのグランジサウンドに変貌。鳴り響くフィードバックノイズが凶暴な雰囲気を演出(3:02〜)世界の果てを思わせる静寂に包まれエフェクティブなノイズの断片が挿入されるが(6:46〜)ハードな展開に戻りその後は視界に映る全てを木っ端微塵に破壊するようなノイズの渦に包まれる。
12 Sweet Sweet

ニューウェイブ直系のガラス細工のような透明で耽美的なギターサウンドとビリー・コーガン(vo)による「淡い炎」のようなボーカルラインのみで展開される浮遊感あるの曲。ほとんど全ての曲に言える事だが異なる世界観や質感を1曲の中に同居させている。

グランジ・オルタナ系ギターバンドの中で最も「耽美」「浮遊感」「メルヘン」という形容が似合うアーティストであり、ハードなギターサウンドをフィーチャーしたサウンドではあるのだが、他のUSグランジ・オルタナ勢に見られるような「ヘヴィネス」や「グルーヴ」といった要素はあまり感じられず、直線的な轟音がなんとも言えない浮遊感を醸し出している。 「静」→「動」のダイナミズムを生かしたサウンドも得意とするバンドで

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轟音ギターサウンドが鳴り響くバンドだと思っていたのだが(もちろん轟音もある)、実際よく聴いてみるとニューウェイブ的な浮遊感やダークさを感じることができ、またソニックユース的な「斬新な響き」を持つチューニングやコード進行が面白い。

「5 Flying Cloud」で聴けるコード進行などはこれまで聴いたことがない類のものだ。J・マスシス(vo , g)の気怠く不思議な哀愁を持つ声とダークで浮遊感と壊れた質感が同居した雰囲気はまさに「オルタナ」。グランジが大爆発した91年にブレイクしたバンドだけど、グランジ勢とはあまり関係のない音だと感じる。90年代初頭のUSバンドの中では突出したメロウなメロディーセンスを持っていると思う。

    「要点」

  • 摩訶不思議なコード進行
  • ニューウェイブ要素強め、メロウなボーカルライン

「曲解説」

2 Puke and Cry

ニューウィブのようなダーク×耽美で煌びやかなコードストロークが印象的。ダイナミックな展開はなく浮遊感のある展開で淡々と進行する(3:33〜)リズムがスローになり一瞬だけU2を彷彿とするアンビエントなギターサウンドが鳴り響き、最後はメロウなメロディーに乗せて「come on down」というフレーズが繰り返され終わる。
3 Blowing It

憂鬱な夏のような浮遊系ギターリフがエモく、べースが高音でメロディックなフレーズを歌う。ニューオーダー的なフィーリングのする曲でグランジーな歪みギターは一切登場しない。
5 Flying Cloud

循環コード(Asus Cmaj7 Dmsus Dm)が終始鳴り響きコードストロークの強弱で抑揚をつける曲。J・マスシス(vo , g)の気怠いボーカルと「結婚式と葬式が同時開催された」かのような「祝祭と絶望が混在した」オルタナな雰囲気をもつコードの響きが秀逸。
6 Water

モノクロームな青空を思わせるコード進行が特徴の曲(コード進行もそうだけどそもそもチューニングが変則かも?!)で「爽やかさと憂鬱さ」が混在しておりエモい気分に浸れる。
7 Muck

ダイナソーJr.(Dinosaur Jr.)流ファンク。16ビートのファンキーでダークな質感のあるギターカッティングの間を縫うようにJ・マスシス(vo , g)と女性ボーカリストの気怠くメランコリックなボーカルラインが聴こえる。最後はアコギのコードストロークのみが流れ静かに終わる。
10 Green Mind

本作の中で最もオルタナっぽい曲。冒頭は壊れた質感のギターサウンドを中心に進行するが、サビのボーカルラインの裏では疾走感のあるカッティングギターが鳴るという展開(2:40〜)感情が乗ったエモーショナルで哀愁のあるギターソロが爆発する。

轟音ギターサウンドが鳴り響くバンドだと思っていたのだが(もちろん轟音もある)、実際よく聴いてみるとニューウェイブ的な浮遊感やダークさを感じることができ、またソニックユース的な「斬新な響き」を持つチューニングやコード進行が面白い。 「5 Flying Cloud」で聴けるコード進行などはこれまで聴いたことがない類のものだ。J・マスシス(vo , g)の気怠く不思議な哀愁を持つ声とダークで浮遊感と壊れ

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