検索画面を消す
検索画面を消す
live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果49件

タグ「ニューウェイブ」のレビュー

「BPM以上のスピード感を演出する高速ループ」や「ビビッドな電子音」など様々な情景を連想するサウンドが印象的でニューウェイブ的なダークさとミステリアスな雰囲気があった前作よりクリアーな音が多くなった4thアルバム。

カール・ハイドのボーカルは相変わらず無機質で脱力感のあるものが多いが、ラストソング「8 stagger」ではレディオヘッド(radiohead)のようなエモーショナルを感じる。またエイフェックス・ツイン(Aphex Twin)やオウテカ(Autechre)などのエレクトロニカ系アーティストから影響をうけたと思われる「冷たく透明な質感の音」や「神経質なブレイクビーツ」なども柔軟に受け入れており、アルバムジャケット同様に「ダークで陰鬱な黒」を開放的に表現したようなアルバムとなっている。

    「要点」

  • エレクトロニカ系アーティストからの影響をうけている
  • 「ダークで陰鬱な黒」を開放的に表現したようなアルバム

「曲解説」

1 juanita : kiteless : to dream of love

「深夜の首都高速をドライブする」ようなスピード感を感じる16分超えのオープニングチューン。序盤に登場するボーカルラインは一切の感情がなく「暗号」のように無機質である(3:40〜)「眩しいネオン」のような電子音が高速でループされ、体感速度を大幅に上げる(6:02〜)「回りながら落下」するような電子音が存在感を放つミステリアスな展開となり、その後はリバーヴのかかったギターサウンドの断片が登場。10分を超えたあたりから曲はアシッドハウスのようなディープさを持ち始める(12:12〜)「透明なクリスタル」のような質感のシンセサウンドが光の速さで美しい旋律を奏でる。このサウンドをバックに「人間らしい暖かい感情を持ったボーカルライン」が登場。そこに「電気的な歪み」を感じるエッジのたった電子音やアシッドハウス的な「鳥類の鳴き声にエフェクトをかけた」ようなサウンドが絡む。最後は「壊れたロボット同士の会話」のような声の断片がミステリアスに響く。
2 banstyle/sappys curry

序盤と中盤で曲の雰囲気がガラリと変わるプログレな曲。時折挿入されるカール・ハイドのボーカルは脱力感がありメロウなものとなっている。0~6分頃までは「雲の上」のような浮遊感を感じる音響とシャープなジャングル風ブレイクビーツが印象的な展開でエイフェックス・ツイン(Aphex Twin)以降の神経質な音響も登場する。6分頃〜 アナログな暖かさを感じる立体的なスラップベースがミニマムなフレーズを奏でて、そこに「さざ波」のような質感の電子音が絡まり「メランコリックな夏の海」を連想するような空気感が出来上がる(11:53〜)「シュールな世界にワープできる泉」のような質感のサイケデリックな音響がリスナーの頭の中をグシャグシャとかき乱す。終盤はこれまで曲中に登場した全ての音と雰囲気が絡まるカオスな展開で幕を閉じる。
3 confusion the waitress

「ミニマリストの部屋」を思わせるミニマムでメランコリックな質感の曲。リズムは規則正しい四つ打ちとブレイクビーツが交互に鳴らされるイメージで、 ボーカルラインは相変わらず「独り言」のようなものとなっている。
5 pearls girl

「どんよりした曇り空にモザイクをかけた」ような空気感の曲。エレクトロニカ風の神経質なブレイクビーツやバグったコンピュータボイスが時折挿入される。この曲でのカール・ハイドのボーカルはインダストリアル的に歪んでいる(5:28〜)「crazy、crazy」というワードを高速ループするシュールな展開となり、そこにバグった質感の細切れの女性ボイスも加わってリスナーをトランス状態にする。終盤は「神聖で真っ白なストリングス」が全てを包み込むがそこに神経質なブレイクビーツが「蛇」のように動き回りアクセントを加える。
6 air towel

ビビッドな音色の電子音が終始「ギターリフ」のようにリフレインされるシンプルな曲。「囁き」のような無機質なボーカルはメランコリックでメロディーを聴かせる気などまるでない。中盤以降はエレクトロニカ的な冷たい音像が曲に冷気を与える。
8 stagger

