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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果49件

タグ「ニューウェイブ」のレビュー

インディーズアルバムに存在したダークで密室的な雰囲気が後退して「耽美」「メロウ」などの形容詞がよく似合う2ndアルバム。キュアー(CURE)などの耽美派UKアーティストからの影響をラルク アン シエル(L’Arc〜en〜Ciel)流に消化したサウンドを聴かせてくれる。

前作同様にken(g)のギターサウンドは「眩しすぎる光」を感じるものとなっており様々な情景をリスナーに連想させ、また今作から歪んだギターサウンドも導入されておりセンチメンタルな展開から歪んだパートに切り替わる曲も存在している。

hyde(vo)のボーカルラインは「耽美」「メロウ」なサウンドとは対照的に「大空」や「天空」を連想する伸びやかなものとなっている。前作的な響きをもつ曲はsakura(dr)作曲の「6 Inner Core」位であり、彼らの挑戦的な姿勢がしっかりと音に反映されている作品となっている。

    「要点」

  • インディーズアルバムに存在したダークで密室的な雰囲気が後退
  • 「耽美」「メロウ」などの形容詞がよく似合うサウンド

「曲解説」

1 In the Air

「空を舞う」ような浮遊感と「太陽」のような光を感じる空間系ギターポップ。hyde(vo)の美しい高音を活かした伸びやかなボーカルラインは、どこか「密室」のような雰囲気があった前作には見られなかったものである。イントロとアウトロで登場するアルペジオは「誰もいない早朝のビーチ」のようにメロウだ。
2 All Dead

「鏡の中の世界」のような揺らめきを感じるボーカルがインパクト大の曲。イントロ・アウトロでは「波紋のような質感の美しいピアノ」と「頭の中をグシャグシャとかき乱す歪みギター」が絡みつく。曲の中で透明感のある様々な音色のギターサウンドが登場しまるで「油絵」のような深みを感じる事ができる。時折挿入されるグランジ的なうねるギターリフが曲に締まりを与えており(2:10〜)ギターソロは前作の箱庭的な世界には収まりきらない程に叙情的で確かな熱を感じる。
3 Blame

「センチメンタルでメルヘンな思い出のような質感のパート」と「突き刺さるように疾走するパート」の対比が印象的な曲で「静」→「動」を強調した展開はある意味グランジ的である。終盤はアグレッシヴな展開で真っ白なイメージのサウンドレイヤーが存在感を放ち「宙に浮く」ような浮遊感を曲に与え、 最後は自由に弾きまくるken(g)のエフェクティヴなギターワークが「爪痕」のように刻まれる。
4 Wind of Gold

耽美的でメランコリックなUKギターポップのような曲で「誰もいない早朝のビーチ」のような雰囲気を醸し出している。淡々と鳴り響くアコギと「ガラス瓶」のようなキラメキを持つクリーンサウンドを中心に展開される(2:18〜)サビのボーカルラインの後ろで「限りなく透明なベール」のようなストリングスが鳴り響く。その後は「ガラス玉」を連想する木琴のような音がミニマムに鳴り響きアクセントとなっている。
5 Blurry Eyes

「レトロなヨーロッパの街並み」を連想する流れるようなギターサウンドがあり、強烈なサビのボーカルラインが一発で頭に刻まれるシングル曲。サビでは「センチメンタルな思い出」のようなオルゴール風のフレーズが鳴り響き曲にポップネスを与えている。アウトロは「巡る思い」のようなメロウなギターフレーズによって締めくくられる。
6 Inner Core

地下室のようなダークな質感が他の収録曲とは一線を画する異色曲(0:46〜 , 4:42〜)インディーズアルバムに収録されていても違和感がないミステリアスで歪んだ語りがルナティック。ダークで密室的な雰囲気をもつ曲ではあるがサビのhyde(vo)によるボーカルラインは密室的な質感とは対照的で「天空」のように伸びやかである(2:25〜)ギターソロはプログレバンドのように手の込んだもので「油絵」のような透明感と揺らめきを感じテクニカルである。アウトロでは「恐怖すら感じる壊れた質感の笑い声」が空間を歪める。
7 眠りによせて

