検索画面を消す
検索画面を消す
live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果49件

タグ「ニューウェイブ」のレビュー

デビューアルバム「MORAL」から別人のような変化を遂げた2ndアルバム。

メンバー構成が6人から4人となった事で各メンバーのパートがより目立ち音に躍動感とビビッドな色彩が感じられる。またプラスティックで衝動的なパンクサウンドにのせて「教師」や「サラリーマン」に対する苛立ちや嫌悪感を挑発的な言葉にして吐き出していた氷室京介(vo)のボーカルは「弾けるパート」と「あえて抑制させるパート」を使い分けるモダンなものとなっている。

歌詞に関しては前作同様のわかりやすく挑発的な内容は「7 LONDON GAME」位となっており、 アルバム全体から「パンクとは距離を置きたい」という明確な意思を感じる。ちなみに「7 LONDON GAME」では「髪を立てた自称パンクス達」を小馬鹿にしていると思われる。

本作はスタジオワークを学んだ布袋寅泰(g)のアイデアが思う存分発揮されており、エフェクティブでアバンギャルドなギターサウンドが随所に散りばめられている。「8 SYMPHONIC」で聴くことができる「曲そのものをズタズタに切り裂くようなギターカッティングはまるで「モラル」という名の檻の中に閉じ込められていたライオンが暴れ始めたような凶暴性すら感じさせる。

本作は本当の意味でのボウイ(BOØWY)のデビューアルバムと言っていい内容となっている。

    「要点」

  • ・アルバム全体から「パンクとは距離を置きたい」という明確な意思を感じる。
  • ・「7 LONDON GAME」では「髪を立てた自称パンクス達」を小馬鹿にしていると思われる。

「曲解説」

1 INSTANT LOVE

前作には気薄であったカラフルさを感じる軽やかなギターポップで「6弦を親指で押さえたフォーム」でマイナーコードをカッティングする布袋寅泰(g)らしいファンキーなフレージングが曲に疾走感を与えている(1:07〜、2:06〜) 「ふと冷静になった深夜」のような沈むマイナーコードがかき鳴らされ「パキッ」とした金属的なビートが曲に緊張感を与えている。氷室京介(vo)のボーカルは前作までのそれとはまるで別人のようであり「弾けるパート」と「あえて抑制させるパート」を使い分けるモダンなものとなっている(2:40〜)キラキラした眩しい電子音が現れリスナーを夢の国に誘う。終盤は浮遊感の伴うエフェクトが掛けられベースがマニアックなメロディーを奏でる。
2 MY HONEY

「スペーシーな音響の中でタイトなロックソングを奏でた」というイメージの曲。所々で挿入される布袋寅泰(g)によるエフェクティヴなギターサウンドが「怪しい光」のように曲の中で異彩を放っている。歌詞の中に出てくる「かわいすぎるぜ」というラインにはビックリさせられる「尖ったパンキッシュな歌詞」を求める初期ファンの方はこのフレーズに対して当時どのようなリアクションを示したのか非常に気になる。
4 FUNNY-BOY

「難解で神秘的なRPGゲーム」を連想するシンセサウンドをフィーチャーしたニューウェイブ・ギターソングで布袋寅泰(g)がフェイバリットに上げているアーティスト/エックス・ティー・シー(XTC)からの強い影響を感じられる曲となっている。「早足」のような疾走感と知性を感じるデリケートな音響が混ざりあう「アートヤンキー」なロックチューンである。
6 TEENAGE EMOTION

遊び心を感じる電子音やエフェクトをかけた歪んだコーラスが印象的なジャンクチューン。この曲における松井常松(b)のベースラインは「凸凹した歪なフロア」のように立体的であり珍しくエゴイスティックなラインとなっている。(1:52〜)強烈に歪ませた音色によるベースソロが披露され曲そのものに縮れた質感を与えている。
7 LONDON GAME

コミカルなポップソングの中に時折「歪んで狂ったパンクパート」が挿入される凝った曲。歌詞の内容はおそらくではあるが「髪を立てた自称パンクス達」を小馬鹿にしたものと思われる。本作/INSTANT LOVEはボウイ(BOØWY)にとって「パンクからの脱却」というテーマもあると思うのだが、そういう意味においてはこの曲の歌詞は最も本作を象徴していると言ってもいいと思う。
8 SYMPHONIC

