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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果9件

タグ「サイケデリック」のレビュー

鬼才/ロバート・スミスの頭の中にある「濃厚な音世界」を妥協なく描き切った神作で全編を通して「強烈でタイトなビート」を導入しており、ギターサウンドからも「強烈なサイケ」を感じる事ができる。

初期3部作同様に音数的にはミニマムではあるのが、これまでの彼らとは明らかに異なる質感のサウンドとなっている。本作で聴く事ができる「狂気じみたダークなサイケデリック」は「箱庭的でモノトーン」な初期作に「濃厚な色彩」を加えたようなイメージである。

また本作の緊迫したレコーディングでメンバーの不仲はピークに達し、本作リリース後のツアーでベーシストであるサイモン・ギャラップが脱退(wiki)する事態となった。本作に限らず「音楽的な充実」と「メンバー間の緊張感」はどうやら正比例する傾向にあるようだ。

    「要点」

  • ・収録曲は8曲と少ないのだが濃厚な内容となっている神作
  • ・ザ・キュアー (The Cure)がもつ狂気性とダークネスをビビッドに感じる事ができる

「曲解説」

1 One Hundred Years

冒頭から「神経質」なインダストリアルビートと「脳みそをグラグラと揺らす」サイケなギターサウンドが炸裂し、これまでのザ・キュアー (The Cure)の曲とは明らかに異なる濃厚さを感じる曲。ロバート・スミス(vo) のボーカルラインはリスナーを「異空間へと誘う呪文」のようにミステリアスではあるが同時に「不思議なポップネス」もあり強烈なインパクトを残している。
2 A Short Term Effect

「濃厚な中東の匂い」を感じる浮遊系サイケチューン。ロバート・スミス(vo) の声にはマニアックなディレイ処理が施されている。この曲のギターサウンドも「1 One Hundred Years」同様にインパクト大であり「酩酊」ように揺らめくサイケな音響を聴かせてくれる。この「ぶっ飛んだ」サイケな音響はマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(My Bloody Valentine)に近いものがある。
3 The Hanging Garden

鋭角的なビートとそれに呼応するベースラインを中心に展開されるビート・オリエンテッドな曲。「シリアスな現実」のようにタイトなリズムとは対照的にギターサウンドは「半透明の煙」のように揺らめくサイケフレーズとなっている。タイトルの和訳は「吊るされた庭」であり、内容も意味不明なものとなっている。
5 The Figurehead

退廃的なアルペジオがシリアスな雰囲気を演出する曲で、ビートは「大粒の酸性雨」のようである。音数は少ないのだが各パートが「自分の音」を迷いなく鳴らしており「ダークサイドの異端な熱量」を感じる。
6 A Strange Day

「視界にうつる全てが軽く歪んでいる」ような音響が印象的なサイケチューン。ビートは他の曲と同様に鋭角的なマシンビート風になっている。ギターサウンドはどこからどこまでが「リフ」で「ソロ」なのかの区別がつかない不思議なものとなっているが強烈に耳に残る。歌詞の内容は「3 The Hanging Garden」同様に意味を理解するのが難しい類のものだが、おそらくではあるが「現実逃避」をテーマにしていると思われる。
7 Cold

分厚いシンセサウンドを前面に押し出しており曲を通して「魔界」のような雰囲気を醸し出すゴスソング。時折挿入される「砕けたグラス」のような音が絶望的な暗闇の中に僅かな透明感を与える。
8 Pornography

「アナーキーで無秩序なタップダンス」のようなビートの上で不穏な音響とノイズが渦を巻く暗黒アバンギャルドチューン。中盤以降はロバート・スミス(vo) のボーカルも加わるが狂ったサウンドの中を「迷子」のように彷徨う。

鬼才/ロバート・スミスの頭の中にある「濃厚な音世界」を妥協なく描き切った神作で全編を通して「強烈でタイトなビート」を導入しており、ギターサウンドからも「強烈なサイケ」を感じる事ができる。 初期3部作同様に音数的にはミニマムではあるのが、これまでの彼らとは明らかに異なる質感のサウンドとなっている。本作で聴く事ができる「狂気じみたダークなサイケデリック」は「箱庭的でモノトーン」な初期作に「濃厚な色彩」