「牧歌的な雰囲気を持つボサノヴァ調パート」と「グランジーに歪んだパート」が交互に展開されるラルク アン シエル(L’Arc〜en〜Ciel)流グランジソング。ギターソロが終わった後は「歪んだパート」と「ボサノヴァ調パート」がミックスされたようなイメージで、ハードではあるが牧歌的な雰囲気も失われず存在するという凝った展開を見せる。
8 風の行方

「真夏の青空」のような眩しい光を感じるメロウなギターチューン(2:05〜)サビの裏ではボーカルライン以上に目立つベースラインがミステリアスに踊る。「比喩に比喩を重ねられた歌詞」はシュールな印象だが「次の恋を期待する」メランコリックな休日のようなイメージである。
10 White Feathers

「曇り空」のようなどんよりとした空気感を持ち最小限の音数で構成される空間系ギターバラード。サビのボーカルラインは「卒業式」のようなセンチメンタルと光を感じるものとなっており、悩みながら迷いながらでも少しでも前に進もうという希望をリスナーに与えてくれる(4:45〜)ギターソロはアバンギャルドで曲をズタズタに引き裂くような質感である。

インディーズアルバムに存在したダークで密室的な雰囲気が後退して「耽美」「メロウ」などの形容詞がよく似合う2ndアルバム。キュアー(CURE)などの耽美派UKアーティストからの影響をラルク アン シエル(L’Arc〜en〜Ciel)流に消化したサウンドを聴かせてくれる。 前作同様にken(g)のギターサウンドは「眩しすぎる光」を感じるものとなっており様々な情景をリスナーに連想させ、また今

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「ハードコアパンク、ヘヴィメタルからの影響を全く感じさせない空間的なサウンド」「神秘的でマニアックに尖っている歌詞」などが印象的で、本人たちが望む望まないは別としてルナシー(LUNAEA)の伝説のインディーズアルバム「LUNASEA」と共にV系クラシックとして後続のアーティストに多大な影響を与えたインディーズアルバム。

「眩しすぎる光」のようなken(g)のギターサウンドは他のダーク系バンドでは中々聴けない類のものであり曲に不思議な開放感を与えており、ニューウェイブ的なミステリアスさやダークさを強調したサウンドであっても閉ざされた感があまりしないのはken(g)のセンスによるところが大きいと思われる。

93年リリースのインディーズアルバムではあるが後のラルクサウンドの原型が砂漠の砂に埋もれて存在している、そんなアルバム。

    「要点」

  • V系クラシックとして後続のアーティストに多大な影響
  • 神秘的でマニアックに尖っている歌詞

「曲解説」

1 Shutting from the sky

「これぞラルク!」という煌びやかさと浮遊感を感じるオープニングソング。ユートゥー(U2)からの影響を感じさせるイントロのディレイサウンドは、 ルナシー(LUNASEA)の名曲「MOON」と並びディレイを活用した名フレーズであると思う。歌詞の内容はネガティブにダークに塞ぎ込んでいた主人公が 光の世界の美しさに惹かれ「もう過去には戻れない」というニュアンスの内容。「高速のメトロノーム」のようなディレイサウンドが奏でるモノトーンな響きと 「光が降り注ぐ」ような伸びやかなギターサウンドの対比が印象的でインディーズアルバムの1曲目からして既にken(g)サウンドが完成されている。
2 Voice

耽美的なギターフレーズが空を舞うニューウェイブチューン。マイナー調のコードストロークは「酸性雨」のような煌びやかさがあり(2:55〜)ミステリアスな響きのアルペジオのバックで「天に届く光」のようなアンプのハウリングが鳴り響く。
3 Taste of love

「夜の砂漠」のような雰囲気をもつダークなギターポップ。歌詞の内容はとにかく強烈で濃厚なMの匂いがするものとなっており、絶対的な美を持つ者に対する狂おしい愛情というところだろうか(2:50〜)ギターソロは「闇を舞う紫色の蝶」のようにダークな質感で曲のミステリアスさを助長する。
4 Entichers

メランコリックで「雨が降るパリの街」のような質感の曲(1:15〜)「狂おしい」というワードの登場と共に「脅迫観念」のような黒い影が現れ転調がはじまる。中間部では不気味さを演出する鐘の音が鳴り響く。「メロウなシャンソン」のようなサウンドが不穏な音を更に強烈に引き立てている。
5 Floods of tears