モノトーンでシリアスな空気感を持つダウナーソング。物悲しくダークなピアノ風の旋律は「氷の迷路」のようであり、カール・ハイドのボーカルはレディオヘッド(radiohead)のようにエモーショナルである。終盤〜最後は歪んだビートだけが「重い足取り」のようにスローに鳴り響く。

「BPM以上のスピード感を演出する高速ループ」や「ビビッドな電子音」など様々な情景を連想するサウンドが印象的でニューウェイブ的なダークさとミステリアスな雰囲気があった前作よりクリアーな音が多くなった4thアルバム。 カール・ハイドのボーカルは相変わらず無機質で脱力感のあるものが多いが、ラストソング「8 stagger」ではレディオヘッド(radiohead)のようなエモーショナルを感じる。またエイ

READ MORE

メランコリックでダークな質感を持つ「悩ましいクラブミュージック」という趣の3rdアルバム。

「極彩色な電子音」や「ディープな四つ打ち」などはあまり鳴らされおらず、反面、メランコリックでダークなギター・アルペジオやメタリックな音響、「メロディックな語り」のような無機質でミステリアスなボーカルが非常に印象的であり、彼らが元々ニューウェイブ系バンドであったというのも納得のサウンドである。

アシッドハウス以降の「レイヴ的な開放感」や「サイケデリックな質感」をほとんど感じないダークで無機質なサウンドは当時のテクノ・ハウス畑では間違いなく浮いた存在であった思われ、キャッチーでもポップでもなく「地下室」のようなダークさを持つサウンドではあるが聴いた後でも不思議とビートや音響などが耳に残っている。 またラストソング「9 M.E」で聴ける不可思議な日本語の存在も日本人としては気になるところである。

本作は筆者の感覚でいえば「非売れ線ミュージック」であると思うのだがアンダーワールド(Underworld)は「テクノ路線のファーストアルバム」である本作でブレイクを果たす事となる。

    「要点」

  • メランコリックでダークな質感を持つ「悩ましいクラブミュージック」
  • ギターのアルペジオやメタリックな音響、無機質でミステリアスなボーカルが特徴

「曲解説」

1 Dark&Long

「地下室」のようなダークさを持つオープニングチューン。メタリックな質感のモノトーンな電子音がまるで「酸性雨」のように降り注ぎ、クールで「独り言」のようなボーカルラインは抑揚はあまりないが不思議と頭に残る。このあたりが元ギターバンドのメロディーセンスなのだろうか?!BPMは一貫してゆったりとしたテンポであえて抑制しているかのような淡々としたものとなっている。
2 mmm skyscraper i love you

13分の中に様々な質感や表情を持つミステリアスな曲。序盤はアフリカン・テイストのパーカッションがリスナーの体を揺らし「カラフルなビーム」のような電子音がリスナーの目の前を通り過ぎるように鳴り響く。ボーカルはメロディックなラップ風のボーカルラインをクールに歌う(6:20〜)エフェクティヴなギターサウンドが「ガラスの破片」のように目に突き刺さり(6:58〜)唐突に「揺らめく光」のようなサウンドが挿入されて「幻の都」のようなサイケデリック感を醸し出す(7:45〜) 非常に耳に残るシンセリフが曲に疾走感を与える。この疾走感と連動するようにボーカルラインも抑揚のあるメロディックなボーカルラインを奏でる。終盤は神聖な雰囲気のストリングスが鳴り響く中、きらめく電子音や日本語の断片が登場して、まるで「鏡の中の世界に迷い込んだ」ようなミステリアスな展開となる。
3 Surfboy

「時空を超えるようなミニマムなループ」がインパクト大の曲。「近未来の汽車」のようなイメージの電子音や少し狂った感じのする男の雄叫びなどがミステリアスな印象を与える(5:02〜)「真っ白な何もない空間」のようなストリングスが流れ神聖な雰囲気を醸し出す。終盤は「縮れた電子音」がザラついた質感を曲に与え、最後はビートだけが静かに流れる。
4 Spoonman

