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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果38件

タグ「UKロック」のレビュー

前作「The Bends」でギターロックバンドとして確固たる地位を築いたレディオヘッド(Radiohead)が、エレクトロニカやトリップホップなどの新興ジャンルからの影響をエモーショナルなギターロックに作品に反映させはじめた90年代を代表する作品。サウンド面では不穏な暗さやエレクトロニカにも通じるような荒涼とした雰囲気が最大の特徴でキャッチーとは言えない曲がほとんどを占める作品だが紛れもなくポップとして成立している。

レディオヘッド(Radiohead)は2000年にエレクトロニカやポストロックに急接近した問題作KID Aリリースするのだが、本作は「ギターロック」と「非ギターロック」の中間に位置する過渡期的作品でありある意味一番バランスが良い作品かもしれない97年〜98年は本作に触発されたかのように他のアーティストもプログレッシヴな作品をリリースし活況であった。

    「要点」

  • 「エレクトロニカ傾倒」前夜の過渡期的作品
  • 人によってはプログレに聴こえるらしい

「曲解説」

1 Airbag

「強迫観念」のような不穏な空気感が印象的なオープニング曲。前作から取り入れ始めた電子音が前面に出ており、またディープなリズムアプローチなどは、マッシヴ・アタック(Massive Attack)やポーティスヘッド(Portishead)からの影響を感じさせる。
2 Paranoid Android

冒頭は神聖な雰囲気すら漂う美しいメロディーラインで進行するが、唐突に現れる「ガッ、ガッ」というブラッシングノイズがその神聖な雰囲気を引き裂きぶっとんだ早弾きのギターソロが炸裂するというレディオヘッド(Radiohead)風プログレ曲。
4 Exit Music (For a Film)

エレクトロニカのような荒涼とした冷たさを感じる曲。トム・ヨーク(vo)のボーカルにはエフェクトがかかっており、これまでにはない悲壮感と切迫感を感じる事ができる。
5 Let Down

輪郭のはっきりしたアルペジオを中心に淡々と進行されるが(3:25〜)ミニマムで煌びやかな電子音が舞い降りてくるのをキッカケに曲は変貌しトム・ヨーク(vo)の歌声は何重にも重なり過去最高のボーカルラインを奏でる。歌詞の内容な移動によって起こる「ヒステリーで無意味な化学反応」についてらしい。
9 Climbing Up the Walls

サンプリングされたアニメのキャラクターような笑い声ではじまる曲でトム・ヨーク(vo)のボーカルにはホラー映画のような不穏さがあり、曲は時間の経過と共に徐々に熱量をあげて、「天まで届くアラーム」のようなギターサウンドの登場でピークを迎える。その後は重厚でヒステリーなストリングスも加わり曲はまさにカオスの様相を呈する。最後はトム・ヨーク(vo)の鬼気迫る絶叫で幕を閉じる。

前作「The Bends」でギターロックバンドとして確固たる地位を築いたレディオヘッド(Radiohead)が、エレクトロニカやトリップホップなどの新興ジャンルからの影響をエモーショナルなギターロックに作品に反映させはじめた90年代を代表する作品。サウンド面では不穏な暗さやエレクトロニカにも通じるような荒涼とした雰囲気が最大の特徴でキャッチーとは言えない曲がほとんどを占める作品だが紛れもなくポップ

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グランジの影響が非常に強く性急で畳み掛けるようなギターサウンドが特徴だった1stアルバムからまるで別人のような進歩を遂げた2ndアルバム「The Bends」1stアルバムの延長線上のような曲はほとんどなく、静と動はもちろん喜怒哀楽の全てをダイナミックに表現できてしまうトリプルギターサウンドが冴え渡る。