「比喩に比喩を重ねた意味が分かりそうで分からない歌詞」が美しいサイケな曲。終始「ガラスの破片」のような質感のアルペジオがリフレインされ、ベースラインは「うねる波」のような存在感を放つ。ギターソロは「夕暮れの海辺」を連想するようなメロウさと輝きを放つ(4:14〜)コーラスをかけ多重録音されたクリーンなギターサウンドは「終幕」のように退廃的である。終盤は「二度と戻れない夏」のようなセンチメンタルさをもつストリングスが登場して 最後はサビのメロディーを奏でるオルゴールが静かに流れる。
6 Dune

砂の街を舞台にした禁断の愛をテーマにした耽美ギターチューン。「月」「砂丘」「宴」という言葉がリスナーの想像力を強く刺激。歌詞の内容はhyde(vo)以外のシンガーが歌うのは許されない「灼熱の恋」のようなイメージ。サウンドはザ・スミス(The Smiths)のサウンドにロック的なエッジを効かせたようなイメージで流れるような旋律が見事である。
7 Be destined

「神」「園」「十字架」というフレーズがミステリアスではあるが、サウンドはサクッとしたハードなニューウェイブといった感じの曲(2:31〜)tetsuya(b)による早弾きベースラインは「長い蛇」のような存在感がある(2:41〜)現実と空想の境目がグチャグチャになっているようなhyde(vo)の語りはルナティックで恐怖すら感じる。
8 追憶の情景

「古いアルバムをめくりセンチメンタルな思い出に浸る昼下がり」のような質感のアコースティックバラード。後の名曲「Singin’ in the Rain」と同様に「しっとりと雨が降り注ぐ街角」を連想する雰囲気がある(3:47〜)「迷子」のような質感のスパニュシュなギターソロから空間的でエフェクティブなコードストロークが鳴り響く展開に移行。終盤はtetsuya(b)のベースラインがhydeのボーカルラインに「黒蛇」のようにディープに絡みつく。
9 As if in a dream

hyde(vo)が「ラルク史上最高の曲」だと言い(wiki)、グレイ(GLAY)のリーダーTAKUROに多大な影響を与えたラストソング。「退廃的な世界に僅かな光が差し込む」というV系なら誰もが目指すサウンドを最小限の手数で描いている(1:25〜)「海面に浮かぶ光」のようなディレイサウンドがセンチメンタルな質感の曲に光沢を与えている。終盤に登場する「ネオンカラー」のような電子音には彼らの音楽的な懐の深さを感じる。

「ハードコアパンク、ヘヴィメタルからの影響を全く感じさせない空間的なサウンド」「神秘的でマニアックに尖っている歌詞」などが印象的で、本人たちが望む望まないは別としてルナシー(LUNAEA)の伝説のインディーズアルバム「LUNASEA」と共にV系クラシックとして後続のアーティストに多大な影響を与えたインディーズアルバム。 「眩しすぎる光」のようなken(g)のギターサウンドは他のダーク系バンドでは中

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1stアルバム同様に圧倒的な存在感と完成度を誇る2ndアルバム。

今作は「ガラス」「クリスタル」などを連想する透明感のある音が非常に目立ち1stよりも耽美性を感じる作品となっている。また前作のような「暗闇なダークネス」ではなく「どんよりとした曇り」のような気怠い空気感をもち音を聴いていると頭の中に様々なイメージが湧く。「気怠さ」と「耽美」が同居する独自の空気感はまるで「二日酔いで迎えた曇った早朝」に「昨日のエロティックな夜を思い出す」ようなフィーリングである。2作目にして「孤高」という言葉がピッタリのクオリティを誇り、いろんな意味で完成され尽くしている。

「曲解説」

1 Protection

モノトーンなアルペジオと「ガラスの破片」のようなギターフレーズが静かにリフレインされるメランコリックなスローバラード(2:38〜)アシッドハウスのような弾力性のあるスライムビートが曲に歪み感を与える。中盤以降は美しい旋律を奏でるボーカルラインの裏で「静かな雨」のようなピアノが存在感を放つ。曲を通して「曇りの日の憂鬱な早朝」を連想するような気怠さがあり、最後は降り注ぐ雨音とピアノの旋律だけが静かに鳴り響く。
2 Karmacoma

