検索画面を消す
検索画面を消す
live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

投稿詳細ページ

前作のアルバムタイトルの中にあった「もっと!」を「毎日」に変更しただけという省エネなタイトルが微笑ましいチェッカーズ(THE CHECKERS)の3rdアルバム。

サウンドは前作と比較して「垢抜けたサウンド」となっており、二ューウェイブ的なダークさを反映した「3 ジュリアに傷心」「8 ジェイルハウス・ラヴ」ギターサウンドが「ガラスの破片」のような音色を奏でる「7 You Love Rock’n’ Roll」など当時のポップ・ミュージックのトレンドを意識してたと思われる曲が収録されている。

また歌詞は良くも悪くも「ド直球」なものが多く「過去の恋愛」「失恋」をテーマにしたものであっても 気持ち良い位に「露骨な未練」が存在し、また「好きな女を落としたい!」という攻めのラブソングにおいても肉食的にグイグイと容赦なく攻めるスタンスを見せる。チェッカーズ(THE CHECKERS)の歌詞には「アイドルだと思って舐めんなよ!」と言わんばかりのツッパリイズムが存在する。

    「要点」

  • ・歌詞は良くも悪くも「ド直球」なものが多く「露骨な未練」や「肉食的にグイグイと容赦なく攻めるスタンス」を描いている
  • ・前作のアルバムタイトルの中にあった「もっと!」を「毎日」に変更しただけという省エネなタイトルが微笑ましい

「曲解説」

1 クレイジー・パラダイスへようこそ

濃厚な祝祭性を感じるクレイジーなポップソング。華やかなサックスが印象的なアーバンな曲だが、ベースラインだけが淡々とマイペースに鳴り響いている(1:50〜)「祭の後」のような静けさの中でフィンガースナップが鳴り響く。
3 ジュリアに傷心

傷心と書いて「ハートブレイク」と読む80年代的な粋を感じる代表曲。イントロでは「忍者」のようなダークでバタついた二ューウェイブ風のリズムを聴くことができる。チェッカーズ(THE CHECKERS) らしい灼熱のサックスサウンド、ドゥーワップ風コーラスはもちろん健在だが、この曲のリズムには他の曲にはない鋭角的な響きがあると感じる。歌詞は過去の恋愛を回顧したものであり「オレはやり直したい」「ラストダンスは一人じゃ踊れない」などのラインが印象的で「露骨な未練」を歌っている。
6 P.M.9:00のシンデレラ

トリッキーでアダルトな質感のサックスフレーズで幕をあける曲であり、よく聴いてみるとシンセサウンドが浮遊感を演出している。歌詞には「ロマンティックな装飾」がなされているがシンプルに言うと「親が厳しく門限が設けられている可愛い女の子に対して今日だけは親に嘘をついてでもオレといろ」という内容で男のエゴイズムを歌っている。
7 You Love Rock’n’ Roll

タイトル通りチェッカーズ(THE CHECKERS)流のシンプルなロックンロール。ギターには「ガラスの破片」を連想するようなエフェクトが掛けられている。「お前がオレのRock’n’ Roll」との事だ。
8 ジェイルハウス・ラヴ

ダークな二ューウェイブのような雰囲気がある曲で僅かではあるが少しB級V系の匂いもする異色作。メインフレーズの中に登場する藤井尚之(sax)のサックスサウンドは「ファミコンのボタンを連打する」ようにリズミカル(1:34〜)サックスソロは「スペーシーなシューティングゲーム」のようである。
10 哀しみのヴァージン・ロード

清らかなストリングスをフィーチャーした力強いバラード。歌詞の内容は大好きな女の人が自分とは違う男と結婚してショックなハズなのに、格好をつけて「幸福になれよ、オレの分まで」と粋なセリフを吐くというもの。「哀しみはオレに置いてけ」というフレーズも昭和なテイストMAXである。

このレビュー記事をSNSでシェア