歪ませたホラーテイストのサンプリングボイスが「電子の海に広がる波紋」のように広がるダークなアッパーチューン。電子的な歪みと「ジェル」のような浮遊感と重さを感じる音響が全編を通して流れ、挿入されるボーカルラインは「メロディックな独り言」風であるが曲にフックを与えている。
5 Tongue

「恍惚」のような光を感じるギターサウンドをフィーチャーした陰鬱なサイケソング。時折、挿入される「鳥のさえずり」や「川のせせらぎ」は砂漠のオアシスのような安らぎを与えてくれる(2:10〜 、3:25〜)「夜の砂漠」のようなダークさと静けさを持つ秀逸なアルペジオがサビのような存在感を放つ。
8 river of bass

「物憂げな昼下がり」のような雰囲気のミニマルポップ。淡々としたリズムとモノトーンなベースラインの上を最小限の音数で構成されるメランコリックなアルペジオが静かにリフレインされる。「5 Tongue」でも聴けたがこのアルペジオの活かし方は彼らの個性の一つだと思われる。聴く時の気分によって好みが分かれるとは思うが、メランコリックなロック好きに是非おすすめしたい名曲。
9 M.E

「カラフルな光溢れる部屋」のようなサウンドをバックに「あなたの夢に私を保てる??」という不可思議な日本語がシュールなインパクトを放つラストソング。モノトーンな音色のベースラインが曲にうねりを与えている。中盤以降はジャージで美しいピアノの旋律が曲に色彩を与えておりメランコリックな質感を与える。終盤は「起きろ〜」というアニメ風のコミカルボイスが挿入される。

メランコリックでダークな質感を持つ「悩ましいクラブミュージック」という趣の3rdアルバム。 「極彩色な電子音」や「ディープな四つ打ち」などはあまり鳴らされおらず、反面、メランコリックでダークなギター・アルペジオやメタリックな音響、「メロディックな語り」のような無機質でミステリアスなボーカルが非常に印象的であり、彼らが元々ニューウェイブ系バンドであったというのも納得のサウンドである。 アシッドハウス

READ MORE

男女混成のツインボーカル、サックスプレイヤーの存在などメンバー構成の時点でユニークな存在であるバービーボーイズ(BARBEE BOYS)。本作はそんな彼らの絶頂期にリリースされオリコン初登場1位を記録したアルバム。

KONTA(vo)、杏子(vo)による掛け合いのボーカルは色んな男女関係を想像させるものになっておりリスナーの想像力を刺激。

またギタリスト:いまみち ともたか(g)はパンク以降のニューウェイブ系ギターに多大な影響を受けていると思われメロウで流麗なプレイが特徴だが、海外のギタリストにはない日本人特有の直線的な質感もあり非常にユニークな存在と言える。

サウンドはミニマリズムといっていい位に余計な音が鳴っておらず静けさすら感じる。パンクでも、ハードロックでも、ダーク系ギターロックでもない独自のギターロックを展開している。

    「要点」

  • 男女混成の掛け合うボーカルラインは様々な男女関係を想像させる
  • 独自のサウンドを聴かせるギタリスト:いまみち ともたか(g)

「曲解説」

1 ト・キ・メ・キ

ミニマリストの部屋のように必要最低限の音のみで構成されているオープニングソング。時折、民族音楽のようなパーカッションも飛び出す。ギターサウンドは独特で「空気に溶け込み漂う煙」のようで不思議な静けさを感じる。
2 目を閉じておいでよ

「砕けたグラス」のような透明でエッジのたったギターサウンドを中心に展開されるハードロック風の曲(2:02〜)部屋に差し込む斜陽のような電子音が僅かな光を灯す(2:18〜)ちょいエロな歌詞とは対照的な落ち着いた淡々としているサビのボーカルラインが登場(2:45〜)光沢感がのあるベースラインとピアノからなる間奏部がアクセントになっている。
3 Y〰ゆがむ〰

ブレイクビーツ風のビートと哀愁あるメロウなアルペジオが空間を支配するルーミーな曲。時折登場する透明なピアノとエフェクティヴな残響、KONTAのメロディックなコーラスがタイトル通り「〰ゆがむ〰誰もいなくなった部屋」を連想する。
5 Late Again