「酩酊」のような質感のリズムと「囁く」ようなラップが「宴」のような雰囲気を醸し出すダビーなヒップホップ。リズムは「先住民の足跡」のように「ドシドシ」と強くシンプルに響き渡る(2:08〜,3:38〜)吹奏楽器が「強い風」のように神聖な質感のオリエンタルな旋律を奏でる。淡々とした展開の曲だがダレることなく常にシリアスな緊張感が保たれている。
3 Three

「神秘的で真っ白な空間」を連想する幻想的な曲。「Three」「Three」「Three」とタイトルを連呼する男の声がシュールで耳に残る。リズムアプローチは「海中の泡」のように静かであり、音響として機能している。
4 Weather Storm

「しっとり雨が降るアーバンな街角」のようなジャジーなインスト。「しっとり降る雨」のようなジャジーなピアノとは対照的なディープで分厚いベースラインが曲を引っ張る。中盤以降はストリングス風シンセサウンドが目の前に「霧」のように現れる。
5 Spying Glass

「ガラスの世界」のような揺らめきと残響が心地よいダブチューン。時折挿入されるカラフルなギターサウンドの断片はリスナーの脳を突き刺す。中盤以降は「1 Protection」同様にアシッドハウスのような弾力性のある低音が登場。終盤は全ての音が「無邪気な動物達」のように目の前に飛び出さんばかりの勢いで鳴り響く。
6 Better Things

「くぐもったベースライン」と「ドリーミーな音響」が印象的な神聖なバラード。この曲でも「ガラスの破片」のようなギターサウンドの断片がリフレインされている。中盤以降は「ノスタルジーな故郷」のようなストリングスが登場し曲に深みを与えている。
7 Euro Child

マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(My Bloody Valentine)とも共通する「揺れるサウンドレイヤー」を持つダークなヒップホップ。「yeah、yaah」という女性コーラスはビビッドで強烈な響きを持ち「呪縛」のように脳裏に刻まれる。「二日酔いのような気怠さ」と「昨日のハイな思い出」が同居しているようなイメージの曲。
8 sly

「春のような爽やかさ」と「曇り空のような憂鬱さ」が同居しているミドルテンポの曲。クラシカルな弦楽器とストリングスが気怠い音響の中を優雅に踊る(2:56〜)「ガラス細工」のような透明なサウンドと分厚いベースサウンドが絡まりアクセントとなる。
9 Heat Miser

「クリスタル」のような質感のピアノサウンドとダビーなリズムアプローチが「霧」のような雰囲気を醸し出すインスト。直線的に「記号」のように鳴り響く分厚いベースラインがピアノの美しく耽美な旋律をより引き立てる(2:20〜)「光線」のような質感の電子音は「早朝の曇り空を羽ばたく鳥」のように自由だ。
10 LIght My Fire(Live)

ライブ音源をラストに挿入するセンスが非ロック的であり、歓声の存在もあり「賑わう市場」のような雰囲気を持つ曲である。トラックは「ビームや銃声をサンプリング」しておりストリート感がある(1:40〜)長年開いていなかった扉を開けるようなラッパが渋く響き渡る。

1stアルバム同様に圧倒的な存在感と完成度を誇る2ndアルバム。 今作は「ガラス」「クリスタル」などを連想する透明感のある音が非常に目立ち1stよりも耽美性を感じる作品となっている。また前作のような「暗闇なダークネス」ではなく「どんよりとした曇り」のような気怠い空気感をもち音を聴いていると頭の中に様々なイメージが湧く。「気怠さ」と「耽美」が同居する独自の空気感はまるで「二日酔いで迎えた曇った早朝」

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音楽シーンに多大な影響を与えたアルバムが複数リリースされた黄金の91年にリリースされ最も幅広いジャンルのミュージシャンに影響を与えた完璧なデビューアルバム。

「ダブ」「ジャズ」「ヒップホップ」「ソウル」「ニューウェイブ」を独自の感性でミックスし「ダーク」×「ディープ」×「耽美的」な世界観を構築している。全編を通して冷気を感じるサウンドが展開されるが「ドライアイス」のような「冷た過ぎて熱いシュールな熱量」を感じる事ができる。

本作は「トリップホップ」と呼ばれるジャンルのスタート地点のような作品であり、90年代に「ダーク」×「耽美的」な質感のサウンドをもつアーティスト達が活躍できる土台を作った。