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ダークな無空間の中で今井寿(g)の尖ったセンスが大爆発している神アルバム。

海外の尖ったアーティストのアルバムなども数多く聴いてきた筆者ではあるがこのアルバムで聴く事ができる「マニアックでアブノーマルなサウンド」の数々は衝撃的と言っていい内容となっている。このぶっ飛んだサウンドの提示だけでも十分に凄いのだが、バクチク(BUCK-TICK)の最大の魅力は「ぶっ飛んだサウンド」をポップソング・ロックソングに落とし込める点にあると思う。

マニアックな世界観を持つ「4 青の世界」「5 神風」「9 Madman Blues -ミナシ児ノ憂鬱-」などの曲も彼らの手にかかれば「不穏なワクワク感」を感じる曲になるから何とも不思議である。「金属的でメタリックなエッジ」「揺らめくようなサイケデリック」を多くの収録曲で感じる事ができバクチク(BUCK-TICK)サウンドをより奥深く立体的にしている。

時代が時代であれば彼らは確実に海外のコアな音楽ファンに注目されていたに違いない。

    「要点」

  • ・ダークな無空間の中で今井寿(g)の尖ったセンスが大爆発
  • ・マニアックな世界観を持つ曲もB-Tの手にかかれば「不穏なワクワク感」を感じる曲に変貌

「曲解説」

1 キラメキの中で…

ミステリアスに揺らめくギターフレーズと微かに歪んだ残響を中心に展開されるB-T独自のアバンギャルド・ソング(2:02〜)「酩酊」のような質感のサイケサウンドが揺らめき(3:03〜)「一時停止」のように直線的な残響サウンドが響き渡る。以降は全てのパートが熱量を上げサウンドがより鋭角的になる。「もう少しでキラメキになる」「誰も彼もがキラメキになる」などの歌詞は筆者のイマジネーションでは正直追いつけない類でありサウンド・歌詞共にポジティヴな意味でやりすぎな名曲といえる。
2 Deep Slow

「ローファイな歪み」と「揺らめくような空気感」を感じる曲でグランジをB-Tなりに解釈したような曲となっている。「リズムはひどく狂いはじめた」なる歌詞がとにかく秀逸でシラフでは出てこないと思われる。終盤は直線的なギターリフが更に存在感を増すが、同時にオリエンタルな雰囲気も醸し出すという展開である。
3 誘惑

「地下室で行われるデカダンスで耽美なパーティー」を連想する曲で珍しく(?!)ジャジーなテイストを加えている。ピアノの旋律の間を縫うように時折現れる「揺らめく煙」のようなギターサウンドがインパクト大でB-Tソングの中でも「異色」と言っていい質感の曲となっている。
4 青の世界

「縮れたような強烈な歪み」と「神聖な雰囲気」が同居するヘヴィチューン。冒頭の櫻井敦司(vo)による囁き「青の世界へようこそ」がマニアックな世界観をリスナーに予感させる。「渦巻き」のようなベースラインがとにかく目立つ曲でダークなグルーヴを堪能する事ができる(4:35〜)櫻井敦司(vo)のルナティックなシャウトと共にBPMが急加速してカオスな展開となる。
5 神風

「揺らめく炎」のようなアルペジオを中心に展開される曲で「悪ふざけ」のような櫻井敦司(vo)の語りがミステリアスなムードを醸し出している(2:58〜) 終幕感と妙な祝祭性が混ざったパートから、またも櫻井敦司(vo)の語りが登場。声に「半透明の渦巻き」のようなエフェクトがかけられておりぶっ壊れた感を演出(3:40〜)「センスが狂いそうだ」「センスが暴れそうだ」「回る回る世界が回る」というインパクト大のフレーズが登場。アブノーマルさをポップソングに落とし込むという点においてB-Tの右にでるアーティストはそうはいないハズだ。
6 ZERO

「スライム」のような弾力感を感じる樋口 豊(b)のスラップベースを中心に展開されるスローな曲で櫻井敦司(vo)独自の酔っ払いラップ風歌唱が登場する「ZEROになるさ」というフレーズが頻出するが「青空が優しく手招く」というフレーズからおそらくではあるが「死」をテーマにしていると思われる。
7 ドレス