本作こそがレディオヘッド(Radiohead)の最高傑作というファンも存在する程のクオリティを誇る。ピクシーズやソニックユースに影響を受けたと思われる壊れた質感を持つ重厚なギターサウンド、アコースティックな響きを持つ新機軸、グランジ・オルタナを経たゴスのような曲など収録曲はバラエティーに富んでいる。トム・ヨーク(vo ,g)という人は明らかに「ジョンレノン」や「カート・コバーン」同様に選ばれた人間だけが持つ声をしている。

    「要点」

  • エモーショナルギターロックの傑作
  • 喜怒哀楽全てを表現するトリプルギター

「曲解説」

1 Planet Telex

上空を連想するSEからはじまるオープニング曲。前作にはないミニマムな電子音が鳴り響きギターロックと並行。空を飛んでいるかのような浮遊感を感じる事ができるサウンドになっている。
3 High and Dry

レディオヘッド(Radiohead)の曲の中でも屈指の名曲。歌詞の内容は「人と繋がるために偽りの自分を演じている主人公がいつか自分は見放されるのでは?」と怯えている曲。SNS登場以降の「人にどう思われるか?」を過剰に重視する現在人を皮肉っているかのような歌詞だが本作が発売されたのは95年。
4 Fake Plastic Trees

シンプルなアコギのストロークと微かなにあかりを灯すような電子音の上をトム・ヨーク(vo)がエモーショナルに歌い上げる名曲。
5 Bones

「踏切の音のようなギターフレーズがリフレインされ淡々と進行するパート」と「エモーショナルでダイナミックなギターロック」が交互に繰り返される曲。やはりこの曲でも空を飛んでいるかのような浮遊感を感じる事ができる。歌詞の内容は「以前、当たり前に出来ていた事が出来なくなった主人公の喪失感とそれを他人事だと思っている人たちに対する警告」のような内容。
6 Nice Dream

ノスタルジーな雰囲気のする軽やかなアコギのストロークとストリングスを中心に展開される。本曲のハイライトは(2:30〜)始まるギターソロで最小限の手数で見事なアクセントとなっている。
7 Just 8 My Iron Lung

「静」→「動」でダイナミズムを強調するオルタナ的展開は完全にマスターしたと言わんばかりの2曲。事実、このアルバムを最後に彼らはオルタナ的展開を一切使わなくなった。ジョニー・グリーンウッド(g)による壊れまくったオルタナギターソロは必聴。

グランジの影響が非常に強く性急で畳み掛けるようなギターサウンドが特徴だった1stアルバムからまるで別人のような進歩を遂げた2ndアルバム「The Bends」1stアルバムの延長線上のような曲はほとんどなく、静と動はもちろん喜怒哀楽の全てをダイナミックに表現できてしまうトリプルギターサウンドが冴え渡る。 本作こそがレディオヘッド(Radiohead)の最高傑作というファンも存在する程のクオリティを

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シューゲイザーUK代表といっていいライド(Ride)が1990年にリリースした作品。マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(My Bloody Valentine)がシューゲイザーの金字塔的アルバム「Loveless」をリリースする前年に本作はリリースされた。

マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(My Bloody Valentine)とはまた異なる特徴を持ち、ギターノイズがポストロック的な音響として使われている点が面白く、マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(My Bloody Valentine)が歪んだ音を重ねて絵画を描いているのだとしたらこのライド(Ride)は「歪んだ音」を記号や暗号のように使い曲に様々な表情を与えるようなイメージであり、ジーザス&メリーチェイン (The Jesus and Mary Chain)が発明した「ぶっ壊れたノイズギター」を自由度高く曲に反映している。グランジ上陸前夜のUKでこの破壊的な音は相当な衝撃を与えたハズ。

    「要点」

  • シューゲイザーUK代表アーティスト
  • 曲にアクセントを与える音号のようなギターノイズ

「曲解説」

1 Seagull

ツインギターが全く異なるフレーズを弾いているおり、「暴風」のようなノイズギターの裏でミニマムなアルペジオが鳴るというアレンジ。ドラムは手数が多く性急でダイナミックなリズムを刻んでいる。間奏部で聴ける暴風がさらに激化し「暴風雨」と化したノイズギターはジーザス&メリーチェイン (The Jesus and Mary Chain)ばりでメロディーもなく純粋な音響として直線的に鳴り響き続ける。
3 In a Different Place