    「要点」

  • 幅広いジャンルのミュージシャンに影響を与えた完璧なデビューアルバム
  • 「ダーク」×「ディープ」×「耽美的」な世界観

「曲解説」

1 Safe from Harm

冷気を感じる神聖な空気感の中、立体的で重いベースラインが強烈な存在感を放つダークソング。時折、挿入される「氷の雫」のようなピアノサウンドが耽美な質感と透明感を曲に与えている(1:55〜 , 3:12〜)普通のギターバンドでは中々聴くことができないコクのあるディープな音色のギターサウンドが登場。ゲスト女性ボーカリストは女神のような歌声で壮大なメロディーラインを奏でており、ディープで耽美的なサウンドと素晴らしくフィットしている。
2 One Love

ダビーなリズムアプローチがまるで「二日酔いで迎える早朝」のような気怠さと透明感を演出している。「ガラス玉」のようなアルペジオが透明感と耽美な質感を曲に与えており、「ソニックに切り込むDJスクラッチ」「物悲しくも優雅な弦楽器のミニマムな音色」「軍歌のように威圧的な音響の断片」がシュールでダークな世界観を演出している。最後は「誰もいなくなった部屋」のようなセンチメンタルで透明なピアノが静かに流れる。
3 Blue Lines

渋みのあるジャジーなサウンドが「アダルトなbar」を連想するディープなヒップホップ。「雨雲」のようにダークなベースラインが存在感抜群で終始曲をリード。ストリート感のあるアグレッシヴなラップの真逆を行くクールで冷たい質感のラップは「理性的で知的な会話」のようである。
4 Be Thankful for What You’ve Got

「深い渋みをもつブラックコーヒー」のような質感のファンキーなソウル。ベースラインは「巨大な蛇」のように底でゆったりと動き曲にコクを与えている。 時折、挿入される「ガラスの破片」のようなギター音色が透明な輝きを放つ。
5 Five Man Army

「熱帯夜」のような絡みつく暑さを案じるダブチューン。男性ラッパーの歌声は「熟成されたワイン」のように深く「アラブの太陽」のようなサウンドの断片や 「酩酊」のような透明感をもつギターフレーズがサイケデリックである。終盤は「ガラス越し」のような質感のホーンが存在感を放つ。
6 Unfinished Sympathy

「大空のような壮大さと浮遊感を感じるストリングス」と「金属が擦れるようなミニマムなビート」の対比が印象的な曲で、どこまでも果てしなく続く白い空間が目の前を覆う(4:07〜)「果たせなかった約束」のようなシリアスなピアノが曲をビシッと引き締める。
9 Hymn of the Big Wheel

「ビビットで立体感のあるブレイクビーツ」と「油絵のようなドリーミーな音響」が絡まるラストソング。サビのバックではマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(My Bloody Valentine)彷彿の白昼夢サウンドが鳴り響き、終盤は「荒涼とした大地に吹き荒れる強風」のようなサウンドがミステリアスさを強調する。

音楽シーンに多大な影響を与えたアルバムが複数リリースされた黄金の91年にリリースされ最も幅広いジャンルのミュージシャンに影響を与えた完璧なデビューアルバム。 「ダブ」「ジャズ」「ヒップホップ」「ソウル」「ニューウェイブ」を独自の感性でミックスし「ダーク」×「ディープ」×「耽美的」な世界観を構築している。全編を通して冷気を感じるサウンドが展開されるが「ドライアイス」のような「冷た過ぎて熱いシュールな

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アンダーワールド(Underworld)独自の「悩ましいダンスミュージック」が最高の形でパッケージングされている作品であり、これまで様々なサウンドでニューウェイブ的なダークさ陰鬱さをダンスミュージックに反映させることにトライしてきたと思うが、本作は「完璧な回答」といえるクオリティとなっている。

2002年はアンダーワールド(Underworld)同様に世界的なダンスアクトであるケミカル・ブラザーズ(The Chemical Brothers)もまた「サイケデリックな答え」のような強烈な作品をリリースしている点が非常に興味深い。