「何も変わらない街」のようなサックスのメロディーが印象的な「一人遊び」を思わせるミドルテンポの曲(1:44〜)「アー、アー、アー、アー」という声と共に軽いパニックのような展開が一時的に挿入されアクセントになっているが、全体を通して同じところをクルクル回るようなイメージの曲。
6 さぁ どうしよう

ウォームな質感のベースラインがうねるバービーボーイズ(BARBEE BOYS)流パンクソング。ギターサウンドは相変わらず「空気に溶け込み漂う煙」のような静けさがあり汗臭さが全くなく、ザ・スミス(The Smiths)のような流麗さすら感じる。「さぁ どうしよう」という日常の頻出ワードを音楽化したサビのボーカルラインは秀逸。
7 噂ばなしはM(マッハ)4

早足で駆け抜けるメロウなUKポップという趣の曲。ギターサウンドはクリーンで最小限の手数でプレイされているため、ウォームで小波のようなベースラインが非常によく聴こえ(1:56〜)センス抜群のエバーグリーンでミニマムなアルペジオフレーズが清涼感を与えている。ボーカルラインも含めてメロディックで派手なフレーズなどは存在しないのだが、曲を通して非常にメロディックな印象をもつ1曲。
9 君を見てるとしょんぼり

フォークソング的な湿り気を帯びたギターポップ(1:45〜)エフェクトをかけた音色を活かしたキラ星のようなギターフレーズが曲に輝きを(2:20〜)マイルドなブラックコーヒーのようなサックスが渋みを与えている。
10 もうだいじょうぶヒステリー

「曇り空の海辺」のような雰囲気をもち淡々とした展開だが世界観に浸れるメランコリックなラストナンバー。淡々とそのまま最後までいくかと思いきや(4:10〜)アウトロで「切ない思い出」のようなギターソロが登場する。

男女混成のツインボーカル、サックスプレイヤーの存在などメンバー構成の時点でユニークな存在であるバービーボーイズ(BARBEE BOYS)。本作はそんな彼らの絶頂期にリリースされオリコン初登場1位を記録したアルバム。 KONTA(vo)、杏子(vo)による掛け合いのボーカルは色んな男女関係を想像させるものになっておりリスナーの想像力を刺激。 またギタリスト:いまみち ともたか(g)はパンク以降のニュ

READ MORE

90年代の日本の音楽シーンの中で圧倒的な異彩を放ったルナシー(LUNA SEA)の4thアルバム。前作「EDEN」の開放的な空気感をルナシー(LUNA SEA)独自のダークで神聖かつ浮遊感の伴うサウンドに反映させて、とんでもない化学反応を起こした90年代を代表する神作。

また今作からオルタナやインダストリアルなど各メンバーがリアルタイムで影響をうけた音楽の要素を楽曲に反映するようになっており、これまでのルナシー(LUNA SEA)の作品にはない「モダン」な質感がある。

本作リリース以降、世の中にはルナシー(LUNA SEA)のコピーバンドが大量に発生しメンバーモデルのギターやベースが飛ぶように売れた。ロック的なパンチ力を持ちつつも既存のサウンドとは明らかに異なるサウンドは当時とんでもなく斬新であり、V系(ビジュアル系)という言葉がまだ一般に存在していなかった時代にルナシー(LUNA SEA)サウンドをカテゴライズできるジャンルは存在しなかった。

    「要点」

  • これまでのルナシー(LUNA SEA)作品にはない「モダン」な質感
  • 当時カテゴライズできなかったサウンドはまさに「V系」
  • 空間的に絡み合うツインギター

「曲解説」

1 LOVELESS

「空の上にある神殿」のような浮遊感と熱風のような熱さが同居するオープニングソング。耽美でアンビエントな質感のアルペジオと上空を優雅に飛び回るコンドルのようなロングトーンのギターサウンドが空間を構築し、重いリズムの上をミステリアスで不穏なベースラインが踊る。ボーカルラインは派手なメロディーを歌うわけではないが強力に耳に残る。これがソロでアルバムを300万枚セールスするシンガーの魔力だろうか。終盤はSUGIZO(g) のロングトーンのギターサウンドがこれまで以上に輝き最後は乱反射のようなサイケな音の洪水に包まれ終わる。
3 FACE TO FACE

