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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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90年代後半〜00年代に数多く現れた内省的美メロを持つギターロックの元祖と言っていいアーティスト/トラヴィス(Travis)。本作では全編にわたり冷たく透明なギターフレーズが登場してリスナーを極寒の地に導き、全ての曲で統一されたビジュアルイメージがあると感じる。

トラヴィス(Travis)はレディオヘッド(Radiohead)やコールドプレイ(Coldplay)との共通性で語られることもあるアーティストだとは思うが、レディオヘッド(Radiohead)ファンの筆者から見てトラヴィス(Travis)がレディオヘッド(Radiohead)に似ていると感じた事はあまりなく、しいて似ている点を言えばボーカルがファルセットをよく使う点ぐらいではないだろうか思う。また歌詞に関してもレディオヘッド(Radiohead)の歌詞は「怒り」「憤り」を経ての「虚無感」とか「諦念」をテーマにしていると思うのだがトラヴィス(Travis) はWhy Does It Always Rain On Me?の和訳を読む限り「純粋な内省」という気がする。

    「要点」

  • 内省的美メロを持つギターロック
  • アルバムを通して冷たく透明な統一された雰囲気

「曲解説」

1 Writing To Reach You

「冷たく透明な真冬の青空」のようなコードストロークを中心に展開されるオープンニングソング。ギターソロはエモーショナルでシンプルなオクターブ奏法となっている。メロウな美メロをエモーショナルなファルセットで歌い上げる。
2 The Fear

レディオヘッド(Radiohead)の名曲「Karma Police」で聴けるような「ねずみ花火」を思わせるくるくる回るミニマムなループで幕をあける。ラスト1分から挿入される「強風のような音響」は「極寒の港町で別れを惜しむ恋人たち」のようなエモい風景を連想させる。
3 As You Are

「揺らめく炎」のような電子音とメロウなボーカルラインが中心の曲だが、少しづつ熱量を高めて(1:50〜)からフラン・ヒーリィ(vo)のエモーショルで掠れた叫びが爆発する。またギターソロ後に登場する暖かい歪んだギターフレーズは曲全体に灯をともすようだ。
7 Why Does It Always Rain On Me?

「なぜ僕にいつも雨が降りかかるんだ?」という内省の極致のようなタイトル。「過去の過ちが自分の人生から光を奪ってしまった 太陽が降り注いでいてもその光は届かない」らしいです。

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