布袋寅泰(g)のファンキーなカッティングギターがメランコリックソングをズタズタに切り裂く実験的な曲。この曲のカッティングフレーズを人差し指を伸ばすフォームで弾くことはある種不可能である(2:40〜)「ぶっ壊れた」とした言いようのない布袋寅泰(g)のアヴァンギャルドなノイズプレイが強烈な爪痕を残す。
9 THIS MOMENT

ダビーな音響の中、松井常松(b)のベースラインが「孤独な足跡」のようにダークに響わたりボウイ(BOØWY)ソングの中で唯一レゲエを感じる曲となっている(2:27〜)ギターソロはポストパンクの神アーティスト/ザ・ポップ・グループ(The Pop Group)に影響をうけたと思われる内容であり、不協和音を効果的に取り入れている。最後は「夢の中で見た夢」のようなドリーミーな電子音に包まれる展開となる。

デビューアルバム「MORAL」から別人のような変化を遂げた2ndアルバム。 メンバー構成が6人から4人となった事で各メンバーのパートがより目立ち音に躍動感とビビッドな色彩が感じられる。またプラスティックで衝動的なパンクサウンドにのせて「教師」や「サラリーマン」に対する苛立ちや嫌悪感を挑発的な言葉にして吐き出していた氷室京介(vo)のボーカルは「弾けるパート」と「あえて抑制させるパート」を使い分ける

READ MORE

ヘヴィメタルの中に耽美派ニューウェイブの要素を大胆に反映させた独自すぎるメタルサウンドが後に続くV系アーティスト達に多大な影響を与えたジャパニーズ・ヘヴィメタルの異端児/デッドエンド(DEAD END)

本作はそんな彼らの3rdアルバムとなっており「狂気的で摩訶不思議な歌詞」と「耽美的で退廃的なメタルサウンド」が見事に融合されている。

河村隆一、hyde、清春などの「V系レジェンド達」に多大すぎる影響を与えたMORRIEのボーカルは耽美的でありながらも「どこまでも続く地平線」のように力強く、本作に収録されている某曲などは「これボーカルhytdeじゃない?!」と聴き間違いしてしまう程である。また「ヘヴィだが空間的な広がりを見せるギターリフ」「異空間のようなミステリアスさを醸し出す耽美なアルペジオ」などを自在に操り、良質なV系ツインギターサウンドを1人で演っているような足立祐二(g)のギタープレイはギターキッズ必聴である。

デッドエンド(DEAD END)の存在がなければ「90年代V系」は存在しなかったと断言でき、ミュージシャン限定で言うとその影響力は日本におけるギターロックの雛形を作ったボウイ(BOOWY)以上かもしれない?!

    「要点」

  • ・「狂気的で摩訶不思議な歌詞」と「耽美的で退廃的なメタルサウンド」が見事に融合されている
  • ・デッドエンド(DEAD END)の存在がなければ「90年代V系」は存在しなかったと断言できる

「曲解説」

1 EMBRYO BURNING

「魔界」のような質感のヘヴィなギターリフが、他のジャパニーズ・ヘヴィメタルバンドとは一線を画するヘヴィメタル・チューン。サビのボーカルラインの後ろでは「蜃気楼」のようなシンセ(ギターの可能性もある)が透明に響き渡る。MORRIEのボーカルはパワフルでありながらも耽美的であり素晴らしいの一言である。
2 JUNK

ヘヴィリフがゆったりとリフレインされるスローテンポの曲。MORRIEのボーカルはおどろおどろしいものとなっている。歌詞の内容は「シュールを超えた不気味さ」を感じるものとなっており、「ばらばらの肉体が宙ぶらりんになり」などは中々出てこないラインであると思う。
3 NIGHT SONG

「強打」のようなドラムプレイと浮遊感を感じるヘヴィリフが疾走感を演出するハードチューン。サビではキュアー(CURE)を彷彿とさせる耽美でミステリアスなアルペジオが登場し曲を立体的にしている(2:13〜)ギターソロはテクニカルなものとなっており「ヘヴィメタル」ではあるのだが「V系的な狂ったフィーリング」を確かに感じる事ができる内容となっている。本曲で聴ける足立祐二(g)のプレイは「ルナシー(LUNASEA)のツインギターを1人で演奏した」ようなイメージであり効果的に「ヘヴィネス」と「耽美」を曲に提供している。
4 SERPENT SILVER