全ての音から「宇宙を感じる」ミドルテンポの名曲。ヘヴィだが「2mmほど宙に浮いている」かのような浮遊感を感じるリズムの上を小さな惑星のように輝くアルペジオが彩り、空間を支配するSUGIZOのギタープレイは非常にディープで曲に深みを与えている。少しだけナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)的なインダストリアル感も感じ取れる曲なのだが完全にルナシー(LUNA SEA)独自のサウンドとなっている。2:50〜 この曲の最大の見せ場、RYUICHI(vo)の低音ボイスが「泉から次々と湧き出る」ように現れ「宇宙に雪が降った」ような奇跡のハーモニーを聴かせてくれる。
4 CIVILIZE

近未来でサイバーさと原始的なリズムアプローチが混在しているニューウェイブソング。ギターソロを境に左右非対称なサウンドが展開されるクセのある曲だが不思議なポップネスも感じる。ヴァースはトーキングヘッズ(Talking Heads)のようなアフリカンなリズムアプローチの上をサイバーでメタリックなノイズの断片が踊る近未来なサウンドだが(0:57〜)サビになると「真っ白な空間」を思わせるサウンドに切り替わる(1:30〜)透明感のあるノイズソロはアバンギャルドで曲にアクセントを与えている。94年にこのサウンドは新しすぎる。
5 GENESIS OF MIND 〜夢の彼方へ〜

残響が心地よい耽美的なアコギのコードストロークを中心に展開されるが、所々でセンス抜群の様々な音の断片が鳴り響き、様々な切ない情景を連想させる。4:48〜 ブレイクの後、独り言のようなアルペジオだけが響く展開になるが、そこに夕暮れのようなバイオリンと天使の羽ように柔らかいストリングスが絡み熱量を高めていく6:12〜 RYUICHI(vo)の感情を解き放つような渾身のボーカルラインから天まで昇るような熱量でピークを迎える。最後は「夕暮れの街に佇む鳥」のような孤独感を感じるギターサウンドが静かに鳴り響く。
7 IN FUTURE

オルタナからの影響をダイレクトに反映したファストチューン。歪んだツインギターは全く別々のフレーズを弾いており「渦巻き曇」のように上空を乱している。1:55〜 サビのボーカルラインはベタを拒絶するかのような「語り調」でIN FUTURE。2:08〜 ミニマムでメタリックな電子音が挿入される、このあたりのセンスはノーマルなバンドにはないセンスだろう。
9 TRUE BLUE

削ぎ落とされたLUNASEA流スリーコードロック。ミニマムなリフとシンプルなビートで構成されているが、これぞLUNASEAという雰囲気になっている。
10 MOTHER

荒涼とした大地に吹く北風のような荒涼感を持つ曲。全編を通して神聖な雰囲気があり、特にサビのボーカルラインはこれまで聴いた事がないタイプでまるで「神からの恵み」のようだ。(2:58〜)天を乱すような少しヒステリーなバイオリンソロが曲をよりミステリアスにしている。最後は「誰もいない荒涼とした大地に風だけが流れる」ような静けさで幕を閉じる。

90年代の日本の音楽シーンの中で圧倒的な異彩を放ったルナシー(LUNA SEA)の4thアルバム。前作「EDEN」の開放的な空気感をルナシー(LUNA SEA)独自のダークで神聖かつ浮遊感の伴うサウンドに反映させて、とんでもない化学反応を起こした90年代を代表する神作。 また今作からオルタナやインダストリアルなど各メンバーがリアルタイムで影響をうけた音楽の要素を楽曲に反映するようになっており、これ

READ MORE

男女混成のツインボーカル、サックスプレイヤーの存在などメンバー構成の時点でユニークな存在であるバービーボーイズ(BARBEE BOYS)。本作はそんな彼らの絶頂期にリリースされオリコン初登場1位を記録したアルバム。

