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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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80年代を象徴する男性アイドルグループ・チェッカーズ(THE CHECKERS)の2ndアルバム。

「シンプルでちょっとおバカなロックンロール」「ノリノリのポップス」「背伸びした感が半端ないバラード」などをバランスよく配置した内容となっており「極端に高低を強調したドゥーワップ風コーラス」や「曲に様々な表情を与える藤井尚之のサックスサウンド」が非常に印象に残る。現在の感覚で言うとサウンド的にはアイドルの要素はほとんどないと思われる。

テクノポップ、パンク・ニューウェイブ以降のポップシーンの中でギタリストがあまり主張をしない点、またシンセサウンドが全く登場しない点などを考えるとむしろ「渋い趣味」と言っていいサウンドとなっている。

    「要点」

  • ・アイドルグループではあるが、むしろ「渋い趣味」と言っていいサウンド
  • ・「1 今夜はCまでRock’n’ Roll」における「自慢のギターはいつでもGINGIN」なるラインは軽い下ネタであろう

「曲解説」

1 今夜はCまでRock’n’ Roll

「big starの恋の苦悩」をテーマにした青臭くちょっとおバカな歌詞が印象的な曲で「ご機嫌なハイスクールライフ」のようなサックスが淡々としたサウンドにアクセントを与えている(0:38〜、2:21〜)「自慢のギターはいつでもGINGIN」なるラインが登場、タイトルやちょっとおバカな歌詞の内容から考えて「軽い下ネタ」であると思われる(1:25〜)「Rock’n’ Roll」というフレーズをチェッカーズ特有の「極端に高低を強調したドゥーワップ風コーラス」で分解している(1:30〜)藤井尚之(sax)によるサックスソロは「コクのある赤ワイン」のような音色を奏で「Cまでいった男の興奮」を代弁するかのように響き渡る。
2 哀しくてジェラシー

「本気で愛しているがすれ違う男女」の哀しいジェラシーをテーマにしたヒットシングル。サビは「愛されてるのに」というフレーズを 「愛」「され」「てる」「のに」というセクションにわけて一つ一つ丁寧に輪唱するというチェッカーズ(THE CHECKERS) らしい展開となっている。この曲における藤井尚之(sax)のサックスプレイは「砂漠を彷徨う細い蛇」のようである。
4 恋のGO GO DANCE!!

「ダンスパーティー」に参加しているかのような錯覚に陥るSEから始まるノリノリの曲。「裏でリズムをとっている」カッティングギターを中心に展開されるサウンドの合間を華やかなサックスと「ダンスパーティーを傍観している」かのようなマイペースなベースラインがすり抜ける。歌詞の内容は「可愛いあの子を絶対に落としてやる!」的な鼻息の荒いものとなっているが、あまりにもGO GO DANCEし過ぎている為、意味不明でカオスなものとなっている。
6 星屑のステージ

「もう二度と会えない人との誓い」を守り「ただ一人、星屑のステージで歌う」という色んな意味で切ないバラード。「流星がきれいだね、おまえの流した涙のようさ」というラインからタイトルである「星屑のステージ」とは「涙のステージ」をロマンティックに変換したものであると思われる。また「涙をしきつめて」というラインは「涙を土につめて」という風に聴こえる。この曲が第57回選抜高等学校野球大会の入場行進曲に採用された(wiki)事には不思議な納得感がある。
8 ジョニーくんの愛

ベースがメインリフを奏でるシンプルなロックチューン(1:55〜)ギターソロはプリングを多用したフレージングで少しキャロル(CAROL)っぽい。歌詞は「すべてを知りたがる女」と「すべてを明かさない男」の関係をテーマにしている。主人公のジョニーは「嘘つきだけど女の扱いが上手い」という中々の奴である。
10 ティーンネイジ・ドリーマー

「多感な10代を一緒に過ごしたお前」に対する切ない心情を吐露するバラード。「夢をなくせば、俺たち哀しいただの不良だよ」というラインは「昔ヤンチャしていた全ての人の心」にエモくそして重く響くであろう。

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