スラッシュメタルのようなスピードを感じるニューウェイブ・メタル。この曲でもキュアー(CURE)彷彿の耽美的なアルペジオが導入されている。歌詞は意味深とした言いようがない内容だが「神々しい光」というラインは、河村隆一とhydeに多大な影響を与えたと思われる。
6 LUNA MADNESS

ウォームで立体的なベースラインが非常に目立ち、耽美なUKポップをデッドエンド(DEAD END)流にアレンジしたような曲。歌われている内容は狂気的なものっているが、歌詞の内容とは裏腹にMORRIEのボーカルは「耽美的に揺れる」ように歌われており逆説的に狂気を表現していると思われる。
8 BLOOD MUSIC

ブルージーなハードロックテイストを感じるハードな曲で本作に収録されている曲の中で「最もグルーヴを感じる」事ができる。MORRIEのボーカルもワイルドさが強調されたものとなっており「デッドエンド(DEAD END)」のヘヴィメタル的側面を強調したようなイメージの曲である。
10 I CAN HEAR THE RAIN

泣きのギターフレーズで幕をあける疾走系・耽美チューン。この曲で聴く事ができる足立祐二(g)のプレイは、ジョニー・マー/ザ・スミス(The Smiths) を彷彿とさせる流麗なものとなっている。反面、ギターソロは高速早弾きを盛り込んだエモーショナルなものとなっておりハードロック的な熱量を感じる。

ヘヴィメタルの中に耽美派ニューウェイブの要素を大胆に反映させた独自すぎるメタルサウンドが後に続くV系アーティスト達に多大な影響を与えたジャパニーズ・ヘヴィメタルの異端児/デッドエンド(DEAD END) 本作はそんな彼らの3rdアルバムとなっており「狂気的で摩訶不思議な歌詞」と「耽美的で退廃的なメタルサウンド」が見事に融合されている。 河村隆一、hyde、清春などの「V系レジェンド達」に多大すぎる

READ MORE

「1 TELL ME」
「新学期のような期待感」と「きらめく宇宙」を感じる軽やかなポップロックで。歪んだギターサウンドは控えめでキュアー(CURE)のような空間系サウンドが印象的である。歌詞の内容は思春期男子に向けられたものだと思われ「幻覚に踊る体」「心とは裏腹のパントマイム」などのラインは、周囲の気をひきたくて「本当の自分ではない役を演じているヤンキー少年」を連想させ、この1曲だけでもhideが十代から熱い支持を受けた理由が非常によくわかる。

(2:50〜)ギターソロはエックスジャパン(X JAPAN)ファンに対して「ご褒美」と言わんばかりの内容で流麗でメロディックなハモリフレーズとなっている(3:01〜) レゲエ的な音響が「シャボン玉」のようなメルヘンさを演出しており、そこにhideの囁き(僕には僕が見えない)が溶け合う。

「2 SCANNER」
ルナシー(LUNASEA)のRYUICHIをゲストに招きデュエットした曲でサウンドはインディーズ時代のルナシー(LUNACY)を彷彿とさせるダークなハードコアチューンとなっている。

気のせいかもしれないがhideとRYUICHIの声質は非常に似ており、歌詞の内容は「DOUBT」に近いもので「むかつくアイツ」に対する苛立ちを全面に押し出したものだが同時に「今のうちにせいぜい吠えておきなさい」という余裕もある。本作はルナシー(LUNASEA)大ブレイク前夜の94年3月リリースの作品となっており、深読みかもしれないがこの時期にRYUICHIを招きハードコア調の曲でディュエットを試みたのは、 hideがRYUICHIに対して「昔(インディーズ時代)の君を思い出せ」というメッセージを伝えたかったからでは??と感じた。93年にルナシ(LUNASEA)がリリースした耽美アルバム「EDEN」には賛否両論があったし、何よりhideはRYUICHIの「ルナティクでダークな独自歌唱」が大好きだったのだろう。

RYUICHIは見事にhideの思い(筆者の妄想)にこたえ、名曲ROSIERで耽美さとアグレッシヴな熱量が見事に絡まった素晴らしいボーカルを披露してくれた。

    「要点」

  • ・「1 TELL ME」の歌詞にある「幻覚に踊る体」「心とは裏腹のパントマイム」などのラインは、 周囲の気をひきたくて「本当の自分ではない役を演じているヤンキー少年」を連想させる
  • ・「2 SCANNER」はルナシー(LUNASEA)の大ブレイクのキッカケの一つでもある