「天空の城」のような浮遊感を感じる名バラード(0:00〜)冒頭のリズムアプローチはまさかのドラムンベース風。歌詞の内容は「MADの続編」のようなイメージで狂い果てた後に感じる強烈な喪失感を歌っている(2:50〜)「僕には羽がない」という諦念を淡々とメロディックに語りけるようなサビがインパクト大。曲を通してエモーショナルなフックなどは用意されていないが「強い北風」のようなエモーショナルを感じる。
9 Madman Blues -ミナシ児ノ憂鬱-

「200%の負のパワーをもつ超生物の増殖」をテーマにしたマニアック・ソング。今井寿(g)による「welcome to my territory」というフレーズがループされリスナーを異空間に誘う。本曲の歌詞はジャンプ世代の筆者からすると「ドラゴンボールのセル」や「幽遊白書の海藤」を連想する。
10 die

「夕暮れ」のような眩しさを感じるアコースティックサウンドと「引き裂く」ような今井寿(g)のノイズサウンドが不思議とマッチしているバラード。歌詞の内容はB-Tらしく「死」についてである。最後は「全てがバグった」ようなカオスな音響に包まれる展開である。
11 D・T・D

「縮れた電子音」が脳内を駆け巡り曲全体から「濃厚な東洋の匂い」を感じるマニアックチューン。メインフレーズのクリーンアルペジオは個人に「リットン調査団」と聴こえてしまう(3:21〜, 4:07〜,5:25〜)時折、登場する極彩色フレーズは「壊れたメリーゴーランド」のようである。また「醜く歪み出したこの美貌」なる歌詞を歌えるボーカリストは櫻井敦司(vo)位だろう。

ダークな無空間の中で今井寿(g)の尖ったセンスが大爆発している神アルバム。 海外の尖ったアーティストのアルバムなども数多く聴いてきた筆者ではあるがこのアルバムで聴く事ができる「マニアックでアブノーマルなサウンド」の数々は衝撃的と言っていい内容となっている。このぶっ飛んだサウンドの提示だけでも十分に凄いのだが、バクチク(BUCK-TICK)の最大の魅力は「ぶっ飛んだサウンド」をポップソング・ロックソ

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ほとんど全ての曲に感じる宇宙的な質感が特徴のケミカル・ブラザーズ(The Chemical Brothers)の4thアルバムCome With Us。前作「Surrender」に存在していたサイケデリックサウンドを更に強烈にしたようなイメージの作品であり「ネオンカラー」「ビッグバン」などを連想するサウンドがリスナーの脳にダイレクトに突き刺さり様々な情景を呼び起こす。

またビートは宇宙的なサイケデリックサウンドが強調されるようにディープでシンプルなものが多くなっている。突如「異空間に放り込まれる」ようなプログレ的展開も本作の特徴の一つであり新機軸といえる。

このプログレ的展開と「10 The Test」で聴けるポップな歌のメロディーが次回作以降にどのように反映されるのか?大変興味がある。

    「要点」

  • 宇宙的なサイケデリックサウンド
  • 「異空間に放り込まれる」ようなプログレ的展開

「曲解説」

1 Come With Us

「光がうねる」ような強烈な電子音や瞬間移動風のワープ音、緊迫感漂うアシッドなストリングス風のシンセサウンドが無条件に宇宙を連想するスペーシーなオープニングチューン(2:36〜)「全てが宇宙に吸い込まれる」ような音が頭の中で高速ループされ、その後は「ビッグバン」のようにパワフルなドラムが連打される。
2 It Began In Afrika

アフリカンなパーカッションをフィーチャーしたスペーシーなアッパーチューン。「揺らめく光」のようなシンセサウンドが「1 Come With Us」同様に宇宙を連想させ、不規則かつ自由自在に鳴り響くアフリカンなビートの粒が「原子の宴」のような祝祭性を演出する。終盤はサンプリングされたファンキーな女性ボーカルだけが宇宙的な無の空間の中で響き渡る。
3 Galaxy Bounce

アシッドハウス的なスライムビートが大暴れする「ジェル」のような質感の曲(2:02〜)「どこでもドアを使い深夜のクラブから灼熱の砂漠に移動した」ような展開がプログレ的で恍惚すら感じる眩しすぎる光に包まれる。終盤はサンプリングされた女性ボーカルの歌声をDJスクラッチで切り刻むようなサウンドが展開される。
4 Star Guitar