1〜2曲目の暴風のようなノイズサウンドと打って変わって「和太鼓」のようなリズムと淡々としたアルペジオという構成ではじまる曲。本曲はグランジ的な「静」→「動」のダイナミズムを活かした曲であり「静」のパートで透明感のあるアルペジオを全面に押し出す。このあたりUKバンドらしい。
4 Polar Bear

「ジェット機が通り過ぎた」ような残響が終始リフレインされ、エフェクトを駆使した「揺れる炎」のようなギターサウンドは時間の経過と共に様々な色合に変化する「移り変わる空」を思わせる。本作の中で最も「シューゲイザー」的ば「極彩色サイケデリック」を感じる曲となっている。
5 Dreams Burn Down

ザ・キュアー(The Cure)彷彿の「氷細工」のようなアルペジオが淡々と鳴り響く中、時折現れる「頭のネジが完全に飛んでいる」かのように絶叫するノイズギターが氷の世界を切り裂く。ただこれを繰り返すだけなのだが、それがただただ気持ちいいという曲。

シューゲイザーUK代表といっていいライド(Ride)が1990年にリリースした作品。マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(My Bloody Valentine)がシューゲイザーの金字塔的アルバム「Loveless」をリリースする前年に本作はリリースされた。 マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(My Bloody Valentine)とはまた異なる特徴を持ち、ギターノイズがポストロック的な音響として使わ

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今や誰もが知っているビッグアーティストとなったコールドプレイ(Coldplay)が2000年にリリースした1stアルバム。メランコリックだが力強いボーカルラインと叙情的なギターサウンドが特徴でアルバムでギターロック期のレディオヘッド(Radiohead)に多大な影響を受けたと思われる叙情的なサウンドを聴かせてくれる。

メランコリックでダウナーな質感はありつつもボーカルラインに「力強い生命力」を感じる事ができる点が彼らの最大の魅力。本作がリリースされた当時は「90年代に活躍したUKアーティスト達」がアーティストエゴを爆発させ「シンプルなギターロック」をしなくなっていた。そんな中に現れたのがコールドプレイ(Coldplay)であり、叙情的でシンプルなギターロックを時代が求めていた「内省」と共に鳴らした。レディオヘッド(Radiohead)ファンの筆者としてはコールドプレイ(Coldplay)は認めたくはないが、認めざるを得ない「良質なバンド」という存在であるというのが正直なところだ。

    「要点」

  • 「力強い生命力」を感じるボーカルライン
  • 時代が求めていた内省的な美メロ
  • ベンズ期のレディオヘッド(Radiohead)好きにはおすすめ

「曲解説」

1 Don’t Panic

「憂鬱な月曜日の朝」のようなコードストロークではじまり(0:25〜)「まだ夢の中にいる」ようなドリーミーなギターサウンドが響き渡る。1stアルバムの1曲目から破格のクオリティを見せつける流れるような美旋律が堪能できるオープニングソング。ラスト10秒のクリス・マーティン(vo)の囁くような歌声は「夢の終わり」を告げるかのようだ。
2 Shiver

ギターロック期のレディオヘッド(Radiohead)彷彿のギターフレーズが印象的。コールドプレイ(Coldplay)とレディオヘッド(Radiohead)との違いは、「オルタナ的な壊れたノイズ感」の有無だと思う(どちらが良い悪いではなく)「夕暮れの空を自由に飛び回るコンドル」のようなスケールの大きなボーカルラインが素晴らしい。
4 Sparks

「真っ暗な部屋でベットに横たわっている」ような雰囲気の曲でまさに「内省」という言葉を音楽化したような曲。ラスト20秒の少しだけ温かみのある「ラララ〜ラ〜」というボーカルメロディーがせめてもの救いと言える。
5 Yellow