「1 TELL ME」 「新学期のような期待感」と「きらめく宇宙」を感じる軽やかなポップロックで。歪んだギターサウンドは控えめでキュアー(CURE)のような空間系サウンドが印象的である。歌詞の内容は思春期男子に向けられたものだと思われ「幻覚に踊る体」「心とは裏腹のパントマイム」などのラインは、周囲の気をひきたくて「本当の自分ではない役を演じているヤンキー少年」を連想させ、この1曲だけでもhideが

READ MORE

カラフルなデジタルサウンド・B-T化したエレクトロニカサウンドをバンドサウンドに絡め、これまでのB-T作品の中でも最も「カラフルな音響」を感じられる作品となっいる。

前作「SEXY STREAM LINER」で習得したデジタルサウンドとの共存をよりナチュラルな形で表現しており「1 Baby, I want you.」「4 細胞具ドリー:ソラミミ:PHANTOM」などは「歌われいる内容のアブノーマルさ」とは対照的に非常にポップである。「7 女神」における「静」→「動」への移行を強調したダイナミズムはこれまでありそうでなかった展開でありストレートにオルタナ系ギターロック・アーティストからの影響を反映したものとなっている。また歌詞は相変わらずマニアックかつアブノーマルなものが多く、クイズ番組風の「2 CHECK UP」やクローン羊をテーマにした数え歌風の「4 細胞具ドリー:ソラミミ:PHANTOM」などはB-T以外では色んな意味で成立しないと思われる。今作のポップに対する挑戦が次回以降の作品にどのように反映されるか非常に楽しみである。

    「要点」

  • ・これまでのB-T作品の中でも最も「カラフルな音響」を感じられる作品
  • ・「4 細胞具ドリー:ソラミミ:PHANTOM」クローン羊をテーマにした数え歌風の曲

「曲解説」

1 Baby, I want you.

これまでのバクチク(BUCK-TICK)ソングには登場しなかった類のカラフルなデジタルビートが終始鳴り響く、トロピカルでセクシーなエロい系アッパーチューン(2:30〜)「ガラスの世界に迷い込んだ」ようなエレクトロニカパートが挿入される(3:00〜)櫻井敦司(vo)によるシャウトの後に「縮毛」のように縮れたビーム風ギターサウンドが曲に強烈な歪みを与える。
2 CHECK UP

ハードなロックサウンドに乗せて「リスナーにシリアスなクイズを出す」というアイデアが斬新すぎるB-Tらしいシュールソング。時折、登場する今井寿(g)のボーカルは「ぶっ壊れたクイズ番組の司会者」のようだ(3:43〜)ギターソロはレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)のギターソロに「UFO」を思わせる浮遊感を加味したピィーピィー系ノイズソロであり「曲が持つインパクト」に負けない内容となっている。
3 GLAMOROUS -FLUXUS-

「海中にいる」ような浮遊感とブルーを感じる耽美なギターポップ。サビは非常に開放的なボーカルラインとなっており、歌詞にもあるよう「扉を突き抜けた」ようなフィーリングである。またサビでは「光のシャワー」のような電子音がリスナーを光の世界へと誘う。
4 細胞具ドリー:ソラミミ:PHANTOM

タイトルからしてマニアックな匂いが濃厚なデジタルチューンで歌詞の内容は「クローン羊:ドリー」からヒントを得たものらしい(wiki)。サビは「ドリーが1匹、ドリーが2匹」というまさかの「数え歌」である。この曲をメジャーシーンでリリースできるのはバクチク(BUCK-TICK)だけだ(2:11〜)ギターソロは「錆びついたドアノブを強引に回すような歪み」を感じるサウンドとなっている。
6 Death wish

縮れたような歪みを感じるギターリフを中心に展開される曲で歌詞は「設定を把握するのが困難」なものであるが、おそらくでは「救いようのない男」をテーマにしていると思われる。「キリストに似た男がドクロマークの翼で飛んでいる」との事です。
7 女神

「神秘」を感じる音響が印象的な曲で「ミステリアな静パート」→「ダイナミズムを強調したサビ」に移行する展開はレディオヘッド(Radiohead)やスマッシング・パンプキンズ(The Smashing Pumpkins)からの影響を感じる。90年代オルタナからの影響をここまでダイレクトに反映している曲は捻くれアーティスト日本代表のB-Tにしては珍しい。
8 サファイア