この2つの作品に共通している点はエレクトロニカやポストロックなどの新感覚に安易に流される事なく、自分たちの特徴を追求して「ストイックな答え」を出している点にあり両作共に音に全く迷いがなく直線的にリスナーの耳と身体にダイレクトに突き刺さる。知的な若者の「憂鬱な気分」だが「踊りたい気分」という歪なニーズを満たしてくれる神作と言える

    「要点」

  • 「悩ましいダンスミュージック」が最高の形でパッケージング
  • 自分たちの特徴を追求して「ストイックな答え」を出している点

「曲解説」

1 Mo Move

「時空が歪んだ」ような重低音と直線的でミニマムなビートが印象的。モノトーンで神聖な空間の中で鳴らされるミニマムなダンスミュージックという趣の曲。「祈り」のように透明なボーカルはリフのように短いフレーズ「that i’m chemical」を連呼する(4:12〜)リズミカルなパーカッションが曲に躍動感を与えダンスミュージックとしての強度を高める。
2 Two Months Off

「透明なベール」のようなサウンドレイヤーが幻想的な音響を奏でるシューゲイザーソング。夢見心地な雰囲気と躍動感のあるミニマムなビートが見事に融合されマッハの体感速度を感じる事ができる。またカール・ハイドのボーカルはメロディックで美しいメロディーを奏でている。
3 Twist

「早朝の海辺」を連想するようなミニマムなピアノがリフレインされるトラックの上を「鈍い光」のようなメタリックなサウンドやパーカッショナルなリズムが躍動する。終盤はビートが強度を高める展開となるが、そこに真っ白なストリングスが表れて全てを優しく包み込む。最後は「迷子」のように彷徨うビートだけが静かに鳴り響く。
4 Sola Sistim

「雨雲」のようなどんよりした質感と重さをもつスローなブレイクビーツを中心に展開されるダークソング。吹奏楽器の音の断片が曲にシリアスな緊張感と彩りを与えており、カール・ハイドのボーカルは浮遊感のある歪みが加えられており「ガラス越し」のようなセンチメンタルさを醸し出している。終盤は「わずかに感じる柔らかい光」のようなサウンドが曲に輝きを与える。
5 Little Speaker

潤った重力感が心地よい曲で囁くような女性ボーカルをフィーチャーしている。この曲でも「3 Twist」同様にミニマムなピアノフレーズがリフレインされている。序盤はモノトーンな質感の淡々とした展開だが(4:00〜)煌びやかでビビッドなシンセサウンドがミニマムに鳴り響きリスナーの頭の中を極彩色に染め上げる。終盤は全ての音が「油絵」のように揺れて眼に映る全てが光に包まれるサイケデリックな展開となる。最後は「スライム」のような音響の上をミニマムなシンセサウンドだけが「独り言」のように鳴り響く。
6 Trim

KID A期 / レディオヘッド(radiohead)のB sideソングのような雰囲気をもつ「曇りのち曇り」のような曲。「ガラスの破片」のような質感のミニマムなギターサウンドがリフレインされビートは極限までシンプルに削ぎ落とされている。
7 Ess Gee

「本当にアンダーワールド(Underworld)の曲なのか?」と思える位にアナログな音で埋め尽くされたサウンド。「幼い日のエモい思い出」のようなセンチメンタルな音響が静かに孤独に鳴り響く。
9 Ballet Lane

アンビエントな質感の透明なアルペジオを大胆にフィーチャーしたメランコリックチューン。アルペジオの旋律は「UK×美メロ系ギターバンド」と共通する「美しいがメランコリック」という類のものであり、シンプルではあるがいつまでも頭の中で反芻する不思議な魔力がある。
10 Luetin

アシッドハウスにをエレクトロニカ以降の氷の質感でアレンジしたようなラストチューン。ダンスを誘発する黒くディープな四つ打ちとメランコリックなストリングスの共存がなんとも言えない空気感を演出しており、アンダーワールド(Underworld)独自の「悩ましいダンスミュージック」を象徴する曲となっている。

アンダーワールド(Underworld)独自の「悩ましいダンスミュージック」が最高の形でパッケージングされている作品であり、これまで様々なサウンドでニューウェイブ的なダークさ陰鬱さをダンスミュージックに反映させることにトライしてきたと思うが、本作は「完璧な回答」といえるクオリティとなっている。 2002年はアンダーワールド(Underworld)同様に世界的なダンスアクトであるケミカル・ブラザーズ

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