「ネオンカラー」を連想するビートの粒が印象的で宇宙的な無重力感を感じるサウンド(3:00〜)「60年代の良質なポップスを宇宙的にエディットした」ようなプログレ的な展開を見せ、以降はその雰囲気を「極彩色なビーム」のようなエレクトロサウンドが彩り、いつの間にか元の宇宙的なサウンドに戻る。 終盤はネオンカラーのサウンドがシャワーのように降り注ぐエレクトロな展開で、最後は「小さな星が消滅した」ような音で幕を閉じる。
5 Hoops

「ガラス越しに映るエジプトの砂漠」のような雰囲気を持つ曲。序盤は「酩酊」のような気怠いサイケサウンドが展開されるが(1:35〜)BPM速めのスペーシーなアシッドハウスサウンドに切り替わり、アシッドハウスを象徴する「動物の鳴き声にエフェクトをかけたような歪みサウンド」も登場する。終盤はオリエンタルな質感のサウンドが絡まり「蜃気楼」のように揺らめく。
6 My Elastic Eye

「強烈に歪んだ異空間にいる」ような錯覚を覚える曲で、「氷柱」を連想する透明感のあるビートや「RPGゲームの魔法」のような音が踊る。
9 Pioneer Skies

極彩色なビートや音響が脳内を駆け巡るサイケソング。シンプルな四つ打ちと共に「2 It Began In Afrika」でも聴けたアフリカンなパーカッションサウンドが鳴り響く(1:55〜)「時空が歪んだ」ようなサウンドがリスナーの脳みそをグチャグチャにする。終盤は宇宙的な静けさとディープさを感じるサウンドが展開される。
10 The Test

「クーラ・シェイカー(Kula Shaker)の曲をアシッドハウスにアレンジした」ようなイメージの曲で「ガラス」のような質感のファンクギターと立体的なベースラインが非常に耳に残る(3:54〜)中間部で連呼されるコーラスは「レディオヘッド(radiohead)」と聴こえなくもない。本作のほとんどの曲に存在する宇宙的な雰囲気を持ちつつも「つい口ずさみたくなるメロディー」をもつこのラストソングは異彩を放っている。

ほとんど全ての曲に感じる宇宙的な質感が特徴のケミカル・ブラザーズ(The Chemical Brothers)の4thアルバムCome With Us。前作「Surrender」に存在していたサイケデリックサウンドを更に強烈にしたようなイメージの作品であり「ネオンカラー」「ビッグバン」などを連想するサウンドがリスナーの脳にダイレクトに突き刺さり様々な情景を呼び起こす。 またビートは宇宙的なサイケデ

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ゲストボーカリストにノエル・ギャラガー(オアシス(Oasis)と ボビー・ギレスピー / プライマル・スクリーム(Primal Scream)を招いてレコーディングされた3rdアルバム。

本作では「クラフトワーク(Kraftwerk)のようなクラシカルなテクノ」「ミニマムミュージックのようなトランス状態を体感できるハードコアテクノ」「アシッドハウスにモザイクをかけて再構築したサウンド」など幅広いサウンドが展開されているが、多くの曲で「眩しすぎる光」や「酩酊のような揺れ」を感じる事ができサイケデリックに対する傾倒を感じる。

1st 2ndアルバムで聴けたロック的で直線的なブレイクビーツは今作ではあまり登場しないが、今作のバグったサイケな音響サウンド1st 2nd以上の激しさでリスナーの脳を刺激する。

    「要点」

  • 「眩しすぎる光」や「酩酊のような揺れ」を感じるサイケデリックサウンド
  • ピコピコテクノ〜ハードコアテクノまで多様なサウンドを展開

「曲解説」

1 Music:Response

1st2ndアルバムには収録されていないタイプのピコピコ系スペーシーテクノ。 「Music:Response」というタイトルを呟く無機質ボイスはクラフトワーク(Kraftwerk)風。 煌びやかな電子音が浮かんでは消え「カラフルな蛍光灯が張り巡らされた空間」を連想する。
2 Under the Influence