「メランコリックな昼下がり」のような質感のサイケな歪みチューン。「どこから、どこまでがサビなのか?」の判断が難しい曲で櫻井敦司(vo)のボーカルラインは終始「途切れそうな囁き」風となっており、メロディックでメロウなラップ風・女性コーラスが非常に目立つ(2:56〜)「空けてはいけない扉から溢れる光」のような不気味な眩しさを感じる今井寿のソロパートが鳴り響く。
10 FLAME

ミニマムでエレクトロな音響がリフレインされる耽美なラブソング。サビでは「空を舞う」ような浮遊感を感じるギターサウンドが櫻井敦司(vo)のボーカルラインを力強く支えるという展開をみせる。歌詞は珍しく(?!)ポジティヴに「キミ」に愛情を伝える内容となっており、サビで登場する「揺れている影一つ」という表現は秀逸である。

カラフルなデジタルサウンド・B-T化したエレクトロニカサウンドをバンドサウンドに絡め、これまでのB-T作品の中でも最も「カラフルな音響」を感じられる作品となっいる。 前作「SEXY STREAM LINER」で習得したデジタルサウンドとの共存をよりナチュラルな形で表現しており「1 Baby, I want you.」「4 細胞具ドリー:ソラミミ:PHANTOM」などは「歌われいる内容のアブノーマル

READ MORE

「1 月世界」
「本当に月にいる」ような錯覚を味わえる音響に相当な拘りを感じるタイトルトラック。リズムアプローチは「月に足跡を残す」ような淡々としたシンプルなビートであり「空間を漂うアルペジオ」「闇のような重たさを感じる歪み」などギターサウンドにもテーマである「月」のような冷たさと無重力感がしっかりと反映されている。歌詞は「思いついた言葉を羅列した」ようなイメージであり、ボーカルラインは「どこがメロ」で「どこがサビ」なのか曖昧なものとなっている。この曲をシングルカットでリリースするあたりさすがB-Tである。

「2 My baby Japanese」
「コンクリートに頭を打ち付ける」ような強烈なパンチを感じるスローなリズムがインパクト大のサイケなインダストリアルチューン。気のせいかもしれないがこの曲でも「月」を思わせる音響を感じる事ができる。歌詞のほうは「強烈なサウンド以上に強烈」なものとなっており「赤い髪を振り乱し」「頭を叩きつけ」「花園で踊る夢を見ている」などの過激な歌詞が登場する。並のイマジネーションではどのようなシュチュエーションなのか判断がつかないものとなっており、見事にアブノーマルなアナザーサイドを描いている。

「3 無知の涙 HOT remix #001 for B-T」
布袋寅泰がはじめてリミックスを担当した記念すべき曲。 サイバーでメタリックな質感の原曲をジェル状にしたようなインパクト大のサウンドを聴かせてくれる。 ギターリフ以外は原曲のサウンドをまったく踏襲しておらずサウンドを再構築している。 この曲のサウンドを音楽レビュアーっぽく表現すると「ディープでサイバーな布袋流アシッドハウス」といったイメージである。 冒頭で聴ける「上空を舞うヘリコプターの音」は無条件に「布袋寅泰が上空から舞い降りる」イメージが頭の中に浮かぶ。 (3:54〜)「波動砲を音楽化した」ようなアバンギャルド・サウンドがリスナーの脳を刺激する。 終盤は「マシンガン抱いてスローダンス」というシュールワードが呪文のようにリフレインされる。

    「要点」

  • ・「1 月世界」「本当に月にいる」ような錯覚を味わえる音響に相当な拘りを感じる
  • ・「3 無知の涙 HOT remix #001 for B-T」布袋寅泰がはじめてリミックスを担当した記念すべき曲

「1 月世界」 「本当に月にいる」ような錯覚を味わえる音響に相当な拘りを感じるタイトルトラック。リズムアプローチは「月に足跡を残す」ような淡々としたシンプルなビートであり「空間を漂うアルペジオ」「闇のような重たさを感じる歪み」などギターサウンドにもテーマである「月」のような冷たさと無重力感がしっかりと反映されている。歌詞は「思いついた言葉を羅列した」ようなイメージであり、ボーカルラインは「どこがメ

READ MORE

1 3 4 5 10