暗い部屋でメランコリックな気分に浸っていた少年(少女でもいいけど)が、外界にに向けて力強く1歩を踏み出したような力強くシンプルなオクターブ奏法が特徴のギターロックソング。歌詞カードの和訳を見るとメランコリックな要素はなく普通にラブソングだった。
10 Everything’s Not Lost

ピアノをフィーチャーしたしっとりとした冒頭から徐々に熱量の高いギターロックに変貌を遂げる今作のラストを飾る曲。曲が終わったと思ったら10秒ほどのブレイクがあり全く異なるメロディーを歌い始めるという粋な展開を見せる。

今や誰もが知っているビッグアーティストとなったコールドプレイ(Coldplay)が2000年にリリースした1stアルバム。メランコリックだが力強いボーカルラインと叙情的なギターサウンドが特徴でアルバムでギターロック期のレディオヘッド(Radiohead)に多大な影響を受けたと思われる叙情的なサウンドを聴かせてくれる。 メランコリックでダウナーな質感はありつつもボーカルラインに「力強い生命力」を感じ

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90年代後半〜00年代に数多く現れた内省的美メロを持つギターロックの元祖と言っていいアーティスト/トラヴィス(Travis)。本作では全編にわたり冷たく透明なギターフレーズが登場してリスナーを極寒の地に導き、全ての曲で統一されたビジュアルイメージがあると感じる。

トラヴィス(Travis)はレディオヘッド(Radiohead)やコールドプレイ(Coldplay)との共通性で語られることもあるアーティストだとは思うが、レディオヘッド(Radiohead)ファンの筆者から見てトラヴィス(Travis)がレディオヘッド(Radiohead)に似ていると感じた事はあまりなく、しいて似ている点を言えばボーカルがファルセットをよく使う点ぐらいではないだろうか思う。また歌詞に関してもレディオヘッド(Radiohead)の歌詞は「怒り」「憤り」を経ての「虚無感」とか「諦念」をテーマにしていると思うのだがトラヴィス(Travis) はWhy Does It Always Rain On Me?の和訳を読む限り「純粋な内省」という気がする。

    「要点」

  • 内省的美メロを持つギターロック
  • アルバムを通して冷たく透明な統一された雰囲気

「曲解説」

1 Writing To Reach You

「冷たく透明な真冬の青空」のようなコードストロークを中心に展開されるオープンニングソング。ギターソロはエモーショナルでシンプルなオクターブ奏法となっている。メロウな美メロをエモーショナルなファルセットで歌い上げる。
2 The Fear

レディオヘッド(Radiohead)の名曲「Karma Police」で聴けるような「ねずみ花火」を思わせるくるくる回るミニマムなループで幕をあける。ラスト1分から挿入される「強風のような音響」は「極寒の港町で別れを惜しむ恋人たち」のようなエモい風景を連想させる。
3 As You Are

「揺らめく炎」のような電子音とメロウなボーカルラインが中心の曲だが、少しづつ熱量を高めて(1:50〜)からフラン・ヒーリィ(vo)のエモーショルで掠れた叫びが爆発する。またギターソロ後に登場する暖かい歪んだギターフレーズは曲全体に灯をともすようだ。
7 Why Does It Always Rain On Me?

「なぜ僕にいつも雨が降りかかるんだ?」という内省の極致のようなタイトル。「過去の過ちが自分の人生から光を奪ってしまった 太陽が降り注いでいてもその光は届かない」らしいです。

90年代後半〜00年代に数多く現れた内省的美メロを持つギターロックの元祖と言っていいアーティスト/トラヴィス(Travis)。本作では全編にわたり冷たく透明なギターフレーズが登場してリスナーを極寒の地に導き、全ての曲で統一されたビジュアルイメージがあると感じる。 トラヴィス(Travis)はレディオヘッド(Radiohead)やコールドプレイ(Coldplay)との共通性で語られることもあるアーテ

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