空間系電子音が高速でループされるBPM速めのハードコアテクノ。ミニマムミュージックのように同じフレーズをリフレインすることでリスナーをトランス状態にするという類の曲となっている。リスナーを突き放すようなエッジを感じる曲ではあるが、随所に挿入される女性のサンプリング・ボイスが不思議なポップネスを演出している。
3 Out of Control

サイケな光に包まれるスペーシーな名曲。ゲストボーカルであるボビー・ギレスピー / プライマル・スクリーム(Primal Scream)が、神作「Screamadelica/プライマル・スクリーム(Primal Scream)1991年」彷彿の気怠いボーカルを披露(4:26〜)恍惚すら感じる「白昼夢」のような眩しすぎる光に包まれ、まるで体が宙に浮くような錯覚を感じる。それ以降に展開される「時空が歪んだような電子音」や「スライムのような弾力性があるビート」との絡み合いはプログレ的ですらある(6:16〜)インドの宮殿のような雰囲気を醸し出すギターフレーズが登場してアクセントになっている。
4 Orange Wedge

「歪んだ空間」に放り込まれたようなイメージのサイケソング。全ての音が酩酊時のように揺れており、やはりここでも真っ白な光が目の前に浮かんでくる。
5 Let Forever Be

前作「5 Setting Sun」同様にノエル・ギャラガー(オアシス(Oasis)をゲストボーカリスに迎え「蜃気楼」のような揺らめきを感じるサイケな名曲。 立体的なブレイクビーツは「レッド・ツェッペリン(LED ZEPPELIN)的なドラムリフ」のようである。BPMはゆったりとしているが「頭の中を通り過ぎる光」のような直線的な音響はリスナーにマッハの速度を感じさせる。
7 Asleep from Day

囁くような儚い女性ボーカルの歌声をフィーチャーした曲で「オルゴール」のようなキラキラした音やミニマムなアルペジオなど他の曲ではあまり聴けないタイプの音も登場する。足元が微妙に浮いているような浮遊感は新機軸と言ってもよく最後はキラキラしたオルゴール風サウンドが物悲しく孤独に鳴り響く。
8 Got Glint?

アシッドハウスに強烈なモザイクをかけて再構築したような曲。リズムはディープで淡々とした四つ打ちとなっている(1:25〜 , 2:33〜 , 4:32〜)モノトーンな空間を「太古の風」のような質感の美しい旋律がすり抜ける。この美しい旋律は本曲のサビと言っていい位にインパクトがある(2:50〜)「終焉」のようなラッパが「懐かしい思い出」のようなメロディーを奏で(3:08〜)歪んだサンプリングボイスは「溢れ出す液体」のようにドロっとした質感である。
9 Hey Boy Hey Girl

「Hey Boy , Hey Girl , sister DJ , here we go!」というフレーズがキャッチーなダンスチューン。 「陽炎」のような揺らめきと「二日酔いの朝に見る太陽」のようなチカチカした眩しさを感じる雰囲気があり(2:48〜)「渋みのあるサックスの音の断片をループさせた」ような強烈なサウンドが登場、非常に耳に残る。
11 Dream On

「センチメンタルな夏の思い出」のようなドリーミーなシューゲイザーソング。アコースティクギターと儚いボーカルラインをフィーチャーしたサウンドは「早朝の海辺」のような質感であり、デリケートで揺らめくようなサウンドレイヤーはリスナーに様々なエモい風景を連想させる。

ゲストボーカリストにノエル・ギャラガー(オアシス(Oasis)と ボビー・ギレスピー / プライマル・スクリーム(Primal Scream)を招いてレコーディングされた3rdアルバム。 本作では「クラフトワーク(Kraftwerk)のようなクラシカルなテクノ」「ミニマムミュージックのようなトランス状態を体感できるハードコアテクノ」「アシッドハウスにモザイクをかけて再構築したサウンド」など幅広いサ

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モザイクがかかったカラフルなアルバムジャケットから極彩色のようなサイケデリックサウンド想像していたのだが実際に聴いてみると「海の中」にいるような浮遊感やクーラ・シェイカー(Kula Shaker)と共通するようなオリエンタルな雰囲気を感じるデビューアルバム。

ギターサウンドは空間構築に徹しており煌びやかなオルガンや立体的なベースラインがよく目立つサウンドで、ザ・スミス(The Smiths)などのニューウェイブアーティストのようなメランコリックさもある。