KONTA(vo)、杏子(vo)による掛け合いのボーカルは色んな男女関係を想像させるものになっておりリスナーの想像力を刺激。

またギタリスト:いまみち ともたか(g)はパンク以降のニューウェイブ系ギターに多大な影響を受けていると思われメロウで流麗なプレイが特徴だが、海外のギタリストにはない日本人特有の直線的な質感もあり非常にユニークな存在と言える。

サウンドはミニマリズムといっていい位に余計な音が鳴っておらず静けさすら感じる。パンクでも、ハードロックでも、ダーク系ギターロックでもない独自のギターロックを展開している。

    「要点」

  • 男女混成の掛け合うボーカルラインは様々な男女関係を想像させる
  • 独自のサウンドを聴かせるギタリスト:いまみち ともたか(g)

「曲解説」

1 ト・キ・メ・キ

ミニマリストの部屋のように必要最低限の音のみで構成されているオープニングソング。時折、民族音楽のようなパーカッションも飛び出す。ギターサウンドは独特で「空気に溶け込み漂う煙」のようで不思議な静けさを感じる。
2 目を閉じておいでよ

「砕けたグラス」のような透明でエッジのたったギターサウンドを中心に展開されるハードロック風の曲(2:02〜)部屋に差し込む斜陽のような電子音が僅かな光を灯す(2:18〜)ちょいエロな歌詞とは対照的な落ち着いた淡々としているサビのボーカルラインが登場(2:45〜)光沢感がのあるベースラインとピアノからなる間奏部がアクセントになっている。
3 Y〰ゆがむ〰

ブレイクビーツ風のビートと哀愁あるメロウなアルペジオが空間を支配するルーミーな曲。時折登場する透明なピアノとエフェクティヴな残響、KONTAのメロディックなコーラスがタイトル通り「〰ゆがむ〰誰もいなくなった部屋」を連想する。
5 Late Again

「何も変わらない街」のようなサックスのメロディーが印象的な「一人遊び」を思わせるミドルテンポの曲(1:44〜)「アー、アー、アー、アー」という声と共に軽いパニックのような展開が一時的に挿入されアクセントになっているが、全体を通して同じところをクルクル回るようなイメージの曲。
6 さぁ どうしよう

ウォームな質感のベースラインがうねるバービーボーイズ(BARBEE BOYS)流パンクソング。ギターサウンドは相変わらず「空気に溶け込み漂う煙」のような静けさがあり汗臭さが全くなく、ザ・スミス(The Smiths)のような流麗さすら感じる。「さぁ どうしよう」という日常の頻出ワードを音楽化したサビのボーカルラインは秀逸。
7 噂ばなしはM(マッハ)4

早足で駆け抜けるメロウなUKポップという趣の曲。ギターサウンドはクリーンで最小限の手数でプレイされているため、ウォームで小波のようなベースラインが非常によく聴こえ(1:56〜)センス抜群のエバーグリーンでミニマムなアルペジオフレーズが清涼感を与えている。ボーカルラインも含めてメロディックで派手なフレーズなどは存在しないのだが、曲を通して非常にメロディックな印象をもつ1曲。
9 君を見てるとしょんぼり

フォークソング的な湿り気を帯びたギターポップ(1:45〜)エフェクトをかけた音色を活かしたキラ星のようなギターフレーズが曲に輝きを(2:20〜)マイルドなブラックコーヒーのようなサックスが渋みを与えている。
10 もうだいじょうぶヒステリー

「曇り空の海辺」のような雰囲気をもち淡々とした展開だが世界観に浸れるメランコリックなラストナンバー。淡々とそのまま最後までいくかと思いきや(4:10〜)アウトロで「切ない思い出」のようなギターソロが登場する。

男女混成のツインボーカル、サックスプレイヤーの存在などメンバー構成の時点でユニークな存在であるバービーボーイズ(BARBEE BOYS)。本作はそんな彼らの絶頂期にリリースされオリコン初登場1位を記録したアルバム。 KONTA(vo)、杏子(vo)による掛け合いのボーカルは色んな男女関係を想像させるものになっておりリスナーの想像力を刺激。 またギタリスト:いまみち ともたか(g)はパンク以降のニュ

READ MORE

1 7 8 9 10