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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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「本当にデビューアルバムなのか?」そして何より「本当に15歳なのか?」と日本の音楽シーンに大きな衝撃を与えた宇多田ヒカルのデビューアルバム。

「ロック至上主義な日本の音楽シーン」の流れを完全にかえた金字塔的なアルバムであり、デビューアルバムでありながら「完成されたクールでモダンなサウンド」が収録されている。歪んだギターサウンドを導入している曲は「2 Movin’ on without you」位であり「クール」「ディープ」「モノトーン」と形容したくなるベールラインが非常によく目立つ。また宇多田ヒカルのボーカルラインには「良質な歌謡性」があり洋楽「R&B」に馴染みがない層にも「ハイクオリティなポップ・ミュージック」としてダイレクトに届いた。本作はCDバブル絶頂期を象徴するアルバムの一つであり過去最高レベルの天文学的なセールスを記録した。

    「要点」

  • ・「ロック至上主義な日本の音楽シーン」の流れを完全にかえた金字塔的なアルバム
  • ・「2 Movin’ on without you」「枕元のPHP」というフレーズから「強烈な90年代の香り」がする

「曲解説」

2 Movin’ on without you

ロック的な歪みギターを導入したアーバンなポップソングで歌詞の内容は「彼氏の浮気」を疑いつつも「彼氏からの電話を待ちわびている」ティーンエイジャー女子の心情を歌っている。「1 Automatic」同様に「枕元のPHP」というフレーズから「強烈な90年代の香り」がする(3:25〜)「10代の強烈な独占欲」を端的に表した「戸惑いながらでもいいから愛して欲しい」という切なすぎるワードが登場。
3 In My Room

タイトなビートと「夢の中」のような浮遊感が印象的なミドルテンポのR&B(1:25〜、3:38〜) 「渋谷のクラブ」を連想するDJスクラッチが挿入されシンプルな曲にエッジを与える。歌詞は意味深で「現実も夢も目を閉じれば同じ」で「in my roomで君と夢にエスケープしたい」という内容。「夢の中の妄想」は現実以上にトキメクという事だろうか?と考察してみる。
4 First Love

全ての日本人の琴線に触れる歌謡性が魅力のバラードで人気ドラマの主題歌にも起用された。「春の訪れ」のようなストリングスとピアノの調べを中心に構成されたシンプルで静かなサウンドにのせて、宇多田ヒカルが「初恋の終わり」を力強く歌い上げる。「明日の今頃はきっと泣いている」というフレーズから「恋人に別れを告げる直前」の瞬間的な感情を鮮やかに描いていると思われる。老若男女問わずリスナーに「10代のあの頃」を思い起こさせる名曲。
5 甘いワナ 〜Paint It, Black

「軟体動物」のように動くベースラインがインパクト大のファンキーソングでメカニカルなカッティングギターと「賑わう街角」のようなサックスがアダルトな雰囲気を醸し出している(2:10〜)「メロウな昼下がり」のような静パートが挿入され「あなたの鎖が心地よくなっていた」と心地よい束縛を静かに歌い上げる。終盤は「ガラス越し」のような音響が強調され直線的なギターサウンドが無機質にループされる展開である。
7 Never Let Go

サンプリングされたミニマムで耽美的なアルペジオが無限ループされ「夢の世界」のようなドリーミーな音響を感じるサイケなR&B(1:20〜、2:20〜)「迷走」のようなダークを感じるベースラインが挿入され「夢の世界」が一瞬黒く染まる。
8 B&C -Album Version-

「黒蛇」のように底でうねるモノトーンなベースラインが印象的なポップソング。サビのボーカルラインは「J-POP的なカラフルな色彩」を感じるものとなっている。
9 Another Chance

「アダルトなシティポップ」のような雰囲気を感じる曲でクールな低音とスペーシーなシンセを中心に構成されたサウンドとなっている。全編を通して「深夜」のようなディープさを感じる事ができる。
11 Give Me A Reason

「田園」のような牧歌的な雰囲気のイントロから「ディープな都会」のようなR&Bに移行する曲。「暗黒」のようなダークを感じるベースラインがインパクト大でマッシヴ・アタック(Massive Attack)などのトリップホップ勢からの影響が感じられるサウンドとなっている(3:28〜)珍しくアーバンでミニマムなギターソロが登場。

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