アシッドハウスからの影響をがっつり受けているのかと思いきや実験的な数曲を除いてはそこまで影響を感じないというのが正直なところである。同世代にザ・ストーン・ローゼズ(The Stone Roses)、プライマル・スクリーム(Primal Scream)、ハッピー・マンデーズ(Happy Mondays)というヤバイ奴らがいる為、過小評価されている感は否めない。

    「要点」

  • 「海の中」にいるような浮遊感を感じる
  • 煌びやかなオルガンや立体的なベースラインがよく目立つサウンド

「曲解説」

1 You’re Not Very Well

「黄金の宮殿」を思わせるオルガン(キーボード)の音色がオリエンタルな雰囲気を演出しているオープニングソング。サイケなギターサウンドも聴けるがハッピー・マンデーズ(Happy Mondays)などと比較した場合、パンク的で直線的な音像である(1:58〜)短いギターソロは「底が見えない落とし穴に落ちた」ようにミステリアス。
2 White Shirt

「気だるいピクニック」のような雰囲気のサイケポップ。脱力感のあるボーカルラインはメロウなメロディーを奏でサビでは「やまびこ」のようなコーラスも飛び出す。ロブ・コリンズ(key)による「夏の木漏れ日」のようなオルガン(キーボード)が曲に少しセンチメンタルな雰囲気を与えている。
3 The Only One I Know

「海の中にいる」ような透明なブルーを感じるサイケでメロウな曲。「黄色しか存在しない信号機」のようなミニマムなキーボードリフが淡々と鳴り響く中をメロウで浮遊感を感じるボーカルラインが踊る(1:08〜、2:12〜)海の中に差し込む日光のようなデリケートなギターサウンドがサイケで(2:45〜)唐突に登場する立体的なベースラインは曲に重力を与える。
4 Opportunity

白昼夢のような眩しさと宙に浮いているような脱力感を感じるフリーセンションのような曲。パーカッショナルなリズムと黄金のベールのようなオルガン(キーボード)がオリエンタルな雰囲気を醸し出す(2:47〜)これまで空間構築に徹していたギターが微妙な湿り気を帯びた浮遊感のあるフレーズを奏でるが、その音はすぐに煙となってオリエンタルな空気感に溶け込む(4:33〜)「テレビの砂嵐」のようなギターサウンドが曲の浮遊感を更に高める。ボーカルラインは終始、儚い祈りのようなメロディーであり、最後は「カラスの声をアシッドハウス風にアレンジした」ようなサイケな音に包まれる終わる。
5 Then

メランコリックな雰囲気を持つダウナーな曲。クルクルと回るベースラインが中心となり展開される曲で、サビ前に鳴らされる「ガラスの破片」のようにきらめくギターサウンドは眩しすぎる。
6 109 Pt.2

宇宙のような雰囲気を持つアシッドハウスチックなインスト。中盤まではスペーシーな音の断片が次々に現れ頭の中に様々なイメージが湧くという浮遊感のある展開だが(1:54〜)マーチ風のブレイクビーツが鳴り響くのを境にディープな質感を持ち始める。最後は「全ての音が宇宙に吸い込まれる」ように静かに終わる。
7 Polar Bear

アシッドハウス的なフィーリングを持つ実験的な音響系ソング。「スライム」のように弾力のある潤ったリズムが終始リフレインされ、少しモザイクがかかったようなオルガン(キーボード)やエフェクティヴなギターサウンドが空間を構築する。
10 Sonic

気怠さとミステリアスな雰囲気が同居しているダークな曲でウェットで重いベースラインを中心に展開される。「雨の匂い」のようなギターフレーズとは対照的にオルガン(キーボード)の音色は煌びやかな為、ダークな質感ではあるがメロディックなポップスを聴いた後のようなあっさり感がある。

モザイクがかかったカラフルなアルバムジャケットから極彩色のようなサイケデリックサウンド想像していたのだが実際に聴いてみると「海の中」にいるような浮遊感やクーラ・シェイカー(Kula Shaker)と共通するようなオリエンタルな雰囲気を感じるデビューアルバム。 ギターサウンドは空間構築に徹しており煌びやかなオルガンや立体的なベースラインがよく目立つサウンドで、ザ・スミス(The Smiths)などの

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