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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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メランコリックな90年代UKロックからの影響をダイレクトに音楽化した1stアルバムから1年後にリリースされた2ndアルバムで「曇り空」「雨雲」という形容がよく似合う彼等らしいギターサウンドにサイケデリックロックやアコースティックの要素が加えられている。

2000年前後は彼等が多大な影響を受けたであろう90年代UKギターロックアーティスト達が「アーティストエゴを大爆発させた」プログレ・アート作品をリリースし音楽シーンに大きな衝撃を与えたのだが、このような状況下に置いても彼等は愚直なまでに「ルーツミュージックからの影響を自分たちなりに鳴らす」という方向性でボーカル・ギター・ベース・ドラムというミニマムな形式に拘り自分たちの可能性を模索した。

「メロディーラインの素晴らしさ」という点においては前作に1歩譲るが、彼等らしい拘りが詰まったUKロックアルバムとなっている。

    「要点」

  • ・前作同様、愚直なまでにルーツミュージックからの影響を自分たちなりに鳴らしている
  • ・「9 そのスピードで」では「冷たい花を蹴り散らす」だけでは物足りず「泥だらけの靴を蹴っ飛ばす」

「曲解説」

1 BYE! MY BOY!

「雨雲」のようなダークさを感じる音響が印象的なUKギターロックで前作に収録されている曲より低音が強調されたサウンドとなっている。歌詞は「永遠を誓った二人が永遠にSA YO NA RAする」というセンチメンタルな内容である。
2 愛の❤️愛の星

「瑞々しい光」と「メランコリックな質感」がタペストリーのように絡まる曲。歌詞は不安や憂鬱な気持ちからネガティヴに塞ぎ込んでいる主人公をなんとか救いたいという内容であり川瀬智子(vo)の母性を感じる。サウンドは「ありふれた晴れた午後」のようなイメージである。
4 CALL MY NAME (ENGLISH VERSION)

インド音楽に傾倒しているUKサイケロックからの影響が感じられる曲でザ・ブリリアント・グリーン(the brilliant green)らしい気怠いギターロックと「泥酔した時に見る月」のように揺らめくオルガンサウンドが絡まる(3:25〜)ギターソロは「鼓膜に絡みつく」ような濃厚なサイケサウンドとなっている。
5 Maybe We Could Go Back To Then (76 VERSION)

「湿り気を帯びた土道に足跡を残して歩く」ような暗さを感じるアコースティックソングでシンプルなコード進行と川瀬智子(vo)の「気怠い囁き」のようなボーカルのみで成立している。
7 FUNNY GIRLFRIEND!!

ゆったりと曇ったUKギターサウンドを中心に展開される王道ブリグリチューン。歌詞は「チューイングガムで風船を作りながらアイスクリームを食べる」シュールでクレイジーな友達についてである。
9 そのスピードで

「冷たい花を蹴り散らす」だけでは物足りず「泥だらけの靴を蹴っ飛ばす」というバイオレンスなフレーズで幕をあけるヒットシングル。歌詞は「小さな物語をなくした夜に天使に魔法をかけられた」という意味深なものとなっている。

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